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建設業界で働く人々の労働環境が大きな転換期を迎えています。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、長時間労働の是正が急務となりました。
こうした中、日本電設工業協会(電設協)は業界の働き方改革を主導する立場として、建設現場の「土日閉所」(週休2日制の現場一斉休工)を積極的に推進する姿勢を示しました。
参考:decn.co.jp
この電設協が示した「土日閉所」の動きは、建設業界の労働環境をどのように変え、転職市場にどんな影響を与えるのでしょうか。
本稿では、建設業界に特化した転職支援会社である施工王の視点から、電設協が進める働き方改革の全体像や土日閉所運動の背景・目的、行政の取り組み、現場側のメリット・懸念、若手人材・女性の参入促進への期待、そして働き方改革が転職市場にもたらす変化について詳しく解説します。働く皆さんに役立つ情報と今後の展望、転職を検討する方へのアドバイスまで盛り込みます。
電設協が進める働き方改革の全体像(第4次アクションプラン)
日本電設工業協会(電設協)は業界の働き方改革をリードすべく、第4次アクションプランを策定しました。
労働環境の改善と人材確保を両立するため、多方面にわたる施策を展開しています。
まずは電設協の取り組み全体像と、週休2日確保が不可欠とされる理由を見ていきましょう。
電設協の第4次アクションプランと多様な人材確保
日本電設工業協会(電設協)は2025年度の事業計画として、業界の働き方改革と人材確保に向けた「第4次アクションプラン」を本格始動させました。
このプランでは、長時間労働の是正や労働環境の改善を通じて建設業を魅力ある業界に変えていくことが柱となっています。
具体的な施策として、学生への情報発信強化や業界PR(※2025年5月のJECAフェアでの業界プロモーションコーナー刷新など)、さらに外国人技能者の受け入れ拡大策が盛り込まれています。
例えば、電設協は従来正会員企業に限っていた特定技能外国人の受入対象を一次協力会社にも広げ、電気工事に加え電気土木工事や通信工事など周辺分野にも対象職種を追加する方針を示しました。
参考:kensetsunews.com
また「多様な人材の確保」には女性技術者や若手人材の活躍推進も含まれており、業界全体で人材の裾野を広げる狙いがあります。
こうした包括的な取り組みによって、“きつい・危険”のイメージが強かった建設業界を、誰もが働きやすくやりがいを持てる職場へ変えていこうとしています。
週休2日取得が不可欠とされる理由
電設協が働き方改革で特に重視しているのが、建設現場の週休2日(=土日閉所)の実現です。
文挾誠一会長(電設協会長)は「週休2日を取得できる業界でなければ、若者も入職してこない」とまで述べており、人材確保の面から週休2日制の定着が業界の存亡を左右すると強調しています。
実際、日本の生産年齢人口が減少し人手不足が深刻化する中、建設業だけ休日が少ないようでは他業種との人材獲得競争で不利になります。
とりわけ若い世代や多様な人材にとって、「土日しっかり休めるか」は職業選択の重要なポイントです。
電設協はこうした認識のもと、建設業界全体で週休2日を推進する必要性を訴え、元請団体(大手ゼネコン団体など)と歩調を合わせて発注者側へ働きかけていく意向を示しています。
事実、電設協は2025年度から始まる「建設現場の土日一斉閉所運動」に積極参加する方針を明言し、業界団体ぐるみで週休2日の実現に踏み出しました。
このように、電設協は働き方改革の一環として「完全週休2日制の建設業界」を目指し、業界の意識改革と行動を牽引しています。
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土日閉所運動の背景と目的(業界の課題と狙い)
概要:建設業界で「土日閉所」(現場の週休二日制)を推進する背景には、長年の課題となっている長時間労働の是正と人手不足問題があります。
本節では、土日閉所が叫ばれるようになった経緯や、業界横断で展開されている週休2日推進運動の目的について解説します。
長時間労働是正と「2024年問題」
建設業界は従来、工期厳守や工程上の都合から週末(土曜)も稼働する現場が多く、他業種に比べ休日が少ない労働慣行が続いてきました。
