施工管理の転職ノウハウ

スーパーゼネコンが激務と言われる理由とやりがい・メリットを解説

1兆円以上の売上高のゼネコンをスーパーゼネコンと呼びますが、その仕事内容は「激務」と呼ばれることがあります。

設計や施工、研究までを総合的に請け負うゼネコンの業務において、いったいどのような業務が激務と捉えられているのでしょうか。

そこで今回は、スーパーゼネコンが激務と言われる理由とやりがいに感じられる部分、働くことでみられるメリットを紹介します。

スーパーゼネコンが激務と言われる5つの理由


スーパーゼネコンが激務と言われる理由は大きく分けて5つあります。

➀短い納期による重圧

ゼネコンが激務になる理由の一つとして、仕事にまつわる納期が短いことが挙げられます。

ゼネコンが受け持つ業務は、道路やダム、高層ビルやマンションといった人々の暮らしに不可欠な大きな建物で、数ヶ月~数年といった納期が設定されるのが一般的です。

工期が十分にあるように見えても、悪天候や感染症の蔓延によっては現場が止まり、なにもできずに工期だけが減るといったことが珍しくありません。

このような状況に陥ってしまうと、残った工期で竣工を目指さなければならないことから、残業や休日出勤が必要となり、激務に至ることがあります。

②若手の不足

国土交通省による「建設業を巡る最近の状況」では、2023年には21万人程度の人材不足に陥ると予測されています。

これを受けて国は建設技能者の人手不足を懸念し、受入数の見直し・改善に取り組んでいます。

昨今の建設業界は、高齢化社会の影響を受けて引退した社員の業務を既存社員が担い業務数が増えたという企業も。

この点を「激務」と捉え、建設業界から若手が離れ始めたことも理由と考えられます。

なお、2019年に施行された働き方改革によって残業時間の削減や建設DX等により業務時間の調整・改善がみえはじめています。

現在は深刻な若手(人手)不足ではありますが、国の施策によって改善する見通しから、激務と呼ばれる問題は次第に解消されると予想されています。

参考:国土交通省|建設業を巡る最近の状況

③長時間労働・休日出勤が多い

ゼネコン会社の多くは施工を担う委託会社と連携してプロジェクトを進めます。

協力会社との連携によって大きなプロジェクトに参画できるなどのメリットがある一方で、協力社数が多いほど、各社のトラブルがゼネコン会社に直接影響を及ぼすといったデメリットもあります。

例えば協力会社が資材を用意・搬入する役割を担う場合です。

なんらかのトラブルによって資材の搬入が遅れてしまうと、ゼネコン会社が請けたプロジェクトは遅延します。

このような事態が発生すると、残された工期で完成を目指さなければならず、必然的に残業や休日出勤をして遅れを取り戻すことになります。

残業や休日出勤の大半はこのような事情が多いものの、単純に働く時間に対して「激務」と思う人が一定数いるようです。

このような問題についても、建設業界では2024年4月から働き方改革が本格的導入されているものの、2019年の施行当初から長時間労働の削減が広がりをみせ、将来的にはさらに改善が進むと予測されています。

