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建設技術展2025in関東!イベント概要・注目技術と建設業界への影響

2025年11月19日・20日の両日、東京・池袋のサンシャインシティで「建設技術展2025関東」が開催されます。

建設業界の最新技術やサービスを一堂に会するこのイベントには、200を超える企業・団体が出展予定で、産学官の関係者から学生・一般まで約15,000人の来場が見込まれています。

本記事では、そのイベントの概要や見どころ、注目の出展技術、さらには建設業界への期待される影響について、建設業界専門の転職支援会社「施工王」の視点から詳しく解説します。

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建設技術展2025関東 概要

建設技術展2025関東は、建設分野における最新技術の展示と交流を目的とした大規模イベントです。

国土交通省との連携のもと、業界全体で建設技術の発展を推進する場として位置付けられています。

2025年イベントの基本情報と開催背景

「建設技術展2025関東」は、日刊建設工業新聞社が主催する年次イベントで、「ともに創る建設の未来。」をテーマに掲げています。

2025年11月19日(水)・20日(木)に池袋サンシャインシティの展示ホールC+Dで開催され、オンライン展示会も同時に実施されます。

項目 詳細
名称 Construction Xross 2025 建設技術展2025 | 関東
開催日時 2025年11月19日(水) 10:00~17:00
2025年11月20日(木)10:00~16:00
会場 サンシャインシティ展示ホールC+D (東京都豊島区東池袋)
主催 日刊建設工業新聞社(共催:国土交通省関東地方整備局)
出展規模 200社・団体以上
来場者目標 約15,000人(入場無料)
テーマ 「ともに創る建設の未来。
同時開催 国交省主催 建設技術フォーラム、オンライン展示会

本イベントは国土交通省関東地方整備局が主催する「建設技術フォーラム」と共同開催(Construction Xross 2025として統合)されており、官民連携で建設技術の開発・導入促進を図る取り組みです。

建設業界の技術革新やDX(デジタルトランスフォーメーション)、防災・減災技術の共有などを目的に、産・学・官の垣根を越えた情報交換の場となっています。

昨年2024年にも同様のイベントが開催されており、前年は190社超の出展規模でした。

2025年はそれを上回る200社超が参加予定とされ、年々規模が拡大しています。

過去の建設技術展では毎回テーマが設定され、2024年は「集まれ! 未来の創造者たち。」というスローガンのもと、若い世代に焦点を当てた内容でした。

今年2025年は「ともに創る建設の未来。」というテーマに変わり、業界内外の技術融合や協働による未来創造といったメッセージが込められています。

このように、その時々の業界課題や展望を反映したテーマ設定も、本イベントの特徴と言えるでしょう。

画像の説明

主催・共催・後援体制の充実

建設技術展2025関東は、日刊建設工業新聞社が主催し、国土交通省関東地方整備局が共催する形をとっています。

さらに、共催団体にはNEXCO東日本・中日本・首都高速道路会社や鉄道建設・運輸施設整備支援機構、河川財団、日本ダム協会、先端建設技術センターなど、多数の公共・民間団体が名を連ねています。

後援にも関東地方の都県(東京都、神奈川県,埼玉県,千葉県他)や政令市、関係学協会が広く参加しており、官民挙げて建設技術の振興に取り組む総力戦的なイベントとなっています。

こうした盤石な体制から、本展示会が建設業界において重要な位置付けを持つことが伺えます。

出展企業と展示内容の見どころ

建設技術展2025関東には、日本を代表する大手建設会社から先進的なIT企業、資機材メーカー、コンサルタント、行政機関まで、多種多様な出展者が集結します。

各ブースで披露される最新の技術・製品群は、現在の建設業界が直面する課題へのソリューションや、未来を拓く革新的なアイデアに満ちています。

主要出展企業・団体と展示分野

今回の出展者には、スーパーゼネコンと呼ばれる大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設といった大手ゼネコン各社が名を連ねています。

加えて、JFEグループなどの大手鉄鋼メーカー、重機・建機メーカー、さらには最先端のIT企業まで参加し、建設×ICTの取り組みも数多く紹介されます。

インフラ運営企業ではNEXCO東日本・中日本、首都高速道路会社といった高速道路運営会社や、公的団体(先端建設技術センター、建設コンサルタンツ協会等)もブースを設け、各機関の最新の研究成果や事業内容をPRします。

建設コンサルタント会社(日本工営やパシフィックコンサルタンツ等)、地質調査や測量の専門企業(応用地質、中央開発など)も出展し、調査・設計・維持管理のDXソリューションを提案しています。