いわゆる「休めない業界」というイメージが定着し、人材流出の一因ともなっていたのです。
しかし近年、慢性的な長時間労働の是正に向けた法改正が進み、状況が大きく変わり始めました。
特に2024年4月から建設業にも適用された働き方改革関連法の時間外労働の上限規制は画期的で、罰則付きで月45時間・年360時間の残業上限が義務化されました。
この「2024年問題」を契機に、建設業界も本格的に週休2日制(4週8休)の定着に取り組まざるを得なくなったのです。
実際、2024年度からは大手ゼネコンを中心に現場の土日休工を前提とした工程計画が増え始めています。
また国土交通省直轄工事では、モデル工事を経て週休2日がほぼ標準となるなど、公共工事分野で先行して週休2日制が浸透しつつあります。
長時間労働が常態化していた建設業界にとって、法規制の施行と労務管理の厳格化は大きな転換点であり、「土日閉所」の実現はもはや避けられない課題となりました。
業界横断の週休2日推進運動の狙い
こうした背景を受けて、建設業界では「目指せ!建設現場 土日一斉閉所」と銘打った業界横断のキャンペーンが展開されています。
この運動は、建設業界4団体(日本建設業連合会〈日建連〉、全国建設業協会〈全建〉、全国中小建設業協会〈全中建〉、建設産業専門団体連合会〈建専連〉)が共同で2024年度に初めて立ち上げた全国運動で、全ての建設現場で土日閉所を定着させることを目的としています。
2025年度からは電設協や日本空調衛生工事業協会(日空衛)といった設備系団体も新たに加わり、参加団体は6団体に拡大しました。
業界を挙げて週休2日を推進する狙いは大きく二つあります。
第一に、上述の法規制に対応し労働基準法の上限規制を順守するためには週休2日(土日閉所)の定着が不可欠であること。
第二に、休日を増やし働きやすい環境を整えることで将来の担い手である若い世代の入職促進につなげることです。
事実、建設業では技能労働者の高齢化が進み、今後の大量離職も予測される中で人材確保が喫緊の課題となっています。
週休2日制の導入は、この人手不足問題への根本対策として位置付けられているのです。
運動の具体的な取り組みには、官民の発注者に対する工期や契約の見直し協力の要請、現場閉所を呼びかけるポスターの作成・周知などが含まれ、政府側も国土交通省・厚生労働省・総務省などが後援に名乗りを上げています。
業界・行政が一体となって進めるこの運動は、旧来の「土曜も働くのが当たり前」という慣習を改め、「完全週休二日が当たり前」の建設業界へ転換していく大きな一歩と位置づけられます。
関係行政の取り組み(千葉県など官公庁の動き)
建設業界の働き方改革は、民間団体だけでなく行政も積極的に支援しています。
国や自治体の発注者サイドから週休2日制の普及を後押しする動きが広がっており、その代表例が千葉県・千葉市の取り組みです。
本節では、公共工事における週休2日推進策や国の支援策について紹介します。
千葉県・千葉市による「毎月第2土曜閉所」の試み
行政の中でも先進的な例として挙げられるのが、千葉県および千葉市の取り組みです。
千葉県と千葉市は共同で、2024年4月以降の毎月第2土曜日を市発注の全ての公共工事で一斉閉所日とする方針を打ち出しました。
参考:city.chiba.jp
これは「目指せ!建設現場土日一斉閉所」のスローガンのもと、自治体レベルで具体的に週休2日を推進する施策です。
千葉市は「魅力ある建設業の実現のため、働き方改革を推進します」という宣言を掲げ、時間外労働の抑制と週休2日(土日閉所)の定着が不可欠だと強調しています。
緊急対応が必要な工事など一部例外はあるものの、定期的に現場を閉所する仕組みを制度化することで、現場単位で計画的に休みを確保する狙いがあります。
発注者である自治体自らが率先して休工日を設定することで、元請・下請を含めた関係各社が安心して休める環境を整え、週休2日制の定着を図っています。
このような千葉県・千葉市の取り組みは、他の自治体にとってもモデルケースとなりつつあります。
実際、千葉県内では茂原市や市原市など他の市町村も週休2日制工事の試行や制度化を進めており、自治体発注工事から休日確保を浸透させる動きが広がっています。
参考:city.ichihara.chiba.jp
国土交通省など国による支援策
国レベルでも、建設業の週休2日推進に向けた支援策が展開されています。
