施工管理の転職ノウハウ

管工事施工管理技士2級をやさしく解説|難易度・合格率や受験資格の変更も!

「2級管工事施工管理技士って何ができるの?」「取得するメリットってある?」「受験資格や難易度は?」と悩んでいる方向けの記事です。

この記事では、2級管工事施工管理技士ができること、2級の試験概要や難易度などを解説します。

この記事を読むことで、あなたのキャリアに2級管工事施工管理技士がどう関係するかわかり、キャリアアップに活かせるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

2級管工事施工管理技士とは?

2級管工事施工管理技士は、管工事の施工管理に必要な知識と技術を有すると認められた人に付与される国家資格です。

2級管工事施工管理技士を取得することで、建設業法に定められた工事責任者として施工管理業務に従事することができるようになります。施工管理の業務としては、品質・工程・安全の管理や施工計画および施工要領書の作成などを行い、関連工事との取り合い調整を行います。

管工事の具体的な例としては、冷暖房・給排気・ガス・給排水などの工事です。

管工事は建物に必ず必要になる工事で、管工事を取りまとめる人材の需要も高いため、今後管工事でキャリアアップをしていきたいと考えている人は、まずは2級管工事施工管理技士の取得を目指してみると良いでしょう。

2級管工事施工管理技士の仕事内容

2級管工事施工管理技士の仕事内容は、主に以下の5点です。

  • 品質管理
  • 工程管理
  • 原価管理
  • 安全管理
  • 施工計画作成・調整

具体的には、

品質管理は、現場の自主検査および是正の確認、自主検査表の作成と提出

工程管理は、取り合いの多い関連工事との工程調整と工程表の作成、職人の手配段取り

原価管理は、コスト・人工計算、請求・ネゴ、見積作成

などです。

実務としては、元請けであるゼネコンや工務店との打合せ、元請けに提出する書類作成の業務が多くなるでしょう。

特に、建築との取り合いは多く発生するため、施工前段階では施工図の調整と工程の調整、施工開始後では現場での変更調整や建築への質疑などを行うことが多くあります。

管工事施工管理技士1級と2級の違い

1級管工事施工管理技士と2級管工事施工管理技士の違いは、担当できる工事規模です。

1級管工事施工管理技士の場合は担当できる工事規模に制限はありませんが、2級管工事施工管理技士は一般建設業※までという制限があります。

1級管工事施工管理技士は工事規模に制限なく、監理技術者・主任技術者・営業所専任技術者になることが可能で、2級管工事施工管理技士は、一般建設業における管工事の主任技術者・営業所専任技術者になることが可能です。

工事規模の制限なく施工管理ができ、監理技術者になれる1級資格は、建設会社からもニーズが高いので、より大きな規模の工事で施工管理業務を行う場合やキャリアアップを目指す場合には、1級の資格取得を目指しても良いでしょう。

※一般建設業:元請けが4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の下請契約を締結する工事

2級管工事施工管理技士の資格を取得するメリット

2級管工事施工管理技士の資格を取得すると多くのメリットがあります。

ここでは代表的な以下2点のメリットについて解説します。

転職に有利になる

2級管工事施工管理技士の資格を取得することで転職が有利になります。

その理由は、建設工事(特に建築工事)に関しては、管工事は必須の工事であり、管工事の施工管理ができる人材は活躍のフィールドが広いためです。

例えば、集合住宅やオフィスビル、商業施設などの建設工事では管工事施工管理技士は必ず必要とされます。これらの建設工事にかかわる企業はゼネコンや工務店などの建設会社だけでなく、ディベロッパー、コンストラクションマネジメント事務所、設備設計事務所、建築設計事務所などもあります。

管工事の知識と技術が必要な企業では、管工事施工管理技士の需要があり求人が出ていることが多いので、資格を取得して転職を検討したい人は一度転職サイトや転職エージェントで求人を探してみると良いでしょう。

専任技術者になれる

2級管工事施工管理技士の資格を取得すると、専任技術者になることが可能です。

専任技術者とは、営業所専任技術者のことで、主任技術者とは異なります

営業所専任技術者は、各営業所に専任で配置され、その営業所で請ける建設工事の請負契約(2級の場合は一般建設業まで)が適正に締結されるよう技術的見地から業務を行う技術者のことです。具体的には、営業所に常勤して、見積の作成や契約の締結などを行います

