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関東地方整備局が猛暑対策で働き方改革を推進:夏季休工試行と建設業界の課題

関東地方整備局が建設業界の働き方改革を後押しする取り組みとして、 夏の猛暑期間に工事を休止できる試行を開始します。 近年の猛暑で建設現場の作業環境は過酷さを増し、 熱中症による労災も過去最多を記録する深刻な状況です。

本記事では、 この試行の背景にあるキーワード「働き方改革」と「猛暑対策」の意図を解説し、 建設業における猛暑期の現状と問題点、 国土交通省の「猛暑対策サポートパッケージ」の内容、 そして気候環境に伴う働き方の課題について詳しく掘り下げます。

施工王(建設業界に特化した転職支援会社)ならではの視点で最新の業界動向を分析し、 猛暑下でも持続可能な働き方へのヒントを読者の皆様に提供します。

猛暑期間に休工可能な工事試行の概要

関東地方整備局は2025年度第4四半期(令和8年1〜3月)以降に発注する直轄工事の一部で、 夏季(6〜9月)の猛暑期間をあらかじめ「準休工期間」と定める試行を行います。

具体的には、 契約段階で工期内に6月から9月の最大4か月間を休工可能な期間として設定し、 その期間中に現場作業を中断できるようにします。 従来は猛暑による作業中断には発注者と受注者の協議が必要でしたが、 今回の試行では受注者の裁量で休工の実施可否や期間を決められる点が特徴です。

例えば、 対象工事では猛暑期の現場作業を停止し、 工事を前後の季節に振り分ける計画とします。 2025年度補正予算で発注される道路補修工事など数件でこの試行を実施し、 得られた効果や必要な費用を調査する計画です。

試行結果は今後の制度改善に活かされ、 将来的な本格導入に向けた検討材料となります。

働き方改革を後押しする狙いと背景

関東地整が猛暑期の休工を打ち出した背景には、 建設業における働き方改革と人材確保の課題があります。

宇都宮国道事務所では先行して2023年度より受発注者協議のもと、 7〜8月の現場作業を休止する試行を行ってきました。 この試行では、 猛暑期を避けて工期を調整し、 その間に作業員がまとまった夏季休暇を取得できるようにしたところ、 現場から好意的な声が上がっています。

 このように熱中症予防と長期休暇の確保という二重の効果で、 働き手にとって魅力的な職場環境づくりに繋がる点が注目されています。

実際、 関東地整は猛暑休工の狙いを「熱中症予防に加え、 夏場にまとまった休暇を取得できるようにして担い手を確保・育成すること」に置いており、 労働環境の改善によって若年層を含む人材確保につなげることを目指しています。 さらに同局では、 猛暑対策に技術的工夫を凝らす企業を入札時に評価する方針も予定しており、 技術提案評価型の総合評価落札方式で試行的に評価点に反映させる考えです。

これは企業による暑熱対策への自主的な取り組みを促す狙いがあり、 技術面からも猛暑下の働き方改革を支援する動きといえます。

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 猛暑期間の建設現場:現状と問題点

近年、 夏季の猛暑日における建設現場では熱中症による労働災害が急増し深刻な問題となっています。 記録的な高温にさらされる中、 十分な休息や対策が行き届かない現場も多く、 安全と健康の面で大きなリスクが顕在化しています。 ここでは猛暑下における建設業界の労働災害の現状データと、 過酷な作業環境・従来対策の限界について見ていきます。

猛暑下で増加する熱中症リスク

2024年、 職場における熱中症による死傷者数(労災による死亡者+休業災害者)が1,257人に達し、 過去最多を更新しました。 この数字は2015年(464人)の約2.7倍にのぼり、 この10年で熱中症災害がいかに深刻化しているかを物語っています。

特に製造業や建設業といった業種で被害が集中しており、 2024年の死傷者1,257人のうち建設業は228人(死亡者10人)に達しました。 死亡者全体31人のうち約半数の15人が建設業・製造業で占められており、 他業種に比べても建設現場での熱中症リスクが突出して高いことが分かります。 厚生労働省も「職場での熱中症死亡者が記録上最多」という異例の事態に警戒を強めており、 猛暑下の安全対策強化が喫緊の課題となっています。

