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建設現場に従事する場合、「入隅(いりずみ)」と「出隅(でずみ)」という言葉を見聞きすることがあります。
きちんと意味を把握していないと、見方によっては意味が大きく変わってしまい、施工にミスが生じることも。
今回は、それぞれの概要と建設方法、万が一のときのメンテナンス方法を解説します。
建設現場に従事して間もない人、意味を混同することが多い人は、本記事を通じて理解を深め、業務にお役立てください。
入隅と出隅の意味
建設現場では、入隅と出隅の違いについて把握しておくことが大切です。
意味を把握せずに従事していると、施工時にミスにつながることがあるためです。
それぞれの意味を把握し、トラブルのない施工を目指しましょう。
入隅とは
入隅は、壁と壁が出会うへこんだ角の部分を指します。
建設現場では「計測基準点から入隅まで5mm」などと使用されます。
建設会社や職人によっては「いりすみ」と呼ぶ人もいるので、どちらを使用しても柔軟に対応できるよう覚えておくと良いでしょう。
出隅とは
壁と壁が出会う、出っ張った角のことを出隅と呼びます。
「測定基準点から出隅まで5mm」など、長さを測定する場合に使用します。
建設会社や職人によっては「ですみ」と呼ぶこともあるので、どちらを使用されても対応できるよう覚えておくと良いでしょう。
入隅と出隅は建築物の測定時に使用される言葉
入隅と出隅は、建築現場で使用されることが多く、例えば「計測基準点から入隅まで5mm」など、長さを測定する際に用いられます。
建築現場での測定ではごく当たり前のように使用される言葉のため、現場に従事する際は必ず覚えておきましょう。
なお、入隅か出隅かを確認するときは、見る人の場所、つまり視点が関係します。
部屋の内側から見たときに出っ張った部分を出隅、へこんでいる部分を入隅と呼びますが、外側から見るとこれらは逆になります。
それぞれの意味を覚えるときは、外側・内側どちらの視点から見ても「出っ張っている部分は出隅」「へこんでいる部分は入隅)」と覚えておくことで、伝達や施工時のミスを防ぐことができます。
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入隅と出隅の建築方法
入隅や出隅は、木材を斜め45度に図ったら、その部分を切り落とし、それぞれを突き合わせて造ります。
角の部分の巾木や縁ぶちなどは、木材を斜めに切るのが本来の工法です。
しかし、職人によっては直線に切ったあとに垂直に合わせるケースもあるようです。
入隅・出隅における建築費用
入隅と出隅は、その数によって建築現場にかかる費用が大きく変わります。
例えば入隅や出隅が多い建物は、外壁面積が多い建物と考えられます。
外壁面積が増えるとその分だけ外壁材が必要になるため、材料にかかる費用が増えます。
また、角の多い建築物は、平面が多い建築物に比べて施工に手間がかかるので、建設時は費用が高くなる点に注意が必要です。
入隅・出隅における注意点
ここでは入隅や出隅における注意点を紹介します。
建設現場に従事する人や、将来的に住宅を購入する可能性がある人は、併せて押さえておくことをおすすめします。
入隅は壁紙などが傷みやすい
入隅は、壁紙クロスなどが損傷しやすいといった特徴を持ちます。
例えば住宅の場合、壁紙の色や仕上げの切り替えが頻繁に行われる場所のため、仕上げ材として使用される壁紙クロスが乾燥し、ひび割れなどの損傷が最も生じやすい場所と言われています。
そのため、入隅の施工では、将来的にひび割れが生じやすいことを踏まえ、端まで丁寧にノリ付けをした上で施工することが大切です。
入隅・出隅に隙間がある場合
建物に大きな隙間が確認できたときは、質が低いなどの問題がある可能性が高いです。
住宅の内覧を行うときは、まず入隅の角材の結合箇所に隙間がないか確認することをおすすめします。
新築住宅に関わらず隙間がある場合は、職人の腕が悪いか、急いで施工された可能性が考えられます。
