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建築業界で長期的に働きたいと考えるときは、仕事を覚えることと共に資格取得を目指すのがおすすめです。
建築業に役立つ資格にはさまざまなものがありますが、その中でも国家資格で工事現場の主任技術者として管理業務に従事できる2級建築施工管理技士という資格があります。
今回は、2級建築施工管理技士の概要と国家試験の合格率、資格を取得するメリットを解説します。
2級建築施工管理技士とは
2級建築施工管理技士とは、建築工事における施工計画書の作成や工事現場の工程・品質・安全・原価を総合的に管理しながら、工期通りに竣工を目指す立場のことです。
国家資格に該当し、国家試験を突破することで2級建築施工管理技士として現場を牽引することができます。
就職はもちろん転職にも活かせる資格なので、建築業界で立場・責任のある仕事で活躍したいといった人におすすめです。
1級との違い
建築施工管理技士には、2級と1級の2つあり、それぞれで対応可能な技術者、工事現場の規模が異なります。
2級建築施工管理技士 |
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1級建築施工管理技士 |
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1級との違いは、外注総額や就任できる技術者の種類、工事現場の規模です。
そのため、建築業界の中でも大規模工事に従事したい人や監理技術者としてより高い立場に就きたい人は、2級を1級までのステップアップとして受験・取得する人も多いです。
2級でも、工事外注4,000万円以下の現場で主任技術者という立場に就けます。
現在働く建設会社の工事規模、または転職先の工事規模などを確認しながら等級のステップアップを検討すると良いでしょう。
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2級建築施工管理技士の合格率と難易度
2級建築施工管理技士の合格率と難易度を見ていきましょう。
国家試験では、学科試験にあたる第1次検定と実務試験にあたる第2次検定を受検します。
第1次検定は前期と後期と1年に2回あり、令和1年から令和5年は25~49%と差が激しいことが分かり、難易度は各年で大きく異なると推測できます。
第2次検定は1年に1回の後期のみで、こちらも27〜53%と差が激しいです。
過去に20%台の合格率もあることを踏まえ、試験対策は入念に行う必要があると言えるでしょう。
参考:CIC日本建設情報センター|建築施工管理技士(1級・2級)
2級建築施工管理技士を取得するメリット
ここでは2級建築施工管理技士を取得するメリットを紹介します。
特徴を振り返りながら、どのようなシーンに活かせるのかを押さえておきましょう。
主任技術者として活躍できる
2級建築施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者としての活躍が見込まれます。
主任技術者とは、4,500万円未満の請負工事、または7,000万円未満の建築一式工事に配置が義務づけられている技術者のことです。
工事を適正に行えるよう、施工計画の立案・作成や、工程・安全・品質・原価等の管理を担います。
さらに、現場従事者に技術的な指導を行う監督業務なども並行して行う機会も多いので、大きなやりがいを感じられます。
なお、主任技術者は建設現場において配置が義務づけられている立場なので、建築業界では一定の需要が見込まれるといったメリットもあります。
会社の技術力に貢献できる
工程・品質・安全・原価など、さまざまな管理業務をきちんと総合的に遂行し、その上で工期スケジュール内に竣工できる技術者がいることは、建築会社にとっても心強い人材です。
そのことから、建築会社の技術力向上に貢献できるのも大きなメリットと言えます。
また、資格保有者が優秀であるほど建築会社に届く請負工事の数も増えるので、売上などさまざまなシーンで貢献できるといったメリットもあります。
キャリアアップを目指せる
監理技術者、または主任技術者として業務を遂行できれば、技術的な能力が評価され、キャリアアップにつながる可能性もあります。
また、能力が高く優秀である人ほど会社の技術面・売上面に貢献できるので、昇給のチャンスも。
現場作業員のときでは経験できなかった業務に携わることができるので、スキルアップにつながるなど、2級建築施工管理技士にはさまざまなメリットがあると言えるでしょう。
2級建築施工管理技士の平均年収
厚生労働省が管轄の職業情報提供サイト「jobtag」によると、建築施工管理技術者の全国平均年収は約632.8万円、年齢別の年収は59〜64歳頃に795.8万円とピークに達することがわかります。
同省の令和5年賃金構造基本統計調査による全国平均年収は約382万円なので、約1.7~2倍も高いことが分かります。
資格を有することで全国平均年収を大きく上回り、また経験年数によってさらに高額な収入を得られるのは建築施工管理技術士の魅力と言えるでしょう。
ただし、同省の建築施工管理技術士の平均年収および年齢別の年収には、1級保有者も含まれると考えられるため、一つの参考程度に留めることをおすすめします。
参考:job tag|建築施工管理技術者
参考:厚生労働省|賃金の推移
