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近年、建設業界では人手不足が深刻化しており、特に現場をまとめ安全に工事を進める「施工管理技士」の需要は高まっています。
この記事では、施工管理技士の需要が高いわけと、技士ごとの需要や特徴、取得する際の難易度について詳しく解説していきます。
施工管理技士の需要は高く、今後も増える見通し
施工管理技士とは、国から認められた専任の技術者であり、高度なスキルと幅広い知識、そして責任感とリーダーシップが求められる資格です。
施工管理技士の資格取得は、社内評価や年収アップにもつながる可能性が高く、転職市場でも強力なアピールポイントとなっています。
そして、その需要は今後も増えていく可能性が高いです。
下記では、施工管理技士の需要が高い4つの理由を紹介します。
工事は生活に必ず必要
人が生活している限り、水道・電気・道路・電線・建築などの生活基盤に関わる工事は欠かせません。
普段歩いている道路や、生活するための家、働くオフィスなどは、すべて日常生活を送るために必要なものであり、工事によって建設されています。
工事は、一見目立つ存在ではないかもしれませんが、私たちの生活を支える、なくてはならないものなのです。
改修・修繕工事が活発化している
日常で使用するインフラは、老朽化や人口増加による需要の変化によって、常に改修や新設が必要となります。
特に、日本では高度経済成長期に多く建設された建物が老朽化し、耐震基準に満たない建物や劣化が進んだ構造物が増えています。
これらの建物は、改修の必要性はもちろんのこと、新たな建築を前提とした解体工事や建て替えの必要性もでてきます。
社会インフラの維持・更新は、私たちの生活を安全に、そして快適に過ごすために今後も欠かせないものなのです。
災害の多い日本では復旧工事や耐震工事の需要が高い
日本は自然災害が頻繁に発生する国であり、そのため工事の需要が非常に高いです。
特に、地震や台風、洪水などの災害が多く、建物やインフラの耐震性や防災性能を高めるための工事が求められています。
さらに近年では、気候変動の影響で、災害の規模や頻度が大きくなると予想されています。
そのため将来的な災害に備え、インフラの耐震化や防災対策強化のための工事も重要となります。
施工管理技士は、これらの災害復旧や防災対策工事において、安全で効率的な施工を担う重要な役割を担っています。
各地で都市開発が活発化
近年、日本各地で都市開発が活発化しており、それに伴い工事の需要は増加しています。
都市全体では、賑わいを取り戻すための商業施設や公共施設の建設、都市の魅力を高めるための公園や緑地の整備が行われています。
また、都市の人口増加に対応するためのマンション建設、交通網の整備も活発です。
そして、これらの工事を安全かつ効率的に進めるためには、経験豊富な施工管理技士の存在が不可欠なのです。
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施工管理技士の現状
ここまで聞くと非常にやりがいもあり人気の仕事に思われますが、近年人手不足が深刻化しています。
まず主な理由として挙げられるのが、「きつい・汚い・危険」の3Kといわれるイメージがついていることです。
特に施工管理技士は、工程管理、品質管理、安全管理など、多くの業務を担うため長時間労働になりがちです。
しかし近年、働き方改革が建設業にも適用され、待遇は改善されてきています。
2024年から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用され、時間外労働の上限が月45時間、年360時間となっています。
また、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を通じて、週休2日制の推進や適正な工期設定を進めています。
これらの取り組みにより、スケジュール的に休みの確保が難しい工事は請け負わない、などの対応が進められ、労働時間の短縮や労働条件の改善が進んできています。
また、業界全体で人手不足が深刻化している分、施工管理技士は引く手あまたとなっています。
そのため一部の企業では、賃金や待遇を大幅に改善することで人材獲得を図っているところもあり、施工管理技士にとって良い条件で働くことが可能になってきています。
施工管理技士のメリット
施工管理技士は上記以外にも、多くのメリットがあります。
例えば、施工管理技士は年収のアップが狙いやすいです。
建設会社は営業所ごとに施工管理技士をおく義務があり、需要があります。
また、どの会社が建設を行うか入札で決める際、施工管理技士が在籍している企業は加点対象となります。
上記のような理由から経験と資格のある人材は需要が高く、採用のために高年収を条件にして募集を行う企業も多くあるのです。
また施工管理技士の資格を持つことで、定年後も現役で働ける企業が少なからずあります。
若手より、経験を積んだ中高年の方が需要が高い場合もあり、年齢に関係なく施工管理技士として活躍できる機会は多くあります。
施工管理技士の職種ごとの需要
施工管理技士には、全部で7つの種類が存在します。
中には「需要の高いものを取得しよう」と思っている方もいるのではないでしょうか。
強いて言うならば通信工事施工管理技士が所有人数としては最も少ないため希少性はあります。
ただ、企業や現場ごとに求められるスキルが異なるため、すべての企業にとって需要の高い資格というのはありません。
参考:https://www.cezaidan.or.jp/managing/about/graph.html
