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施工管理として働くものの、労働環境や待遇、さらにはライフスタイルの変化などの理由から転職を検討する方も多いでしょう。
結論からお話しすると、転職は20代が有利と厚生労働省の調査でも明らかになっています。
今回は同省の調査結果を参考に20代の転職入職率を紹介すると共に、施工管理から転職を考える際におすすめの職種を紹介します。
20代の転職入職率
転職を検討する20代の方へ、日本の転職入職率の現状について紹介します。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、20代の転職率は男女ともに14~15%台でした。
数字で見るととても低いように感じられますが、実はこの数字は20代から65歳以上の中で最も高い水準です。
さらに、年齢が上がるにつれて徐々に減少傾向にあることも分かっており、20代の転職は10代の次に有利であることが判断できます。
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施工管理から転職を考える4つの理由
ここでは施工管理から転職を考える4つの理由を紹介します。
理由を紹介する目的は、転職の目的を明確にするためです。
転職の目的が明確になっていないと、履歴書の志望動機や面接での面接官からの質問に対して一貫性のある解答ができない恐れがあります。
次の就職先で成功するためにも転職を決めた理由を今一度明確にし、面接官を納得させる志望動機につなげましょう。
➀ワークライフバランスを改善したい
施工管理は、現場の安全管理やスケジュールの管理、資材や品質の管理など、あらゆる業務をこなす必要があります。
膨大な業務に長期にわたって取り組む必要があることから、場合によっては自分の時間や体力、精神力を犠牲にした経験がある人も多いでしょう。
2019年に実施された働き方改革の推進によって建設業界の残業時間は全体的に減少傾向にありますが、企業の中には未だ改善がみられていないことも少なくありません。
そのような理由から、ワークライフバランスの確保を目的とした転職を検討する方も多いです。
ワークライフバランスの確保を目的とする場合、志望する企業の福利厚生から、フレックス制度や時短勤務を設けているかを確認することをおすすめします。
➁好待遇の職種に就きたい
前職の業務内容が給与と見合っていないという理由の人も多いです。
このような理由であれば、企業の評価制度についてチェックしてみましょう。
評価制度を設けていたり、年に数回の見直しが行われる企業を探すと、自分の技術や知識に見合った給与を受け取りながら働くことができます。
ただし、好待遇だからという理由だけで企業を選ぶのは厳禁です。
待遇だけで選ぶと、自己中心的な志望動機として受け取られる可能性があります。
企業が求人を出す理由は、利益につながる人材を募集していることでもあります。
自分だけのメリットで転職先を決めるのではなく、企業と自分の双方にメリットがある転職かどうかを主軸に決めることが、内定につながるポイントであることを念頭に置きましょう。
③人間関係などの悩みから解放されたい
施工管理という立場上、直属の上司と現場作業員とのいたばさみになることも多く、人間関係に悩むことも少なくありません。
人間関係を理由に退職・転職を希望する場合は、志望動機や退職理由がネガティブな内容になりやすいです。
前職の企業に対する悪口と受け取られないよう、人間関係を理由に転職する場合は、ポジティブな理由になるよう工夫しましょう。
④家庭環境に変化があった
結婚や家族の転勤、介護など、家庭環境に変化があった場合も施工管理からの転職を検討する人が多いようです。
働き方改革の推進により、残業時間や勤務時間の減少がみえはじめているものの、一部企業ではまだ抜本的な見直しが進んでおらず、これまでのように働けないと考える方もいます。
ライフスタイルと仕事を両立できるような福利厚生が整備されているかをチェックすると、家庭環境の変化に合わせた働き方が実現できる企業かを判断できます。
施工管理から転職|20代におすすめの職種11選
