目次
求人条件も悪くなっていると聞くし、実際のところ転職現場の状況ってどうなの?

こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界キャリア12年
- 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
- デベロッパー建築部門主任
- 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか
詳しいプロフィールはこちら>>
コロナ禍の今、転職活動すべきかって悩みますよね。
「求人数は減っていると聞くし、条件も厳しくなってる?」
「買い手市場で転職は不利なんじゃないか」
そんな悩みがこれまで解決されてないのは、コロナ禍の今もアフターコロナも、転職市場の本当のトコロがわからないから。

アフターコロナはどうなるかわからないにせよ、今のコロナ禍の状況は行動してみればわかりますよね。
そこでこの記事では、私が実際にコロナ禍で転職活動をした経験をお伝えします。
5分程度で読めるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
こんな方におすすめ
- コロナで転職活動するか迷っている
- 転職はしたいけど良い条件で転職したい
- コロナ禍でも良い転職はできるのか知りたい
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私がコロナ禍で転職活動を始めた2つの理由
まずは私のカンタンな経歴をご紹介します。
よこりょーの経歴
- 32歳
- 現職:不動産ディベロッパー技術職(建築士)
- 前職:施工管理、現場職人
- 転職2回(今回3回目)
- 妻子持ち、持ち家
転職回数は少し多いものの、いわゆる普通のサラリーマンです。
ただ、新卒から2回の転職で年収を3倍まで上げてきた経歴があります。
詳しくは>>プロフィールをご覧ください。
今回も年収UPと将来的なキャリアアップを目指して転職活動を行いました。
コロナ禍で転職活動に踏み切った理由は2つです。
それは、
- 転職は今を逃すと次のチャンスはかなり先になる
- 建設・不動産業界への影響は今後さらに膨らんでいく
と考えたから。
それぞれカンタンに説明します。
転職は今を逃すと次のチャンスはかなり先になる
コロナによる転職市場の不況は、今後より深刻化して、来年以降は今より状況が厳しくなると考えています。
それは、今回のコロナショックはリーマンショックと似たような状況になると感じたから。
リーマンショックは金融業界の不良債権による不況でした。
当時の市場はサブプライムという爆弾を抱えたまま不健全に成長を続けていき、リーマンブラザーズの破綻とともに世界的に影響が広がりました。
日本市場がこのリーマンショックから回復するには4年かかりました。
2008年9月にリーマンショック発生、その翌年の2009年に有効求人数は最悪を記録。
正社員の有効求人数が2008年の水準まで回復したのは2012年~13年に掛けてです。
つまり、今回のコロナショックがリーマンショックと同じように雇用不況を生むようなことになれば、向こう4年間ほどは良い条件での転職はより難易度が増していく可能性があります。
さらに今回のコロナとリーマンの違いは、経済に与えている影響範囲です。
リーマンは主に金融市場への影響が大きかったことから、日本では債権債務の多い建設・不動産業界の企業への影響が大きく、多くの連鎖倒産を生みました。
しかし今回のコロナは、業界関わらず世界規模で経済活動全体への影響があります。
今後すぐにワクチンが開発され、経済活動が回復するかもしれませんし、ずっとウィズコロナで経済活動をしていかなくてはならないかもしれません。
それは正直分かりませんが、4年で雇用が回復するとも限らない。
そこを感じ取ったのが転職活動を開始した理由のひとつです。
※2021年5月追記
有効求人倍率が、新型コロナウィルスの影響で、2021年4月時点で1.10まで低下しました。(一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)について)
これは前年度比の-0.45ポイントと46年ぶりの大幅マイナスで、09年度のリーマンショック時の下落幅(0.32ポイント)を超え、過去2番目の大きさ。
早めの判断が功を奏したと思っています。
建設・不動産業界へコロナの影響は今後さらに膨らんでいく
建設・不動産業界は今は比較的コロナの影響は少ないと言われています。
東京商工リサーチの最新動向調査(7/14発表)では、コロナウィルスの影響が「すでに出ている」と回答したのは建設業が51.6%で他の産業と比較し最も少ない回答です。
しかし、「今後出る可能性あり」と回答したのは41.9%と他の産業の約2~4倍で全産業トップ。

