建設現場や土木工事で重機を正しく使用するには、各重機に適した資格を取得しなければなりません。
そこで今回は、重機に必要な資格を16種、そして重機を安全に使用するための講習を6つ紹介します。
建設現場や土木工事に従事する上で求められる資格を取得したいと考える方は、ぜひ本記事を参考にしながら日々の業務にお役立てください。
重機・建機の運転に求められる資格16選
まずは重機・建機の運転に求められる資格(または教育)16種類を一覧で紹介します。
気になる資格や教育がある方は、この機械にいくつかピックアップしておきましょう。
名称 | 概要 |
---|---|
自動車免許 | 重機を運転する上で不可欠な免許 18歳から取得可能 |
クレーン・デリック運転士 | つり上げ荷重が5tを超える天井クレーンやガイデリック、ジンポール等のクレーンおよびデリックが運転できる資格 |
建設機械整備技能士 | 建設・土木現場等に使用する機械の整備に必要な知識・技術を持つ人に与えられる資格 |
建設機械施工管理技士 | 建設機械を使用して施工する上で、施工管理法や施工管理に求められる土木工学、法規に関する知識・技術を持つ人に与えられる資格 |
ゴンドラ操作者 | ビルやマンションと行った高層階の窓清掃等に使われるゴンドラの操縦が可能になる資格 |
ジャッキ式つり上げ機械運転者 | ジャッキ式つり上げ機械の運転および調整業務に携わることができる資格 |
チェーンソー作業者 | 立木の伐木等の業務においてチェーンソーを使用できる資格 |
移動式クレーン運転士 | あらゆる場所に移動できるクレーンを操作できる国家資格 |
巻上げ機運転者 | 巻上機(ウインチ)と呼ばれる機器を操作・運転できる資格 |
軌道装置動力車運転者 | 軌道装置動力車運転による事故防止のための資格(教育) |
玉掛け作業者 | クレーンのフックにつり荷を掛けたり取り外したりする作業が可能になる資格 |
建設用リフト運転士 | 荷物のみを運搬するエレベーターにまつわる業務に携わることができる資格(教育) |
研削といし取替試運転作業者 | 自由研削といしの取り替えまたは取り替え時の試運転の業務に携わることができる資格(教育) |
車両系建設機械運転者 | 整地・運搬・積込み用及び掘削用、あるいは基礎工事用、解体用のいずれかにまつわる重機が運転できる資格 |
非自走式基礎工事用建設機械運転者 | 杭打ち機、または杭抜き機などの業務に携わる上で求められる資格 |
揚貨装置運転士 | 船舶に装備されたクレーン・デリックの操作が可能になる資格 |
➀自動車免許
運転免許証は、自動車の運転が可能になる資格です。
自動車や原動機付き自転車を運転する場合は普通免許で問題ありませんが、運転する自動車あるいは重機の重さによって必要な免許が異なります。
車両総重量 | 3.5t未満 | 7.5t未満 | 11.0t未満 | 11.0t以上 |
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自動車の種類 | 普通自動車 | 準中型自動車 | 中型自動車 | 大型自動車 |
免許の種類 | 普通免許 | 準中型免許 | 中型免許 | 大型免許 |
最大積載量 | 2.0t未満 | 4.5t未満 | 6.5t未満 | 6.5t以上 |
乗車定員 | 10人以下 | 10人以下 | 29人以下 | 30人以上 |
受験資格 | 18歳以上 | 18歳以上 | 20歳以上 免許期間2年以上 |
21歳以上 免許期間3年以上 |
参考:JAF|[Q] 運転免許にはどんな区分と種類があるのですか?