国土交通省は平成末期から週休2日モデル工事を直轄工事で試行し、効果検証を経て現在では直轄工事のほぼ全てで週休2日を実施するに至りました。
また、各都道府県にも週休2日工事のガイドライン策定を促し、工期設定の見直しや必要経費の計上などで施工者が休みを取りやすい契約条件を整備しています。
先述の業界横断運動にも国交省や厚労省が後援しているように、政府としても働き方改革の実現なくして将来の建設産業の発展なしとの認識で取り組みに力を入れています。
具体的な支援策としては、週休2日実施企業への入札加点措置、現場閉所に伴う間接費増加分の補填(積算基準の見直し)などが挙げられます。
また建設現場の生産性向上を図るためのi-Construction推進(ICT活用工事)やプレキャスト工法の奨励なども、限られた平日内で効率よく施工を完結させる支援策と言えるでしょう。
さらに国や自治体は広報活動にも注力しており、「建設業は変わる」「週休2日で魅力アップ」といったメッセージを発信することで、企業と労働者双方の意識改革を促しています。行政によるこれらの施策は、民間企業だけでは解決しにくい工期や予算上の制約を緩和し、週休2日制の浸透をトップダウンで後押しする重要な役割を果たしています。
参考:decn.co.jp
現場の反応と影響(メリットと懸念の整理)
土日閉所(週休2日制現場)が定着した場合、働く人にとっても企業にとっても様々なメリットが期待できますが、一方で現場運営上の課題や懸念も指摘されています。
この章では、週休2日推進による利点と想定される問題点を整理し、現場の声や業界への影響を考察します。
週休2日定着による期待されるメリット
現場が土日休みになることで得られるメリットは多岐にわたります。
第一に、労働者の健康管理と安全性の向上です。
連続勤務を避け適度に休養を取ることで疲労が蓄積しにくくなり、ヒューマンエラーや労働災害のリスク低減が期待できます。
第二に、ワークライフバランスの向上による定着率アップです。
週末にしっかり休め家族との時間や自己研鑽の時間を持てることで、従来は離職しがちだった若年層も腰を据えて働き続けやすくなります。
実際「休みが取りにくい」という理由で業界を去った技術者が、環境改善後に復帰するケースも考えられます。
また休日増加は優秀な人材の新規参入にも直結します。
他業界並みに休める職場であれば、これまで敬遠されがちだった建設業にも若者や女性が応募しやすくなります。
「週休2日を取得できる業界でなければ、若者も入職してこない」という電設協会長の発言通り、休暇制度の整備は人材獲得の絶対条件なのです。
さらに、しっかり休める職場環境は社員のモチベーション向上や企業イメージの向上にもつながります。
近年では「働きやすい会社」は「選ばれる会社」です。
建設業界全体が休日確保に取り組む姿勢を示すことで、「きつい・厳しい」から「働きやすい・魅力的」な業界へのイメージ転換が進み、将来的な担い手確保につながるという好循環も期待できます。
加えて、週休2日制の前提で工程計画を行えば、生産性向上への意識改革も促されます。
限られた平日で成果を出すために創意工夫や技術革新が進み、結果として業界全体の効率アップ・収益力向上にも寄与する可能性があります。
このように、土日閉所の定着は労働者個人の幸福だけでなく、業界の持続性にもプラスの効果をもたらすと期待されているのです。
実現への課題と懸念事項
もちろん、週休2日制を全面的に実現するには乗り越えるべき課題も存在します。
以下の表に、主なメリットと懸念点をまとめました。
-
メリット(効果・利点)
- 労働者の健康改善(十分な休養で疲労軽減)
- ワークライフバランス向上による定着率アップ
- 若手人材・女性の入職促進
- 法令順守による企業リスク低減とイメージ向上
懸念・課題(副作用や問題点)
- 工期延長への対応(発注者の理解必須)
- 生産性向上の必要性(人手不足下で効率化不可欠)
- 下請け含む関係者間の調整(一社でも休まないと破綻)
- 給与への影響(週休増で残業代減少分の補填課題)
上記のとおり、最大の懸念は工期や予算に関する調整です。
土日を休みにするとその分工期が延びるため、従来通りの納期では施工が完了しない可能性があります。
発注者(施主や元請)に対し、「工期を延長する」「工事期間中の稼働日数減に伴う費用増加を認める」といった理解と協力を得ることが不可欠です。
また、人手不足の状況下で休日期間を増やすためには、生産性の飛躍的向上か人員増強のいずれか(もしくは両方)が必要になります。
