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造園工事において、管理業務や現場従事者の統括として活躍が見込まれる1級造園施工管理技士。
設計から竣工までを一通り受け持つ立場のため、大きな責任感が伴う一方でやりがいを感じられる機会も多いといった魅力があります。
今回は1級造園施工管理技士の概要と試験の難易度、平均年収などを紹介します。
造園工事に興味がある人や造園業界でキャリアアップしたい人はぜひ参考にしてください。
1級造園施工管理技士とは
1級造園施工管理技士とは、造園工事における、工程・安全・品質等を管理できる国家資格のことです。
造園工事と一口に言っても、公園や道路の緑地整備のほか、商業施設や一般住宅などの造園現場に従事するなど、現場は多岐にわたります。
このように1級造園施工管理技士は、造園会社に限らず、土木会社や建設会社など幅広い業種での活躍が見込める資格と言えます。
2級造園施工管理技士との違い
造園施工管理技士は、1級と2級の2つあります。
それぞれの違いは下表の通りです。
1級造園施工管理技士 | 造園工事現場への配置が義務づけられている監理技術者・主任技術者になれる 請負金額4,500万円以上の造園工事も受注でき、大規模な工事現場での活躍が見込める 2級造園施工管理技士 |
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主任技術者になれる | 請負金額4,500万円以下の造園工事を受注でき、中小規模の工事現場での活躍が見込める |
どちらも主任技術者になれるものの、1級は主任技術者以上の立場である監理技術者として、工事に従事する人の指導・監督業務が可能になります。
請負金額も4,500万円以上と非常に高額であることから、大規模な造園現場での活躍を望む人にはおすすめの資格と言えるでしょう。
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1級造園施工管理技士の合格率と難易度
造園施工管理技士は国家資格のため、取得を目指すには国家試験を突破しなければなりません。
また国家試験には、学科試験に位置する第1次検定と実務試験に位置する第2次検定の2つあり、それぞれに合格する必要もあります。
令和1年から令和5年の合格率は、第1次検定で35〜44%、第2次検定で39〜46%とどちらも比較的高いです。
年度によって30%台という低い合格率の時もあるので、試験対策を入念に行うことで突破できる難易度と言えます。
参考:国土交通省|令和元年度 電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表
参考:国土交通省|令和2年度 管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表
参考:国土交通省|令和3年度管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
参考:国土交通省|報道発表資料:令和4年度管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
参考:国土交通省|技術検定令和5年度受験者数・合格者数
1級造園施工管理技士の試験内容
1級造園施工管理技士検定の試験内容は下表の通りです。
第1次検定 | ・2時間30分の四肢択一式 ・全65問中正答率60%以上 ・出題範囲
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第2次検定 |
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試験における概要は下表の通りです。
受検手数料 | 第1次検定:14,400円(非課税) 第2次検定:14,400円(非課税) |
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試験地 |
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なお令和6年より受験資格が変更されます。
新受験資格は、令和3年度以降の1級第1次検定に合格し、かつ定められた実務経験を有していることです。
実務経験の詳細については、全国建設研修センターホームページをご確認ください。
参考:一般財団法人 全国建設研修センター|1級造園施工管理技術検定
造園施工管理技士の平均年収
厚生労働省が管轄の職業情報提供サイト「jobtag」によると、造園施工管理技士を含む造園工の平均年収は約374.4万円でした。
年齢別の年収を見ると、45〜50歳に458万円とピークを迎えることから、経験年数によってより高い年収が見込めると考えられます。
