建設業界の基礎知識

フロアダクト工事とは?概要や施工方法、使用部材などを解説!

住宅や施設、工場といったさまざまな建物に電気を供給するための工事を電気工事、または電気配線工事と呼びますが、配線工事にはいくつか種類があることをご存じでしょうか。

その一つに、フロアダクトを使って行われる「フロアダクト工事」と呼ばれる工事があります。

今回はフロアダクト工事の概要と施工方法、使用部材やその他の配線工事について解説します。

電気工事に従事して間もない人や電気工事に興味がある人は、ぜひ今後の参考にお役立てください。

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フロアダクト工事とは


フロアダクト工事とは、電気工事で行われる配線工事のことです。

屋内の間仕切りの変更や、電話・コンセントの増設を予測し、コンクリートの床に金属製のダクトを埋設して必要な場所から引き出すことを可能にする工事で、「床下線ぴ工事」と呼ぶこともあります。

オフィスビルで行われることが多く、使用電圧は300V以下、乾燥したコンクリートの床内を限定とした工事とされています。

床下に配線を隠す特徴から、室内の景観が良くなるほか、足元や頭上に散らばることがないので、安全な環境で作業ができるなどのメリットがあります。

フロアダクト工事にみられる特徴


フロアダクト工事の特徴は、コンセントを使用しないで電源を供給できることです。

壁面などに設置したコンセントから電源を供給するのが一般的ですが、フロアダクト工事は引出口から電源を供給する工事です。

床内にフロアダクトを格子状に配置しながら配線するので、引出口は床面です。

経済産業省による「電気設備の技術基準の解釈」の第165条では、フロアダクト工事についていくつか規定を設け、以下のような事柄が記載されています。

ボックス及び引出口は、床面から突出しないように施設し、かつ、水が浸入しないように密封すること。
ダクトの終端部は、閉そくすること。
出典:経済産業省|電気設備の技術基準の解釈

ここからは同省の資料をもとに、フロアダクトの特徴をより詳しく解説します。

接地工事はA~D種の4種に大別される

フロアダクト工事は「D種接地工事」に該当します。

電気工事のなかでは接地工事の省略が可能なケースもありますが、フロアダクト工事は省略できる条件がないためダクトの長短にかかわらずD種接地工事で対応します。

なお、接地工事の4種については下表のとおりです。

名称 概要
A種接地工事 特別高圧計器用変成器の2次側電路、高圧用又は特別高圧用機器の金属製外箱等の接地等、高電圧の侵入のおそれがあり、かつ、危険度の高い場合に要求されるものにおいて施すもの
B種接地工事 高圧又は特別高圧が低圧と混触するおそれがある場合に低圧電路の保護のために施設されるもの
C種接地工事 300Vを超える低圧用機器の金属製外箱等の接地など漏電による感電の危険度の大きい場合に施設されるもの
D種接地工事 300V以下の低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電の際に、簡単なものでも接地工事を施してあれば、これによって感電等の危険を減少させることができる場合に施すもの

参考:経済産業省|電気設備の技術基準の解釈の解説

フロアダクト工事にはさまざまな規定があるので、電気工事に従事する際はこの機会に目を通しておくことをおすすめします。

使用する電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く絶縁電線

フロアダクト工事では「屋外用ビニル絶縁電線(OW線)」を除いた絶縁電線を使用します。

直径3.2mm以下の単線、もしくは複数の素線をよりあわせた心線を指す「より線」を用います。

なお、低圧屋内配線工事における電線管に収める電線の太さが異なる場合、絶縁被覆を含む断面積の全体がダクト内断面積の32%以下でなければならないと、内線規定で決められています。

使用可能な電線や太さ、断面積などさまざまな点に決まりがあるため、フロアダクト工事に従事する際は、きちんと確認することが大切と言えるでしょう。

電線の接続は原則ジャンクションボックス内で行う

フロアダクト工事で行う電線の接続は、原則ジャンクションボックスと呼ばれる電線同士の結合・分岐・中継に用いられる端子の保護管内で行わなければなりません。

その他の場所での接続はできないほか、使用する電線にも決まりがあります。

なお施工方法はダクトサポートで取り付けるのが一般的です。

施工方法

フロアダクト工事は、フロアダクトやジャンクションボックスを堅ろうにして、電気が安全に伝わるように接続します。

ダクト同士の接続では、ダクト相互の接続のための「ダクトカップリング」という部材を使用し、ダクトの繋げたり中継する際はジャンクションボックスを使用します。

接続後はフロアダクトの終端部を閉塞させます。

電線引出口のインサートがあり、電源を取り出すときはアウトレットボックスを接続詞、使用しないときはインサートマーカーで閉じます。

フロアダクトの使用部材


フロアダクト工事で使用する部材は下表のとおりです。

以下のような部材を用いながら電気を安全に供給する工事を行います。

名称 概要
フロアダクト 床内に埋め込み施工する配線用ダクト
ジャンクションボックス フロア宅と用の結合・中継ボックス
ダストカップリング ダクト相互接続
インサートキャップ インサートを閉じるための蓋
ビス上のマーカーとなっていることからインサートマーカと呼ばれることもある
埋め込みインサートキャップのほかに露出インサートキャップもある

フロアダクト工事以外の配線工事


電気工事における配線工事は、フロアダクト工事以外にもいくつかあります。

ここからはフロアダクト工事以外の配線工事を紹介します。

バスダクト工事

配線にアルミや銅製のバスダクトを使用し、複数系統を集約して天井下などに取り付ける工事をバスダクト工事と呼びます。

導体には耐火性や電磁波の発生が少ない金属を使用しているので、電気や機械的な特性に優れています。

ケーブルが露出せず系統管理も簡単に行えるほか、設置後は取出口を設定できるので移設や増設もスムーズにできるといったメリットがあります。

セルラダクト工事

床構造材に用いる「デッキプレート」の溝に配線する工事をセルラダクト工事と呼びます。

単独では行われず、フロアダクトや金属管と併用します。

フロアダクト工事で使用する電線と同じものを使用しますが、収容本数はダクト内の断面積の20%以下に調整し、電線の絶縁被覆を含む断面積の総和を抑えなければなりません。

ビルや工場といった大型構造物で行われることが多く、電気設備の増設のほか、付加位置の変更・増設が手軽に行えるメリットがあります。

アンダーカーペット工事

アンダーカーペット工事は、タイルカーペットや置敷タイルの下に配線する工事です。

床の凹凸を抑えるために、テープ状の薄型電線を用いるのが特徴で、電気以外にネットワークケーブルなどの配線も同時に行われます。

家電量販店やショールームなどのディスプレイ照明の電源や、お客様用のスマートフォン・タブレット・パソコンといった各種デバイスの充電用電源にも利用されています。

追加の要望を受けても短時間の工事で対応できるほか、景観を損ねないメリットがあります。

フリーアクセスフロア工事

フリーアクセスフロア工事は、二重構造の床にある空間に配線を通し、引出口を固定しない工事です。

オフィスで取り入れられる工事で、レイアウト変更や機器の増設、配線へのアクセスが容易に行えるメリットがあります。

フロアダクト工事は決まり事の多い仕事

フロアダクト工事は、オフィスビルで行われることの多い電気配線工事です。

床下に配線を埋め込む仕組みから、景観を損なわず、安全な環境で作業ができる一方、電線の種類や太さなどに決まりが多いといった特徴もあります。

フロアダクト工事に従事する際は、内線規定や各省の資料に目を通し、内容を把握した上で取り組む姿勢が求められます。

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