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中堅ゼネコンとは?スーパーゼネコン・準大手ゼネコンとの違いや就職のメリット・デメリットをわかりやすく解説!

中堅ゼネコンの有名企業はどこ?
中堅ゼネコンとその他ゼネコンの違いは?
中堅ゼネコンで働くメリット・デメリットは?

こんな疑問にお答えします。

この記事でわかること

  1. 中堅ゼネコンの定義

  2. スーパーゼネコン・準大手との年収・売上高比較

  3. 中堅ゼネコンに就職するメリット・デメリット

  4. 中堅ゼネコンの将来性

建設業界への就職を希望・検討している方はスーパーゼネコンに目が行きがちですが、中堅ゼネコンも見逃せません。

この記事では、中堅ゼネコンの状況、スーパーゼネコン・準大手ゼネコンとの比較、中堅ゼネコンで働くメリット・デメリットについて紹介しています。

中堅ゼネコンとは?

中堅ゼネコンとは、建設業界において中堅と位置づけられるゼネコンのことです。

中堅ゼネコンの明確な定義はありませんが、一般的には以下のような基準で判断されています。

  • 売上高1,000億円以上3,000億円未満の企業
  • 専門性の高い分野や地域に強みを持つ企業

中堅ゼネコンとは、売上高(単体)が1,000〜3,000億円程度のゼネコンで、スーパーゼネコンや準大手ゼネコンとは区別されます。

中堅ゼネコンは、一般的にスーパーゼネコンや準大手ゼネコンと比較すると規模が小さい企業です。

しかし、中堅ゼネコンにも独自の強みや特徴を持つ企業は少なくありません。

例えば、建物の建て替えやリニューアルのニーズが高まる中、既存建物の改修や増改築に強い中堅ゼネコンもあります。

また、地域に密着した営業活動を行い、地域社会に貢献している中堅ゼネコンもあります。

中堅ゼネコンで働く社員は、大手ゼネコンに比べて任される仕事も多く、成長するチャンスも多いと言えるでしょう。

そのため、中堅ゼネコンでは全体管理に必要なスキルを身につけるチャンスがあります。

ゼネコンの種類とランク分けの基準

会社の規模や業績を示す重要な指標として年商は重視され、ゼネコンは年商に基づいてランク付けされます。

「スーパーゼネコン」「準大手ゼネコン」「中堅ゼネコン」などを区別しています。

ランク分けは企業の競争力や市場でのポジションを示す指標であり、各ゼネコンが受注できる案件や事業展開戦略を検討する上で重要な情報です。

「スーパーゼネコン」は年間売上高が1兆円以上の大手建設会社で構成されています。

スーパーゼネコンに属するのは以下の5社です。

  • 清水建設
  • 大成建設
  • 大林組
  • 鹿島建設
  • 竹中工務店

こうしたスーパーゼネコンは、卓越した技術力と豊富な経験を有しているのが特徴です。

大型土木・建築工事の受注や土地再開発など幅広い分野でリーダーシップを発揮しています。

高い信頼性と安定性を特徴とし、国内外の重要プロジェクトで活躍する企業です。

「準大手ゼネコン」は、年間売上高が3,000億円以上1兆円未満のゼネコンを指します。

代表的な準大手ゼネコンは以下の10社です。

  • 五洋建設
  • 長谷工コーポレーション
  • 戸田建設
  • 熊谷組
  • 前田建設工業
  • 西松建設
  • 三井住友建設
  • 安藤ハザマ
  • 東急建設
  • フジタ

準大手ゼネコンは、スーパーゼネコンに匹敵する強みを持ちながら、臨海部工事や公共事業などでも高い実績を誇る企業で構成されています。

高度な工事やプロジェクトを手掛け、安定した業績を上げているのが特徴です。

「中堅ゼネコン」は、売上高1,000億円以上のゼネコンで、地域に密着した活動を行っています。

代表的な中堅ゼネコンは以下の11社です。

  • 奥村組
  • 鉄建建設
  • 東洋建設
  • 東亜建設工業
  • 淺沼組
  • 飛島建設
  • 錢高組
  • 大豊建設
  • 鴻池組
  • 福田組
  • 東鉄工業