実際にWBGT(暑さ指数)が危険水準となる日が増えているだけでなく、 現場でのリスク管理や暑熱対策の遅れによって被害増加に拍車がかかっていると指摘されています。 例えば2024年の死亡災害31件のうち、 現場でWBGT値など「暑さ」の客観的把握がなされていなかったケースが24件との報告もあり、 「感覚頼り」で作業を続行した結果、 判断の遅れや対策不備につながったと分析されています。

このように、 猛暑による労災は気温上昇だけでなく現場の管理体制にも起因して増えており、 対策の徹底が追いついていない現状が浮き彫りです。

補足:WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)は気温・湿度・日射を取り入れた暑さ指数で、 28℃以上で注意、 31℃以上で危険水準とされています。 建設現場でもWBGTに基づく作業中止基準が推奨されています。

過酷な作業環境と従来対策の限界

建設業で熱中症災害が多発する背景には、 夏場の作業環境特有の構造的な問題があります。 第一に建設現場は屋外作業が多く直射日光や照り返しを避けられず、 高温環境下での労働を強いられます。 また重量物の運搬や重機操作など作業強度が高いため体温が急激に上昇しやすく、 加えてヘルメットや保護具の着用が必須であることから身体からの放熱が妨げられる状況です。 これらに加え、 工期や納期に追われる中で十分な休憩や作業中断が確保しにくいという労働慣行上の問題も指摘されています。

特に工期に余裕がない現場では、 「分かっていても休めない」状況に陥りがちであり、 熱中症予防策を十分に機能させるためには根本的に働き方そのものを見直す必要があるとされています。 各所で猛暑時の時差出勤や作業中断ルール作りが進みつつありますが、 それを業界全体に浸透させるには発注者側の理解・協力と制度整備が欠かせません。

猛暑下の過酷な労働環境という現状を踏まえると、 関東地整が打ち出したような「猛暑日は無理に働かない」ための仕組みづくりこそ、 従来対策の限界を突破する鍵と言えるでしょう。

国土交通省「猛暑対策サポートパッケージ」の内容

2025年12月、 国土交通省は建設業における猛暑時の安全確保と働き方改革を支援する「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」を策定しました。 このパッケージは、 猛暑期間の現場作業回避や効率的な施工、 必要経費の確保など多角的な対策を盛り込んだものです。 ここではパッケージの主な施策について、 工期設定の見直しと休工制度、 現場の暑熱対策強化・技術活用の二つの観点から解説します。

猛暑を避ける工期設定と休工制度の推進

国交省は猛暑期の安全対策として、 工期設定そのものを見直す方策を打ち出しました。 具体的には、 直轄工事の発注時に猛暑日数を考慮した工期を設定するため、 2023年3月に「適切な工期設定指針」を改定しています。 過去5年間の平均的な猛暑日(日最高WBGT値31℃以上の日)数を工期算定に組み込み、 当初から猛暑日に作業しなくて済むだけの余裕期間を見込む手法です。 さらに、 万一想定以上の猛暑日が発生して作業を休止せざるを得なかった場合には、 その日数分の工期延長を認め精算できる仕組みも導入しました。 今回策定されたサポートパッケージでは、 この取り組みを一歩進めて「猛暑期間を休工可能とする工事発注」の本格試行が盛り込まれました。

先述の関東地整による夏季休工の試行は、 この国交省方針に沿った全国初のケースと言えます。 また、 猛暑期間中の現場作業回避を促進するため、 特記仕様書(契約特記事項)への明記も推進します。

宇都宮国道事務所の例では、 特記仕様書に「本工事は働き方改革・熱中症予防の一環として7〜8月の現場施工回避について監督職員と協議できる」旨を記載し、 受注者が遠慮なく夏場の中断を提案できるようにしました。 この好事例を踏まえ、 国交省は他の直轄工事でも同様の契約条項を展開し、 全国的に猛暑日の現場中止がしやすい契約環境を整える方針です。

さらに労働時間制度の面では、 厚生労働省所管の「一年単位の変形労働時間制」の活用促進も掲げています。  国交省と厚労省が連携して建設業での運用改善を検討しており、 猛暑期間の休工導入に伴って労働者の賃金や企業収益が損なわれないよう法制度面からも支援する姿勢です。

現場の暑熱対策強化と技術の活用

サポートパッケージのもう一つの柱は、 現場レベルでの暑熱対策を強化し技術革新を活用することです。 猛暑下でも安全に効率的な施工を行うため、 以下のような施策が盛り込まれています。

