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建設現場のCO2排出量算定をDX化する新システム ─ 鴻池組ら3社の取り組みと業界への影響

世界的な脱炭素の流れの中、建設現場におけるCO2排出量の算定と削減は重要な課題です。

大手ゼネコンの鴻池組は、建設DX企業のMCD3 (エムシーディースリー)および気候テック企業のゼロボードと共同で、建設現場の温室効果ガス (GHG) 排出量を算定するデジタル仕組みを構築し、2025年春から本格運用を開始しました。

従来、施工段階のCO2排出量の把握は難しいとされてきましたが、この新システムにより現場での排出量を自動算定し可視化できるようになります。

取り組みの背景や具体的内容、建設業界にもたらす影響について、詳しく解説します。

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建設現場のCO2排出量算定が注目される背景

建設業界においてCO2排出量の算定と削減が注目される背景には、業界を取り巻く複数の課題があります。

本章では、建設業の脱炭素をめぐる状況と、施工段階でのCO2算定がこれまで困難だった理由を説明します。

建設業界の脱炭素とDXが求められる理由

日本全体で2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みが進む中、建設業も例外ではありません。

とりわけ建設機械からのCO2排出量は約571万トンにも上り、産業部門全体の1.4%を占めているとされ、建設業の脱炭素化は重要な課題です。

また、同時に建設業界では深刻な働き方改革の課題、いわゆる「2024年問題」に直面しています。

2024年4月から建設業にも罰則付き時間外労働の上限規制が適用され、生産性向上が急務となりました。

国土交通省もITやデジタル技術を活用した建設DXを推進しており、業務効率化と脱炭素化の両立が業界全体のテーマとなっているのです。

こうした背景から、施工現場で排出するCO2を的確に算定・管理しつつ、現場の生産性も向上させるソリューションが求められていました。

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施工段階のCO2排出量算定が難しかった理由

建設プロジェクトにおける施工段階(建築・土木工事の進行中)で発生するCO2排出量を算定することは、従来は極めて困難でした。

その理由の一つは、データ収集の煩雑さです。

施工現場では重機や発電機など多くの建設機械が稼働し、それらが消費する燃料や電力に起因してCO2が排出されます。

しかし各機械の稼働時間や燃料消費量の情報は現場ごとに分散しており、統一的な収集・計測基盤がありませんでした。

実際、多くの現場では担当者が工事完了時や半年に一度、膨大な帳票や伝票を元に手作業で燃料使用量を集計し、それをCO2排出量に換算するという方法が取られてきました。

この手法では時間と労力を要するうえ、精度や即時性にも限界があります。

算定結果が得られる頃には既に過去のデータとなっており、リアルタイムでの排出量把握や迅速な対策には結び付きにくい状況でした。

また、集計作業が特定の担当者の経験や手間に依存するため、属人的で継続的な管理運用が難しいという課題も抱えていました。

こうした理由から、施工段階のCO2排出量を正確かつタイムリーに把握するには、新たなデジタル技術の活用が不可欠となっていたのです。

鴻池組・MCD3・ゼロボード共同開発のGHG算定プロジェクト

そこで登場したのが、鴻池組・MCD3・ゼロボードの3社が共同開発したGHG排出量算定システムです。

このプロジェクトでは、建設現場の様々なデータをデジタルで連携することで、従来困難だったCO2排出量の自動算定を実現しました。

ここでは、その新システムの概要と運用状況について解説します。

データ連携で実現するCO2排出量の自動算定

この新システムでは、建設現場の施工管理システム「ワークサイト」と、GHG排出量可視化クラウド「Zeroboard」をAPI連携させることでデータを自動連係しています。

具体的には、ワークサイト上に蓄積される重機稼働時間などの活動量データを定期的にZeroboard側へ送信し、そのデータにもとづいてCO2排出量が自動的に算出されます。