中堅ゼネコンは鉄道やトンネルなど特定の分野で専門性を発揮。

これらの中堅ゼネコンは、売上高が千億円を超えるなど、経済的にも強固な基盤を持っています。

地域社会に貢献するとともに、国内外のプロジェクトにも参画しています。

スーパーゼネコン・準大手ゼネコン・中堅ゼネコンの状況比較

ここでは、ゼネコンのランク別年収・売上高について比較・解説していきます。

年収事情 

ゼネコンの年収は一般的に高い水準にありますが、ランクによって年収事情は異なります。

ゼネコンのランク別の平均年収比較は以下の通りです。

  • スーパーゼネコン5社の平均:約1034.2万円
  • 準大手ゼネコン10社の平均:約879.4円
  • 中堅ゼネコン11社の平均:約833万円

スーパーゼネコンの平均年収を調査したところ1034.2万円で、トップは鹿島建設の1163.5万円でした。

スーパーゼネコン5社で最も年収が低い清水建設でも971.6万円となっています。

準大手ゼネコンの平均年収は約879.4万円で、前田建設工業が967.1万円で最も高い水準となっています。

一方、中堅ゼネコンの平均年収は約833万円でした。

中でも最も年収が高いのは奥村組の936.7万円となっています。

これらの平均年収は、ゼネコン業界での経験や専門性によっても変動しますが、一般的にゼネコンのランクに関わらず、高収入の職種として注目されています。

※年収は2023年度

売上高事情

ゼネコンのランク別の売上高比較は以下の通りです。

  • スーパーゼネコン5社の平均:約1兆3491億円
  • 準大手ゼネコン10社の平均:約4,109億円
  • 中堅ゼネコン11社の平均:約1,569億円

中堅ゼネコン11社の売上高の平均は、約1569億円です。

スーパーゼネコンは、中堅ゼネコンと比較して売上高が10倍から20倍以上という圧倒的な規模を誇ります。

スーパーゼネコン5社では清水建設がトップで、他の4社も売上高1兆円超でした。

準大手ゼネコン10社では長谷工コーポレーションがトップで、平均売上高は7,062億円です。

中堅ゼネコン11社では、鴻池組が売上高トップで、平均売上高は2,423億円となっています。

※売上高は2023年度

代表的な中堅ゼネコン企業各社の特徴

ここでは、代表的な中堅ゼネコン11社の特徴を紹介します。

奥村組

関西に本社を置く中堅ゼネコンで、建築工事に強みを持っています。

日本で初めての実用免震ビルを設計・施工するなど、高い技術力を誇ります。

代表的な実績には、あべのハルカス、京阪シティモール、京都駅ビルなどがあります。

鉄建建設

1944年に設立された鉄建建設株式会社は、日本の鉄道建設を担ってきたリーディングカンパニーです。

長年にわたる鉄道建設事業を通じて培ってきた技術力と豊富な経験は業界トップクラス。

新幹線や高速鉄道、都市鉄道など、数多くのプロジェクトを成功に導いてきました。

東洋建設

東京都千代田区に本社を置く東洋建設は1974年創業。

公共土木事業からスタートし、海洋土木事業ではトップクラスの実績を誇る建設会社です。

