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路盤工とは?概要やその他の種類、舗装工事の手順を解説!

道路という言葉を見聞きすると、表面が黒いアスファルトでできたものをイメージする人も多いのではないでしょうか。

実は道路は4種の層で構成されていて、アスファルトは「表層」と呼ばれる一番上の部分です。

今回は、道路を造るのに欠かせない路盤工の概要を紹介します。

道路はどのようにできているのかを知りたい人はもちろん、土木工事に興味がある人は、ぜひ最後までお読みください。

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路盤工とは


路盤工は路盤工事とも呼ばれる道路工事の一種です。

路盤工事以外にも、後述する路床工事や基層工事、表層工事などがあります。

本記事では、路盤工を含む道路工事の種類とその概要について解説します。

路盤とは


路盤工事にも含まれる「路盤」には、表層や基層に均一な支持基盤を与え、上層からの交通荷重を分散して路床に伝える役割があります。

上層路盤・下層路盤の2つあり、それぞれがクッションのような役割を担い、衝撃を分散させることで道路を交通荷重から守っています。

上層路盤と下層路盤の基準値と使用される部材は下表のとおりです。

上層路盤 下層路盤
基準値 5~20cm程度 10~20cm
使用される部材 粒度調整砕石 クラッシャーラン

特に、道路の中間部にある路盤は重要とされており、路盤工事が不適切だと陥没や歪みにつながることも。

道路の耐久性や支持力を高めるため、重機を使って締め固め、隙間をなくし密度を高めます。

また、コンクリート舗装のアスファルト中間層では、耐久性や耐水性向上などの役割を担っているほか、透水性舗装の路盤であれば雨水などの一時貯留槽としての役割を果たすといった特徴もあります。

道路が造られるまでの手順


ライフラインのひとつとして大きな役割を持つ道路だからこそ、具体的な仕組みを理解し、知識を深めておきましょう。

ここからは道路が造られるまでの手順を解説します。

設計図等の確認・測量

まずは道路工事の前に、発注会社から設計図や現場の情報を共有してもらい、一つひとつを細かくチェックします。

次は実際に現場へと向かい、設計図の内容を確認。

もし設計図に不足した情報があれば、自分たちで改めて測量し、漏れがないよう正しい数字を設計図に記載します。

現場を確認するときは、工事を行う上で注意すべき部分はないか、どのように進めると良いかなどをイメージしながら必要な部分をマーキングし、準備をします。

周辺に学校がある場合、対象部分がスクールゾーンに指定されているケースも。

そのようなときは歩行者が多いことを予測し、警備員の配置位置や増員などを再検討することもあります。

路床工事

設計図や現場の確認を終えたら、次は実際に工事を進めます。

路床は土でできている部分を指し、厚さは1mになると言われています。

施工時はブルドーザーやモーターグレーダーを使って均一にし、ロードローラーなどの重機でガッチリと締め固めます。

このとき締め固めが不十分だと歩行者が歩きにくさを感じたり交通事故の原因につながる可能性があるため、慎重に丁寧に行わなければなりません。

路盤工事

次に路盤工事です。

路盤工事では、締め固めた路床の上に砕石などを撒き、モーターグレーダーなどを使って均一に締め固めるのが主な内容です。

路盤工事の目的は、道路の交通荷重を広く分散させて路床にかかる負荷を小さくすること。

路床工事と同じように締め固めが不十分だと重大な交通事故を招く可能性があるので、密度を高めるためにも慎重かつ丁寧に行います。

基層工事

路盤が完成したら、次は基層工事に移ります。

基層工事は、150度以上に熱したアスファルト混合物をアスファルトフィニッシャーと呼ばれる重機で路盤の上に敷き均すのが主な内容です。

敷き均しが終わった後は、ロードローラーなどを使って均一に締め固めます。

路盤と表層の間に造られる基層は、道路の交通荷重を均一に分散指示させるクッションのような役割を果たしています。

表層工事

表層とは道路の交通荷重に直に接する部分のことです。

基礎工事と同様の造り方ではありますが、道路の表面である特徴から、車両や歩行者による摩耗に強くなければなりません。

また、雪や雨が浸透してもひび割れしにくく、平坦かつ滑りにくいよう仕上げることも大切です。

これらを意識した表層工事を心がけることで、ひび割れや変形を招きにくい美しい仕上がりになります。

表層工事に使用する材料は、基層工事で使用した粗粒のアスファルト混合物よりも密度の高い密粒が用いられます。

道路の舗装工事の種類


道路と見聞きすると、多くの人は黒いアスファルトをイメージするのではないでしょうか。

実は道路の表層はアスファルトだけでなく、灰色のコンクリートや周囲の景観と統一できるよう、カラーバリエーションが豊富な特殊舗装を用いた道路もあります。

ここではアスファルト・コンクリート・特殊舗装を用いた舗装工事の概要を紹介します。

アスファルト舗装

アスファルト舗装は、砕石や砂などをアスファルトに混ぜて加熱後、基層の上に敷いてローラー転圧で均す工事です。

「道路」と聞くと真っ黒な表面を思い浮かべる人が多いように、日本の舗装道路の多くはアスファルト舗装で施工されています。

アスファルト舗装によるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 施工時間が短い
  • 施工費用が安価
  • 防水性・透水性に優れている
  • 表面温度が上昇しやすい
  • 耐熱性・耐久性が低い
  • 定期的なメンテナンスが欠かせない

アスファルト舗装は施工費用が安く抑えられる特徴から、土木工事の中でも比較的手軽に行える舗装工事とされています。

しかし、黒色という理由から表面温度が上昇しやすく、直射日光によってアスファルトが熱を帯び、ヒートアイランド現象の原因の一つとも言われています。

コンクリート舗装

表層部分が灰色をしたコンクリート舗装は、アスファルト舗装において懸念される表面温度の上昇や加熱による破損といった欠点を踏まえ、環境問題の改善策として選ばれている舗装工事です。

コンクリート舗装によるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 表面温度が上昇しにくい
  • 耐熱性・耐久性に優れている
  • メンテナンス費用が安価
  • 施工に手間が掛かる
  • 施工費用が高い
  • 追加工事が困難

表面温度が上がりにくい特徴から、日本で問題視されるヒートアイランド現象の改善につながる舗装と言われています。

ただし施工に手間がかかるために人件費等の費用が高くなるほか、追加工事が難しく、事前設計を綿密に行わなければならないといったデメリットもあります。

特殊舗装

普段の生活では見聞きすることのない特殊舗装は、道路や空いたスペースの有効活用など、目的に合わせて施工可能な舗装工事です。

目的に合わせやすいことから柔軟に施工しやすいメリットがあり、代表的なものには着色舗装や排水性舗装が挙げられます。

例えば黒色が特徴的なアスファルトの表面色を変えたいときには着色舗装を、道路に落ちた雨水を道路基層に浸透させ、道路表面に水が溜まらないようにしたいときは排水性舗装が有効です。

路盤工事の種類や意味を理解しよう

路盤工事は、道路を造る上で欠かせない役割を担っています。

仮に路盤の強度が不十分な場合、陥没やひび割れによって交通事故が起きやすくなってしまいます。

道路は私たちの生活に欠かせないインフラの一つです。

だからこそ、常に歩行・走行しやすい道路であるよう各地で土木工事が行われています。

工事によって騒音や振動の発生、さらには歩行・走行のしにくさを感じるときもありますが、私たちの生活を守る工事であるということを理解しましょう。

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