例えば重機の稼働時間や稼働台数に応じた燃料消費量が即座に計算され、対応するCO2排出量がクラウド上で算出・蓄積される仕組みです。

これにより、現場職員がいちいち手入力でデータをまとめる必要が大幅に減り、集計作業の省力化と自動化が実現しました。

鴻池組は本取り組み開始にあたり、全ての施工現場にZeroboardを導入してGHG排出量情報を一元管理できる体制を整備し、既に運用していたワークサイトとのデータ連携機能の開発を3社で進めた経緯があります。

こうしたシステム間の連携により、施工段階で発生するCO2排出量と削減活動の実績を可視化・管理できるようになり、建設業界の脱炭素経営を強力に支援するプラットフォームとなっています。

2025年春から本格運用開始、200現場で活用中

3社によるGHG算定プロジェクトは、2024年から段階的に準備・検証が進められ、2025年春よりいよいよ本格的な運用フェーズに入りました。

以下に、本プロジェクトの主な経緯と運用状況をまとめます。

年月(予定含む) プロジェクト経緯・トピック
2024年5月 鴻池組・MCD3・ゼロボードの3社協業プロジェクト開始を発表(データ連携開発に着手)
2024年10月 一部の建設現場でワークサイトとZeroboardのデータ連携機能を試験実装し、実証実験を開始
2025年1月(予定) 全現場へのシステム本格導入を計画(労働時間上限規制への対応と並行して準備)。
2025年4月 実証結果を踏まえ、連携機能の正式版を実装。鴻池組の各建設現場で本格運用を開始。
2025年8月 鴻池組の200現場超で本システムを活用中。重機稼働データの自動連係や排出量の見える化により、各現場で安定的・継続的にGHG排出量を管理できる仕組みが確立。
今後 適用現場をさらに拡大予定。最終的には鴻池組全社でCO2排出量を一元管理し、定期的な削減レポート作成にも本システムを活用する計画。

このように、2024年秋から複数現場での実証を経て信頼性を高め、2025年4月より正式に全社展開されました。

2025年8月現在ではすでに200箇所以上の建設現場で日常的に活用されており、CO2排出量の算定が常態化しています。

今後はさらに対象を広げ、将来的に鴻池組の全プロジェクトで排出量を一元的に管理したり、定期的な削減実績レポートを自動生成したりすることも視野に入れているとのことです。

このプロジェクトは、自社内での活用に留まらず、業界全体の脱炭素化に向けたモデルケースとしても注目されています。

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新システム導入による効果とメリット

では、実際にこのGHG排出量算定システムを導入することで、現場や企業にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

ここでは、従来手法と比較した業務効率の向上や、リアルタイムなデータ活用による効果について掘り下げます。

現場業務の効率化と重複作業の削減

新システムの導入により、施工現場でのCO2排出量集計業務は劇的に効率化されました。

従来は半年に一度、現場ごとに担当者が手作業でデータを集約していたものが、今や日々の業務フローの中で自動集計されるようになったのです。

これにより、煩雑だった中間報告書作成やデータ集計の重複作業が大幅に削減されました。

現場担当者は手計算やExcel入力の手間から解放され、本来注力すべき施工管理や環境対策に時間を割けるようになります。

その違いは以下の表にまとめる通りです。

従来の手法(手作業で算定) 新システム導入後(自動算定)
現場担当者がCO2排出量を半年ごとに手動集計 データ連携により排出量を日次で自動集計し常時モニタリング
重機の稼働時間など活動量からの排出量算定は困難(個別計算が必要) 重機稼働データを自動連係しクラウドで即時にCO2換算
排出量をリアルタイムに把握できず、対策実施・効果検証にタイムラグ ほぼリアルタイムで排出量を可視化し、迅速なPDCA改善が可能
作業が担当者個人に属人化し継続的な全社管理が困難 入力作業を削減し誰でも使える仕組みに。全社的な継続管理・運用を実現