道路や下水道などの都市インフラを支えるほか、港湾の建築工事や埋立工事で多数の実績を有します。

近年は、ダム建設や道路工事などの陸上土木工事や、倉庫・住宅などの建築工事にも領域を拡大しています。

代表的な実績は、東京港港湾施設、大阪港咲洲コンテナターミナル、東京湾アクアラインなどです。

東亜建設工業

主に海洋土木に特化した中堅ゼネコンです。

空港の埋立工事や港湾施設の整備を中心に事業を展開し、近年は物流倉庫や冷凍冷蔵倉庫など周辺施設にも事業を拡大しています。

代表的な実績には、関西国際空港、東京港レインボーブリッジ、横浜港国際客船ターミナルなどがあります。

淺沼組

大阪に本社を置く中堅ゼネコンで、教育施設や官公庁に強みを持っています。

集合住宅を中心とした建築工事にも注力しており、土木工事の実績も多く、北陸・北海道新幹線などのインフラ工事も手掛けています。

代表的な実績には、大阪大学医学部附属病院、東京大学工学部、東京駅などがあります。

飛島建設

土木工事を得意とする中堅ゼネコンです。

建物の後付け制震技術である「トグル工法」を強みとしています。

代表的な実績には、東京アクアライン、飛騨トンネル、東京ミッドタウンなどがあります。

錢高組

銭高組は、創業300年以上の歴史を持つ老舗ゼネコンです。

橋梁建設技術に強みを持ちますが、近年は建築事業だけでなく不動産取引や設計など、幅広く事業を展開しています。

施工実績としては、フェリシモ本社ビル「Stage Felissimo」、中之島の新しい文化拠点「大阪中之島美術館」などを手掛けました。

大豊建設

土木工事の技術力に強みを持つ中堅ゼネコンです。

水中構造物の建設に用いる「ニューマチックケーソン工法」をはじめとした工法技術の開発で知られています。

トンネルやダムなどの大型土木工事への参画実績が多いです。

代表的な実績には、東京湾アクアライン、青函トンネル、明石海峡大橋などがあります。

鴻池組

鴻池組は積水ハウスの連結子会社で、大阪に本社を構えています。

創業は1871年。

戎橋や京都市蹴上浄水場などの施工実績があり、専用の研究施設を有しています。

特にZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の推進に力を入れ、名古屋市美術館や国際子ども図書館の建設手がけています。

福田組

福田組は中堅ゼネコンの一つであり、自社技術により超高層ビルを建築する高い技術を誇ります。

創業120年を超え、独自技術である「プレキャスト鉄筋コンクリート構法」を保有

関連企業が多数あり、新潟県を拠点に全国展開しており、土地区画整理事業においても強みを持っています。

東鉄工業

東鉄工業は1943年に国策会社として鉄道の輸送力確保を目的に設立されました。

鉄道事業に強みを持ち、JR東日本との緊密なつながりを有しています。

主に線路メンテナンスやJR関係の工事に従事し、Jヴィレッジ駅新設工事や誉田駅橋上駅舎新設など、数々の実績を持っています。

中堅ゼネコンの売上高ランキング 2023

以下は、中堅ゼネコンの売上高(2023年度)をランキングに表したものです。

順位

会社名

売上高 (億円)