新型コロナウィルスによる事業活動への影響(東京商工リサーチ調べ 7/14発表)
この理由は、景気の影響を受けるのにタイムラグある産業であることが原因です。
つまり、建設業は「今はまだコロナの影響を受けてないけど、来年以降はあります。」と言っているんですね。
これに関連して不動産業も実は影響が大きいです。
このあたりは長くなるので、コロナショックの影響で建設業界に何が起こる?業界内部から今後の動向を解説で詳しく解説しています。
興味ある方はぜひ目を通してみてください。
つまり、私のキャリアや経済の状況を見ると、「転職活動のタイミングは今!」という結論に至りました。
【新型コロナウィルス】建設業界ではボーナスカット?!リーマン並の不景気も
コロナ禍での転職活動は厳しい?7つの影響
では実際に私がコロナ禍で転職活動を行った状況を紹介します。
結論として、コロナ禍での転職活動は以前より厳しくなっているように感じました。
ただし、条件の良い求人はある。
という状況です。
これは実際に転職サイトを利用し、転職エージェントとも相談して感じています。
私が現在使っているのは、[st_af name="jac"]、[st_af name="miidas-nenshuu"]、ビズリーチです。
確かに求人数は減っていて、以前見た求人も採用中止をしていたり、継続しているものの採用枠が極端に減っています。
私が受けた企業は、コロナの影響により採用活動が一次延期になりました。
詳しく説明していきますが、私の感じた具体的なコロナの転職活動への影響は以下です。
コロナの転職活動への影響
- 求人数の減少
- 企業の採用活動の一時中止
- 書類選考の通過率ダウン
- 面接日程の調整が難しい
- 採用枠の減少(難易度アップ)
- 面接はマスク着用・ドア開放・ソーシャルディスタンス
- 内定の保留
影響1:求人数の減少
私が転職活動を始めた時点(3月末に応募)では求人の減少はさほど感じませんでしたが、6月以降には大幅に減っており、条件や難易度は上がっていました。
私は去年から[st_af name="miidas-nenshuu"]、ビズリーチに登録をしていました。
それは常に求人の情報を得ておきながら、キャリアアップのタイミングを図りたいと考えているからです。
実は年収は自分の実力以上に、市場の相場による影響が大きい。
なので、タイミングを逃すと良い条件での転職は難しくなります。
転職サイトに登録しているのは別に今の会社が嫌とかではなく、自分の市場価値を常に把握しておきたいという考えです。
それが仕事のモチベーションにもなりますので。

もちろん[st_af name="miidas-nenshuu"]、ビズリーチから届く求人には、気になるものもいくつかありました。
その後、コロナ騒動が起き始めた3月に転職エージェントに登録をしました。
利用したのは、[st_af name="jac"]です。
これらはハイクラス人材に特化した転職エージェントで、年収アップを目指したい方なら登録必須。
参考【ハイクラス編】建築・建設系におすすめの転職エージェントランキング
この他、求人比較のため、[st_af name="recruitagent"]、[st_af name="doda-2"]も並行利用させてもらいました。
参考【大手編】建築・建設系におすすめの転職エージェントランキング
彼らとキャリア相談をし、タイミングはいつがベストかと相談すると、やはり返ってきた回答は「今のうちに転職活動した方が良い」でした。

ただしやはり求人は減っており、条件や難易度は上がっている。とのこと。
彼らの「今転職活動すべき」という理由は、今までのように経験が浅くても高年収で転職できるような求人はなくなるから。でした。
影響2:企業の採用活動の一時休止
私は3月末に2社に応募しましたが、面接に進めたのは6月でした。
理由は4月5月は緊急事態宣言を受けて、企業側が採用活動を一次休止することになったためです。
ちなみに3月、登録した転職エージェント3社のうち2社から応募したい独占求人を紹介してもらえたので、書類作成に入りました。
サポートがあるとやはり書類は印象の良いものが出来ます。
3月は主に、職務経歴書のブラッシュアップ、志望動機のための企業研究に時間を当てていました。

3月末頃に提出し、書類選考の結果を待ちましたが2社とも「結果の連絡にはしばらく時間が欲しい」旨の回答がありました。
採用活動をしばらく中止するよう業務指示があったとのこと。
4月は本当に先行き不透明で、採用活動どころではなかったでしょうから、致し方ありません。
その後、2社とも連絡はなかったため落ちていたと思いましたが、緊急事態宣言明けの6月に「面接に進む気があるならその旨連絡が欲しい」とメールがあり、面接に臨むことになりました。
影響3:書類選考の通過率ダウン
転職エージェントからの情報ですが、現在書類選考の通過率はかなり落ちているそうです。(昨年34%⇒今年22%)
これはコロナの影響で、企業側も採用には慎重で、厳しく書類審査をしているためとのこと。

合格できる応募書類を作成するには、やはりプロの目に見てもらうのが一番効率的なので、必ず添削は受けた方がいいです。
私も転職は3度目なので書類作成には自信がありましたが、添削してもらうとグッとよくなりました。

影響4:面接日程の日程調整が難しく転職活動が長引く
コロナの影響で、面接の日程調整はしづらかったです。
応募先の企業もリモートワークを実施していました。
しかも対面での面接のため、先方の限られた日程の中で、こちらの業務を調整して面接予定を組む形になりました。
6月の頭に連絡をもらったものの、実際に面接が出来たのは3週間後。
コロナの転職活動への影響はこんなことろにも出てきていました。
影響5:採用枠の減少(転職難易度UP)
私の受けた企業では採用枠が減っていました。
企業の求人数は応募した3月では1~2名程度でした。
それが面接前に転職エージェントに確認すると、「実は採用枠は6月時点では0~1名になっている。」とのこと。
どういうことかというと「採用を控える」旨、企業のトップから業務指示が下りているそうです。
つまり、基本的には「採用するな」なんですね。
非常に難しい状況にあると思います。
影響6:面接はマスク着用・ドア開放・ソーシャルディスタンス
面接は先方へ訪問。対面での面接でした。
Web面接は導入している企業はまだ少ないそうです。
面接はマスク着用、ドアも開放、応接室の席は千鳥に座り、正面に座らない位置で行いました。
斜め横を向きながら話す感じです。
2人いる場合は左右を向きながら話します。
視線が切れるので意外と通常の面接より自然に話せる印象でした。
影響7:内定の保留
最終面接で部署担当役員と話、かなり感触はよかったものの、現在結果はまだ頂いていません。(7/19)
面接でも話があったのですが、「内定を保留する場合がある」とのこと。
これは何かというと、「合否判断を引き伸ばしたい」ということでしょう。
どうかと思いますが、エージェントもこういった例は初めてだそう。
すぐに内定を取って転職したい人にとっては難しい期間かと思います。