警視庁交通局運転免許課によると、運転免許の合格率は例年70%を超えていることから誰でも取得しやすい資格と言えます。
各都市間が離れた北海道等では運転免許やマイカー通勤が不可欠であることから、誰でも取りやすい資格を敢えて維持しているとも考えられるでしょう。
➁クレーン・デリック運転士
つり上げ荷重が5tを超える重機の運転に必要となる資格です。
- 天井クレーン
- ジブクレーン
- ガイデリック
- 橋形クレーン
- スチフレッグデリック
- ジンポールなど
JQOS.jpの調査によるとクレーン・デリック運転士の過去5年間の合格率は57〜63%を推移していることから、比較的狙いやすい資格と言えます。
運転免許は3種類あるので目的や業種に応じて適した資格を取得すると良いでしょう。
クレーン・デリック運転士 (限定なし) |
すべてのクレーンおよびデリックを運転可能 |
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クレーン・デリック運転士 (クレーン限定) |
デリックを除く全てのクレーンの運転が可能 |
クレーン・デリック運転士 (床上運転式クレーン限定) |
デリックおよび無線操作式クレーンを除いたクレーンの運転が可能 |
参考:JQOS.jp|クレーン・デリック運転士【試験日】合格率や難易度
③建設機械整備技能士
建設機械整備技能士は、建設現場や土木工事に使われる重機や建機の整備技術・知識を持つ人に与えられる国家資格です。
資格を有することでブルドーザやクレーン、ショベルカーといった大型機械の整備に携わることができます。
しかし国家資格のため難易度の高い試験に合格する必要があります。
特級、1級、2級の3種あり、それぞれ受験資格や実務経験の年数、出題範囲等が異なります。
JQOS.jpの調査によると、全等級をまとめた合格率は令和元年から令和4年の4年間で13~52%と大きな幅があります。
合格率が13.9%と非常に低かった令和2年は、各地で新型コロナウイルス感染症が蔓延した時期。
外出を控えた人が増加した影響で合格者数そのものが減少したことが理由です。
令和2年以外を除くと、49〜52%を推移しているので、比較的狙いやすい資格と考えられます。
参考:厚生労働省|建設機械整備技能士
参考:厚生労働省|建設機械整備技能検定試験の 試験科目及びその範囲並びにその細目 令和2年2月
参考:中央職業能力開発協会|技能検定のご案内
参考:中央職業能力開発協会|令和6年度受験案内技能検定全等級用
参考:JQOS.jp|建設機械整備技能士【試験日】合格率や難易度
④建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、建設現場や土木工事等において施工技術の向上を目的とした国家資格です。
資格は1級と2級あり、2級では現場の主任技術者として、1級の取得によって主任技術者に加え、専任技術者あるいは監理技術者としての活躍も可能になります。
1級建築機械施工管理技士の概要や合格率についてはこちらの記事でまとめているので興味のある方はチェックしてください。
参考:一般社団法人日本建設機械施工協会中部支部|建設機械施工管理技士制度について
参考:建設管理センター|令和6年度 1・2級建設機械施工管理技士
⑤ゴンドラ操作者
ゴンドラ操作者とは、オフィスビルや高層マンション等の窓清掃業などで乗降するゴンドラ操作が可能になる国家資格のことです。
国家資格と言っても難しい試験はなく、労働安全衛生法第59条に従いゴンドラの取扱業務特別教育規程で定められたカリキュラムを修了することで取得できます。
履修時間は9時間以上となっており、比較的狙いやすい資格でもあります。
講習料金や日程、申込方法については労働技能講習協会ホームページより確認できますので、興味のある方は併せてご覧ください。
⑥ジャッキ式つり上げ機械運転者
ジャッキ式つり上げ機械運転者は、動力で荷物のつり上げ・つり下げを行うジャッキ式つり上げ機械の運転および調整業務が可能になる資格です。
試験はなく、10時間以上の特別教育と呼ばれる講習の受講で操作が可能になります。
特別教育は18歳以上の方であればどなたでも受講でき、その際は15,000円前後の受講料が掛かります。
詳細については最寄りの都道府県労働基準局、労働基準監督署または建設業労働災害防止協会都道府県支部にご確認ください。
参考:一般社団法人安全衛生マネジメント協会|ジャッキ式つり上げ機械とは
参考:厚生労働省|免許・技能講習等が必要な業務について
参考:厚生労働省|安全衛生特別教育規程(◆昭和47年09月30日労働省告示第92号)
参考:建設業労働災害防止協会|建設工事でジャッキ式つり上げ機械
⑦チェーンソー作業者
チェーンソーを使って立木の伐木およびかかり木の処理等を進める際に必要になる資格です。
試験はなく安全に業務を行うための特別教育の受講によって取得できます。
なおチェーンソー作業者が受講する「チェーンソーによる伐木等特別教育」は2020年8月、労働安全衛生規制の一部改正により、林業・土木工事業・造園工事業等の業種にかかわらず、伐木作業等を行うすべての業種が対象となりました。
規制の一部改正に伴い講習時間は学科9時間、実技9時間の計18時間となり、以下2科目が追加されています。
- 造材の方法
- 下肢の切創防止用保護衣等の着用
講習のみで業務幅が増える資格ではありますが、受講に際しては科目の追加等の変更点があることに留意しましょう。
参考:林業・木材製造業労働災害防止協会茨城県支部|チェーンソー作業従事者特別教育講習
参考:コベルコ教習所|伐木作業等の特別教育が統合されます!