ただし、同省の年収は造園技能士や2級造園施工管理技士も含まれていると考えられるため、参考程度に留めることをおすすめします。
参考: job tag|造園工
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1級造園施工管理技士を取得するメリット
ここからは、1級造園施工管理技士を取得するメリットを紹介します。
間接的に社会貢献に繋がる
1級造園施工管理技士は、人々が安心して利用できる場所になるよう、工事スケジュールに沿って品質・安全管理を行いながら現場の竣工を目指します。
造園工事が終わり、その場所が緑地に変わると、やがて多くの人が訪れ、休憩所や遊ぶ場所として利用します。
人々が集い、憩いの場や遊び場として活用できる場所を作るということは、間接的に社会貢献に繋がっていると考えられます。
インフラ工事のように人々の生活に直接関わる業務ではありませんが、自然を感じられる空間を作ることは、多くの人にとって貢献度の高い仕事と言えるでしょう。
需要が高い
1級造園施工管理技士は監理技術者として活躍できる資格である一方、需要が高いのもメリットです。
監理技術者は、請負工事金額4,500万円以上と大規模な工事現場に配置が義務づけられている技術者。
そのため、造園会社をはじめ、土木・建設会社が大規模な造園工事を請け負う際に不可欠な存在です。
また、1級造園施工管理技士の存在によって会社の工事規模も広がるので、会社の利益率向上に貢献できるのもメリットです。
ステップアップや年収アップが目指せる
1級造園施工管理技士は、造園施工における知識・技術が高いと認められた人に与えられる資格です。
そのため、これまで作業員として働いていた人でも資格取得によって確実にステップアップできるといったメリットがあります。
また、会社によっては資格手当を支給するケースもあるので、今以上の年収を得られる可能性が高まるのも大きなメリットと言えるでしょう。
1級造園施工管理技士を取得!おすすめの勉強法
ここからは1級造園施工管理技士を目指す上でおすすめしたい勉強法を紹介します。
試験日までのスケジュールを立てる
まずは試験日までのスケジュールを立てましょう。
例えばすでに働いている人の場合、毎日勉強しようと考えても急な予定によっては思うように取り組めないことも。
そのようなときがあっても難なく続けられるよう、1時間勉強するといった達成しやすいスケジュールを平日あるいは週末に限定して組んでみましょう。
1週間や10日など続けられたときは、さらにもう1時間勉強時間を増やすなど工夫することで、自分に負担のない範囲で試験勉強を続けられます。
過去問は徹底的にやりこむ
国家試験と聞くと、試験突破は困難といった印象を持つ人も多いでしょう。
そのような試験への不安を解消するためには、過去問を徹底的にやりこみ、問題の傾向を掴むのがおすすめです。
試験の傾向を掴むことで問題のくせに慣れることができます。
問題に慣れてしまえば、「該当しないものを選択しなさい」「該当するものを選択しなさい」といった引っかけ問題が出題されても、問題の本質を捉えているので、冷静な判断で解答できます。
可能なら講習や通信講座も併用する
独学での国家試験突破も可能ではありますが、一人で勉強する中では分からない問題があると誰かに質問したくなるときも。
分からない問題をそのままにしておくと、得点を逃すことにつながります。
独学でも基礎知識を漏れなく身につけるためには、講習や通信講座の併用がおすすめです。
これらを活用することで専門知識を持つ人に質問できたり、分かるまで説明を受けられるので、分からない問題を減らしながら基礎知識を身につけることができます。
隙間時間を活用する
1日1時間の勉強だけでは不安に感じる人も多いでしょう。
そのようなときは、通勤・通学時間といった隙間時間を使って試験対策を行いましょう。
隙間時間にテキストや過去問を開くと時間をロスしてしまうので、YouTubeの試験対策動画の視聴や、問題集アプリを活用するのがおすすめです。
この機会にさまざまなツールを使って試験突破を目指しましょう。
1級造園施工管理技士を目指そう!
1級造園施工管理技士は、請負金額4,500万円以上と大規模な造園工事にも従事できる監理技術者として、長期にわたって活躍できる国家資格です。
難易度は第1次・第2次どちらも30〜40%台であることから、試験対策を入念に行うことで突破できる難易度と考えられます。
造園・土木・建設業界の造園工事で技術者として活躍したい人は、この機会に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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