ここでは施工管理から転職する20代の方におすすめの職種を紹介します。
施工管理の技術や知識を活かせる職種を厳選して紹介するので、ぜひ転職先探しの参考にしてください。
➀ディベロッパー
ディベロッパーとは、不動産・建築業界で街の開発を中心に行う職種です。
街に欠かせないオフィスビルを筆頭に、マンションや大型商業施設の開発から、再開発事業まで手掛けます。
形に残る業務が中心のためやりがいが多く、また大規模なプロジェクトに携わることで技術や知識が豊富に身につくことから、多方面から注目される業界です。
応募者が殺到しやすい上に求人が少ないという特徴も合わさり、ディベロッパーへの転職は狭き門と言われています。
ただし、施工管理として経験を積み、技術も知識も十分に身についている方であれば、転職は実現しやすいとも言われています。
総合デベロッパーとは?概要や種類、市場動向などを徹底解説 続きを見る
➁建築資材会社
建築物の施工に必要な資材や住宅設備機器等を製造・販売する建築資材会社もおすすめです。
施工管理の業務では資材の発注や管理も行うことから、資材の知識を十分に活かすことができます。
取引先は建築会社や工務店が中心のため、施工管理としての経験も活かしやすく、コミュニケーション能力に自信がある方であれば資材の売り込む立場として営業職に挑むのもおすすめです。
③技術系の公務員
土木・建築・電気などの業界で施工管理経験がある方には、人々の生活に欠かせない水や空気、食糧の保全・管理・監査を行う技術系の公務員もおすすめです。
技術系の公務員の場合、公共事業に携わることが多いので、社会貢献度が高く、仕事・収入が安定しているといった魅力があります。
ただし公務員のため、各自治体が定める要件にクリアしていることが第一条件です。
また、場合によっては施工管理としての経験年数や分野が限定されているケースもあるので、まずは最寄りの自治体が出す求人情報をチェックすることをおすすめします。
④CADオペレーター
CAD(図面作成ツール)を活用して、建築や機械の設計図を作成するCADオペレーターも向いている可能性があります。
施工管理での建築・土木にまつわる技術や知識、経験を活かせるので、転職しやすい職種とも言われています。
施工管理としての経験を活かしつつ、別の業界で活躍したいという方は選択肢に加えると良いでしょう。
⑤都市再生機構(UR)
都市の再生事業をはじめ、災害復興支援等を行う独立行政法人の都市再生機構(UR)も選択肢の一つです。
施工管理は住宅やマンションの建築における知識が身についていることから、中途採用でも経験をアピールしやすいです。
プロジェクトでは常に「よりよいまちづくりとはなにか」を考える必要性があり、大変に感じることもありますが、建築物が完成したときは大きなやりがいを感じられます。
⑥生産または倉庫管理
製品の生産計画や、在庫を切らさないための管理を行う生産・倉庫管理も向いています。
取り扱う製品は業界によって異なりますが、施工管理の資材管理の経験が大いに役立ちます。
施工管理としての経験を活かしたいものの建設業界とは違う業界で活躍したいという方は候補に含めると良いでしょう。
⑦営業職
施工管理の経験を活かすのなら、営業職もおすすめです。
施工管理では工期に間に合うよう、現場や会社では上司や現場関係者と円滑なコミュニケーションを図りながらスケジュールを管理するなど、あらゆる業務に携わった経験があります。
この経験は営業職でも十分に通用し、努力次第では新たなキャリアを積むことにつながります。
コミュニケーション能力やフットワークの軽さに自信がある方、建設業界ではない業界で、施工管理の経験を発揮したい方は検討してみると良いでしょう。
⑧IT系の技術職
プロジェクトを管理する能力や高いコミュニケーション能力は、IT系の技術職でも活かすことが可能です。
技術職と聞くと未経験採用が少ないイメージがありますが、IT業界はさらなる成長が見込まれることから、新人研修を設け、未経験採用に力を入れる企業も多いです。
ITに興味がある方や自分の特徴を最大限に活かしたい方は候補に含むと良いでしょう。
⑨宅地建物取引士
不動産業界の中でも契約にまつわる業務が行える宅地建物取引士もおすすめです。