⑧移動式クレーン運転士
移動式クレーン運転士は、以下4つを含むつり上げ荷重が5tを超える移動式クレーンを運転するために求められる資格です。
- トラッククレーン
- ラフテレーンクレーン
- クローラクレーン
- フローチングクレーン
これらを運転するためには、各都道府県にあるセンターで決められた時期に試験を受ける必要があります。
安全衛生技術試験協会の令和5年度の合格率は63.7%と比較的高く、狙いやすい資格と考えられます。
受験資格は特になく本人確認証明証の添付のみ必要となっています。
試験の詳細については安全衛生技術試験協会ホームページより確認できますので、興味のある方は併せてご覧ください。
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会|資格の紹介(移動式クレーン運転士)
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会|労働安全衛生法・作業環境測定法に基づく試験
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会|受験資格(移動式クレーン運転士)
⑨巻上げ機運転者
巻上機運転者は、ウインチと呼ばれる巻上機を操作・運転する際に必要になる資格です。
巻上機を使用する際は、労働安全衛生法に基づき、特別教育を修了することが法律で定められています。
中小建設業特別教育協会では教材費・消費税込みの10,505円で実技を除く1日6時間の講習を実施しています。
興味のある方や資格について知りたい方は中小建設業特別教育協会ホームページをご確認ください。
参考:中央労働災害防止協会安全衛生情報センター|労働安全衛生規則 第一編 第四章 安全衛生教育(第三十五条)
参考:中央労働災害防止協会安全衛生情報センター|労働安全衛生法 第6章 労働者の就業に当たっての措置(第59条)
参考:中小建設業特別教育協会|巻上げ機(ウィンチ)運転特別教育 講習会のご案内
⑩軌道装置動力車運転者
軌道装置動力車運転者は、軌道装置動力車を安全に運転することを目的とした特別教育を受講した人を指します。
特別教育では以下について学ぶことになっています。
- 軌道装置の種類および取り扱い
- 動力車の構造および取り扱い
- 蓄電池および充電器
- 動力車以外の車両
- 軌道
- 動力車の運転等
- 関係法令
詳細については昭和企画ホームページまたは厚生労働省の登録教習機関一覧よりご確認ください。
参考:昭和企画|軌道装置動力車運転者特別教育講習会1日コース
参考:岡山労働局|労働安全衛生法の資格等一覧
⑪玉掛け作業者
玉掛け作業者はクレーンで荷物をつり上げる場合にクレーンのフックにつり荷をかけたり外したりする作業に携わることができる人のことです。
玉掛け作業者になるには必要な講習を受講し国家資格を取得する必要があります。
玉掛け特別教育 | つり上げ荷重が1t未満の業務に携わることが可能 |
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玉掛け技能講習 | つり上げ荷重が1t以上の業務に携わることが可能 |
どちらも合格率は90%以上と極めて高いことから、どなたでも挑みやすい資格と言えるでしょう。
玉掛け特別教育は東京技能講習協会ホームページを、玉掛け技能講習については労働技能講習協会ホームページより確認できますので、興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
参考:株式会社東京技能講習協会|玉掛け特別教育
参考:労働技能講習協会|玉掛け技能講習
⑫建設用リフト運転士
建設用リフト運転士は、ビルの建設や土木工事等の作業に使用する機械を運転できる資格を持つ人のことです。
建設用リフトはボタンスイッチの操作によって昇降できるので、誰でも簡単に運転することができます。
しかし安全に操作する必要性から、建設用リフト運転士になるためには「建設用リフト運転特別教育」の修了あるいはそれに準じた処置を受ける必要があります。
「建設用リフト運転特別教育」では5時間の学科講習と、各事業所で行われる実技教育を4時間受けることになっています。
受講料はテキスト代と消費税を含んだ10,100円がかかります。
講習日程やお申し込みは労働技能講習協会ホームページより確認できますので、興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
⑬研削といし取替試運転作業者
研削といしの取替試運転作業者は、誤った作業によってといしが破壊され、重大な災害につながる危険性を踏まえ、必要な知識と技術を身につけ、安全に取り扱うことができると認められた人に与えられる資格です。
十分な知識と技術を身につけるために特別な試験はなく「研削といしの取替え等の業務に係る特別教育」を受講することで業務に携わることができます。
受験資格は特に定められていないので、業務の必要性に応じて資格を取得することが可能です。
詳細についてはコマツ教習所ホームページをご確認ください。
参考:コマツ教習所|研削といしの取替え等の業務に係る特別教育