表が示すように、排出量データの日次での蓄積が可能になったことは大きなメリットです。

現場ごとのCO2排出量が常に最新情報に更新されるため、本社環境部門などが各プロジェクトの状況を把握しやすくなりました。

また、現場での入力負荷軽減により特定の担当者だけに頼らない継続的な運用が実現しており、「あの人しかわからない」という属人化の問題も解消されています。

結果として、排出量データ管理が日常業務に組み込まれ、現場の意識改革(カーボンマネジメントの習慣化)にもつながっています。

リアルタイムな排出量把握によるPDCAサイクルの促進

新システムでもたらされたもう一つの大きな効果が、排出量データのリアルタイム可視化によるPDCAサイクルの加速です。

従来は半年ごとにしか把握できなかったCO2排出状況が、現在では各現場の日々の活動に即してほぼリアルタイムにモニタリング可能となりました。

これにより、例えば「今月は重機の稼働時間が平月より多いためCO2排出量が増えている」といった兆候を早期に捉え、現場での対策の計画 (Plan)→実行(Do)→効果検証 (Check) →改善 (Act) を迅速に回すことができます。

実証実験の結果、排出量をタイムリーに把握できることで脱炭素活動におけるPDCAサイクルをスピードアップできることが確認されており、各現場で小さな改善を積み重ねながら排出量削減を図る継続的改善の文化が醸成されつつあります。

さらに、クラウド上に蓄積されたデータを活用することで、全社的な分析と報告も容易になりました。

各プロジェクトの排出実績を横串で比較分析したり、定期的なCO2削減レポートを自動生成したりすることも可能となり、経営層や発注者への報告資料作成に要する労力も軽減されています。

リアルタイムデータを根拠にした迅速な意思決定や、環境施策の効果測定が可能となった点は、企業全体の環境経営を一段高いレベルに引き上げるものです。

3社協業が生み出した建設DXの意義

このプロジェクトは、単なる一企業内のシステム導入に留まらず、異業種企業が協力して業界課題を解決する試みとしても大きな意義を持っています。

建設業におけるデジタルトランスフォーメーション (DX)と脱炭素化を両立させた本取り組みが示すものは何か、3社それぞれの役割と協業によるシナジーの観点から考察します。

異業種連携がもたらしたイノベーション

今回のプロジェクトは、建設会社×IT企業×気候テック企業という異なる強みを持つ三者が集結した点に特徴があります。

共同開発に参加したのは、創業150年を超える大手ゼネコンの鴻池組(1871年創立)、建設業向けクラウドサービスを手掛けるMCD3 (2015年設立)、そしてGHG排出量算定プラットフォームを提供するスタートアップのゼロボード(2021年設立)です。

それぞれの企業が持つ専門性とリソースを持ち寄ることで、建設現場のGHG算定という新たなソリューションが実現しました。

鴻池組は日本各地で数多くの建設プロジェクトを手掛けるゼネコンであり、長年の施工ノウハウと全社的な脱炭素経営へのコミットメントを持っています。

一方のMCD3は、施工管理に特化したクラウドサービス「建設サイト・シリーズ」(安全書類サービスのグリーンサイトや施工情報管理のワークサイト等)を展開し、建設業のDXをリードしてきました。

そしてゼロボードは、GHG排出量算定クラウド 「Zeroboard」を武器に急成長している気候テック企業で、2025年6月時点で世界15,000社もの利用実績を持つなど、環境分野の最新知見とソリューション提供力が強みです。

この3社がタッグを組むことで、建設現場のGHG排出量算定におけるDX推進という目標を実現するイノベーションが生まれました。

特筆すべきは、協業によって単独では得られない相乗効果が発揮された点です。

現場を熟知する鴻池組の知見により「実際の施工管理フローに組み込めるシステム仕様」が定義され、MCD3のIT技術によって既存の現場管理ツールとのスムーズなデータ統合が実装されました。

さらにゼロボードの先進クラウド基盤により、大量の排出量データを安定的に処理・分析できるスケーラビリティが確保されています。

業種も企業文化も異なる3社ですが、目指すゴールを「建設業の脱炭素化」と定めてリソースを持ち寄ることで、業界の最先端を行くDXソリューションが創出されたのです。

建設DXと脱炭素を両立する取り組みの意義

本プロジェクトは、「デジタルによる生産性向上」と「環境負荷低減」という二つの課題を同時に解決しようとする点で、建設業界に新たな示唆を与えています。

前述の通り建設業界では働き方改革への対応と温室効果ガス削減の両面が喫緊の課題となっています。

従来、これらは別個に論じられることが多く、「生産性向上=コスト削減」、「環境対応=コスト増大」と捉えられがちでした。

しかし本取り組みは、DX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の融合によって相乗効果を生み出せることを示しています。