さらに教育・人材分野では、総合資格学院のような資格支援サービス企業が人材育成の観点から参加しているのも特徴です。

このように建設プロジェクトの計画・設計から施工、維持管理、人材育成まで、建設産業を支えるあらゆる領域の企業・団体が一堂に会している点が本展示会の魅力です。

展示分野も多岐にわたります。

会場は複数のゾーンに分かれ、建設DX、新技術・NETIS、国土強靭化(防災・減災)、インフラメンテナンス、施工の安全・安心、環境(カーボンニュートラル)技術、交通インフラ、地盤改良、測量、資材・コンクリート、都市づくり、教育・人材、新事業開発...といったカテゴリ別にブースが配置されています。

たとえば建設DXゾーンでは、現場の3DスキャニングやIoTを活用した施工管理システム、AI画像解析による点検技術などが展示され、環境・CN(カーボンニュートラル)ゾーンではCO2排出削減に貢献する工法・材料や再生エネルギー活用事例が紹介されています。

また、防災・減災ゾーンでは水害対策や耐震補強技術、維持管理ゾーンではインフラモニタリングや補修技術......といった具合に、専門分野ごとに最新技術が分かりやすく展示されています。

注目の新技術・製品ピックアップ

今年の展示会で特に注目される出展技術の一例を挙げると、以下のようなものがあります。

  • 水陸両用ブルドーザ工法: 陸上と浅水域の双方で使用可能な特殊ブルドーザーによる施工技術。水際工事の省力化や安全性向上に寄与するものとして注目されています。
  • 次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」: 清水建設が開発する、ICTと自動化技術を駆使したスマートトンネル施工システム。山岳トンネル工事の無人化施工も視野に入れた先端技術です。
  • 壁面接触作業ドローン: 西武建設が披露する、建築物の壁面にドローンを接触させて点検・作業を行う先進的なドローン技術。高所・狭所での点検業務の安全性向上が期待されます。
  • グリーン水素を活用した脱炭素プロジェクト: 安藤ハザマが出展する、水素エネルギーを建設現場で活用することで大幅なCO2削減を狙う取り組み。脱炭素社会に向けた建設業のチャレンジとして注目されています。
  • 超遠隔操縦用の映像伝送システム: ソリトンシステムズ社などが紹介する、高速通信を活用した重機の遠隔操作システム。オペレーターが遠隔地から建機を精密に操縦できる技術で、危険作業の安全確保や働き方改革につながります。

これら以外にも、例えば大林組の自動化施工技術や鹿島建設のサステナビリティ戦略、NEXCO東日本グループの高速道路未来化への取り組み、洋上風力発電によるインフラ構築技術、AIを用いたコンクリート劣化予測やBIM/CIMと実空間の融合による設計手法など、枚挙に暇がありません。

まさに建設テック (ConTech)の最前線が集う場となっており、来場者は最新技術を比較・体験しながら学ぶことができるでしょう。

充実したステージプログラム

展示ブースでの技術紹介に加え、会場内のステージでは連日、多彩な講演やパネルディスカッションが繰り広げられます。

国の行政担当者による基調講演や自治体・企業の事例紹介、業界団体による討論など、建設業界の今と未来を議論するプログラムが充実しています。

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基調講演・官民フォーラムのハイライト

初日には、国土交通省の廣瀬昌由技術総括審議官(技監)による基調講演が予定されています。

その後も国土交通省関東地方整備局主催の「建設技術フォーラム」が開催され、最新の行政施策や技術政策について紹介されます。

さらに国土交通省不動産・建設経済局の講演、東京都・千葉県・埼玉県など自治体担当者による講演、中日本高速道路(NEXCO中日本)による高速道路事業の講演など、官民のキーパーソンが揃い踏みし、それぞれの立場から建設業界の課題と展望が語られます。

また、パネルディスカッションも見逃せません。

建設コンサルタンツ協会関東支部や日本コンストラクション・マネジメント協会といった業界団体が主催するパネルでは、技術者育成やプロジェクトマネジメントの高度化など専門的なテーマが議論されます。

さらに建設産業女性定着支援ネットワークによるパネルディスカッションでは、女性技術者の定着や活躍推進について話し合われる予定で、ダイバーシティ推進に向けた業界の取り組みが発信されます。

これら公式プログラムを通じて、政策動向や業界の課題解決策に関する最新情報を得られるのも本イベントの大きなメリットです。

子ども向け企画や一般参加型イベント

未来をテーマにした親子向け企画「未来補完計画プロジェクト」のポスター。建設業界の未来を担う子どもたちへのメッセージが込められている。

建設技術展2025関東は専門家だけでなく、将来の担い手である子どもや一般の方々にも建設の魅力を伝える工夫が凝らされています。

たとえば、子ども達と保護者が共に未来と向き合うことをテーマとしたプロジェクト「未来補完計画」によるトークショーが開催されます。

これは教育アニメ映画を通じて未来の社会インフラやテクノロジーについて親子で考える企画で、楽しみながら学べる内容となっています。

また、就職情報サイト「マイナビ」の学生向けメディアとのコラボ企画や、建設業界のキャリア支援プログラム「コンキャリ(キャリア・ナビゲーション)」との共同企画も実施され、学生や若手に建設業の魅力やキャリアパスを訴求する場ともなっています。

