建設業界の資格

1級管工事施工管理技士とは?難易度と合格率・資格試験の内容やスケジュールを徹底解説

1級管工事施工管理技士って何?
1級管工事の試験は難易度が高い?
1級管工事に受かるための勉強法が知りたい!

こんな疑問にお答えします。

この記事でわかること

  1. 1級管工事とは
  2. 1級管工事の試験概要
  3. 1級管工事試験の勉強方法や試験対策
  4. 1級管工事施工管理技士を取得することのメリットや意義
  5. 1級管工事の合格率

1級管工事に興味があるものの、どんな資格かよくわからないという方もおられることでしょう。

この記事では1級管工事について、その役割や仕事内容、取得方法やメリットなどをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、1級管工事に関する理解を深め、試験に対策する助けとなることでしょう。 

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1級管工事施工管理技士とは?

管工事施工管理技士は、配管工事における国家資格。

その中でも1級は最上位で、大規模な工事の指揮をとるスペシャリストです。

ここでは、1級管工事施工管理技士の役割や要件に迫ります。

そもそも管工事施工管理技士とは何?

管工事施工管理技士は、建築や設備工事において不可欠な資格であり、特に配管工事のスペシャリストです。

ガス・水道・ダクトなどの配管工事を計画し、実施する上での技術的責任者としての役割を果たします。

この資格を持つことは、施工プロセス全体を通して品質と安全性を確保し、現場作業員の指導と調整を担当する重要な役割を果たすことを意味します。

1級管工事施工管理技士の資格概要

1級の管工事施工管理技士は、そのスキルや知識が最高水準であることを証明しています。

この資格を取得するには、大学で特定の学科を卒業し、実務で経験を積んだ後に国土交通大臣指定の国家試験に合格しなければなりません。

1級保有者は、一般建設業の特定建設業において「監理技術者」として従事できます。

また、事業所の経営事項審査において技術力を証明し、工事入札時の入札資格にも影響を与えます。

1級は大規模な建設工事の指導的役割を担うため、経験とスキルが非常に高度であると言えるでしょう。

2級管工事施工管理技士との違い

1級と2級の主な違いは、1級が特定建設業において監理技術者として従事できる点です。

一方で、2級では監理技術者になることができません。

これは、大規模な建設工事において技術的な責任を負う役割であり、1級はそのような重要なポジションを担う能力を持っていることを示しています。

1級は技術的リーダーシップを発揮する役割を果たします。

一方、2級はよりサポート的な役割を担いつつ、経験を積んでステップアップするためのステップとして位置づけられています。

1級管工事施工管理技士は難易度が高い?

1級管工事施工管理技士の合格率は国家試験としては比較的高いですが、第一次検定と第二次検定の難易度は異なります。

第一次検定は幅広い科目が出題され、合格率は年度によって30~50%前後で変動します。

基本的には過去問の傾向を理解し、理論をしっかりと理解する必要があるでしょう。

第二次検定の合格率は高く、さらに2級経験や実務経験があることで有利になります。

しかし、年度によって難易度は変動し、新しい問題が出題される可能性もあります。

1級取得は実務経験が長いほど有利で、2級を経ずに1級に挑戦することも可能です。

資格取得はキャリアアップに繋がるため、長期間携わるつもりのある方にはおすすめです。

ただし、広範な知識や理論理解が必要で、過去問の継続的な学習が鍵となります。

1級管工事施工管理技士の合格率

1級管工事施工管理技士の合格率は、「第一次検定」と「第二次検定」に分かれています。

平成25年から令和4年までのデータを見ると、第一次検定の合格率には変動があります。

平成25年から平成30年にかけては30%以上を保ちつつも、令和元年以降は低下傾向にあり、令和3年では24%まで低くなりました。

令和4年においては42.9%に回復していますが、合格率の上昇にはまだ課題が残ると言えます。

第二次検定の合格率は平成25年から令和4年まで一貫して安定しています。

平均して50%以上を保ち、特に令和3年度は73.3%と非常に高い合格率を記録しました。

これは、第二次検定が実地試験から改称されたにもかかわらず、安定した難易度が続いていることを示しています。

令和4年においても57.0%となっており、依然として高い合格率が維持されています。

総じて、1級管工事施工管理技士の検定全体として第一次検定が厳しくなりつつある一方で、第二次検定は安定して高い合格率が続いています。

これらの傾向を踏まえて、対策を立てることが合格に向けて重要です。

データ参照:SAT

1級管工事施工管理技士試験の内容・スケジュール

ここでは、1級管工事管理技士試験の詳細をお伝えします。

第一次検定

【試験形式】マークシート方式

【合格基準】全体60%以上かつ施工管理法(能力問題)50%以上

【試験時間】午前 2時間30分、午後 2時間

【出題科目・午前

  • 機械工学等
  • 電気工学
  • 建築学
  • 空調・衛生
  • 設備
  • 設計図書

【出題科目・午後】

  • 施工管理法
  • 法規
  • 施工管理法(能力問題)