専任技術者は建設会社の各営業所における責任者の役割をもちますので、技術者のキャリアアップにつながります。

2級管工事施工管理技士の合格率・難易度

2級管工事施工管理技士の試験は、一次検定と一次検定合格者が進む二次検定の2回で実施されます。

一次検定合格者には管工事施工管理技士補の資格、二次検定合格者には管工事施工管理技士の資格がそれぞれ付与されます。

年度により幅はありますが、おおむね60%前後の合格率です国家資格としては比較的取得しやすい資格と言えます。

それぞれ一次検定、二次検定の合格率を紹介します。

第一次検定

2級管工事施工管理技士の一次検定の合格率は以下のとおりです。

 

受検者数

合格者数

合格率

2018年度

13,837人

8,011人

57.9%

2019年度

13,950人

9,091人

65.2%

2020年度

12,348人

7,683人

62.2%

2021年度

11,580人

5,766人

49.8%

2022年度

11,051人

6,274人

56.8%

2023年度(前期)※第一次検定のみ

5,706人

3,361人

58.9%

2級管工事施工管理技士の一次検定の合格率は直近5年で2021年度の49.8%から2019年度の65.2%で推移しています。

毎年おおむね半数以上が合格している試験であることから、しっかり学習すれば一次試験の合格は難しいものではないでしょう。

第二次検定

2級管工事施工管理技士の二次検定の合格率は以下のとおりです。

 

受検者数

合格者数

合格率

2018年度

9,742人

5,537人

56.8%

2019年度

10,602人

5,760人

54.3%

2020年度

9,544人

5,514人

57.8%

2021年度

8,938人

6,054人

67.7%

2022年度

8,316人

4,962人

59.7%

2級管工事施工管理技士の二次検定の合格率は直近5年で2019年度の54.3%から2021年度の67.7%で推移しています。

二次検定も一次検定同様に、毎年半数以上が合格しています。一次検定、二次検定ともに計画的に学習に取り組み、施工管理技士の取得を目指しましょう。

2級管工事施工管理技士の試験概要

2級管工事施工管理技士の試験概要を以下にまとめました。

受験を検討している方は以下を確認してください。

受験資格

受験資格については以下となります。

令和6年度より変更がありました。

令和10年度までは過去の受験資格でも受験が可能です。

一次検定

令和6年度中における年齢が17歳以上の者(平成20年4月1日に生まれた者も含む)

二次検定

第一次検定合格後、実務経験3年

1級第一次検定合格後、実務経験1年

制度改正前の受験資格要件による二次検定受験も可

(令和10年度まで)


※詳しくはこちら⇒令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります(全国建設研修センター)

試験内容

試験内容は機械工学や施工管理法、法規の科目があります。

一次検定、二次検定それぞれ出題形式や出題数が異なりますので、確認しておきましょう。

「第一次検定」

2級管工事施工管理技術検定の一次検定はマークシート形式の解答です。

試験時間は2時間10分

出題科目は

  • 機械工学
  • 施工管理法
  • 法規
  • 施工管理法(基礎的な能力)

出題数は52問で、必要解答数は40問。

合格基準は60%の得点(24問以上の正答)となっています。

「第二次検定」

2級管工事施工管理技術検定の二次検定は記述式の解答です。

試験時間は2時間

出題科目は施工管理法における知識や能力に関する問題で、

  • 設備全般
  • 工程管理
  • 法規
  • 施工経験記述

が出題されます。

出題数は大門が6問で、必要解答数は4問。

合格基準は60%の得点(配点基準は未公表)となっています。

まとめ|管工事施工管理技士2級はキャリアアップにおすすめ

管工事施工管理技士の2級は管理できる工事規模が限定されているものの、実務として担当できる現場は多くあります。特に建築の建設工事においては絡みが多く、資格が生きる場面は多いでしょう。そのため、企業からのニーズも高くキャリアアップにつながる資格です。

管工事に関わるキャリアを積みたい人はぜひ取得を目指してみましょう。

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