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西松建設とホテルオークラがタッグを組み、 神奈川県箱根町にて高級リゾートホテル「オークラリゾート 箱根強羅」を2029年に開業すると発表しました。
日本屈指の温泉地である箱根強羅に国内初の「オークラリゾート」ブランドホテルが誕生するニュースは、 建設業界関係者にも大きな注目を集めています。
本稿では、 この新ホテル計画の概要と背景、 施設の特徴、 さらには開業後の展望や建設業界への影響について、 施工王の視点から詳しく解説します。
新ホテル開業発表の概要
2025年末に発表された西松建設とホテルオークラによる箱根での新ホテル開業計画は、 建設とホテル業界の協業による大型プロジェクトとして関心を集めています。
西松建設株式会社とホテルオークラは2025年12月、 箱根強羅エリアにリゾートホテル『オークラリゾート 箱根強羅』を2029年に開業する計画を公表しました。 西松建設が用地取得からホテル建物の開発・建設・所有までを担い、 運営はホテルオークラに委託するスキームで、 2025年7月に両社間で運営管理契約も締結済みです。
同ホテルはホテルオークラが国内に展開する初の「オークラリゾート」ブランド施設となり、 高級リトリート (宿泊型保養施設)として位置づけられています。
本件の注目ポイント
本件が注目されるポイントは、 大きく二つあります。
第一に、 日本有数の観光地・箱根で国内初のオークラリゾートブランドが誕生するインパクトです。 全室に露天風呂を備えたラグジュアリーなホテル計画は、 観光業界や旅行者からも関心が高まっています。
第二に、 施工主である西松建設が開発主体となっている点です。 建設コスト高騰や人手不足が続く中、 ゼネコンが主導することで開発中止リスクを抑える狙いがあると報じられており、 この手法は建設業界関係者にとってモデルケースともいえます。
また、 発表後に西松建設の株価が上昇基調を見せたことからも、 市場が本プロジェクトに期待を寄せている様子がうかがえます。
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西松建設とホテルオークラの企業概要
プロジェクトを理解するために、 まず関係する2社の基本情報を整理します。 西松建設は歴史あるゼネコン(総合建設会社)であり、 ホテルオークラは日本を代表する高級ホテルチェーンです。
西松建設株式会社とは
西松建設株式会社は1874年創業の老舗ゼネコンで、 150年を超える歴史で培った技術力を強みに社会インフラ整備から建築・開発まで幅広く手掛けてきました。 道路やダムなど公共施設の建設、 都市再開発事業などを通じ、 安全・安心な社会基盤づくりに貢献しているほか、 不動産開発分野にも積極的に取り組んでいます。
近年では国内各地の再開発や区画整理事業に加え、 住宅・オフィス・商業施設の開発・運営・投資を展開し、 海外でも不動産事業を推進しています。 このように施工だけでなくデベロッパーとしての側面も持つ西松建設が、 自ら開発主体となってホテルプロジェクトを手掛ける点は、 同社の事業戦略の延長線上にあると言えるでしょう。
株式会社ホテルオークラとは
株式会社ホテルオークラは、 日本における伝統ある高級ホテルグループです。 1958年に設立され、 1962年に旗艦となる「ホテルオークラ東京」を開業して以来、 「最高の施設・料理・サービス(Best A.C.S.)」を理念に国内外で事業を拡大してきました。
現在ではオークラホテルズ&リゾーツとしてオークラヘリテージ、 オークラプレステージ、 ホテルオークラ、 オークラリゾートの4ブランド、 並びにニッコー・ホテルズ・インターナショナルとしてのグランドニッコー、 ホテルニッコー、 ニッコースタイル、 そしてホテルJALシティを含め、 合計8ブランドを展開しています。