建築業界の施工管理ではあまり触れることがなかった契約業務に携われるので、スキルアップやキャリアアップを望む方には向いているでしょう。
ただし宅地建物取引士として活躍するには国家試験に合格しなければなりません。
試験勉強を行える時間がある方は検討してみると良いでしょう。
⑩建設業経理士
建設業で経理として活躍できる建設業経理士も向いている職種です。
建設業界で施工管理として活躍した方にとっては、現場の進行状況や資材の管理、スケジュールの管理までを経験しているので、経理としても十分に活躍できます。
ただし、建設業経理士を目指すには民間資格の取得が必要です。
資格手当を導入する企業であれば年収アップも期待できるので、時間にゆとりがある方は試験突破を目指してみると良いでしょう。
⑪建設コンサルタント
施工管理としての技術や知識、経験を活かすのなら、建設コンサルタントとして活躍するのも方法の一つです。
道路や橋、ダムや河川といった人々のインフラ建築物にまつわる工事の調査・計画の立案・設計が中心のため、建設業界での経験を十分に活かすことができます。
インフラにまつわる業務はやりがいも多いので、社会貢献につながる仕事がしたい方や、誰かの役に立つ仕事をしたいという方にはおすすめです。
施工管理から転職を成功させるポイント
施工管理としての経験が活きる業界・職種へ転職するのなら、これから紹介する6つのポイントを実践してみましょう。
➀転職理由を明確にする
転職後に同じことを繰り返さないよう、現職を辞めたい、あるいは前職を辞めた理由がどのようなものなのかを今一度振り返りましょう。
転職理由を明確にすると、辞めたい理由を避けた転職が可能になります。
例えば業務に対して給与が見合っていない場合、正当な評価を受けられなかったと言い換えることができます。
この場合、正当な評価が受けられる企業であれば、同じことを繰り返すことはなく、腰を据えて働くことができます。
仮に、年に2回の評価見直し制度がある企業であれば、常に正当な評価を受けることができ、スキルアップやキャリアアップの指針になるでしょう。
このように、転職を検討するときは、なぜ転職することになったのか、詳細な理由を今一度振り返り、紙などにメモすることをおすすめします。
➁条件をまとめ、優先順位を付ける
転職先の企業に対して、さまざまな条件を設けて吟味する人もいるのではないでしょうか。
せっかく転職するのですから、できれば次は長期にわたって働ける企業を選びたいもの。
しかし、いくつもの条件を設けても、全てがマッチする企業はほとんどありません。
この場合は、自分の中で妥協したくない条件を把握するためにも、優先順位を付けることをおすすめします。
例えば正当な評価を得られないことが転職理由であれば、希望条件の優先順位は以下のようになるでしょう。
- 正当な評価が受けられる(年に2回または4回など)
- 資格手当など努力に対する制度がある
- 資格取得にまつわる制度がある
- 好待遇
- 自宅から通いやすい
転職理由に沿って条件に優先順位を付けることで、自分に合った企業を探しやすくなるでしょう。
③自分の技術や経験の棚卸しを行う
次は一般的な就職・転職活動と同様に、自分の技術や経験の棚卸しを行いましょう。
これまで携わってきた施工管理としての業務からどの業務に思い入れがあるかを思い出すと、努力したことや乗り越えたこと、苦労したことが浮かびやすくなります。
思い出とともに振り返ると、志望動機にエピソードを盛り込みながら説明できるので、面接官にとっても応募者の人となりや性格がイメージしやすくなります。
予算管理能力が長けている点や、使命感や責任感が強いといった性格など、どの部分が長けているかを細かく洗い出しましょう。
④企業研究を行う
次に企業研究です。
企業研究では、自分の技術や経験、性格などがマッチしているかを入念に調査しましょう。
企業の求人と自分の経験等がマッチしているほど採用の可能性が高くなります。
しかし、コミュニケーション能力の高さや施工管理の経験だけを強みにすると、他応募者と差別化ができず、書類選考で落ちてしまう恐れがあります。
他応募者との差別化を図るためにも、入社後どのような活躍を目指しているのか採用後のビジョンを明確にしておくと良いでしょう。
⑤転職理由と志望動機に一貫性を持たせる
