建設業界の基礎知識

出隅とは?基本的な知識や仕上げ方法と補修に役立つグッズを解説

建築現場で働いている方なら「出隅(でずみ)」との言葉を耳にした経験があるはずです。

出隅は建築施工では重要な用語のため、効率的に作業をするためにもぜひ正確に覚えておきましょう。
今回は出隅の意味や仕上げ方法、注意点などを解説します。

出隅についてなんとなく理解していた方は、本記事に目を通して理解を深め、実際の業務に活かしてください。

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出隅とは2つの壁が出会う角のこと


出隅(でずみ)とは、2つの壁が外向きに出会う凸の角部分を指します。

出隅部分は外観に大きな影響を与える重要な部分ですが、衝撃を受けやすいため見切り材やコーナーガードなどで保護した方がいいでしょう。

出隅と入隅の違い

入隅は壁と壁、または壁と柱が交わる際にできる「凹の部分(内側にへこんだ角の部分)」を指します。

出隅と入隅の違いは、以下の表を参考にしてください。

項目 出隅 入隅
定義 壁と壁、または壁と柱が交わる際にできる「凸の部分」 壁と壁、または壁と柱が交わる際にできる「凹の部分」
特徴 外側に出っ張っているため、人や物がぶつかりやすい 内側にへこんでいるため、壁紙やクロスの損傷(割れ、剥がれ)が起こりやすい
施工 コーナーガードなどの保護部材を取り付けることが多い 隙間が目立つ場合は、コーキング剤を使って補修する
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出隅の仕上げ方法


外壁の出隅はそのままにするのではなく、仕上げを行って完成となります。
ここでは、外壁出隅の仕上げ方について、4つの方法を解説します。

同質出隅

同質出隅とは外壁と同じ素材を使用して角を仕上げる方法で、窯業サイディングに用いられる仕上げ方法です。

同質出隅で仕上げた場合、継ぎ目が目立たなくなり、出隅が美しく仕上がります。
とくに外壁では、外観の一体感を保つための重要な技法といえるでしょう。

ただし、同質出隅の仕上げには、シーリング処置が必要です。
メンテナンス時に数万円程度のシーリング打ち換え費用を負担しなければならないため、コストのかかるのが難点です。

通し出隅

通し出隅は角を遠目に見たとき、美しく見えるように仕上げる方法です。

施工時には正確な計測と材料の切断が必要で、熟練した技術が求められます。

通し出隅は、デザイン性が求められる建物で使用されるケースが目立ちます。

シーリングレス出隅

シーリングレス出隅は、シーリングを使用せずに角を仕上げる方法です。

価格は高くなりますが、シーリングを使用していないため交換や板金塗装といったメンテナンスの手間を減らせます。

外壁材の継ぎ目を自然に見せるため、デザイン性にもすぐれた仕上げ方法です。

段出隅

サイディングと同じ柄の外壁角の部材を使用することを、段出隅と呼びます。

同質出隅と基本的に同じですが、段出隅は金属サイディングの出隅に用いられる仕上げ方法です。

段出隅で仕上げると建物全体のデザイン性が向上し、独特の美観を実現できます。
しかし、段出隅自体高額で施工には相当な手間がかかるため、コストが高くなるデメリットがあります。

出隅が増えると建築費用がかかる


出隅が多い建築物は、コストが高い傾向です。
出隅が多いと外壁面積も多くなるため、材料費がかさみます。

また、出隅の仕上げには仕上げ材が必要で、とくにデザイン性の高いものは素材自体が高価格です。

さらに、仕上げには高度な技術と手間が必要なため、職人の労働コストも上がります。

出隅は風や雨、紫外線の影響を受けやすく、劣化しやすい部分です。
そのため、定期的なメンテナンスが必要となり、長期的にみてもコストがかかるといえます。

出隅の注意点


出隅はその特徴から、いくつか注意するポイントがあります。

本章で解説する出隅の注意点を確認し、実際の建築現場や持ち家の建設で活かしてください。

人や物がぶつかりやすい

出隅は、壁の角が外側に出ているため、人や物がぶつかりやすい場所です。

とくに動線上にある出隅は頻繁に人や物が衝突しやすくなるため、ほかの部分に比べて損傷のリスクが高くなります。

それゆえ、出隅を保護するために、コーナーガードといった補強材の使用を検討する必要があります。

壁紙・クロスが傷つきやすい

出隅は、壁紙やクロスが傷つきやすい箇所でもあります。

出っ張っているために物がぶつかる頻度が高いため、壁紙が剥がれたり、クロスが破れたりするケースが少なくありません。

そのため、施工時に出隅部分へ補強テープを使用し、壁紙やクロスの損傷を防ぐ対策が必要です。

また、多少値段が高くても、耐久性の高い壁紙を検討したいところです。

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出隅の補修に役立つグッズ


出隅の部分は、構造上どうしても損傷しやすい部分です。
そのため、少しでも損傷したら、ひどくならないようにすぐに補修しましょう。

ここでは、DIYでできる補修方法を紹介します。

コーキング剤

コーキング剤は、建物の隙間を埋めるための目地材であり、シーリング剤とも呼ばれます。

出隅部分に使用することで、隙間や割れ目をしっかりと補修してくれます。

また、コーキング剤は素材によってさまざまな商品があるため、壁紙や塗装にあったものを選べるのも便利なポイントです。

クロスの隙間埋め剤

クロスの隙間埋め剤は、壁紙の隙間や小さな傷を補修するためのアイテムです。
施工が簡単で短時間で乾燥するため、DIYでも手軽に使用できます。

出隅に取り付けたクロスの隙間は、ほっておくと徐々に広がっていきます。
ホームセンターに行けば数百円で購入できるため、隙間ができたら素早く対処しましょう。

コーナーガード

コーナーガードは、出隅を保護するためのクッション材です。

人や物がぶつかりやすい場所の出隅に設置すれば、人への衝撃をおさえるだけでなく、出隅自体の損傷も防ぎます。

コーナーガードは両面テープで簡単に取り付けられ、値段も数千円程度なので、ぜひ取り付けましょう。

出隅は見切りで美しく仕上がる


見切り材を使用すれば、出隅が均一で美しい仕上がりになり、部屋全体もおしゃれになります。

見切り材とは出隅の角の部分を保護しながら、隙間や継ぎ目をカバーする部材です。

見切り材には木製や金属製など、さまざまな種類があるため、出隅のデザインや用途に合わせて適切な素材や形状を選びましょう。

出隅は見た目を左右する大切なポイント

出隅は2つの壁または板が接触してできる、出っ張った角のことです。
人や物と接触しやすく、構造的にもすぐに損傷しやすい部分といえます。

建物や部屋全体の印象へも影響を与えるため、丁寧に仕上げたいところです。

建築現場で働いている場合、出隅についてあいまいに把握していては、施工ミスといったトラブルの原因になりかねません。

本記事で出隅について理解を深め、ぜひ実際の業務でお役立てください。

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