グループ全体で国内53、 海外26のホテル (総客室数23,605室)を運営し、 日本発のきめ細やかな「おもてなし」と欧米の機能性を融合させたサービスで高い評価を得ています。 2019年には「ホテルオークラ東京」を建て替え「The Okura Tokyo」として新装開業するなど、 常に伝統と革新を両立させてきました。 今回の箱根強羅の新ホテルは、 ホテルオークラにとって新たなブランド「オークラリゾート」の国内デビューであり、 同社のブランド戦略上も大きな意味を持つものとなります。
『オークラリゾート 箱根強羅』プロジェクトの概要
箱根強羅で進められる新ホテルプロジェクトの基本情報と、 その背景にある狙いを解説します。
計画の内容と開業までのロードマップ
本プロジェクトは、 神奈川県足柄下郡箱根町強羅に地上3階(地下3階)建ての西棟と地上4階建ての東棟、 計2棟から成る高級リゾートホテルを建設する計画です。 延床面積は約9,650㎡、 客室数は全58室(西棟12室・東棟46室)と比較的小規模ながら、 その分プライバシーとラグジュアリー性を重視した造りとなります。 2025年現在は基本計画・設計の段階とみられ、 2029年の開業に向けて今後着工される予定です。
西松建設が自社開発事業として推進しているため、 設計段階から施工まで一貫して同社が関与してリスク管理と品質確保を図る方針です。 ホテルの運営は開業後にホテルオークラへ委託され、 オークラリゾートブランドとして展開されます。
主要な計画概要を以下にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計画名 | オークラリゾート 箱根強羅 |
| 開業予定 | 2029年 |
| 所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町強羅 |
| アクセス | 強羅駅から車で約5分、箱根登山ケーブルカー中強羅駅から徒歩約3分 |
| 建物規模 | 西棟:地上3階・地下3階、東棟:地上4階(RC造)、延床面積 約9,650㎡ |
| 客室数 | 58室(西棟12室、東棟46室)、標準客室面積 約63㎡ (バルコニー含む) |
| 付帯施設 | 大浴場(内風呂、ドライ・ミストサウナ併設)、ファインダイニング (鉄板焼カウンター併設)、バー・ラウンジ、トリートメントルーム2室 |
| 設計・デザイン | 浅井謙建築研究所(意匠設計)、西松建設(構造設計)、デザイン監修:グエナエル ニコラ(キュリオシティ) |
| 施工 | 西松建設 |
| 運営 | ホテルオークラ (オークラリゾートブランドとして運営) |
開業地に箱根強羅が選ばれた理由
計画地である箱根・強羅エリアは、 日本を代表する温泉リゾート地の一つです。 箱根町全体では年間延べ約2,031万人もの観光客が訪れ、 そのうち約398万人が宿泊を伴う旅行者です。 強羅は豊富な温泉資源と四季折々の自然景観に恵まれており、 美術館や観光施設も集積する人気エリアです。 夏には「箱根強羅温泉大文字焼」という大規模な伝統行事も開催され、 国内外から多くの観光客が集まります。 こうした土地柄は、 高級リゾートホテルの立地として理想的と言えます。
また、 現地は箱根登山ケーブルカー「中強羅駅」から徒歩3分、 登山電車「強羅駅」から車で5分程度とアクセスも良好で、 観光利便性と静けさを両立できるロケーションです。
ホテルオークラ側にとっては、 この地に新ブランドホテルを開業することで「箱根旅の新たな目的地」を提供し得ると考えられます。 西松建設にとっても、 箱根という人気エリアで開発事業に参画することは不動産資産の価値向上とブランド力拡大につながるメリットがあります。 強羅の豊かな自然と文化的魅力を背景に、 本プロジェクトは地域と共生しながらも唯一無二のリゾートを目指しています。
ホテルの設計・デザインへのこだわり
