建設業界の資格

2級土木施工管理技士って?1級との違いや合格率を解説

土木施工管理技士の資格には、2級と1級があります。

資格を取得する際、それぞれの違いについて把握し、必要に応じて目指すべき資格を決めることは大切な工程の一つでもあります。

そこで今回は、2級土木施工管理技士の特徴と1級との違い、合格率について解説します。

「自分にとって2級と1級のどちらがふさわしいのだろう」「どちらを取得しておくと今以上に業務幅が広がるだろう」といった疑問がある方は、ぜひ最後までチェックしてください。

2級土木施工管理技士とは


2級土木施工管理技士とは、主任技術者として工事現場で活躍できる、建設業法に基づいた国家資格のひとつのことです。

現場における工程・品質・安全といった管理業務に携わるためには、この2級土木施工管理技士の資格が必要となり、会社によっては取得するよう促されることも少なくありません。

工事内容は3つに分かれていることから、取得を目指す際はそれぞれで検定科目および第二次検定の実務経験内容が異なることに注意が必要です。

1級土木施工管理技士との違い

2級土木施工管理技士と1級土木施工管理技士には請負総額や技術者としての立場、受験資格等に違いがあります。

資格の名称 概要
2級土木施工管理技士
  • 下請の主任技術者になれる
  • 請負総額は4,000万円以下に限られる
  • 1級に比べて請負総額が限定されているが、下請の主任技術者として現場管理業務を担うことができる
  • 受験年度末時点の年齢が17歳以上
  • 第一次検定合格後、実務経験3年あるいは2級第一次検定合格後、実務経験1年あること
1級土木施工管理技士
  • 下請の主任技術者および元請けの監理技術者になれる
  • 請負総額4,000万円以上の現場に配置されることが義務づけられており一定の需要がある
  • 受験年度末時点の年齢が19歳以上
  • 1級第一次検定合格後、特定実務経験1年を含む実務経験年数が3年以上あること

1級土木施工管理技士は2級土木施工管理技士の上位資格といった位置づけであることから、2級土木施工管理技士は登竜門的な存在と言えます。

それぞれの受験資格等も異なるので、取得を目指すときは自分がどちらに該当しているかを確認する必要があります。

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2級土木施工管理技士の試験


2級土木施工管理技士は、3つの検定区分があり、それぞれで受験資格が異なります。

検定区分 受験資格など
第一次検定・第二次検定
  • 土木工事の施工管理業務に従事し、所定の実務経験を積み、受験資格を満たしている人

※この区分で受験申込を行った場合、第一次検定を欠席後、第二次検定だけを受検することはできない

第一次検定 受験年度末に年齢が17歳以上になる人
第二次検定
  • 2級第⼀次検定合格後、実務経験が3年以上ある人
  • 1級第一次検定合格後、実務経験が1年以上ある人
  • 技術士第二次試験合格後、実務経験が1年以上ある人

ここではそれぞれの合格率と難易度、試験概要について解説します。

参考:一般財団法人 全国建設研修センター|2級土木施工管理技術検定のご案内
参考:一般財団法人 全国建設研修センター|受検の手引(2級第二次検定) 新受検資格

2級土木施工管理技士の合格率・難易度

総合資格学院の調査結果を参考にしたそれぞれの過去5年間の合格率は下表の通りです。

実施年度 試験種類 合格率
令和2年
(この年まで学科が第一次、実地が第二次試験)
学科試験
(前期)
中止
学科試験
(後期)
67.0%
学科・実地試験 72.6%・42.2%
令和3年 前期 70.3%
後期 70.9%
第一次・第二次検定 73.6%・35.7%
令和4年 第一次検定
(前期)
63.4%
第一次検定
(後期)
62.2%
第一次・第二次検定 65.3%・37.9%
令和5年 第一次検定
(前期)
42.9%
第一次検定
(後期)
50.6%
第一次・第二次検定 54.3%・62.9%
令和6年 第一次検定
(前期)
43.0%