【令和3年度からの変更点】

  • 施工管理法(能力問題)が追加
  • 選択問題の一部が必答問題に変更

第二次検定

【試験形式】記述式

【合格基準】60%以上

【試験時間】2時間45分

【出題科目】

  • 施工管理法
  • 選択科目 2問
  • 自由記述 1問

【令和3年度からの変更点】

一部知識問題が第一次検定に移行

詳しい内容は、受験の手引きをご確認ください。

1級管工事施工管理技士の受験資格

ここでは、1級管工事施工管理技士を受験する資格について詳しく解説します。

第一次検定

受験資格は年度末時点での年齢が19歳以上であることです。

合格後、1級第二次検定を受験するには、特定実務経験1年を含む実務経験3年が必要です。

特定実務経験とは、請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験です。

第二次検定

第一次検定合格後、特定実務経験1年を含む実務経験3年が求められます。

旧受検資格では、1級第一次検定合格後に5年以上の実務経験で第二次検定を受験可能でした。

新受検資格では特定実務経験1年を含む3年以上の経験で受験可能になり、実務経験の選択肢が広がりました。

1級管工事施工管理技士の実務経験

管工事施工管理における「実務経験」は、管工事の施工計画作成から工程管理・品質管理・安全管理まで、技術的な職務経験を指します。

なお、経験は連続している必要はなく、それぞれの従事期間を合算して求められた年数に達していれば有効です。

以下に、実務経験として認められる内容を示します。

受注者(請負人)として施工を指揮・監督した経験

施工図の作成や補助者としての経験を含みます。

営業所の責任者として工事全体を管理し、指導監督的な立場での経験が対象となります。

発注者側における現場監督技術者等としての経験

現場監督技術者や補助者として、発注者(建設主)の立場での工事監督・管理に従していること。

施工者の立場ではなく、発注者側での経験が含まれます。

設計者等による工事監理の経験

設計者や他の関連職種と協力し、工事の監理や管理を行った経験です。

補助者としての経験も対象となります。

実務経験の証明とは?

1級管工事施工管理技士の試験に出願する際には、実務経験証明書を提出する必要があります。

実務経験証明書には、管工事の施工管理に関する業務に従事した期間や内容を記入します。

また、専任の主任技術者や監理技術者の経験がある場合や、職業訓練を受けた場合には、別の書類も必要になります。

実務経験証明書は、勤務先の会社による証明を受ける必要がありますので、申込締切日に間に合うように早めに手続きをしましょう。

実務経験を証明する方法は、以下の5つのケースに分けて説明します。

1.現在勤務中の方

現在勤務中の方は、実務経験証明書に以下の情報を記入します。

  • 現在の勤務先の会社名・所在地
  • 所属部署
  • 工事種別
  • 工事内容
  • 従事した立場
  • 在職期間
  • 実務経験年数

実務経験年数は、管工事の施工管理や施工監督、設計監理業務に携わった期間を算出します。

作業員や事務、営業、設計、保守点検、メンテナンス業務は、実務経験に含まれません。

配管工の業務は実務経験に含まれますが、指導監督的実務経験には含めません。

実務経験証明書の記入が終わったら、現在の勤務先の会社に証明を依頼します。

2.失業中の方

失業中の方は、実務経験証明書に以下の情報を記します。

  • 前職での勤務先の会社名や所在地
  • 所属部署
  • 工事種別
  • 工事内容
  • 従事した立場
  • 在職期間
  • 実務経験年数

もし前職での仕事が管工事と関係ない場合は、実務経験証明書に記載した直近の勤務先に証明を依頼してください。

離職の経緯によっては、証明を受けるのが難しい場合もあります。

その場合は、全国建設研修センターに相談してください。

3.派遣会社に所属する方

派遣会社に所属する方は、実務経験証明書に以下の情報を記します。

  • 派遣先での勤務先の会社名や所在地
  • 所属部署
  • 工事種別
  • 工事内容
  • 従事した立場
  • 在職期間
  • 実務経験年数

実務経験年数は、管工事の施工管理や施工監督、設計監理業務に携わった期間を算出します。

証明を受けるべき会社は、派遣会社が建設業許可を取得しているかどうかによって異なる点に注意しましょう。

建設業許可を取得している場合は、派遣会社のみに証明を依頼します。

建設業許可がない場合は、派遣会社と派遣先の会社の両方に証明を依頼します。

出願には、派遣者氏名・派遣期間・派遣元・派遣先を確認できる書類も用意しましょう。

4.職業訓練の受講履歴がある場合

職業訓練の受講履歴がある場合は、実務経験年数に訓練期間を算入できます。

ただし、以下の要件があります。

  • 指定学科一覧に掲載されている訓練校・訓練課程・訓練科を修了していること
  • 職業訓練は1つのみ、期間は実務経験年数の3分の2まで
  •  修了証明書または修了証書の写しを添付できること

実務経験証明書の記入要領:

  • 勤務先名・所在地
  • 所属(訓練科や課程の名称を具体的に記入)
  • 工事種別・工事内容(「職業訓練」)
  • 従事した立場(「訓練生」)
  • 在職期間
  • 実務経験年数