高級リゾートにふさわしい建築・デザイン面の特徴について見ていきます。 世界的デザイナーによるコンセプトや、 自然と調和する設計思想が随所に盛り込まれています。
建築デザインコンセプト: "Forest Hideaway"
『オークラリゾート 箱根強羅』ロビーの完成イメージ (雄大な箱根の自然を望む開放的なデザイン) 本ホテルのデザインコンセプトは“Forest Hideaway (森の隠れ家)”です。 建築・インテリアデザインを手掛けるのはフランス出身の著名デザイナー、 グエナエル・ニコラ氏率いるデザインスタジオ「キュリオシティ」で、 豊かな箱根の自然環境と調和した洗練の空間創造を目指しています。
館内の意匠は温かみのあるグリーンとベージュを基調とし、 ロビーや客室、 大浴場などどこに居ても窓の外に箱根の山々を望めるよう計画されています。 大きな開口部から差し込む自然光と雄大な景観が、 静けさと温もりを感じさせる上質なリトリート空間を演出します。 都会の喧騒から離れ、 森林に抱かれるようなプライベート感を重視したデザインは、 訪れるゲストに非日常の癒しを提供することでしょう。
建築構造と施工体制
建物は急勾配の地形を活かし、 西棟と東棟の二棟構成となります。 西棟は地下3階・地上3階建て、 東棟は地上4階建ての鉄筋コンクリート造(RC造)で設計されており、 全体の延床面積は約9,650㎡に及びます。 設計は建築意匠を浅井謙建築研究所が担当し、 構造設計を西松建設が担いました。 施工についても西松建設が主体となり、 培ってきた高度な施工技術と品質管理のノウハウが投入されます。 高低差のある敷地条件を踏まえ、 眺望を最大限に活かす配置計画や基礎工事・法面工事など、 西松建設ならではの土木・建築両面の知見が生かされるとみられます。
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客室・施設の特徴と提供されるサービス
新ホテルが提供する客室設備や付帯施設、 そのホスピタリティ面の特徴について具体的に紹介します。 温泉地ならではの魅力と、 高級ホテルならではの充実したサービスが融合しています。
全室露天風呂付きの客室とプライベート温泉体験
各客室のバルコニーに源泉掛け流しの露天風呂を備え、 箱根の山々を一望できる贅沢な造り 客室は全部で58室あり、 西棟に12室、 東棟に46室が配置されます。 標準客室でもバルコニーを含め約63㎡という広さで、 間口6mのゆとりある設計となっており、 一般的なホテル客室と比べても格段にゆとりある空間が確保されています。
最大の特徴は、 全客室に専用の温泉露天風呂が完備されている点です。 各バルコニーに設けられた露天風呂には「美肌の湯」で知られる大涌谷温泉の源泉が引かれており、 プライベートな空間で名湯に浸かる至福の時間を楽しめます。
部屋に居ながらにして四季折々の箱根連山の景色と温泉を独り占めできる贅沢さは、 このホテルならではの体験となるでしょう。 さらに館内には、 雄大な眺望を楽しめる大浴場も用意され、 こちらにはドライサウナとミストサウナが併設されています。 一人で静かに温泉を堪能するも良し、 趣向を変えて大浴場でリラックスするも良しと、 滞在中は多彩な温泉体験が可能です。
これらの設備から、 本プロジェクトが箱根の温泉資源を最大限に活用し、 宿泊客に「湯宿」として最高の満足感を提供しようとしていることが窺えます。
上質なダイニング施設と充実の付帯設備
ホテル内のダイニングや娯楽施設も、 滞在客に特別な体験を提供するよう計画されています。 メインダイニングとしては、 鉄板焼カウンターを併設したファインダイニングレストランが設けられる予定です。 地元・箱根や神奈川の食材を活かした洗練された料理と、 シェフの妙技を間近で楽しめる鉄板焼のライブ感が融合し、 五感で味わう食の時間が演出されるでしょう。 ロビーエリアにはバー・ラウンジも併設され、 くつろぎの空間で上質なドリンクや会話を楽しむことができます。 夜には静かな森の雰囲気を感じながらカクテルを傾ける―まさに“森の隠れ家”にふさわしいひとときです。