コロナ禍の転職活動で準備したこと2つ
特段難しいことはしていませんが、書類の応募・面接の前には当然準備はしました。
コロナ禍での転職活動で私が行った準備は以下の2つです。
コロナ禍での転職活動の準備
- キャリアの棚卸し
- 企業研究と希望キャリアの紐付け
この2つがしっかり出来ていれば準備することはこれ以上ありません。
ひとつずつ説明しますね。
①キャリアの棚卸し
自分のキャリアを職務経歴書とともに書き出して、どういったキャリアを積んできていて、自分の強みは何かを再確認します。
重要なのは、
- どんな状況だったか
- どんな立場でどんな役割だったか
- その時点の課題
- 具体的な行動
- その結果
- 再現性はあるか
の6つですかね。
ここを書き出せると自分の強みは明確になりますし、キャリアの軸も定まります。
職務経歴書作成と面接の前にはこれを必ずやりました。
②企業研究と希望キャリアの紐付け
まずは自分の希望のキャリアを書き出しました。
コツは、
- When:いつまでに
- Who:どんな人たちと
- Where:どんな立場で
- How:どのようなスキルを持って
- What:どんな成果を出していたいか
を考えることですね。
これを書き出した上で、応募求人がこの希望に合ったものであることを紐つけていきます。
応募企業の採用HPやエージェントに相談し、
- 「求める人物像」
- 「募集ポジションで求められているスキル」
- 「募集職種のキャリアステップ」
を明確にする。
そして、
- 「私は御社の求める人物像に近いです」
- 「募集ポジションで求められるスキルを有していて、こんな事に貢献できると考えています」
- 「将来的には御社の募集ポジションから、こんなキャリアステップを踏んで行きたいのですが可能ですか?」
というストーリーを作る。
ここまでやると、書類も面接も自信をもって臨めます。
ですので、私がやった転職活動の準備はこのくらいでした。
転職活動にあたり、志望動機の書き方などに悩んでいる方は以下の記事も参考にしてみてください。
コロナ禍での転職活動の感想
結局のところ、コロナ禍でもコロナ禍でなくても、やることは変わらなかったです。
少し転職活動期間が長くなったりしましたが、実際に良い条件の求人はありましたし、書類も準備して書けば十分通過できました。
むしろ意識しすぎて行動を止めてしまっている方が機会損失していて勿体無いと思います。
事実、転職を検討している人のうち、コロナ禍でも転職活動をしている人は40%以上います。
現在の転職市場全体がどのような動向なのかは、コロナが転職市場へ与える影響を3つの視点で解説|今、転職に必要なことで解説していますので、ぜひ参考にして下さい。
厳しい。良い求人がない。という情報は多いですが、ピンポイントで探せば良い求人は十分見つかるレベルでした。
「コロナ禍の今」と「アフターコロナ」どっちが転職活動に有利か?
正直な話、「アフターコロナっていつですか?」と、いつも思います。
それは来年かも知れないですし、5年後かもしれないですし、10年後かもしれない。
わからいことに頭を悩ませても時間の浪費なので、まずは行動する方がいいんじゃないかと私は思っています。
なぜなら転職活動して希望の求人がなかったり、面接して希望の条件にならなかったら転職しなければいいだけです。
転職活動をすること事態にデメリットはありませんよね。
それに転職活動はイス取りゲーム。
希望ポジションのイスがいつ空くかもわからないですし、空いたとしてもその機会を逃せばそのイスには座れません。
いつも思うのは、機会損失を最小限にしておかないと転職は成功しないということですね。
確実に転職サイトやエージェントから情報は集めておいた方がいいと思います。
コロナ禍での転職活動|まとめ
この記事の内容を要約します。
この記事の要約
- コロナ禍で企業側の採用活動は縮小している
- しかし良い求人はある
- コロナの影響は求職者には対して関係がない
- コロナ禍でもアフターコロナでもやることは変わらない
- 今か後かで言ったら、今の方がいい
- 転職活動はイス取りゲーム
- 機会損失を最小限にするのが転職成功のコツ
こんなところです。
コロナの影響が思わぬところに出てくるかと心配はありましたが、実際やってみれば普段と変わりませんでした。
たぶん、コロナで「様子見」と思っている人は損していると思うので、よくよくエージェントと相談した方がいいと思います。
求人数は減ってても良い求人がないわけではないです。
登録は5分もかからないので、検討中の方はまずは情報収集から始めておきましょう。
よこ
管理人