5.第一次検定のみ出願する方

第一次検定のみ出願する方は、2級管工事施工管理技術検定の合格者です。

この場合は、実務経験証明書は不要です。

ただし、2級の実地試験または第二次検定の合格日や合格番号を忘れずにチェックしておく必要があります。

1級管工事施工管理技士試験に受かるためのコツ

​​1級管工事施工管理技士試験は、合格に向けて計画的なアプローチが不可欠です。

そのため、試験勉強において効果的なコツをご紹介します。

本番までの勉強計画を立てる

一番最初に始める前に、勉強計画をしっかりと考えましょう。

この際、最小の労力で効果的なスケジュールを構築することが大切です。

無理せず実践可能な範囲で、平日と休日それぞれについて、具体的な勉強時間を計画します。

重要なのは「最小」ではなく「最小で確実な範囲」で計画をたてることです。

予想以上の残業や予定外のイベントに備え、無理なく実現できる範囲で進めましょう。

問題集は解答の解説にも目を通す

市販の問題集で勉強するときは、単に問題を解くだけでなく、解答の解説も読むようにしましょう。

問題の答えを覚えるだけではなく、解説も読むことで問題の根本的な理解が得られ、出題形式が変化しても対応できる力を身につけることができます。

試験で成功するためには、単なる暗記だけでなく、問題の本質を理解することが重要です。

通信講座や講習を利用する 

試験の勉強を進める中で、モチベーションを維持することや理解できない部分を補強することが難しい場合があります。

そんなときには、資格学校や通信講座が提供する講習を利用するのがおすすめです。

プロの分かりやすい解説や、記述問題の添削などが受けられ、自分に合った学習サポートを受けられます。

スケジュールや予算に合わせて、最適な講座を選びましょう。

スマホアプリで隙間時間を活用する

通勤中や仕事の休憩中など、日常の「すきま時間」を有効活用することも大切です。

スマートフォンやタブレットの学習アプリを活用して、手軽に問題解答を進めましょう。

アプリなら片手で手軽に学習ができますし、重たい教材を持ち歩く必要もありません。

無料から有料まで多様なアプリがあるので、自分に合ったものを見つけ、日常の習慣に取り入れていきましょう。

1級管工事施工管理技士取得のメリットとは?

先述のように1級管工事施工管理技士とは、管工事の施工管理に関する高度な知識と技能を有する国家資格です。

この資格を取得すると、以下のようなメリットがあります。

浄化槽設備士講習の受講資格が生じる

浄化槽設備士とは、浄化槽の設置や改造・点検・清掃などの業務を行う資格です。

この資格を取得するには、浄化槽設備士講習を受ける必要がありますが、1級管工事施工管理技士の合格者は、その受講資格が自動的に生じます。

また、講習の一部が免除され、受講料も割引されます。

浄化槽設備士は、管工事の関連資格として需要が高いため、1級管工事施工管理技士のメリットのひとつと言えます。

『専任の技術者』となれる

建築業法では、管工事業を営むためには、建設業許可を受ける必要があります。

建設業許可を受けた事業所は、営業所ごとに『専任の技術者』を配置しなければなりません。

『専任の技術者』は、国家資格保持者や一定の実務経験者に限られますが、1級管工事施工管理技士は、その国家資格のひとつです。

『専任の技術者』となることで、事業所の技術力の向上や、就職・転職の幅の拡大などのメリットがあります。

『監理技術者』『主任技術者』となれる

1級管工事施工管理技士は、級によって該当する工事の『監理技術者』または『主任技術者』となることができます。

建築業法では、すべての工事現場に『監理技術者』または『主任技術者』を配置しなければなりません。

『監理技術者』は、大規模な工事現場に配置される技術者で、元請の特定建設業者が下請契約を行った場合に必要となります。

『主任技術者』は、小規模な工事現場に配置される技術者で、元請・下請に関わらず配置が必要です。

『監理技術者』『主任技術者』となることで、工事現場の責任者としての役割や、報酬の向上などのメリットがあります。

会社の経営規模評価に貢献できる

公共工事の入札時には、企業の経営状況や技術力などを評価する「経営事項審査」が行われます。

この審査では、1級管工事施工管理技士の資格者数に応じて、技術力評価の得点が加算されます。

1級管工事施工管理技士の資格者は、1人あたり5点が加算されます。

また、監理技術者資格証を保有し、講習を受講すれば、さらに1点が追加されます。

この得点は公共工事の受注において重要な要素となるため、1級管工事施工管理技士の取得で会社の経営規模評価に大きく貢献することができるでしょう。

1級管工事施工管理技士とは?│まとめ

1級管工事施工管理技士は、管工事の施工管理に関する高度な知識と技能を有する国家資格です。

管工事の専門家として、多くの仕事のチャンスやキャリアの展望が広がります。

配管工事の施工管理に関わる資格が取りたい方は、ぜひ挑戦してみてください。

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