応募したい企業が見つかったあとは、書類作成に進みます。
履歴書では志望動機を記入しますが、ここでは転職理由と志望動機に一貫性を持たせることが大切です。
もし仮に転職理由と志望動機に一貫性がないと、志望動機がぼんやりしてしまいます。
自分の能力をもっと評価してくれる企業に入社したいといった転職理由であれば、「年4回の評価制度があり、業務態度や業務の進捗状況などあらゆる視点から正当な評価が受けられると判断した」「評価制度によってスキルアップやキャリアアップの指針になると判断した」といった内容にまとめると、一貫性のある内容に仕上がり面接官を納得させることができるでしょう。
⑥転職エージェントを利用する
施工管理としての経験や技術、知識、さらには自分の特徴をどの業界・職種に活かせるのかをもっと知りたい方は、転職エージェントの利用を検討しましょう。
転職エージェントでは求職者に専属のエージェントがつき、転職成功まで手厚いサポートを
受けることができます。
施工管理の転職におすすめしたい転職エージェントがゼネラルリンクキャリアです。
ゼネラルリンクキャリアは施工管理500人以上、建設不動産業界では1,000人以上の支援実績がある、建設・不動産業界に特化した転職エージェントです。
在職中の方の転職もサポートしやすいよう、土日祝も対応可能。
一人ひとりに合わせた人材紹介を行うため、あえてアナログタイプで求職者をサポートします。
さらに、大手転職サイトで全国トップクラスに輝いたコンサルタントも在籍しているので、建設・不動産業界に関する豊富な情報を得ながら自分に合った転職先を見つけることができます。
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施工管理からの転職で注意すべきこと
ここでは、施工管理からの転職で注意すべきことを紹介します。
希望条件が全て揃うことは限りなく少ない
転職先を探す際、自分のなかでいくつか企業に対して条件を設けることが多いですが、転職によって条件が全て叶うわけではないことは念頭に置きましょう。
企業は自社にとってメリットになる人を探しています。
転職は企業の求める人材と自分がマッチしているかが大切であり、自分の条件ではありません。
転職理由によっていくつか条件がある場合は優先順位を付けるなど、譲れない項目を絞ってておくとよいでしょう。
年収が減少する可能性がある
施工管理から別の業界・職種に転職する場合、年収が減少する可能性があることにも注意しましょう。
施工管理の場合、管理職の立場で業務に携わりますが、転職によってまた1からのスタートです。
経験や技術、知識によっては管理職に就ける可能性もありますが、場合によっては年収が下がる可能性があります。
転職する際は一時的に年収が下がっても問題ないよう、生活費等を貯金しておくと安心です。
異業種に転職するときは入念な技術・知識・経験の棚卸しを
これまでとは異なる業界・職種に転職する場合は、「なぜ施工管理からこの職種へ?」といった面接官の疑問に答えられるよう、入念な技術・知識・経験の棚卸しをしましょう。
この部分をきちんと行うことで、自分の技術や経験がどう活きるのか具体的な理由を絡めた志望動機や面接での解答ができます。
「施工管理という管理職からなぜこの職種に?」など、面接官は気になる点が多いはずです。
そのことから、どのような質問が行われても一貫性のある解答ができるよう準備しておくことが大切です。
またこちらの記事は、おすすめの転職エージェントを網羅的にご紹介されています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
施工管理からの転職は20代でも可能!
厚生労働省のデータからみても、転職は20代以降から徐々に難しくなることが理解できたのではないでしょうか。
施工管理からの転職は、実務経験や技術などから幅広い業種に対応できます。
しかし同省のデータからもわかるように、転職を検討する場合は20代のうちに動いておくことも大切と言えるでしょう。
施工管理から転職を希望する方は、本記事を参考にしながら成功へとつなげてください。
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