施工管理の転職ノウハウ

施工管理は稼げる?職種ごとの年収と稼ぐポイントを解説

「施工管理は稼げない」や「施工管理は稼げる」という意見を目にして、実際どちらなのか気になっている人もいるでしょう。

では、施工管理として働くとどのくらいの収入を稼ぐことができるのでしょうか。

今回は、施工管理は稼げるのかどうか、厚生労働省のデータをもとにしながら、詳しく解説します。

就職や転職の候補に施工管理を希望する方は、各施工管理の年収等を参考にしながら検討を進めてみてください。

施工管理は稼げる?職種別平均年収


まずは施工管理の仕事は稼げるのか職種別の平均年収を見ていきましょう。

なお、本記事で紹介する平均年収は厚生労働省のデータを参考にしています。

名称 平均年収(万円)
建築施工管理技士 632.8
土木施工管理技士 603.9
電気工事施工管理技士 688.2
管工事施工管理技士 512.5
造園施工管理技士 374.4
建設機械施工技士 474.7
電気通信工事施工管理技士 558.3

参考:job tag|建築施工管理技術者
参考:job tag|土木施工管理技術者
参考:job tag|電気技術者
参考:job tag|配管工
参考:job tag|造園工
参考:job tag|建設機械オペレーター
参考:job tag|電気通信技術者

施工管理は7つの種類に大別されますが、それぞれの平均年収は上表のとおりです。

7つの施工管理の中でも特に年収が高いのは電気工事施工管理技士の688.2万円、最も年収が低いのは造園施工管理技士の374.4万円でした。
同じ施工管理でも、携わる業界によって年収が大きく異なることが分かります。

なお、厚生労働省の令和5年の賃金構造基本統計調査によると国民の平均年収が約382万円ということから、施工管理は一般年収に比べて高い傾向にあります。

ここからは7つの施工管理の平均年収と併せてそれぞれの特徴を紹介します。

参考:厚生労働省|賃金の推移

建築施工管理技士

名称 平均年収(万円)
建築施工管理技士 632.8

建築施工管理技士は、住宅や大型商業施設、工場等の建築現場にて、施工が適切かつ計画通りに行われているかを監督・指導する職種です。

設計士の作成した設計図を元に施工図を作成し、現場関係者に配布・説明するほか、工事スケジュール内に竣工するよう、資材等を管理することもあります。

厚生労働省の調査では建築施工管理技士は同省の「建築技術者」に該当し、令和5年の平均年収は約630万円でした。


出典:job tag|建築施工管理技術者

年齢別の年収をみると、55~60歳で約800万円とピークを迎えるようです。

なお、建築施工管理技士に限らず、同省の平均年収データは企業によって賞与の回数や資格手当等の有無によって異なるため、あくまで参考に留めておくことをおすすめします。

参考:job tag|建築施工管理技術者
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

土木施工管理技士

名称 平均年収(万円)
土木施工管理技士 603.9

土木施工管理技士は、道路や橋、鉄道やダムなど、人々のインフラにおける現場での施工計画の立案および工事の監督・指導を行う職種です。

建築施工管理技士同様、設計図や仕様書等をもとに施工計画を立案したり、現場や作業員の安全確認や、資材の在庫や品質を管理することもあります。

同省のデータでは「土木技術者」に該当し、平均年収は約600万円。


出典:job tag|土木施工管理技術者

年齢別の年収を見ると、54~60歳では約700万円と世代によって年収に大きな違いがあるようです。

参考:job tag|土木施工管理技術者
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

電気工事施工管理技士

名称 平均年収(万円)
電気工事施工管理技士 688.2

電気工事施工管理技士は、電気設備や設置する機器の開発・改良、仕様において安全に運転するための保守・管理・更新工事を行う職種です。

同省のデータでは「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」に該当し、平均年収は約690万円でした。