しかし中小企業を中心に人材確保は容易ではなく、新たな技術導入による効率化にも限界があります。
結果として「平日にしわ寄せが集中し、かえって労働が過密化するのではないか」といった懸念も現場から聞かれます。
また、元請・下請・職人間で休工日に対する意識を揃える難しさも課題です。
仮に元請が休んでも一部の下請業者が土日に作業を強行すれば現場全体の休みは成立しませんし、その逆も然りです。
業界全体で休むと決めた日に誰か一社でも働けば不公平が生じるため、サプライチェーン全体の協調が求められます。
さらに、一部の作業員からは収入面の不安も指摘されます。これまで土曜出勤や残業手当で稼いでいた人にとって、急に休みが増えて給与が減るのは生活に直結する問題です。
企業側には基本給の引き上げや手当の見直しなど、労働者の収入減を防ぐ配慮も必要でしょう。
このように課題はありますが、業界団体と行政が協力してルール整備や支援策を講じつつある現在、少しずつ状況は改善に向かっています。
実際、電設協の調査によれば完全週休2日を達成している現場はまだ全体の3割弱に過ぎないものの、年々着実に増加傾向にあります。
週休2日化は「改善は緒についたばかり」の段階ですが、働き方改革の機運が高まる中で克服すべき課題が明確になったとも言えます。
今後は現場の創意工夫や関係者の合意形成によって、これら懸念点の解消が進むことが期待されます。
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働き方改革が転職市場に与える影響(採用動向と求職者目線)
建設業界の週休2日推進は、人材市場にも大きなインパクトを与えつつあります。
企業の採用活動や求職者の志向にどのような変化が現れているのか、転職支援の現場から見た動向を分析します。
企業の採用活動の変化:「週休2日」アピールと人材確保
働き方改革が進む中、建設企業の採用戦略にも変化が生じています。
まず顕著なのが、求人票や採用サイトにおける「週休2日制」「完全週休二日」といったアピールの増加です。
以前は建設業の求人では休日の少なさがネックでしたが、最近では「土日休み」「年間休日120日以上」など他業種並みの待遇を明示する企業が確実に増えています。
施工管理技士やエンジニアの中途求人でも「隔週休二日」ではなく「完全週休二日」を売りにする案件が登場し、人材紹介会社経由でも「御社は週休2日を実現していますか?」と問い合わせる候補者が増えてきました。
企業側も優秀な人材を確保するため、勤務環境の改善状況を積極的に発信するようになっています。
また、週休2日制の定着に伴い人員計画の見直しも進んでいます。
例えば、あるゼネコンでは従来1チームで土曜まで対応していた現場管理を、チーム増員と交替制導入によって週末休みにシフトしました。
これにより平日勤務のみで工期を守る体制を敷き、人員増はコスト増にはなるものの「離職防止による長期的な戦力維持の方が効果が高い」と判断しています。
このように、企業は「人を増やしてでも休ませる」方向へ舵を切り始めており、その結果として求人件数自体も増加傾向にあります。
特に現場の生産性向上を担う即戦力人材(施工管理や技術者)は引き続き需要が高く、待遇改善とセットで人材獲得競争が激化している状況です。
その一方で、働き方改革への対応が遅れた企業は人材流出に直面しかねません。実際、同業他社に比べ休日が少ない企業では「休みが取れる会社に移りたい」という社員の声が高まっており、転職市場で不利になるリスクがあります。
総じて、週休2日制の普及は「働きやすい環境を整えた企業が人材を確保しやすくなる」方向に作用しており、各社が採用面でも労働環境改善の成果をアピールする時代に入っています。
求職者が注目すべきポイントと施工王からのアドバイス
では、実際に転職を検討する求職者にとって、この業界の変化をどう捉えればよいでしょうか。
まず第一に、企業選びの際のチェックポイントとして「働き方改革への本気度」を挙げたいと思います。
求人票に週休2日制と書かれていても、実態として休日が確保されているか、残業削減の取り組みは進んでいるか、といった点を見極めることが重要です。
面接時に「現場の土日閉所の取り組み状況」「年間休日は何日か」「有給休暇の取得率」などを確認するのも有効でしょう。施工王のような建設業界専門の転職支援会社では、企業ごとの労働環境データや実際に転職した方からのフィードバックも蓄積しています。