例えば、重機の稼働データをデジタルで収集・分析することは、作業効率の把握や無駄の削減(=生産性向上)につながると同時に、燃料消費量の見える化(=環境負荷の見直し)にも寄与します。

実際、国交省も建設業の働き方改革推進にあたりDXの活用を呼びかける一方で、建設機械由来のCO2排出削減も重要課題と位置付けています。

本プロジェクトは、そうした行政や業界の方針に合致した先駆的モデルと言えるでしょう。

デジタル技術を活用して業務プロセスを効率化しつつ、その延長線上で環境データを蓄積・活用することで脱炭素も進める。

この「一石二鳥」のアプローチは、今後の建設業界における持続可能な発展を考える上で非常に示唆に富むものです。

実際、本システムの開発過程でも、生産性向上と環境配慮の両立に向けた工夫がなされています。

前述の背景でも触れたように、2024年の時間外労働規制強化に対処するために業務の効率化が求められる中で、現場の重複作業を省くデータ連携は働き方改革の一助となりました。

同時に得られた排出量データは、企業のCSRやESG経営にも資する資産となります。

つまり、DXによって得られた「副産物のデータ」をGXに活用するという好循環が生まれているのです。

鴻池組ら3社の挑戦は、建設業におけるDXの価値を「効率化」から「環境価値の創出」へと拡張した点で、大きな意義を持つと言えるでしょう。

建設業界への波及効果と今後の展望

鴻池組らによるGHG排出量算定システムの実用化は、業界全体にも少なからず波及効果を及ぼしています。

本章では、同様の取り組みが広がる業界の動向と、これから建設業界で求められる視点・スキルについて展望します。

業界全体に広がる脱炭素デジタル施策

建設現場のCO2排出量を可視化・管理しようという動きは、鴻池組だけでなく業界全体で加速しつつあります。

例えば、2025年8月にはネクストフィールド、伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTドコモビジネスの3社が共同で「建設GXソリューション」というサービス提供を開始しました。

このサービスでは、建設現場の情報収集効率化支援、GHG排出量の算定・可視化、さらには排出削減戦略の立案や情報開示支援まで包含しており、まさに建設業界の脱炭素化を包括的に支援する内容となっています。

同ソリューションではNTTドコモビジネスが開発した「MIeCO2」というシステムを活用し、建設現場や取引先から集めたデータを基に建設サプライチェーン全体のGHG排出量を算定・分析するとのことです。

さらに、飛島建設への先行導入が予定されるなど、他のゼネコンにも展開が見込まれています。

このように、複数企業の連携による脱炭素DXソリューションが次々と登場しているのは、建設業界における強いニーズの表れです。

背景には、発注者やエンドユーザーからの環境配慮要求の高まり、そして将来的な規制強化の見通しがあります。

国際的にはTCFD (気候関連財務情報開示)やSBT (科学的根拠に基づく削減目標)など、企業に温室効果ガス排出量の開示や削減を求める枠組みが広がっています。

日本国内でも、ゼネコン各社が自社のカーボンニュートラル宣言を行い、2030年・2050年に向けた削減目標を掲げ始めています。

こうした中、「脱炭素経営の実現にはデータ活用が鍵」との認識が共有されつつあります。

NTTドコモビジネスは「建設業がGHG排出量を削減するためには、現場の重機利用状況や電力使用量、資材の重量など一次データの収集とその効率化が必要になる」と指摘しており、データに基づく改善が不可欠であることを強調しています。

鴻池組の取り組みは、まさにその潮流の先陣を切るものと言えるでしょう。

本システムによって得られた知見や成功モデルは、他の建設会社にも参考になるはずです。

例えば、現場管理データと環境データを結びつけて活用する発想や、現場スタッフの負担を増やさずに環境対応を進める工夫などは、業界全体で共有すべきベストプラクティスです。