  • 作業環境の改善:現場に大型ファンやミスト扇風機を設置して気化熱で周囲の気温を下げたり、 日除けテントや日陰スペースを確保して直射日光を遮る取り組みが推奨されています。 また、 空調服(ファン付き作業着)や冷却ベストの着用を促し、 作業員自身が涼を得られるよう支援します。 実際、 国交省直轄工事では2019年度から塩タブレットや経口補水液の支給、 空調服の試験導入等を行っており、 効果的な暑さ対策グッズの普及に努めてきました。
  • 技術の導入(省人化・自動化):「i-Construction 2.0」と称される建設現場の生産性向上策を猛暑対策の面からも積極推進します。 例えば、 重機の遠隔操作によりオペレーターが冷房の効いた室内から作業できるようにすれば、 炎天下で長時間重機に乗る必要がなくなります。 最新のICT施工では、 ドローンやGPS搭載機械で測量・施工を自動化することで、 屋外での人力作業を大幅に減らすことも可能です。 また、 チルトローテータ等の省力化建設機械を活用すれば、 人手に頼っていた細部の掘削・整地作業を機械で代替でき、 猛暑下での肉体労働を削減できます。 

猛暑対策サポートパッケージの主な施策まとめ

分野・課題 主な施策(例) 効果・狙い
工期設定の見直し ・猛暑日を考慮した工期算定指針の改定
・猛暑期間(6〜9月)の休工を可能にする工期設定
無理のない工程で猛暑日の作業回避、 工期に余裕を確保
契約・協議事項 ・特記仕様書で猛暑期間の現場休止を協議可能と明記
・早朝・夜間施工時の警察・地域調整に発注者が協力
受注者が遠慮なく休工・時差施工を実施できる環境整備
労働時間の調整 ・1年単位の変形労働時間制の活用促進 夏場の労働時間短縮と他季節での補填により年間総労働時間・収入を維持
現場環境の改善 ・ミストファン・大型送風機の設置
・日陰テント・冷房休憩所の整備
・塩分タブレット・経口補水液・氷の配布
・空調服・冷却ベスト等の着用
作業者の体感温度低減、 安全で快適な休憩環境の提供
省力化・技術活用 ・遠隔操作(重機の無人化施工)
・ICT活用(測量・施工の自動化)
・省人化機械の活用(チルトローテータ等)
屋外での人力作業を削減し、 猛暑下でも効率維持・安全確保
発注者・業界への働きかけ ・地方自治体や民間発注者への周知・要請
・好事例の水平展開(全国共有)
・技術提案型入札での暑熱対策評価
業界全体で猛暑対策を推進し、 公平な競争環境と担い手確保につなげる

気候変動に伴う働き方の課題:柔軟な施工スケジュールの模索

猛暑・寒冷という環境変化と現場への影響

温暖化の進行により、 日本の夏は年々暑さが厳しくなっています。 関東地方整備局も「温暖化の進行で国内各地の建設現場はどこも厳しさを増し、 猛暑対策は建設業界にとって喫緊の課題」と述べており、 極端な高温がもはや特殊な年だけの問題ではなく恒常的なリスクとなっていることを認識しています。

同時に、 北海道・東北などの寒冷地では冬季の降雪や凍結により毎年工事を中断するケースも多く、 季節ごとの気候リスクに合わせて施工計画を調整する必要性が高まっています。 そのため、 「地域性を踏まえ、 最新の知見・技術を総動員した多様な働き方が必要」と国交省も強調しており、 各地域で最適な働き方モデルを模索する段階に入っていると言えます。

例えば、 夏と冬に休工期間を設ける代わりに春と秋に工期を延ばして集中的に作業する、 新技術でオフシーズンでもできる室内作業(プレハブ化施工など)を増やす、 あるいは年間を通じて天候に応じ柔軟に工程をスライドできる契約条項を整備する等、 今後取り得る手段は様々考えられます。

重要なのは、 気候変動に適応した働き方改革を進めることで、 極端な暑さ寒さに左右されない持続的な建設生産体制を築くことです。

年間を通じた労働時間管理と収入確保の課題

猛暑期や寒冷期に休工・作業時間短縮を行う場合、 懸念されるのは労働者の収入減少や企業の工事採算への影響です。 例えば夏に1〜2か月休工すれば、 その間の労働時間が減る分だけ賃金も減ってしまうのではないかという不安があります。