出典:job tag|電気技術者

電気工事施工管理技士の年収は他施工管理と比べて比較的高い特徴があり、年齢別の年収では50〜60代で約840万円とさらに高額であることがわかります。

参考:job tag|電気技術者
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

管工事施工管理技士

名称 平均年収(万円)
管工事施工管理技士 512.5

管工事施工管理技士は、厚生労働省の職業情報提供サイトでは「配管工」、賃金構造基本統計調査では「配管従事者」に分類されます。

主な業務は、住宅や工場、オフィスビルや大型商業施設等の給水管・排水管・ガス管等の配管工事の管理です。

配管工は給水や排水位といった配管を専門とする「衛生配管工」と、冷暖房等の配管を専門とする「空調配管工」に大別されます。


出典:job tag|配管工

それぞれを総合した平均年収は約500万円で、年齢別では45〜50歳にピークの約600万円を迎えるようです。

参考:job tag|配管工
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

造園施工管理技士

名称 平均年収(万円)
造園施工管理技士 374.4

造園施工管理技士は、同省の職業情報提供サイトでは「造園工」、賃金構造基本統計調査では「土木技術者」に分類される技術職で、平均年収は約370万円です。

植栽の適期や庭の構成、周辺の景観等を考慮しながら、植樹計画を立てた上で工事計画を立案します。

植樹や工事が終わった後は植栽の剪定を含む維持・管理のほか、周辺の病害虫の駆除や芝の刈り込み、土壌改良なども行います。


出典:job tag|造園工

造園工の年齢別の年収では45〜50歳でピークの約460万円を迎えています。
全国の平均年齢は47.2歳ということから、平均年齢で年収のピークを迎えることが推察できます。

参考:job tag|造園工
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

建設機械施工技士

名称 平均年収(万円)
建設機械施工技士 474.7

建設機械施工技士は、工事現場等で重機やダンプカーの運転を中心とする職種です。

同省の職業情報提供サイトでは「建設機械オペーレーター」、賃金構造基本統計調査では「その他の定置・建設機械運転従事者」に分類され、平均年収は約470万円です。


出典:job tag|建設機械オペレーター

年齢別の年収では、50〜59歳にピークを迎えることがわかっており、全国の平均年齢は51.9歳と、高齢化の進行度もうかがえます。

参考:job tag|建設機械オペレーター
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

電気通信工事施工管理技士

名称 平均年収(万円)
電気通信工事施工管理技士 558.3

電気通信工事施工管理技士は、電話会社・情報通信会社等で携帯電話やインターネットなどの有線・無線の電気通信システムの計画や設計を行う職種です。

厚生労働省の職業情報提供サイトでは「電気通信技術者」、賃金構造基本統計調査では「 電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」に分類され、平均年収は約560万円でした。


出典:job tag|電気通信技術者

年齢別の年収をみると、55〜64歳が約720万円とピークを迎えるようです。
全国の電気通信工事施工管理技士の平均年齢は40歳と、比較的若い傾向にあります。

参考:job tag|電気通信技術者
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査|調査の説明
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査| 一般労働者 職種

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施工管理の年収に違いがある理由


7種の施工管理の年収をみると、同じ施工管理でも年収に大きな違いがあることがわかります。
ここからは、施工管理の年収に違いがある理由を6つ紹介します。

企業規模

大企業と中小企業とでは、施工管理としての経験年数や勤続年数が同じであっても、年収に差が出ることがあります。

これは売上高利益率や受注する案件の単価が異なることが大きな理由と考えられています。

例えば、大手ゼネコン会社の場合、新卒の年収が400万円を超えるところが比較的多い印象ですが、小規模企業になると200万円代と大きく差が開くことも少なくありません。

ただし、大企業でも資格手当等の福利厚生が導入されていないケースもあるため、企業規模は一つの参考に留めるのが良いでしょう。

実務経験

施工管理としての実務経験年数が大きく関わることもあります。


出典:job tag|建築施工管理技術者

職業情報提供サイトの建築施工管理技士の年齢別の年収データでもわかるように、実務経験が長くなるほど年収が上がっています。

この背景には、現場では細かなトラブルがつきものであり、トラブルに適切に対処するためには場数を踏んだ人が求められることが挙げられます。

また経験年数が長いほどさまざまな企業と信頼関係を構築していることから、現場がスムーズに進みやすい点なども考えられます。

役職

役職がランクアップするほど責任が増えることから、比例して年収が増えるのも理由の一つです。

特に年功序列制がまだ残る企業の場合、実務経験や入社年数が長い順に役職に就くことも多く、就職先を探す際は、社風を調べることも大切と言えるでしょう。

プロジェクト規模

施工管理として携わるプロジェクトの規模によって年収が増えることもあります。

公共事業からの受注が多い企業の場合、プロジェクト規模が大きい傾向にあります。
これは規模の大きいプロジェクトは受注単価も大きいためです。

一般的に、施工管理の年収は小さな案件を複数こなしながら徐々に上がる仕組みですが、中小企業の場合、案件をクリアしても、売上高利益率が向上しにくいために、年収も伸び悩むことがあるようです。