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2級建築施工管理技士試験の概要
2級建築施工管理技士試験の詳細は下表の通りです。
試験日程 | 第1次検定:前期・後期の2回開催(6月、11月) 第2次検定:後期のみ実施(11月) |
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申込方法 | ▼新規受検
▼再受検
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受験手数料 | 第1次検定:5,400円(非課税) 第2次検定:5,400円(非課税) |
試験地 | ▼前期
▼後期
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なお、令和6年度より受験資格が変更されます。
旧受験資格では、第2次検定を受検する場合に以下のような条件がありました。
- すでに2級第1次検定に合格している
- 第1次、第2次検定へ同時に受験申請を提出する
- 1級建築士試験に合格後、建設業振興基金が設ける条件を満たす
新受験資格に変更後は、下表のように実務経験の年数が異なるので受検の際は注意が必要です。
区分1 | 2級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験3年以上 |
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区分2 | 1級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
区分3 | 一級建築士試験合格後、実務経験1年以上 |
試験スケジュールおよび新旧受験資格については、建設業振興基金公式ホームページをご確認ください。
参考:一般財団法人建設業振興基金|令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内
2級建築施工管理技士試験に有効な勉強法
ここでは2級建築施工管理技士試験の合格に有効な勉強法を紹介します。
試験日までのスケジュールを立てる
2級建築施工管理技士は国家試験です。
そのため、合格を目指すには試験日までのスケジュールを立てて、毎日少しずつタスクをクリアしていくことが大切です。
試験日まで半年~1年ほどある場合、長期的なスケジュールを立てると、当日に予定が入ってしまうなどの理由により、達成することに難しさを感じてしまいます。
そのようなときは、1週間、あるいは平日のみで最小のスケジュールを立てるのがおすすめです。
例えばすでに社会人として働いていて仕事と並行して試験勉強をするといった人であれば、1日1時間勉強をする、などの予定を心がけると無理なく取り組めるでしょう。
参考書は厳選する
2級建築施工管理技士試験を突破するには、参考書は1つに絞り、複数回読み直すことをおすすめします。
読み直すことで、1回目に読んで分からなかった部分を、2回目、3回目と回数を重ねるごとに理解できるようになります。
国家試験だからこそ、いくつかの参考書を用意し、すべてを取り込もうとする人も少なくありません。
しかし、参考書を複数用意しても、言い回しなどが異なり、十分に知識を身につけることが難しいです。
試験において参考書に指定はないので、読みやすさや分かりやすさなどから総合的に判断・選択しましょう。
過去問を解き、問題の傾向に慣れる
過去問題集を用意し、繰り返し問題を解く時間も設けましょう。
過去問題集はその名の通り、過去に国家試験で出題された問題です。
繰り返し問題を解くことで、問題の傾向に慣れることができ、各分野で高得点を狙えます。
建設業振興基金ホームページでは、当年・前年の検定問題と正答肢をダウンロードできます。
より古い過去問題集も書店などで販売されているので、積極的に活用し、問題の傾向になれる時間を作りましょう。
一般財団法人建設業振興基金試験研修本部|過去の受検状況・検定問題・合格基準 | 建築・電気工事施工管理技術検定
問題を解いた後は参考書に目を通す
過去問を解いた後は、必ず参考書に目を通しましょう。
問題の傾向と答えだけを丸暗記する方法では、出題形式が異なった場合に誤った答えを選んでしまう可能性があります。
正誤にかかわらず、問題に対する説明が書かれた参考書、あるいは過去問の解説に目を通し、問題の本質まで理解することも心がけましょう。
アプリなどを活用する
参考書や過去問を持ち歩く以外にも、アプリや動画を活用するのも方法の1つです。
通勤・通学時間に問題になれる時間を作れるので、正答率向上につながります。
最近では建築施工管理技士試験に向けたアプリや無料動画が配信されているので、隙間時間を有効活用するためにも積極的に取り入れましょう。
2級建築施工管理技士を目指そう
2級建築施工管理技士は、工事外注4,000万円以下の現場で主任技術者といった責任ある立場として現場を統括できる資格です。
資格を有することでさまざまな管理業務に携われるほか、能力によっては在籍する会社の技術力や売上に貢献できるなどのメリットがあります。
現場作業員では経験できない業務を経験できるので、この機会に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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