2級土木施工管理技士の合格率は、第一次検定の場合43〜73%と年々増加傾向にあることが分かるものの、第二次検定は37〜62%と各年で大きく波があることが分かります。

このことから第一次検定は比較的狙いやすいものの、第二次検定では一気に難易度が上がることを予想し、入念な試験対策を行うことが合格の近道と言えるでしょう。

2級土木施工管理技士の試験概要

2級土木施工管理技士はインターネットまたは書面のいずれかで申し込みが可能です。

申込用紙はインターネットあるいは窓口にて購入でき、「第一次検定・第二次検定」「第二次検定のみ」の2種類で1部各1,000円(税込)です。

ただし、第一次検定のみの申込用紙は販売されていないので、受験の際は注意してください。

受験料は「第一次検定・第二次検定」で10,500円(非課税)、第一次、第二次検定で各5,250円(非課税)です。

試験地や試験日合格発表日等は一般財団法人全国建設研修センターホームページより確認できるので、興味のある方は併せてご確認ください。

2級土木施工管理技士を取得するメリット


ここでは2級土木施工管理技士のメリットを紹介します。

業務幅が広がる

2級土木施工管理技士の取得によって、土木工事現場で主任技術者としてあらゆる管理業務を受け持つことができます。

現場作業員の統括をはじめ、資材の品質・在庫の管理、工期管理などさまざまな業務に携わることができるので、これまで以上に業務幅が広がるといったメリットがあります。

企業評価に貢献できる

さまざまな業務に携われることから、在籍する会社の対応可能業務が広がり、売上や業績に貢献できるのもメリットです。

業績が上がることは企業にとってもメリットなので、自分の努力が企業評価につながるのは資格取得でみられる最大のメリットと言えるでしょう。

キャリアアップの軸になる

2級土木施工管理技士の取得によって業務幅が広がることから、それぞれの業務を真面目に取り組むことで昇格・昇進といったキャリアアップにつながる可能性もあります。

これまで土木作業員として働いていた人も資格取得によってこれまでの経験を活かしながら管理業務に携われるので、今までとは違ったキャリアを形成したいといった方におすすめです。

2級土木施工管理技士のキャリアパス


2級土木施工管理技士の取得によってさまざまなキャリアパスがあります。

ここでは一部ではありますが、具体的なキャリアパスを紹介します。

主任技術者として活躍する

2級土木施工管理技士の取得によって土木工事現場の主任技術者として管理業務に携わることができます。

工事現場では現場作業員や資材、工期などさまざまな管理業務が求められることから、大変に思うことがある一方で、大きなやりがいを感じることもできます。

1級取得のステップアップ

2級土木施工管理技士は、主任技術者や請負総額4,000万円以下の工事に携われるといった特徴があります。

一方、1級土木施工管理技士の取得によっては、請負総額4,000万円以上の大きな工事現場で監理技術者として活躍できるなど、更なるキャリアアップが見込めます。

そのことから、1級取得のステップアップとして2級を取得している人も多いです。

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2級土木施工管理技士を目指す|おすすめの勉強法


2級土木施工管理技士を取得する上でおすすめの勉強法は以下の通りです。

  • 問題集を繰り返し解く
  • 得意分野を作り満点を目指す
  • 実地で技術・知識を身につける
  • 隙間時間を有効活用する
  • 上記を表で簡単にまとめる

第二次検定の難易度に波があることを踏まえ、自分の得意分野を見つけるなどの対策を講じながら合格を目指しましょう。

2級土木施工管理技士を目指してみよう!

2級土木施工管理技士の取得によって、請負総額4,000万円以下の土木工事現場において主任技術者という立場であらゆる管理業務に携われるようになります。

これまで土木作業員として働いていた人も、これまでの現場での経験が活かせる資格なので、この機会に取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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