さらに会場では、ユニークな展示や体験イベントが目白押しです。

「かわいい土木イラスト4人展」では土木の世界をポップに表現したイラスト作品が展示され、専門家以外にも土木の世界を身近に感じられる工夫がなされています。

土木技術者が撮影したインフラ施設の写真展「土木写真部写真展」では、普段目にしない構造物の美しさや迫力を楽しむことができます。

体験型の企画としては、油圧ショベルの操作を疑似体験できるスマホアプリ「重機でGo」、ホイールローダーやショベルカーなど3台の重機ラジコンを用いた操作ゲーム「クリランGP」、子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」などが用意され、大人も子どもも夢中になれるコンテンツとなっています。

これらの参加型イベントは、遊びながら建設に親しめる絶好の機会であり、将来の建設人材の裾野を広げる狙いもあります。

「ともに創る建設の未来」――テーマが示すもの

今年の建設技術展のテーマである「ともに創る建設の未来。」には、業界内外の垣根を越えて協力し合い、未来志向で建設業を発展させていこうというメッセージが込められています。

このテーマが示唆する内容を、現在の業界トレンドと絡めて考えてみます。

異業種クロステクノロジーによる建設DXの加速

先述の通り、本イベントの愛称は「Construction Xross (C-Xross)」と名付けられています。

これは建設技術と他産業の技術の交差点(X)を意味し、クロステクノロジーによって新たな価値を創造する狙いがあります。

実際、建設業界では近年ICTやAI、ロボティクスなど異業種発のテクノロジーを積極的に取り入れる動きが強まっています。

国土交通省も「建設DX」を推進し、i-Construction施策のもと測量や施工へのICT活用、自動施工の標準化などを進めています。

建設技術展の場でも、IT企業や通信企業(例えばソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」や遠隔作業支援ツールの展示)が出展し、建設とICTの融合最前線が紹介されています。

また、建設現場の生産性向上を図るロボット技術や自動化施工もテーマの一つです。

大手各社が競って開発するトンネル掘削の自動化、無人ダンプトラック隊列走行、AIによる施工計画最適化といったスマート施工の技術は、他業種の技術とのコラボレーション抜きには語れません。

テーマの「ともに創る」には、こうした異分野の技術者や企業とも協力し合いながら建設業の未来を築くという決意が感じられます。

展示会で生まれる産学官民のネットワークや技術マッチングが、建設DXのさらなる加速を後押しするでしょう。

社会課題へのソリューションと業界への期待

日本の建設業界は、人手不足やインフラ老朽化、カーボンニュートラル対応など多くの課題に直面しています。

建設技術展2025関東で披露される新技術の数々は、まさにこうした社会課題へのソリューションとなり得るものです。

例えば、省人化・安全施工技術は熟練労働者の減少に対応する策となり、防災技術やメンテナンス技術の高度化はインフラ老朽化対策の切り札となります。

環境負荷低減技術や再生可能エネルギーの活用は、建設業の脱炭素化に貢献して持続可能性を高めるでしょう。

このイベントを通じて、技術提供側の企業と現場のニーズを持つ発注者や施工者が出会うことで、新たなソリューションの社会実装が加速することが期待されます。

国や自治体の関係者も登壇し情報を発信していることから、行政と民間企業との連携による課題解決にも弾みがつくでしょう。

実際に会場で交わされる意見交換や名刺交換が、次の共同開発や導入案件につながるケースも少なくありません。

さらに、本イベントは建設業のイメージアップにも一役買っています。

最新技術にスポットライトを当て、「きつい・危険・古い」といった旧来のイメージを刷新し、先進的で社会に貢献する産業であることを広くアピールする場となっているのです。

特に若年層や女性に向けた発信が多く盛り込まれている点は、将来の人材確保に向けた業界全体の危機感と熱意の表れと言えるでしょう。

技術の進歩により働き方も変わりつつある建設業界は、もはや昔ながらの汗臭い現場だけではなく、デジタル技術を駆使したスマートなフィールドへと進化しています。

イベントを通じてそのことが伝われば、新たな人材の参入や社会からの支持という形で業界への好循環が生まれることが期待されます。

まとめ

建設技術展2025関東は、最新テクノロジーと産学官の知見が融合することで、建設業界の未来像を具体的に描き出す場となっています。

200社超の企業・団体による新技術の展示や多彩なステージプログラムを通じて、建設DXや防災・環境対応など業界の最先端動向が一望できます。

国土交通省など行政も深く関与し、官民一体で技術開発・導入を推進する姿勢が示されました。

展示会のテーマが象徴するように、業界内の協働はもちろん、異業種との連携や次世代への継承も含めて、皆で未来を創っていこうという前向きなビジョンが共有されました。

本展示会が子どもや学生、現場技術者に与えた刺激は、将来の建設現場で必ずや花開くことでしょう。

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