建設業界の基礎知識

建設業で30代の平均年収はいくら?上げるための3つの方法も紹介

建設業界は、慢性的な人手不足と言われています。
そんな状況下で、30代は働き盛りの、活躍が見込める年代です。

しかし、その貢献度に見合った年収を得られているのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、建設業で働く30代の平均年収を明らかにし、今後のキャリアプランを考える上でのヒントを提供します。

建設業で30代の平均年収は506万円


『民間給与実態統計調査』によると、建設業に従事している30代の方の年収は506万円ほど(※1)です。
他業種も含めた30代全体の平均が約449万円(※2)なので、業種別で見ると平均か少し高くなっているようです。

では、建設業界における30代の年収をさらに理解するためにその前後の20代、40代との比較をしていきたいと思います。

20代との年収の違い

年代 20代 30代 40代
年収 約400万円 約506万円 約579万円

20代はキャリアの初期段階にあり、職務経験が少ないため、年収も比較的低めです。
一方、30代に入ると、職務経験が増し、役割に対する理解が深まるため、年収の上昇が見込まれます。

具体的なデータを見ると、20代の建設業における平均年収は、400万円程度(※3)とされています。

この段階では、実務経験がまだ少ないことから、給与は全体的に抑えられがちです。
また、入社後数年は研修や見習い期間として、職場に慣れながら基礎を身につける貴重な時期でもあります。

そのため、20代の給与は業界内全体としては若干低い水準に収束しやすい状況です。

一方、30代に入ると、平均年収は約506万円に到達します。
この上昇は、主に経験やスキルの向上によるものです。

また、30代は役職に就くことが増える年齢であり、マネジメント職やリーダーシップを求められる場面も多くなります。
そのため、給与が上昇しやすくなる環境になります。

また、20代と30代では、求められるスキルの質も異なります。
20代の若手社員は基礎的な技術や知識を身につける一方で、30代はより専門的な知識やマネジメント能力、チームを指導するための能力が求められるようになります。

このため、30代での年収アップを目指すには、単に経験を積むだけではなく、自己研鑽や人脈の構築が鍵となるでしょう。

このように、20代と30代の年収の違いは、キャリアの進展とともに生じる多くの要因によって形成されています。
今後のキャリアに生かすためにも、20代の段階から計画的に成長を目指すことが重要です。

40代との年収の違い

建設業界において、30代を超えた40代や50代の年収見通しは、これまでの経験や市場の動向、本人のスキルによって大きく異なります。

40代以降は、経験も豊富になり、ベテランとも考えられる年齢であり、この時期にどのような役割を担当するかが年収に影響を与える要因となります。

まず、40代に入ると、年収の平均は約579万円(※4)になります。
この理由として、40代は多くの人がマネジメント職やプロジェクトリーダーに就くことが増え、責任の大きい仕事を任されやすくなることが挙げられます。

また、これまでの実務経験に基づいた専門知識やスキルが求められるため、キャリアの成熟度が年収に直接的に反映される時期とも言えます。

さらに、40代になると、社内でのポジションや役割が変わってくることがあります。
管理職に就くことで、基本給が引き上げられるだけでなく、業績に応じたインセンティブやボーナスも期待できるようになります。

しかし、この時期の年収増加には、継続的なスキルアップや自己研鑽が求められます。
技術革新が進む建設業界では、新たな技術や手法に適応する能力が求められ、これが収入にも影響を与えます。

結論として、40代以降の年収見通しは、これまでの積み重ねた経験やスキルによって多様に変化していきます。キャリアプランを見直しながら、自身の成長を目指していくことが、年収アップへの鍵となるでしょう。

参考※1、2、3、4):https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004009623

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職種別にみた平均年収


建設業と一口に言っても、建築、土木など様々な職種があります。
では、職種によって年収はどれくらい変わるのでしょうか?

ここからは、建設業における主要な職種の平均年収を比較していきます。

建築技術者

建築技術者は、住宅やビル、学校や工場などの建築物を設計し、工事を監理する専門家です。

大きく「設計」と「施工」に分かれますが、一般的に中堅クラスの技術職としては高水準になっています。

厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』によると632万円ほど(※5)となり、経験や資格によってはさらに増加する可能性があります。