⑭車両系建設機械運転者
車両系建設機械運転者は、業務内容に応じた特別教育を受講することで各業務に携わることができる資格です。
詳細は以下の通りです。
業務内容 | 求められる講習・特別教育 |
---|---|
機体重量3t以上の整地・運搬・積込みおよび掘削用機械の運転 | 車両系建設機械(整地等)運転技能講習 |
機体重量3t未満の整地・運搬・積込みおよび掘削用機械の運転 | 小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育 |
機体重量3t以上の基礎工事用機械の運転 | 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習 |
機体重量3t未満の基礎工事用機械の運転 | 小型車両系建設機械(基礎工事用)運転特別教育 |
機体重量3t以上の解体用機械の運転 | 車両系建設機械(解体用)運転技能講習 |
機体重量3t未満の解体用機械の運転 | 小型車両系建設機械(解体用)運転特別教育 |
いずれも3tを基準に講習・特別教育が異なるため受講の際は注意が必要です。
詳細については中部労働技能教習センターをはじめ、最寄りの教習所等にお問い合わせください。
参考:中部労働技能教習センター|車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転 (機体質量3t以上)
参考:中部労働技能教習センター|小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転(機体質量3t未満)
参考:中部労働技能教習センター|車両系建設機械(基礎工事用)運転(機体質量3t以上)
参考: 株式会社北友商会|小型車両系建設機械(基礎工事用)の特別教育
参考:中部労働技能教習センター|車両系建設機械(解体用)運転(機体質量3t以上)
参考:コマツ教習所|小型車両系建設機械(解体用)の運転の業務に係る特別教育
⑮非自走式基礎工事用建設機械運転者
非自走式基礎工事用建設機械運転者は、建設現場や土木工事等で使用する杭打ち機や杭抜き機を用いた業務に携わることができる資格です。
受験資格はないものの「基礎工事用建設機械の運転の業務に係る特別教育」の受講でどなたでも従事できます。
講習は各教習所等で受講可能ではありますが、休止している教習所がいくつか存在しているようです。
受講を希望する方は、最寄りの教習所等に講習の実施について問い合わせることをおすすめします。
参考:国土交通省中部地方整備局|資格等の必要な業務
参考:厚生労働省|1.作業主任者(法第14条 令第6条)
参考:住友建機の教習所|基礎工事用機械運転技能講習 [休止中]
⑯揚貨装置運転士
揚貨装置運転士は、つり上げ荷重が5t以上の揚貨装置を運転する際に求められる国家資格です。
揚貨装置は船舶に設置されているデリックやクレーン等のことを指し、陸から船へ、あるいは船から陸へ貨物を積み替える作業に使用します。
受験資格はないものの、本人確認証明証の添付が必要になります。
試験科目は4科目の学科試験と2科目の実技試験があります。
学科試験 | 実技試験 |
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試験の詳細や免除科目等については安全衛生技術試験協会ホームページよりご確認ください。
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会|資格の紹介(揚貨装置運転士)
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会|受験資格(揚貨装置運転士)
- 大手求人サイトで全国トップクラスに輝いたアドバイザーが在籍
- 年収1000万円以上になった方も
- 年収350万円以上の大幅UP事例もあり
- 業界特化で「分かっている」提案。企業知識が段違い
- 休日や夜間でも専属アドバイザーが対応
重機・建機の安全運転に必要な技能講習6選
ここからは重機・建機の安全運転に求められる技能講習を6つ紹介します。
まずは6種類の技能講習の簡単な概要を一覧でまとめているのでご覧ください。
名称 | 概要 |
---|---|
フォークリフト運転技能講習 | 倉庫や工場等でフォークリフトを運転し荷物の運搬等が可能になる講習 |
ショベルローダー等運転技能講習 | 最大荷重1t以上のショベルローダー運転が可能になる講習 |
車両系建設機械運転技能講習 | 機体質量ごとの講習を受けることで運転・操作が可能になる講習 |
不整地運搬車運転技能講習 | 最大積載量ごとの講習を受けることで運転・操作が可能になる講習 |
高所作業車運転技能講習 | 高さ10m以上の作業床での業務に従事できる講習 |
小型移動式クレーン運転技能講習 | つり上げ荷重が5t未満の小型移動式クレーンの運転作業に従事できる講習 |
➀フォークリフト運転技能講習
フォークリフト運転技能講習は、倉庫や工場等でフォークリフトを使用して荷物を運搬したり積み下ろしといった業務に従事する際に求められる講習です。