今後、他社が同様のシステムを導入・開発したり、あるいは業界横断でデータ標準化の動きが出てくる可能性もあります。

建設業界の脱炭素化に向けたデジタル施策は今まさに黎明期から拡大期へと差し掛かっており、「施工段階のCO2排出量を見える化する」ことが数年後には当たり前のプロセスになるかもしれません。

建設技術者に求められるデジタル・環境スキル

このような業界動向の中で、現場で働く建設技術者やこれから建設業界を目指す人々にとっても、新たな知識やスキルが求められつつあります。

まず重要なのは、デジタル技術への理解と活用スキルです。

施工管理システムやクラウドサービスを使いこなし、現場のデータを適切に入力・チェックできるITリテラシーは、もはや現場監督に不可欠な素養となりつつあります。

今回の鴻池組の事例でも、ワークサイトやZeroboardといったデジタルツールを現場で受け入れ、日常業務に組み込むことが成功の鍵となりました。

今後は図面や工程管理だけでなく、環境データの管理も含めた総合的な現場マネジメントが求められるでしょう。

そのためには、重機の稼働データや燃料使用量といった数値を扱うことに抵抗のない姿勢や、クラウド上のダッシュボードから有益な情報を読み取る分析力が重要になります。

言い換えれば、「データに基づいて現場を改善できる技術者」が重宝される時代が到来しつつあるのです。

加えて、環境・サステナビリティに関する知識もこれまで以上に重要になります。

CO2排出量の算定方法(例えば排出係数の考え方やスコープ1・2・3の区分)、カーボンニュートラルやカーボンクレジットといった概念、さらには省エネ施工法やグリーンボンドなど、従来はあまり現場技術者が意識しなかった領域にも目を向ける必要があります。

企業の環境戦略を理解し、現場レベルでそれを実現するための創意工夫ができる人材は、これからの建設業界で大きな強みとなるでしょう。

事実、大手ゼネコン各社は環境対応に明るい技術者の採用・育成に力を入れ始めています。

例えば社内でSDGs研修やカーボンマネジメント研修を実施したり、環境分野の資格取得を奨励する動きも出ています。

今後は、建設プロジェクトの現場代理人が「安全・品質・工程・予算」に加えて「環境」の視点でもマネジメントを行う場面が増えていくと予想されます。

まとめ

建設業界におけるCO2排出量算定のDX化について、鴻池組・MCD3・ゼロボードの共同プロジェクトを例に見てきました。

従来は属人的かつ煩雑だった建設現場のCO2排出量算定が、データ連携により自動化・日常業務に組み込まれた意義は計り知れません。

現場の効率化と脱炭素化という二兎を同時に追いかけ、実際に成果を上げた本取り組みは、建設業の未来像を示唆しています。

ポイントを振り返ると以下の通りです。

  • 建設業界では働き方改革によるDX推進と、温室効果ガス削減の両課題があり、本プロジェクトはその双方に応える形で誕生した。
  • 鴻池組・MCD3・ゼロボードの強みを結集し、施工管理システム「ワークサイト」とGHG算定クラウド「Zeroboard」を連携。施工段階のCO2排出量を自動算定・可視化する仕組みを2025年春に本格稼働。
  • 新システムにより、現場担当者の手作業負荷を削減しつつ、排出量データを日次で蓄積管理することが可能に。半年ごとの集計業務が不要となり、重複作業が削減。リアルタイムに近い形で排出量を把握できるため、各現場で脱炭素のPDCAサイクルを迅速化できた。
  • 本取り組みはDXとGXの融合による革新的事例であり、今後他社や業界全体にも横展開が期待される。既に他企業による類似サービス(建設GXソリューションなど)も開始されており、建設業界全体でCO2排出量の見える化が進む兆し。
  • 建設技術者にとってもデジタルツール活用スキルや環境知識の重要性が増している。データを読み取り現場改善に活かす力、そしてサステナビリティを意識した施工管理の視点が今後のキャリア形成の鍵となる。

建設現場のCO2排出量算定に代表される環境×デジタルの潮流は、今後ますます加速するでしょう。

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