1

鴻池組

2,673

2

奥村組

2,423

3

東亜建設工業

2,032

4

鉄建建設

1,574

5

東洋建設

1,499

6

淺沼組

1,328

7

東鉄工業

1,246

8

大豊建設

1,157

9

飛鳥建設

1,132

10

福田組

1,119

11

錢高組

1,076

参照:Build App

1位は鴻池組で2,673億円、11位は錢高組で1,076億円と、各社間で約1,600億円の差が開いています。

また、上位3社は、すべて売上2000億円以上の業績を上げています。

よこてん
中堅ゼネコンの売上高は、会社によって大きな差のあることがわかります。

中堅ゼネコンに就職するとどうなる?中堅ゼネコンのメリット

中堅ゼネコンに就職を考えている方にとって、中堅ゼネコンを選ぶメリットを確認しておくことは大切です。

ここでは、以下の3つのメリットを紹介します。

  • 比較的仕事を見つけやすい
  • 年収の水準が高い
  • 建て替えニーズが高い

比較的仕事を見つけやすい

比較的仕事を見つけやすい中堅ゼネコンに応募する大きなメリットは、比較的仕事を見つけやすいことです。

大手ゼネコンに比べると知名度は劣りますが、競争率はそれほど高くありません。

就職の際には、大手企業ばかりが注目されがちです。

とはいえ地方の中堅ゼネコンは積極的に人材を求めており、就職のハードルが低い傾向にあります。

また、企業が人材不足に直面しているため、やる気や能力のある応募者に対してはスムーズな採用が期待できます。

このような環境も中堅ゼネコンを選ぶ魅力の一つです。

年収の水準が高い

年収の水準が高い中堅ゼネコンに応募する別のメリットは、年収水準が高いことです。

中堅ゼネコンの平均年収は11社の平均年収は約833万円(2023年度)と、建設業界では十分な待遇です。

賞与や手当、退職金なども充実しており、安定した経済基盤があります。大手ゼネコンと比較すると年収の差はあるものの、高収入が期待できるのが魅力です。

また、中堅ゼネコンは、実績を積むことで昇給・昇格のチャンスが広がり、将来的な年収アップが期待できます。

建て替えニーズが高い

中堅ゼネコンの建築業界における注力ポイントは複数ありますが、特筆すべきは建物の建て替えニーズの高さです。

特に、鉄道・河川工事を中心とした社会インフラ整備・更新工事の受注は、中堅ゼネコンの重要な特徴となっています。

このような流れを受けて、各社は専門性の向上や新技術の研究開発に積極的に取り組んでいます。

よこてん
建設業界でスキルアップを目指す人にとって多様なプロジェクトに参画できるチャンスがあり、今後の成長にも魅力的ですよ。

中堅ゼネコンに就職するとどうなる?中堅ゼネコンのデメリット

中堅ゼネコンを志望する場合、デメリットがあることも知っておく必要があります。

ここでは、中堅ゼネコンに就職することで直面する可能性のある以下の2つのデメリットについて解説します。

  • 激務に追われる可能性がある
  • 年収が低くなるケースがある
  • 地方に転勤や遠方の現場に派遣される可能性がある

激務に追われる可能性がある

中堅ゼネコンを志望するデメリットとして、激務になる可能性があることが挙げられます。

ゼネコン業界の主な業務は建設工事であり、規模が大きくなればなるほど責任も仕事も重くなります。

特に地方の中堅ゼネコンの場合、若い人材が限られていることが多く、新入社員は仕事に追われる可能性があるでしょう。

年収が低くなるケースがある

中堅ゼネコンは魅力が多い反面、スーパーゼネコンや準大手ゼネコンと比較して年収が低くなる可能性があります。

とはいえ、先述のように中堅ゼネコンの平均年収は約833万円と高水準を維持しています。

また、職務内容によっても年収は異なりますので、一概に中堅ゼネコンは年収が低いと判断しないようにしましょう。

地方に転勤や遠方の現場に派遣される可能性がある

中堅ゼネコンに勤めていると、地方への転勤や遠方の現場に派遣されることがあります。

その場合、新しい環境での生活や家族との関係にも影響が出る可能性があるでしょう。

中堅ゼネコンに将来性はある?

中堅ゼネコンは、大阪万博やリニア開発などの大型プロジェクト、建替え・修繕需要の増加、積極的な海外展開などにより、今後も高い需要が見込まれるでしょう。

しかし、建設業界全体としては深刻な人手不足と高齢化が進んでいます。

3K労働のイメージや少子高齢化による若年労働者の減少、バブル崩壊やリーマンショックによるリストラや倒産も人材不足に拍車をかけています。

現在、人手不足への対応として、中堅ゼネコンをはじめ建設業界全体がITの活用による生産性向上に取り組んでいます。

国土交通省が推進する「i-Construction」も、IT技術の活用を促進する取り組みです。

中堅ゼネコンは、地域密着型の営業や専門性の高い技術力で差別化を図り、独自の顧客基盤を構築しているところも少なくありません。

今後は、IT技術を活用した効率化、人材の育成・確保、海外市場への進出など、強みを活かした戦略が重要となってくるでしょう。

よこてん
就職先を決める際には、こうした課題に対する企業の取り組みや対策などを確認することが大切です。

中堅ゼネコンの売上高ランキングや就職のメリット・デメリット|まとめ

中堅ゼネコンには、スーパーゼネコンや準大手ゼネコンとは異なる魅力があります。

中堅ゼネコンの平均年収は約833万円と高水準を維持。

中堅ゼネコンへの就職を考えている人は、メリットとデメリットを理解した上で、自分のキャリアプランに合っているかどうかを判断しましょう。

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