フォークリフトを運転する上では能力により以下のどちらかの講習を受ける必要があります。
最大積載荷重が1t以上 | フォークリフト運転技能講習の修了 |
---|---|
最大積載荷重が1t未満 | フォークリフト運転業務に係わる特別教育の受講 |
携わる業務によって運転するフォークリフトが異なることから、受講する際はどちらが適しているかを確認するよう注意しましょう。
なお、フォークリフト運転技能講習を修了後は講習内容を確認するための試験を受ける必要があります。
国家資格ではあるものの合格率は95%以上と言われていることから、きちんと講習を受けることで取得できると考えられます。
参考:一般社団法人前橋労働基準協会|フォークリフトの運転資格について
参考:コマツ教習所|フォークリフト運転技能講習
➁ショベルローダー等運転技能講習
ショベルローダー等運転技能講習は、最大荷重1t以上のショベルローダーを運転する際に求められる講習です。
講習は、1日で受講可能な4科目の学科と3日間に分けられた実技、それぞれを受講後は修了試験があります。
学科 | 実技 |
---|---|
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受験資格は普通、中型、準中型、大型、大型特殊(カタピラ限定付き)の自動車運転免許証を持つ人で、受講料はテキスト代、消費税込の38,500円です。
講習会場等については陸上貨物運送事業労働災害防止協会ホームページよりご確認ください。
③車両系建設機械運転技能講習
車両系建設機械運転技能講習は、以下3種に分かれる重機・建機用の講習です。
- 整地・運搬・積込み用及び掘削用
- 解体用
- 基礎工事用
既に「重機・建機の運転に求められる資格16選」で紹介したように、この講習は機体重量3tを基準とし、現場で使用する重機の目的・重さに合わせて選ぶ必要があります。
ここでは最もポピュラーな「整地・運搬・積込み用及び掘削用運転技能講習」をピックアップして紹介します。
整地・運搬・積込み用及び掘削用運転技能講習は、労働安全衛生法に記載された建設機械のうち、動力を使って不特定の場所に自走できるものを指します。
特に、下表の1と2を運転する際は同講習の受講が義務となっています。
1.整地・運搬・積込み用 | ブルドーザー、トラクターショベルなど |
2.掘削用機械 | ドラグショベルなど |
3.基礎工事用機械 | 杭打ち機、杭抜き機など |
4.締め固め用機械 | ローラー |
5.コンクリート打設用機械 | コンクリートポンプ車 |
6.解体用機械 | ブレーカーなど |
講習は所有する免許や資格などによって一部免除される場合があるので、受講の際は、どの講習に該当しているかを確認しましょう。
また、受講料は講習を実施する施設によって異なるため、料金について知りたい方は最寄りの教習所にお問い合わせください。
講習内容はコベルコ教習所ホームページで確認できます。
参考:コベルコ教習所|車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
④不整地運搬車運転技能講習
不整地運搬車運転技能講習は最大積載量が1t以上の不整地運搬車の運転に必要な講習です。
1t未満の場合は特別講習に該当することから、最大積載量別で必要な講習が異なる点に注意しましょう。
受講資格は18歳以上の人で、合格率は講習の受講ということもあり95%以上と言われています。
なお、既に保有する免許や資格によっては講習の一部が免除されます。
講習の詳細についてはコベルコ教習所ホームページをご確認ください。
参考:コベルコ教習所|不整地運搬車運転技能講習
参考:コベルコ教習所|不整地運搬車運転特別教育
⑤高所作業車運転技能講習
高所作業車運転技能講習は、平成2年10月に労働安全衛生法が一部改正されたことを受けて、高さ10m以上の作業床で作業に従事する人に受講が義務化された講習です。
この講習を受講することで高所作業車の操作が可能になります。
労働技能講習協会によると、講習コースはA、B、Cコースの3つあり、それぞれで該当者や受講項目、受講料が異なります。
講習日程や申込方法等については、労働技能講習協会ホームページをご確認ください。
⑥小型移動式クレーン運転技能講習
小型移動式クレーン運転技能講習は、つり上げ荷重5t未満の小型移動式クレーンの運転作業に従事する際に求められる講習です。
コマツ教習所によると、コース区分は保有している資格および業務経験で5つに分かれているようです。
主な対象機械は積載型トラッククレーンやクローラクレーン、アームクレーン仕様機です。
コース区分ごとの詳細や受講可能なセンターについてはコマツ教習所ホームページをご確認ください。
重機・建機を運転するのに必要な資格・講習を押さえよう
建設現場や土木工事等に従事する上では、携わる業務や使用する重機・建機によって求められる資格や講習が豊富にあります。
資格取得を目指す方は、これから従事する予定の業務に適した資格・講習であるかを確認してから受験・受講するよう注意しましょう。
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