④転勤が多い

ゼネコン会社によっては次の現場に移動する際、転勤を命じられることがあります。

転勤を命じられることは、転勤先にとって必要な人材と考えられていることが推測でき、会社から厚い信頼を寄せられていると判断できます。

しかし、家庭を持っていたり、介護中の家族がいるなどの理由で、辛いと感じる人も。

都心部の大手ゼネコンは、支社数が多いことから転勤になる可能性が高いです。

建設業界に入りたいが転勤は避けたいと考える方は、地方のゼネコン会社への入社がおすすめです。

⑤同業過多による競争

現在の建設業界はインフラ整備が一通り完了しており、住宅やオフィスビルの新設が減少しています。

新設機会が減るとゼネコン会社の仕事も減少するため、その部分をリカバリーする目的から、既存の建物の修繕やリフォームを中心に取り組んでいます。

今あるゼネコン会社でわずかな案件を奪い合うという事態が起きています。

安定した仕事を獲得するため、企業によっては納期を短く設定したり予算を下げて依頼を請ける企業が増加。

働き方改革によって残業時間削減などが見られていても、経営状況を維持する企業の目的によって未だに「激務」になってしまっている企業もあります。

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スーパーゼネコンで働くメリット


スーパーゼネコンが「激務」と言われる背景には、高齢化社会や新築物件の施工の減少、同業社との案件争奪の激化などが絡んでいると考えられます。

では、スーパーゼネコンで働く中ではどのようなメリットがあるのでしょうか。

➀大企業ならではの収入の安定性

売上高1兆円以上のゼネコン会社をスーパーゼネコンと呼ぶことから、大手であり、収入が安定していることは最大のメリットと言えるでしょう。

長期的な歴史の中で経営基盤を強化してきたからこそ、スーパーゼネコンは景気の変動に耐えられる安定した経営を実現しています。

スーパーゼネコンで働くことで安定した雇用・収入を享受でき、将来的な不安が少ない中でキャリア形成ができるのはメリットと言えるでしょう。

➁年収が高い

スーパーゼネコンと準大手・中堅ゼネコンの平均年収を比較したところ、その差は以下のような結果となりました。

社名 平均年収
スーパーゼネコンのトップ 鹿島建設 11,635,162円
準大手ゼネコンのトップ 長谷工コーポレーション 9,418,772円
中堅ゼネコンのトップ 奥村組 9,367,315円

スーパーゼネコンと、準大手・中堅ゼネコンの平均年収には約220万円もの差があることから、年収アップを視野に入れた転職を希望する方にとっては、スーパーゼネコンは魅力的な業界と言えるでしょう。

③充実した福利厚生

売上高が1兆円以上のスーパーゼネコンは、長年培ってきた経営基盤により、社員のことを考えた福利厚生を導入している傾向が強い特徴があります。

そのため、入社によってワークライフバランスの維持がしやすいのは、働き手にとって大きなメリットと言えます。

そもそも会社が福利厚生を導入する目的は、その多くが従業員満足度の向上や採用活動の強化、社員の生産性を高めるため。

従業員の満足度が高まれば生産性向上に期待でき、利益率や経営そのものの安定が見込めます。

スーパーゼネコンへの入社によって社員はワークライフバランスを維持できるメリットがあり、ゼネコン会社にとっては安定した利益率を見込めるなど、福利厚生の充実度はそれぞれに大きなメリットがあると考えられるでしょう。

④大規模プロジェクトへの参画

スーパーゼネコンの多くは、道路やダム、大型商業施設や高層ビルといった大きな現場を請け負う特徴があります。

地方ゼネコンや中堅ゼネコンでは参画できないような大規模プロジェクトに携われるチャンスが多いのもスーパーゼネコンならではのメリットです。

建設業界に携わる中で求められる知識や技術を身につけたい方にとっては、魅力的な業界と言えるでしょう。

⑤社会的信用度が高い

スーパーゼネコンは安定した経営基盤を構築しているからこそ、社会的信用度が高いです。

住宅ローンやマイカーローンを組みたいときはスーパーゼネコンの高い社会的信用度を享受できるので、審査が通りやすいのもメリットです。

スーパーゼネコンで働くやりがい


ここからは、スーパ-ゼネコンで働く中でのやりがいを見ていきましょう。

➀社会貢献につながる

スーパーゼネコンが携わる案件の多くは道路や高層ビルなどを建設するといったビッグプロジェクト。

どれもインフラにまつわる業務であることから、間接的に人々の暮らしを支える、社会貢献をしていることになります。

ビッグプロジェクトであるため、一人ひとりからお礼を言われることは少ないですが、誰かのためになっていることは大きなやりがいと言えるでしょう。

➁業務一つひとつが未来につながる

インフラ整備を中心とする特徴から、一つひとつが未来とつながっているのもやりがいを実感できる部分です。

道路や高層ビル、商業施設の建設・修繕も、それらは末永い未来にまで残るので、将来へつなぐ架け橋を作っているとも考えられます。

プロジェクトが終わり、完成物を家族や子どもに見せることができるのも、建設業界ならではのやりがいを感じられる部分です。

③手に職をつけられる

建設業界に就職したあとは、必要に応じて資格を取得することになることも。

1級建築施工管理技術士や1級建築士、宅地建物取引士などの資格は、取得する上で難しい勉強に取り組む必要がありますが、取得によってその資格のプロであることを示せます。