そこで注目されるのが前述した一年単位の変形労働時間制です。 労働基準法では業務量の季節変動が大きい場合、 労使協定の下で1年の中で労働時間配分を調整することが認められています。

例えば、 公共工事の場合は猛暑で作業停止した日にも一定の契約金額を支払う仕組みや、 休工中に技能訓練や有給休暇取得を推奨して人材育成やワークライフバランス向上に充てるといったアイデアも考えられます。

また、 夏場にあえて工事を行う必要がある場合には危険手当(猛暑手当)の支給や工期短縮のインセンティブ付与なども議論されています。

いずれにせよ、 猛暑・厳寒といった環境下でも労働者の生活が安定し、 企業も無理なく休工を受け入れられるような労務管理制度の整備が今後の課題となります。

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建設業界の働き方改革と担い手確保:猛暑対策がもたらす意義

建設業界の人材不足と長時間労働の現状

日本の建設業界は今、 深刻な人手不足と技能労働者の高齢化に直面しています。 国土交通省によれば、 建設産業は他産業に比べて労働時間が長く休日が少ない傾向があり、 これが若者離れの一因となってきました。 実際、 週休2日制が一般的でない建設現場も多く、 過酷な労働環境が人材確保を阻む大きな課題となっています。

こうした状況を打開すべく、 政府と業界は数年来働き方改革に取り組んできました。 その一例が週休二日制の推進です。実際に国交省は2025年度から直轄土木工事では完全週休2日を原則化し、 工期や積算基準にも「週休2日」を組み込む改定を行いました。

一方で地方自治体レベルでは対応が遅れている所も多く、 建設業界全体で働き方改革を定着させるにはまだ課題が残ります。 しかし大局的には、 労働時間短縮や休日増加による労働環境の改善は避けて通れない流れです。 これらの取り組みは労働者の健康確保とワークライフバランス向上につながり、 結果的に建設業のイメージアップと人材確保に大きなメリットをもたらすと期待されています。

猛暑期の休工制度も、 こうした働き方改革の延長線上に位置付けられ、 「夏もちゃんと休める建設業」という新たな魅力を打ち出す契機となるでしょう。

働き方改革の進展と猛暑対策の意義

建設業における働き方改革は、 単なる労働時間短縮に留まらず総合的な労働環境の改善を目指しています。 週休2日制の推進、 残業規制対応に加えて、 給与や福利厚生の改善、 ICT活用による省力化、 女性や高齢者が働きやすい現場環境づくりといった幅広い取り組みが進められています。 その中で、 今回の猛暑対策による夏季休工の試みが持つ意義は非常に大きいと言えます。

まず第一に、 安全面・健康面での効果です。 第二に、 休暇の確保による魅力向上です。 第三に、 業界の持続可能性(サステナビリティ)の観点です。 実際、 関東地整も「担い手を確保するには働き方改革が欠かせない」と強調しており、 今回の取り組みを通じて次世代の建設産業を支える人材の育成・確保を目指しています。

施工王としても、 業界の最前線で働く方々が安心して長くキャリアを築ける環境づくりは極めて重要だと考えます。 猛暑対策という一見「季節限定」のテーマではありますが、 その裏には働き方改革という大きな潮流があり、 最終的には「人が集まり、 持続可能な建設業界」の実現に資するものなのです。

この試みが成功すれば、 他の地方整備局や自治体、 さらには民間工事にも波及し、 業界全体のワークライフバランス改善につながることが期待されます。

夏季休工導入の課題と今後の展望

制度化への課題:工期・コスト・地域差への対応

猛暑期の休工制度を本格的に導入するには、 工期とコストの調整という現実的課題を避けて通れません。 休工によって工期が延びる分、 発注者・受注者双方にとって計画変更や追加費用が生じる可能性があります。 国交省は今回の試行を通じて、 休工に伴う追加コストが発生した場合には積算基準の見直し等で対応する意向を示しています。 たとえば猛暑休工により増加する現場管理費や人件費については、 契約金額に加算できるよう運用改善を検討するなど、 受注者の負担とならない仕組みが必要です。

また、 工期が延長されることで工事完成のタイミングが遅れ、 社会資本整備に支障が出ないかという懸念もあります。 インフラ老朽化対策や防災工事など緊急性の高いプロジェクトでは、 猛暑でも待ったなしの場合もあるでしょう。 その際には、 酷暑下で作業する労働者への特別手当や安全対策を一層充実させるなど、 休工できない工事への配慮も求められます。