資格有無

企業によっては資格手当が支給され、年間10万円ほどの年収アップが見込めることもあります。

資格の保有によって手当が付き、年収が上がるのは大きな魅力の一つです。

中には資格手当がない企業や、資格手当の代わりに職能給をプラスで査定する企業などもあるようです。

地域

施工管理として働く地域によっても年収に大きな違いがあるようです。

ここで、厚生労働省の職業情報提供サイトによる建築施工管理技士の全国的な平均年収を一覧でみていきましょう。

なお、建築施工管理技士の全国の平均年収は約630万円です。

地域 年収(万円) 地域 年収(万円)
北海道 654.1 長野県 506.6
青森県 450.7 岐阜県 552.8
岩手県 521 静岡県 615.9
宮城県 561 愛知県 647
秋田県 522.9 三重県 566.3
山形県 495.9 滋賀県 573.9
福島県 526.2 京都府 533.2
茨城県 570 大阪府 643.3
栃木県 564.3 兵庫県 542.5
群馬県 558.4 奈良県 630.1
埼玉県 581.1 和歌山県 627.9
千葉県 604.5 鳥取県 515.7
東京都 713.5 岡山県 543.2
神奈川県 624.9 広島県 617.2
新潟県 543.2 山口県 615.3
富山県 504.2 徳島県 537.1
石川県 539.9 香川県 581.6
福井県 569.1 愛媛県 563.2
山梨県 617.1 高知県 494.2
福岡県 578.2 大分県 544.9
佐賀県 471.4 宮崎県 556.5
長崎県 536.3 鹿児島県 463.6
熊本県 476 沖縄県 522.2

全国の平均年収の中でも、1番低いのは青森県の約450万円、一番高いのは東京都の約710万円でした。

施工管理として高い年収を得たいのであれば、年収の高い勤務地をチェックするのも方法の一つです。

施工管理で稼ぐためのポイント


ここからは施工管理で稼ぐためのポイントを紹介します。
施工管理技士の資格をまだ取得していない方、施工管理を目指す予定の方は今後の参考にしてください。

未経験で施工管理に転職

まずは未経験採用に力を入れる企業へ入社し、業界での経験年数を積みましょう。

未経験採用に力を入れる企業の場合、研修制度や資格取得補助などが充実しており、スキルアップを目指しながら働くことができます。

実務経験を積む

次に実務経験を積むことです。
研修で学んだ知識や技術を現場で活かしましょう。

プロジェクトの規模が大きいほど一気に年収が増えることもありますが、多くの現場をこなし、徐々に上がるのが一般的です。

年収を増やすことにばかりこだわっていると、基本的な業務がおろそかになることも。

トラブルにつながったりうまく対処できなくなる恐れがあるので、まずはコツコツと経験を積むことに注力しましょう。

施工管理技士の資格を取得する

基本的な知識・技術が身につき、一般的な業務の流れが把握できたら、次は施工管理技士の資格を取得しましょう。

施工管理技士の資格取得によって、一般的な作業員に比べて資格手当等が支給され、年収を増やすことができます。

ただし、資格を取得したとしても、現場で活かすことができなければ年収アップにはつながりません。

勉強で得た知識や技術は現場でしっかり活かし、施工管理としての経験を着実に積みましょう。

規模の大きな企業に転職する

施工管理として実務経験を十分に身につけたら、大規模な企業に転職しましょう。
企業規模の大きな企業の主な取引先は、大手ゼネコンや各自治体等の公共事業のため、経営が安定している分だけ給料も安定しています。

また、大規模な企業は福利厚生が充実しているケースが多く、資格手当等があればさらなる年収アップが見込めます。

施工管理は資格保有と実務経験が大切!

施工管理で稼ぐには、施工管理技士の資格を取得し実務経験を積むことが重要です。

実務経験を積み、さらなるキャリアアップを目指すときは、ゼネラルリンクキャリアをご活用ください。

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