ゼネコン会社によっては資格取得制度や資格手当といった福利厚生を導入していることも多いので、入社後は働きながら手に職をつけることもできます。

携わるプロジェクトによっては現場の進捗管理や現場作業員の統括といった管理業務を任されることも。

業務を覚える機会が多いほど身につく技術・知識も増えるので、将来的にどの業界にも通用する人材として活躍できるのもやりがいを感じられる部分です。

ゼネコン各種の賃金格差


スーパーゼネコンと準大手ゼネコン・中堅ゼネコンの平均年収を比較すると、約220万円もの差があることが分かっています。

また、準大手ゼネコンのトップと中堅ゼネコンのトップの年収差はほとんどないことから、ゼネコン会社と一口に言っても、年収は三者三様であることが理解できます。

年収の増減は、資格取得による資格手当の有無でも大きく変化します。

スーパーゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコン各社の平均年収や、大手ゼネコン会社の資格手当の有無については以下リンクで確認できるので、転職先を探す際はぜひ参考にしてください。

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スーパーゼネコンへ転職|おすすめの方法


年収が高く、福利厚生も充実しているスーパーゼネコン。

自分の実力や経験、技術や知識が活かせるのなら、転職したいと思う方も多いでしょう。

ここからは、スーパーゼネコンへの転職を希望する方へ、おすすめの方法を紹介します。

➀綿密な企業調査を行う

まずは基本的な転職活動と同様に、企業調査から始めましょう。

企業調査をおろそかにするとマッチ度の高い企業でも志望動機等によっては落ちてしまうことがあります。

経営理念や目指す方向性、求める人材をくまなくチェックし、自分がどのように貢献できるかをイメージしましょう。

このとき、自分の技術や知識、保有する資格等がどのように活かせるかを文章にまとめておくと、履歴書や面接での志望動機がまとめやすくなります。

➁必要に応じて資格取得を目指す

次に、資格取得です。

求める人材の中に1級建設機械施工管理技士や1級建築士などがあれば、取得を目指しましょう。

会社によっては資格取得制度などの福利厚生を導入していますが、あらかじめ資格を持っていれば資格がない人との差別化につながります。

また、知識を有していることを示せるので、即戦力とみなされやすいといったメリットも。

ただし、資格を取得している時間がないといったときは、就職後に資格取得も並行して行う、またはすでに取り組んでいるといったアピールができるよう準備を進めておくと有利です。

③求められる能力を高める

次に建設業界で求められる能力を把握し、自分の中に取り込みましょう。
大手ゼネコン会社になるほど多くの協力会社と連携しています。

そのことから、他社関係者とも柔軟なコミュニケーションによって円滑にプロジェクトが進むよう、高いコミュニケーション能力が求められることは言うまでもありません。

また、現場作業員や職人、クライアントである顧客の意見やクレームにきちんと耳を傾ける傾聴力や、クレームやトラブルに対して誠意を持って対応する問題解決能力も必要です。

建設業界で求められる能力を細かく分析し、自分に不足している部分を把握・向上する姿勢も意識しましょう。

④口コミサイトをチェックする

続いて、入社を希望する会社の労働環境などを口コミサイトでチェックしましょう。
労働環境を把握しておくことで、配置後も落ち着いて対応することができます。

なお口コミサイトは偏ったマイナス意見が書かれやすいといった特徴があることから、口コミのすべてを鵜呑みにすることは厳禁です。

どのような労働環境なのか、どのような人が活躍しているのかを参考にするまでに留めましょう。

⑤転職エージェントの活用

理想的な会社を見つけ面接までこぎつけても、必ず内定につながるとは限りません。

もし採用通知が届かなかった場合、再度、理想的な会社を見つけ、転職活動に取り組まなければなりません。

理想的な会社から内定を受けるには、いくつかの会社にアプローチをしておくのがおすすめです。

その際は建設・不動産業界に特化した転職エージェント「ゼネラルリンクキャリア」をぜひご利用ください。

同社は建設・不動産業界に絞っているからこそ企業情報が豊富。

そのため、あえて一人ひとりに向き合うといったアナログタイプでありながらも、必要な求人だけをピックアップして紹介しています。

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激務と言われるゼネコンは働き方改革によって改善し始めている

スーパーゼネコンが「激務」と言われる理由の多くは、2019年に施行された働き方改革によって少しずつ改善されはじめています。

残業時間の削減や休日出勤の減少、社員一人あたりの業務量はさらに改善が進むと予想されていることから、建設業界へのイメージが着々と変わりはじめ、就職・転職を希望する人が再度増加すると考えられます。

このような状況を踏まえ、建設業界への転職を検討される方は、本記事で紹介した方法を参考にしながら転職活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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