一方、 地域差の問題も見過ごせません。 関東以南の地域では猛暑が深刻ですが、 北国では夏は貴重な施工シーズンです。 寒冷地では冬季に工事休止する分、 夏にフル稼働して年間工期を確保しており、 全国一律で夏も休工とはいかない事情があります。 国交省も「冬季に現場施工ができなくなる積雪寒冷地等の地域性に留意する」必要をパッケージで挙げており、 各地域ごとに最適な制度設計を行うことが重要です。  そうした中小企業を支援する措置、 例えば休工期間中の雇用調整助成金の活用促進や、 共同企業体(JV)内で人員をシフトする仕組みづくりなども今後検討すべき課題です。

最後に、 現場レベルでの意識改革も挙げられます。  実際、 宇都宮国道事務所の例では特記仕様書に明記したことで受注者が安心して夏季休工を提案でき、 現場から歓迎されています。 今後は「猛暑日は無理に働かない」文化を醸成していくことも、 制度定着の重要なポイントとなるでしょう。

今後の展望:制度の定着と業界全体への波及

関東地方整備局による夏季休工の試行は、 業界にとって大きな一歩です。 この結果が良好であれば、 他の地方整備局や自治体発注工事へも展開され、 全国的な制度へ発展していく可能性があります。 国交省は2026年夏(令和8年)に向けて本パッケージの取組を進めるとしており、 来季の実施状況を踏まえて適宜見直す計画です。 関東地整での試行結果は、 その改善に向けた貴重なデータとなるでしょう。

国交省はまた、 地方公共団体や民間発注者への周知・要請も行う方針です。 公共事業だけでなく民間工事でも猛暑対策が進まなければ業界全体の底上げはできません。 建設業団体を通じた啓発や、 優良事例の共有によって、 「猛暑時は休むのが当たり前」という認識を広めていくことになります。

技術革新の面でも期待があります。 暑熱環境での新素材開発やIoTによる作業員の健康モニタリング、 AIを用いた気象リスク予測と工程最適化など、 猛暑対策関連の技術分野は成長が見込まれます。 こうした技術がさらに現場に導入されれば、 猛暑対策は一段と進化し、 「猛暑でも止まらないインフラ整備」も将来的には可能になるかもしれません。 ただし無理は禁物で、 まずは「人間が無理せず働ける範囲で生産性を上げる」という本来の働き方改革の理念を大切にすべきでしょう。

猛暑休工の普及は、 結果的に建設現場の安全文化と労働環境の質を底上げし、 他産業と比べても遜色ない働きやすさを実現することにつながります。 それこそが、 長期的に見た建設業界の持続可能性を支える土台になるはずです。

まとめ

本記事では、 「関東地方整備局 働き方改革 猛暑対策」をキーワードに、 猛暑期間の休工制度を軸とした建設業界の働き方改革について詳細に解説しました。

関東地方整備局が試行する夏季休工は、 過酷な猛暑下でも無理なく働ける環境を整える革新的な試みです。 その背景には、 年々深刻化する熱中症リスクと、 長時間労働が常態化した業界体質を変えて人材を守り育てるという強い目的意識があります。 猛暑対策サポートパッケージに盛り込まれた諸施策は、 単に暑さ対策に留まらず建設業の働き方そのものをアップデートしようとする包括的な取り組みでした。

猛暑期間に現場を閉じる大胆な発想は、 「安全第一」「健康最優先」の文化を根付かせると同時に、 休暇の充実によって働きがいと魅力のある職場づくりにつながっています。 重要なのは、 猛暑対策という観点から始まった改革が、 結果的に建設業の持続可能性を高めることです。 働き方改革の積み重ねによって、 建設業が他産業と比べても遜色ない働きやすさ・安全さを備えれば、 若い世代にとっても魅力的なキャリアの選択肢となるでしょう。

施工王は、 建設業界で働く皆様が安心して長く活躍できるフィールドを創ることを目指しています。 政府・業界・企業・労働者が一丸となって働き方改革を推進し、 「猛暑に負けない現場」と「誰もが誇りを持てる建設業界」を実現していくことを期待しましょう。

参照元:

厚生労働省:2015~2024年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」

国土交通省:「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」

国土交通省:関東地方整備局/宇都宮国道事務所

国土交通省:関東地方整備局

環境省:暑さ指数(WBGT)とは

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