ホテルオークラが長年培ってきたおもてなしの精神のもと、 スタッフによる細やかなサービスが館内の隅々にまで行き届き、 高級リゾートに相応しい上質な滞在が約束されるでしょう。
開業後の展望と建設業界への影響
最後に、 この新ホテル開業がもたらす地域経済や観光への波及効果、 そして建設業界にとっての意義や今後の展望について考察します。
箱根地域・観光業界への波及効果
「オークラリゾート 箱根強羅」の開業により、 箱根エリアの観光資源はさらに充実することになります。 国内外の富裕層旅行者にとって、 本ホテルは“行ってみたい”新たな目的地となるでしょう。 全室露天風呂付きという他にはない魅力や、 ホテルオークラブランドの安心感も相まって、 開業後は高い宿泊需要が見込まれます。 箱根には既に多くの宿泊施設がありますが、 本プロジェクトのようなラグジュアリー志向のリゾートは地域全体のブランド価値を高め、 競争力を底上げする効果が期待できます。
また、 地元経済への効果として、 ホテルの運営に伴う雇用創出や、 地域の建設業者・素材業者への波及も見込まれます。 建設段階では西松建設をはじめ多くの職人・技術者が携わり、 開業後もホテル運営スタッフや周辺ビジネスの需要が生まれるため、 地域活性化の起爆剤となり得ます。 伝統ある温泉地・箱根に新たな魅力を付加する本プロジェクトは、 地域と観光業界双方に明るい展望をもたらすでしょう。
ゼネコン主導プロジェクトの意義と今後の展望
西松建設が主導した本開発は、 建設業界にとって一つのモデルケースとなりそうです。 近年、 資材価格や人件費の上昇により建設プロジェクトの中止リスクが高まる中、 ゼネコン自らが投資主体となり開発・施工を一貫して行う手法は、 リスク分散と収益確保の両面で注目されています。 施工受注に頼るだけでなくデベロッパーとして収益源を拡大しようとするゼネコンの戦略転換とも言えます。 加えて、 ホテルという運営益が長期にわたり見込める資産を保有することは、 会社の経営安定にも寄与するでしょう。 市場もこうした動きを好感しており、 先述のように発表直後に西松建設の株価が上昇したことは投資家からの期待の表れです。
本プロジェクト成功の暁には、 「ゼネコン×ホテル」という協業モデルが一層注目を集め、 業界の新たな潮流となるかもしれません。 建設に携わる技術者や職人にとっても、 ホテル建設・開発プロジェクトに参画することはスキル向上やキャリアの幅を広げる好機となります。 高品質な建築と高度なサービスが融合する施設づくりには、 多様な専門知識と経験が求められるためです。
施工王としても、 こうした先進的なプロジェクト動向を注視し、 業界で働く皆様のキャリア形成に活かせる情報を提供してまいります。
まとめ
西松建設とホテルオークラが協働する「オークラリゾート 箱根強羅」プロジェクトは、 日本有数の温泉地に誕生するラグジュアリーリゾートとして、 そしてゼネコン主導の開発案件として、 大きな注目を集めています。
地域経済への寄与や観光誘客の効果もさることながら、 本プロジェクトを通じて見えてきた「建設会社が自ら価値ある資産を創出する」というビジネスモデルは、 今後の建設業界に新たな可能性を示すものです。 長年培った技術力を背景に、 新たな挑戦を形にしようとしている西松建設。 その挑戦を、 ホテルオークラの持つ伝統と洗練が支えます。
施工王では、 建設業界の最前線で起きているこのような動きを引き続き追いかけ、 業界に携わる皆様に有益な情報をお届けしていきます。 未来の箱根に新たなランドマークとなるであろうこのホテル計画から、 建設業界の更なる発展と可能性を感じつつ、 今後の展開を楽しみに見守りたいと思います。
引用元:
有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。

