建設業ニュース

小田急電鉄、海老名駅前再開発『ViNA GARDENS』最終章で子育て向け施設とホテル温浴棟の計画を決定

小田急電鉄は2025年12月19日、神奈川県海老名市海老名駅西口エリアで進める再開発プロジェクト「ViNA GARDENS」において、子育て世帯向けの商業施設(仮称「ファミリー棟」)と温泉やホテルを備えた施設(仮称「ホテル温浴棟」)の建設計画を決定したと発表しました。

この2棟の完成により、同開発エリア全9区画の再開発が完了する予定です。 施工王編集部では本計画を建設業界視点で詳しく解説します。

\年収アップ、土日休みの市場にない非公開求人/

>> 質問に回答してあなたに合った求人を確認

ViNA GARDENS開発プロジェクトの概要

「ViNA GARDENS」は、小田急線海老名駅とJR相模線海老名駅の間に広がる開発エリアの名称で、都市郊外型の充実した生活環境を創出する計画です。

2015年の計画発表以降、商業施設や住宅、オフィスなどが順次開業し、街の核となるまちづくりが進められてきました。

開発経緯とコンセプト

小田急電鉄は1960年代から段階的に海老名駅前の再開発に取り組んでいます。 1973年には駅を現在地に移設し、2002年に大型商業施設「ViNA WALK」を開業するなど、商業・交通基盤の整備を進めてきました。

2015年には東西一体型の都市空間実現を目指す「ViNA GARDENS」の開発計画を発表し、「憩う・くらす・育む」をコンセプトに掲げています。 開発エリア内には既に商業施設や分譲マンション、オフィスビルが整備されており、今回のファミリー棟とホテル温浴棟の完成で計画が完結します。

画像の説明

海老名駅と交通結節点化

海老名駅は小田急線、JR相模線、相鉄線の3路線が交わる交通結節点であり、都心とのアクセス性が高いことが特徴です。 相鉄線は2019年にJR・埼京線、2023年には東急線との直通運転が開始され、2016年からはロマンスカーの停車駅にも指定されています。

さらに第2東名高速道路や圏央道の整備進展により、車でのアクセスも向上しており、海老名は神奈川内陸部と都心を結ぶ拠点都市として期待されています。

新施設「ファミリー棟(仮称)」の主要機能と目的

ファミリー棟(仮称)のコンセプトは「子どももペットも、みんなが笑顔になれる家族の新拠点」です。

主な機能は以下の通りです:

保育・学童施設: 共働き世帯向けに保育園や学童保育を整備し、安心して子育てができる環境を提供します。

教育・学習空間: グローバルな視点を育む学習環境を整え、多様な学びの機会を創出します。

ペット関連サービス: トリミング、動物病院、ペットホテルなどを備え、ペットとの暮らしを支える施設を展開します。

家族向け飲食スペース: 小さな子ども連れでもゆったり過ごせる飲食エリアを計画し、家族で楽しめる空間を目指します。

\年収アップ、土日休みの市場にない非公開求人/

>> 質問に回答してあなたに合った求人を確認

新施設「ホテル温浴棟(仮称)」の主要機能と特徴

ホテル温浴棟(仮称)では以下の施設・サービスが計画されています:

日帰り温浴施設:地下1,300mから湧き出る天然温泉を使った大浴場、大型サウナ、家族風呂などを整備し、駅前ながら本格的な温浴体験を提供します。

ラウンジ・休憩スペース: 温浴後に利用できるリラックススペース(お昼寝処)や子育て世代に配慮したキッズエリア、ビジネス利用にも対応したワークスペースを計画しています。

ホテル客室: 約120室を設置し、シングル・ダブルのビジネス向け客室から家族やグループ利用を想定した多様なタイプの部屋まで、様々なニーズに応えられる客室構成とします。 滞在中は温浴施設を自由に利用可能です。

約120室のホテル部分と日帰り温浴施設を組み合わせることで、観光やビジネス客の誘致を見込んでいます。

開発の背景と目的: 若年ファミリー層の増加

海老名市は住居供給や交通利便性の向上に加え、子育て支援施策が充実しており、今後の人口増加が見込まれています。

特に0~4歳、30~44歳の人口が増加しており、若いファミリー世帯の流入が多いとされています。

若年ファミリー層向け施設の強化

新たなファミリー棟は、保育園や学童保育を含む教育施設、ペット関連サービスを提供することで、子どもとペットを持つ若い世帯のニーズを満たす計画です。

これにより、共働き世帯が安心して暮らせる環境整備や、子育て環境のさらなる充実が期待されます。

建築概要と規模

両棟の主な建築概要は先述の表のとおりです。

ファミリー棟は小規模な商業・教育施設として5階・22.6m、延床約3,528㎡で計画されています。

一方、ホテル温浴棟は12階・51.5mの高層施設となり、延床約10,573㎡と大規模です。

施工体制とスケジュール

施主は小田急電鉄で、設計・施工は髙松建設が中心となって進められます。 ホテル棟の建設には髙松建設髙松・青木あすなろ特定建設工事共同企業体が参画しています。

全体のスケジュールはファミリー棟が2025年11月着工・2026年12月竣工予定、ホテル棟が2026年1月着工・2027年11月竣工予定です。

以下の表に、主要な規模・スケジュールをまとめます。

施設名 階数・高さ 敷地面積 延床面積 着工~竣工予定
ホテル温浴棟(仮称) 地上12階 51.5m 2,079.32㎡ 10,573.22㎡ 2026年1月~2027年11月
ファミリー棟(仮称) 地上5階 22.6m 3,395.90㎡ 3,527.73㎡ 2025年11月~2026年12月

再開発後の街づくり:街の変貌と都市機能の集約

今回の新施設整備で、海老名駅前のまちづくりは一段と進むことになります。 すでにViNA WALKやロマンスカーミュージアムなどで賑わいを見せる駅前広場に、保育施設や商業、温浴施設が加わることで、「憩い」「暮らし」「育む」各機能がより豊かに集約されます。

特に子育て支援と温泉レジャーが融合することで、地元住民のみならず周辺地域からの来訪客も増加し、駅前のにぎわいが夜間・週末まで広がると考えられます。

建設業界への示唆と今後の展望

今回の大規模再開発は、建設業界にも複数の示唆を与えます。

家族向け教育・福祉施設と温浴・宿泊施設が複合する特殊性から、設計・施工には多様な技術と調整力が求められます。 また、鉄骨造の高層建築であることや地中温泉水を利用するなど、先進的な建設ノウハウが蓄積されるでしょう。

髙松建設や青木あすなろ特定建設といった大手の施工会社が参画することで、今後の施工体制や技術力向上にも注目が集まります。

海老名再開発プロジェクトの完了により、同地域でのさらなる開発需要や、都心周辺の大規模複合施設の参考モデルとして、建設業界の取り組みが活発化すると期待されます。

まとめ

小田急電鉄による海老名駅前再開発プロジェクト「ViNA GARDENS」は、今回のファミリー棟とホテル温浴棟の整備で全体計画が完了します。

若年ファミリー層の増加を見込んだ保育・教育施設やペットサービス、そして温泉付きホテルの導入により、駅前エリアは新たな生活・交流拠点へと進化します。

施工王編集部では今後も本計画の進展と、建設業界にもたらす影響を注視し続けます。

参照元:小田急電鉄/海老名駅再開発,小田急電鉄/ViNA GARDENS,ImpressWatch

有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。

ゼネラルリンクに相談を

-建設業ニュース

© 2025 施工王 Powered by AFFINGER5