土木技術者

土木技術者は、道路、橋、ダム、トンネル、河川、港湾、鉄道など、社会基盤(インフラ)の整備・維持管理に関わる専門家です。

建築技術者と並び、人々の生活を支える重要な役割を担っています。
平均年収は604万円ほど(※6)で建築技術者と並んで600万円を超え、高水準となっています。

測量技術社

測量技術者(測量士)は、土地や地形の位置、形状、面積などを正確に測定し、地図の作成や各種工事の基礎データを提供する専門家です。

建設、不動産、防災など、幅広い分野で活躍しています。
平均年収は約489万円(※7)で、平均的な水準だといえるでしょう。

参考※5、6、7:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003426315

建設業で年収を上げる3つの方法


今の給料と平均を比べてみて、満足する方もいれば、より高収入を目指す方もいると思います。

しかし、やみくもに努力しても、年収アップには繋がりません。
正しい方向性を知り、自分のやり方に合った年収アップを目指しましょう。

経験年数

建設業は多種多様な工事に関わることが多く、業務も複雑になってくるため、経験豊富な人は高い給与を期待できます。

例えば、建築設計や施工管理などでは、経験年数が長いほど現場での専門的な知識やノウハウを豊富に持っているため、管理職としての役割も増え、給与が上昇します。

また、経験を積むことで受験ができる資格もあり、資格を持つことでさらに給与が増加することもあります。

資格

建設業界では、資格を取得することで給料が上がる傾向があります。
業界内での信頼や評価を高め、昇進や昇給の機会を増やす確率が高まるからです。

特に、一級建築士や一級建築施工管理技士などの資格を持つことで、より高度なプロジェクトに携わる機会が増え、年収も上昇しやすくなります。

また、資格取得によって資格手当も受け取れることが多く、年収アップでは狙うべきポイントです。

転職

建設業界では人手不足が深刻であり、転職市場は需要過多の状況です。

このため、年収を上げてでも人材を確保しようとする企業は多く、転職によって年収が上がる可能性が高くなっています。

また、地域によっても給与は大きく変わってきます。
例えば、首都圏など大都市では平均月収が高く、働く地域を変えることで給料を上げることもできます。

建設業は年収が低い?いわれる理由を解説


建設業は、社会のインフラを支える重要な役割を担っている一方で、「年収が低い」というイメージを持たれることがあります。

なぜ建設業は他の業界と比べて年収が低いと言われるのでしょうか?

その理由を探るため、今回は建設業を取り巻く現状と、今後について詳しく解説していきます。

労働時間が長いため、給料が見合わない

建設業では、プロジェクトの進捗を速めるために長時間労働や残業を余儀なくされることがしばしばあります。

多くの企業は年度末に予算を使い切る必要があり、建設プロジェクトもその対象となります。

そのため、3月までに工事を完了させ、予算を消化しようとする傾向があります。
現場はその工期に間に合わせるため、長時間労働や残業を強いられることがあるのです。

また、建設業はアナログな現場も多く、タイムカードを押すためだけに現場から会社に行くなど、無駄な拘束時間が発生していることもあります。

実は、建設業界全体の年収は上がってきているのですが、地方の建設会社などその影響が見られないところもたくさんあります。
そのため、上記のような労働環境では給料が見合ってない、という意見が生まれてしまっているのです。

人手不足による労働時間の増加

建設業界は深刻な人手不足に悩まされており、それが労働時間の増加に繋がっています。

少子高齢化や建設業のイメージ悪化などが原因で、若い世代の労働者確保が難しく、ベテランの退職も相次いでいるため、少ない人員で多くの仕事をこなす必要が生じているのです。

その結果、残業や休日出勤が常態化し、長時間労働が慢性化しています。
さらに人手不足による作業の遅延や品質低下のリスクも高まり、現場の負担が増えてしまっています。

建設業は2024年から労働時間が改善

2024年4月1日から、建設業にも罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されました。
この規制では、時間外労働の上限が月45時間、年360時間となっています。

また、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を通じて、週休2日制の推進や適正な工期設定を進めています。

これらの取り組みにより、スケジュール的に休みの確保が難しい工事は請け負わない、などの対応が進められ、労働時間の短縮や労働条件の改善が進んできています。

ただし、まだ改善が必要とされる部分も多くあります。
特に、人手不足や工期の厳しさは依然として課題となっているため、引き続きの改善が求められています。

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30代の業界平均年収は506万円、3つの方法で年収アップ!

まとめ

  • 建設業の30代の平均年収は506万円
  • 建設業で年収を上げる方法はいくつかあるので、自分に合ったプランで年収アップをめざそう
  • 建設業は長時間労働などが問題となっているが、制度導入によって改善されつつある

建設業は年収に見合った労働が行われていないと言われていますが、30代の年収を見ると全体平均より高く、今後さらに労働環境の改善が見込まれています。

社会貢献性が高く、やりがいのある業界なので、自身のスキルやキャリアプランに合わせて、最適な方法で年収について考えていきましょう。

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