中古住宅の場合、経年劣化によって隙間が開くことはありますが、極端に開いているときは、管理会社に問い合わせることをおすすめします。
季節によって隙間の開き具合が異なる
木材は含有する水分によって伸縮する特徴を持ちます。
そのため、季節によっては入隅や出隅の隙間の開き具合に変化があるのも注意が必要です。
- 冬期:空気が乾燥しており隙間ができにくい
- 夏期:湿度が高く隙間が空きやすい
それぞれの隙間を確認するときは、季節の変化によって広がっている可能性を念頭に置くことが大切です。
外壁材の出隅には役物が必要
外壁材は、壁紙の要領で丸みを持たせて貼ることができません。
その理由は、外壁材の面の端で材料を切ったときに、材料の断面が見えてしまうためです。
そのため、外壁材を使用する際は、この断面を隠すために「役物」と呼ばれる角専門の部材を使用します。
出隅で外壁材の色を貼り分けると、どちらかの外壁に役物の色が付いてしまうため、役物の素材や色味などを慎重に選ぶことが大切です。
雨漏りに注意
入隅と出隅は、建物の揺れや地震による振動によって隙間が開きやすい特徴もあります。
隙間が開いているまま放置してしまうと、その隙間から雨水が入り込み、雨漏りにつながることも少なくありません。
雨漏りの放置によっては家屋の損傷にもつながるので、施工は丁寧に行うことを心がけましょう。
隙間がある場合の対策
入隅と出隅に隙間ができたときは、入隅側の壁紙クロスを必要な部分だけ切り落とし、コーキングを使って処理する方法が効果的です。
壁紙をカットせずに貼ると、壁紙が膨れたり破損するなど別の被害が発生する可能性があります。
また、振動によって隙間ができやすいことを踏まえ、あらかじめコーキング処理しておくのもおすすめです。
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入隅・出隅にあると便利なアイテム
入隅と出隅の修理や隙間防止に、あると便利なアイテムは下表のとおりです。
名称 | 概要 |
---|---|
コーキング材 |
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クロスの隙間埋め剤 |
|
コーナーガード |
|
入隅・出隅のメンテナンス方法
ここでは入隅と出隅のメンテナンス方法を紹介します。
方法がやや異なるので、それぞれを把握して業務幅を広げましょう。
入隅の場合
入隅のメンテナンス方法は、内装の場合は、必要な分だけ壁紙を切り落とし、シーリング施工をすることで隙間が広がる影響を抑えることができます。
外壁の場合は素材によって異なりますが、耐用年数を迎える前に材料を剥がして、新しい材料を充填するのが有効です。
なお、入隅は内装・外壁の接触面になるため、隙間ができやすい特徴があります。
揺れや振動によって隙間ができることをあらかじめ予測し、コーキング処理しておくのも効果的です。
出隅の場合
出隅の場合も面と面が重なる部分のために、経年劣化によって隙間が出てきやすい部分です。
内装の角の場合、コーナーガードを設置しているのであれば新しいものに交換する方法が有効です。
もし隙間ができてしまったときは、入隅と同様にコーキング剤による補修を行うと良いでしょう。
外壁の角は、雨風や日光があたる特性から劣化しやすい部分です。
補修する際は、まず傷みの激しいコーキング材、または古くなったコーキング材を取り除き、新しいコーキング材を使って充填しましょう。
なお、補修の際は専用の補修材を使い、適切な厚みや密着性を確保することが大切です。
専用の補修材がわからないときは、ホームセンターの従業員に確認すると買い間違いを防ぐことができます。
入隅・出隅の違いを押さえよう
入隅と出隅は、建物の内外部にある、2つの壁によって生まれる角のことを指します。
どちらも建設現場で用いられる言葉であるものの、現場に従事して間もない人にとっては意味を知らなかったという人も多いでしょう。
本記事でそれぞれの意味を押さえ、得た知識をぜひ建設現場の業務でお役立てください。
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