目次
施工管理は本当に働き方改革で変わっていく?
このまま施工管理を続けてても大丈夫なの?
そんな悩みにお答えします。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界で約12年のキャリア
- 不動産ディベロッパー建築部門主任
- 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
- 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか
私も施工管理をしていましたが、業務量は本当に膨大ですよね。
それもあって、2019年から始まった働き方改革は様々な業種が適応されたのに関わらず、建設業は5年間の適用猶予がありました。
時間外労働の上限規制により、月45時間、年360時間以内が原則の適応。
特別な事情がある場合は年720時間までになっています。
ついに始まった働き方改革ですが、実態はどうなっているのか、詳細を解説していきます。
5分ほどで読めるので、ぜひこの記事を読んでキャリアの参考にしてみて下さい。
この記事のポイント
- 働き方改革によって待遇は改善してきている
- 全てが完璧に整備されているわけではない
こんな方におすすめ
- 働き方改革で建設業も変われるのか気になる方
- このまま施工管理を続けていくのが不安な方
働き方改革前2017年時の施工管理の状態
施工管理は業務量が異常に多い職種です。
これは勤めている年次は関係ありません。
係員でも主任でも所長でも、役割は違えど異常なのは同じです。
国交省も、2017年のデータでは建設業の年間労働時間は全産業より336時間(42日間分)も多いと公表しています。
出典:建設業における働き方改革
この膨大な業務量に加えて、職人や第三者の命を預かる重い責任がありますよね。
業務内容
一人現場の所長で合同事務所だったので、一人でやることは多岐に渡りました。
4大管理に加えて顧客管理も含めた5大管理ですね。
細かく書き出したらキリがないので大枠だけ記載してみます。
施工管理の業務例
- 工程調整
- 業者選定
- 予算調整
- 設計打合せ
- 図面変更
- 所管庁申請関係
- 施工計画
- 施工図作図
- 検査資料作成
- 各種現場品質検査
- 竣工後保管資料管理
- 現場安全対策
- 施主対応
- 現場段取り・墨出し・雑作業
- 社内会議
- 社内報告資料
- 合同事務所内業務
- 他
ざっと上げただけでもこれくらいはあります。
これらを毎日マルチタスクでこなす必要があるのが施工管理です。
業務スケジュール
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15:45 起床
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27:00 始業
主にメール処理と社内事務処理と事務所清掃。当日の安全日誌の確認。
場合によっては現場で職人と朝礼前事前打ち合わせ。
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38:00~9:00 朝礼、現場巡回、職人個別指示
始業状況の確認と現場が1日回るよう段取り
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49:00~ 施主定例準備
定例に使用するサンプルや模型の用意、ディスプレイや飲み物、おしぼりなどの段取り
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510:00~12:00 施主定例
お客様への報告ともの決め、要望の確認等
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612:00~ 確認連絡他
現場確認(電話)、議事録作成、翌日の手配ものの確認連絡、安全日誌作成、配筋検査資料用意
昼食の時間はないので仕事をしながら何かを食べます
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7昼礼、現場巡回、職人個別指示
昼以降現場が回るように各所で段取り
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813:30~ 翌日以降の段取り、手配連絡
天候・現場進捗・社内検査などを鑑みて段取り。これをミスすると自分で雑用をすることになる
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914:30~ 配筋検査(自主)
今の時代配筋検査もミリ単位です。(全数)
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1016:30~ 現場巡回
作業が予定通り完了しているか、求めている品質まで施工されているかの確認、是正指示
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1118:00~22:30 請求書処理(出面、出来高、相殺項目整理)、ネゴ、原価台帳、予算計画修正
夕食も時間はないので仕事をしながら何かを食べます。
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1222:30 現場作業終了、現場確認、戸締り
夜のうちに飛散・倒壊事故やクレーム、盗難がないよう厳重に戸締り
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1322:30~23:00 休憩・仮眠
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1423:00~2:00 施工図修正
レッドブルとコーヒーとタバコがお供。
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152:00 就寝
事務所の床に寝袋で寝ます。
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- 年収350万円以上の大幅UP事例もあり
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- 休日や夜間でも専属アドバイザーが対応
施工管理の働き方改革の取り組みと成果
実際に5年の猶予期間を経てどう変わってきているのか、課題別に見ていきます。
長時間労働
今回の是正対象となっている長時間労働。
以下が働き方改革が呼びかけられてからの、年間労働時間の推移になります。
長時間労働の改善に向けて、事務作業の外注化やITツールの導入などが進んだ事で、労働時間としては毎年少しずつ減少してきています。
2017年から比較をすると、年間で約100時間の労働時間の短縮に成功しています。
ただ、全産業比較だと、まだ年間68時間程度長い実態があります。
休みが少ない
施工管理の課題として休みが少ないというのがあります。
工期が優先されるので週休1日というのも珍しくありませんでした。
働き方改革の流れを受け、日建連が「すべての現場での週休二日を実現」を目標にかかげて動いています。
出勤数の推移としては画像のようになっており、2017年と比べると12日減っています。
また、日建連が進めている4週8閉所の数も2018年から倍以上になっており、50%近くが4週8閉所しています。
施工管理が働き方改革で変われない理由
働き方改革が進んでいるなかで、それでも中々改善できていない企業もあります。
それは以下の理由です。
施工管理が働き方改革で変われない理由
- 工事発注の仕組み
それぞれひとつずつ説明します。
工事発注の主な仕組み
発注者→元請け(競争)→下請け→孫請け
という仕組みの中で、発注者→元請けの仕事の取り方が施工管理の休みを無くします。
まず、発注者は”なるべく安く”、”なるべく短く”発注をしたいです。
元請けは競合に負けないよう、”価格”と”工期”で競争します。
すると請負は安くなり、工期は短くなり、現場で働く施工管理や職人に負荷のかかる工事になるのです。
「施工管理の労働時間短縮には何が必要か?」というアンケートでは、「発注者による適正工期の設定」との回答が58%と突出して多いです。
(JCU日建協の2019年時短アンケートダイジェストより)
働き方改革が進まない施工管理会社の場合のキャリア
働き方改革によって改善傾向にあるものの、職場によっては変わっていないという人も一定数います。
大手は変化に柔軟で対策の取り組みに積極な傾向があるのに対し、中小はまだまだ消極的な現場も多いです。
同じ施工管理職でも会社が変わるだけで環境は驚くほど変わります。
しっかり戦略を練ってキャリアを積むことで、待遇を改善していくことは可能です。
施工管理におすすめの転職先【厳選4選】ココなら年収下げずに残業減らせる!をご参考にどうぞ。
アンケートでも転職をしたい施工管理は多く、5人に1人が「今すぐ転職したい・今現在転職を考えている」と回答しています。
そこで、施工管理としてキャリアを積んでいくなら、私の考えは以下の2つです。
- 技術革新時代に対応した技術者になるか
- マネジメント力豊富な管理者になるか
▼参考記事はこちら
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建設業は働き方改革で変わるのか?|まとめ
施工管理は働き方改革で変わりつつありますが、完璧ではありません。
そこも踏まえて、是非自分の人生を見つめ直して、キャリアを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
働き方改革によって取り組めている会社かどうかで待遇に大きな差があります。
働き方改革なのに変わってない!と絶望しているあなたはぜひ、別の企業の情報も見てみてくださいね。
有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。
ライターの経歴
よこ