不安な場合はエージェントに相談し、休暇制度が整った優良企業を紹介してもらうのも一つの手です。
第二に、現在建設業で働いている方へのアドバイスとして、働き方改革の波を前向きに捉えることをおすすめします。
もし今の職場が土日休みでなかったり長時間労働が改善されなかったりしても、業界全体は確実に良い方向へと動いています。
思い切って転職して、週休2日を実践している企業に移ることで、キャリアを諦めずに続けられるケースも増えています。
また他業界から建設業へのチャレンジを考えている方にとっても、今は追い風と言えます。従来は「建設の現場は休みが少ない」というイメージで敬遠していた人材層にも、最近の働き方改革の情報が伝わることで興味を持つ方が出てきています。
実際、女性や異業種出身者を積極採用する建設会社も増えており、週休2日や育休制度の充実を武器に多様な人材を受け入れ始めています。
事実、建設業における女性就業者比率は2023年時点で18.2%と過去最高値を記録するまでになり、女性技術者の新卒採用も着実に伸びています。業界としても「もっと女性に活躍してほしい」「若者に入ってきてほしい」というメッセージを明確に打ち出しており、電設協が中心となって新しい“4K”、すなわち「給与(給料)・休暇・希望・かっこいい」を掲げて建設業のイメージ刷新を図る動きもあります。
参考:nikkenren.com
転職希望者にとって重要なのは、こうした業界の前向きな変化を味方につけることです。「休みもしっかり取れて将来性も感じられる建設企業」を見極められれば、働きやすさとやりがいの双方を手に入れることができるでしょう。
施工王では、求職者の皆さんに最新の業界動向を踏まえたキャリア相談を行い、一人ひとりに合った職場選びを全力でサポートしています。
まとめ
建設業界における「電設協での土日閉所」の取り組みを中心に、働き方改革の現状と今後の展望を見てきました。
日本電設工業協会(電設協)が旗振り役となって進める週休2日制の定着運動は、長時間労働が当たり前だった業界に変革をもたらそうとしています。
背景には、2024年施行の残業規制への対応と、深刻化する人手不足への危機感があります。
業界団体や行政が一体となって「土日は休む」という新常識を根付かせようとしている姿は、これまでの建設業界では画期的なものです。
もちろん、現場レベルでは工期や生産性の課題など簡単でない問題もあります。
しかし働き方改革の流れは確実に進行しており、メリハリのある働き方が徐々に現場に浸透しつつあります。
休日が増えることで労働者の生活の質が向上し、結果的に仕事の質も上がっていく。
そんな好循環を目指す動きは、着実に成果を上げ始めています。
実際、週休2日制を導入する企業からは「社員の定着率が上がった」「採用応募が増えた」といった声も聞こえ、改革の効果が表れつつあります。
建設業界でキャリアを積む方々にとっても、これは大きなチャンスです。
働く環境が改善されることで、これまで諦めていたライフプラン(例えば「家庭と両立したい」「体力的に長く続けたい」など)を実現できる可能性が高まります。
また、転職を考える際にも選択肢が広がりつつあります。
自分に合った働き方を提供してくれる会社を見つけやすくなっているとも言えるでしょう。施工王としても、求職者の皆さんには「業界は変わり始めている。
だからこそ自分の希望を大事にしてほしい」とお伝えしたいです。
昔ながらの慣習にとらわれず、改革に前向きな企業を選ぶことで、建設業界でも十分に働きやすい職場を手に入れることができます。私たちは、そのための情報提供やマッチングのお手伝いを惜しみません。
最後に、働き方改革によって生まれる新しい建設業界は、これまで以上に「人」を大切にする業界へと進化していくはずです。
土日閉所の実現に向けた努力は、働く人の人生を豊かにし、ひいては建設物の品質向上や企業の持続的発展にもつながります。
週末にしっかり休める建設業、それは決して夢物語ではなく、すぐそこまで来ている未来です。
業界で働く皆さんも、これから建設の仕事に挑戦したい皆さんも、自分らしい働き方を実現できるよう、この変化の波を前向きにとらえてください。
施工王はその未来を共に創り上げていくパートナーとして、皆さんのキャリアを全力でサポートしていきます。
有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。