難易度の指標として、国土交通省が公表している令和5年度の情報をもとに、下記に合格率を算出しました。
管工事施工管理技士の2級は合格率が高く難易度は低そうですが、代わりに1級の合格率が下がっております。
おしなべて40〜60%代での推移となっており、突出して難易度に差はないといえます。
施工管理技士種別 | 1級1次 | 1級2次 | 2級1次 | 2級2次 |
---|---|---|---|---|
土木施工管理 | 49.5% | 33.1% | 49.0% | 62.5% |
建築施工管理 | 41.6% | 45.4% | 45.4% | 32.0% |
電気工事施工管理 | 40.6% | 53.0% | 47.4% | 43.0% |
管工事施工管理 | 37.5% | 62.1% | 65.9% | 82.3% |
電気通信工事施工管理 | 51.1% | 36.9% | 65.8% | 36.3% |
造園施工管理 | 35.2% | 43.2% | 52.4% | 52.3% |
建設機械施工管理 | 30.0% | 60.9% | 46.0% | 73.0% |
参考:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001744657.pdf
上記の理由から、現在どれを取得しようか迷っている方は、自分の興味がある資格を取得し、必要としてくれる企業を探すのが良いと思われます。
下記で、7つの施工管理技士それぞれの特徴と、その難易度を紹介します。
大規模なインフラに携わりたいなら土木施工管理技士
土木施工管理技士は、道路、橋梁、トンネル、ダムなど、社会インフラを支える土木構造物を安全かつ効率的に建設するための専門家です。
大規模なもののため行政からの依頼も多く、スケールの大きなプロジェクトに関わることで、大きな達成感を得られる仕事と言えるでしょう。
また最も資格所有者が多い施工管理技士でもあり、それだけ必要とされている種類であるといえます。
建物全体の工事に携わりたいなら建築施工管理技士
建築施工管理技士は、マンションやビル、商業施設など、人々の生活空間となる建物を主に担当しています。
設計図面を基に、現場を統括し、様々な関係者と協力しながら、安全で質の高い建物を完成させる必要があります。
また、目に見える成果として「建築物が出来上がるやりがい」があるのも、2番目に保有者が多い理由かもしれません。
電気工事に特化するなら電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、ビルや工場、マンションなどの電気設備を扱える資格です。
人々の生活や社会活動を支える電気設備を構築する重要な役割を担い、目に見えない電気の安全性を担保する重要なポジションといえます。
見えないインフラを支えるなら管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、配管工事の施工管理を専門とする国家資格です。
58.9%で最も総合の合格率が高く、取得しやすい資格でもあります。
この資格を持つことで、冷暖房設備や空調設備、上下水道設備、ガス管配管設備など、多様な配管工事の管理・監督を行うことができます。
電気と同じく目にはみえない部分を担いますが、日々の生活になくてならないものです。
生活に身近な電気に携わるなら電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、電気通信工事の施工管理を専門とする国家資格です。
この資格を持つことで、固定電話や携帯電話、インターネット、社内LANなどの電気通信設備の設置工事や電波障害の調査、基地局設置など、幅広い工事の管理を行うことができます。
電気工事施工管理技士と比べて、より大規模な工事を行える点が特徴です。
緑が好きな人は造園施工管理技士向き
造園施工管理技士は、公園や庭園、街路樹など、緑豊かな空間を設計図面に基づいて安全かつ美しく造り上げる専門家です。
植物の知識や技術を活かし、人々の生活環境を豊かにする、まさに「緑の空間デザイナー」といえます。
さらに、現在都市部での緑化需要が高まり続けているため、造園施工管理技士の将来性は非常に高く、需要が今後も拡大すると予想されます。
大規模機械に詳しくなりたい人は建設機械施工管理技士
建築機械施工管理技士は、建設現場の重機や機械を安全かつ効率的に運用する専門家です。
重機は常に進化を続けており、最新技術に触れながら仕事をすることができます。
常に新しい知識や技術を学び続けることになるので、飽きることがありません。
大型機械を操るダイナミックな仕事に魅力を感じ、現場の安全と効率化を両立させる責任感を持ちたい方にとっては、最適な資格といえます。
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施工管理技士はそれぞれの分野で需要が高いので、自分の興味に沿ったものを選ぶことが重要
まとめ
- 施工管理技士は今後も需要が高い
- 施工管理技士は高年収が狙え、定年後も働き続けられる可能性が高い
- 企業や現場によって需要は変わるため、自分で興味のある施工管理技士を取得するのが良い
少子高齢化や労働人口の減少といった社会課題を抱える中、建設業界における人材不足は深刻さを増しています。
しかし一方で、社会基盤整備や都市再生、災害対策など、建設業界の担う役割はますます重要になっているのも事実です。
施工管理技士は建設プロジェクトを成功に導くために欠かせない存在であり、その需要は今後も高まり続けると予想されます。
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