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建築系資格の中でも、1級電気工事施工管理技士は電気工事の施工管理に関する高度な専門知識と技能を有することを証明する国家資格です。
電気工事の設計から施工、検査、維持管理まで、あらゆる工程を総合的に管理することができます。
この記事では、実際の年収相場やメリット、電気工事施工管理技士として年収を上げる方法などについて解説していきます。
1級電気工事施工管理技士の平均年収は500~700万円
1級電気工事施工管理技士の年収は、500〜700万円ほどといわれています。
資格を持つと年収が高くなるイメージはありますが、その中でも1級は特に高くなる傾向にあります。
2級と1級の年収がどれくらい違うのか、なぜ1級だと高くなるのかみていきましょう。
参考:https://kenshoku-bank.com/column/828/
2級電気工事施工管理技士との年収の違い
2級電気工事施工管理技士の平均年収はおよそ400〜500万円ほどとなり、1級とは150万円程度の違いがあります。
国税庁が集計した『業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額』で、建設業全体の平均年収は510.8万円となっているため、2級は平均以下ですが、1級を取得すれば平均以上の年収がもらえていることになります。
参考:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/12.pdf
1級電気工事施工管理技士は需要が高い
1級電気工事施工管理技士の年収が高い理由は、その仕事内容にあります。
電気工事施工管理技士の資格を取ると専任技術者・監理技術者など全体を指揮する技術者に就けますが、1級と2級で扱える物件の大きさが違ってきます。
1級は4500万円以上の工事を発注する特定建設業の企業で技術者に就くことができますが、2級は就くことができません。
つまり、大きな物件を扱えるため需要が高く、その分年収が上がりやすいといえます。
1級 | 2級 | |
---|---|---|
特定建設業 | 就労可能 | × |
一般建設業 | 就労可能 | 就労可能 |
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年収を上げる4つのポイント
ここまで1級電気工事施工管理技士は年収が高いという話をしてきましたが、ここからは年収を上げる4つの要素について解説していきます。
資格の有無
資格があると、携われる業務が多くなるため企業からの需要が高まります。
需要が高まれば必然的に年収は上がってきますし、「資格手当」という基本給にプラスした手当てが出る企業が多くあります。
企業が求める資格を調べ、取得に至れば年収アップに大きく寄与できるはずです。
経験年数
経験年数が上がるほど、年収も上がっていく傾向になります。
できる業務が増えますし、部下の育成ができればマネジメントの仕事を任せてもらえます。
施工管理技士の資格取得にも実務経験が必要となるため、一定の年数が経ち資格と経験がそろえば比例して年収も上がってきます。
会社の規模
従業員数や売上高が多いなど、規模が大きいといわれる企業は年収が高くなる傾向にあります。
規模が大きい分受注する物件も大規模になり、売上が多く入ってくることになります。
そのため売上から社員に還元される給与も多くなる可能性があります。
担当する工事の種類
たとえば大規模な施設の電気工事を行う場合と、1件の住宅の電気工事を行う場合、工事1件に対する契約金額が違ってきます。
契約金額が大きい物件を手掛けるほど年収にも還元されやすくなるので、電気工事施工管理で高い年収を狙いたい人は、プラントや大型施設、公共インフラなど大型の工事を受注する会社で働くことがおすすめです。
転職が難しい人も、今いる会社で規模が大きい工事を任せてもらえるよう相談してみましょう。
電気工事施工管理技士はつらい?デメリットとその理由
電気工事施工管理技士の仕事は、多岐にわたる業務や高度な技術知識、高いコミュニケーション能力が求められる職種です。
資格を取得していることで需要が高く、高年収を狙えることも多いですが、その分業務量が多く「つらい」という声も聞かれます。
以下では電気工事施工管理技士がなぜつらいと言われるのか、主な理由を詳しく解説します。
電気工事施工管理技士はスケジュールに注意
電気工事は設備工事のため、建築工事や土木工事が終わったあとに工事を行います。
建築や土木の時点で工期日程が遅れていると、スケジュールのしわ寄せが電気工事に来てしまい、短い工期で終わらせなければならなくなります。
電気工事までの日程がどれだけ遅れていても工期を厳守する必要があるため、休日返上や深夜にわたって業務を行うこともあるようです。
常に知識を吸収する必要がある
電気工事施工管理技士は、常に知識を吸収する必要があります。
電気工事の技術は日々進化しており、新しい規格や法律も頻繁に改正されるため、最新の情報を得るための勉強が欠かせません。
また、電気工事は感電や火災などのリスクを伴うため、常に安全性を最優先に考慮する必要があります。
新しい技術や工法には、従来の安全対策では不十分な場合もあり、そのため最新の安全に関する知識を習得し、リスクを未然に防ぐための対策を講じる必要があるのです。
コミュニケーション能力が必要
電気工事施工管理技士として仕事を行うには、クライアント、行政、下請け業者、供給業者など、多岐にわたる関係者とのやり取りが日常的に求められます。
コミュニケーション能力が高い電気工事施工管理技士になれれば、現場での人間関係を円滑にし、トラブルを未然に防ぎ、工事をスムーズに進めることができます。
また、顧客からの信頼を得て、リピートや紹介に繋げることもできるでしょう。
電気工事の高年収企業ランキング
1級電気工事施工管理技士は、つらい部分もありますがやはりその年収の高さが魅力です。
各企業が公表している有価証券報告書をもとに、有名な電気工事会社の年収ランキングトップ5をまとめました。
資格を取り、経験も備わってきた方はぜひ今より上の企業を目指してみてはいかがでしょうか。
1位 コムシスホールディングス 918万円
参考:https://www.comsys-hd.co.jp/pdf/ir_library/yuka_2024_04.pdf
情報通信工事を中心に事業を展開している総合設備会社ですが、その中でも特に情報通信工事や電気設備工事に強い企業として知られています。
日本コムシスを中心に、通信設備建設からITソリューションまで幅広い事業を展開し、堅実な経営で財務内容も良好です。
またNTTグループを主要顧客としているため、国内でも安定した売上を持つ企業といえます。
2位 ダイダン株式会社 905万円
参考:https://www.daidan.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/06/87212d0491cb60635ab22d9d806ed774.pdf
主に電気工事、空調工事、水道衛生工事を手掛ける総合設備会社です。
多様な建築物に関わり、設計から施工、メンテナンスまで一貫しておこなっています。
また、持続可能な社会の形成を目指し、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)に関する技術開発や再生医療に必要な環境構築にも取り組んでいます。
3位 東光電気工事株式会社 869万円
参考:https://www.tokodenko.co.jp/wp-content/uploads/2024/07/2023financialreport.pdf
1923年創業の老舗電気工事会社で、全国に展開しています。
新幹線や東京ドームなどの大規模プロジェクトに参画し、信頼性の高い技術で社会に貢献しています。
特に内線・送電線・再生可能エネルギー分野で実績を積んでおり、ボーナスも良いと評判で、安定した経営基盤を持つ企業です。
4位 住友電設株式会社 862万円
参考:https://www.sem.co.jp/ir/library/pdf/99/yuuka2023.pdf
住友グループの一員として、電気工事、空調工事、情報通信工事など多様な分野で活躍する総合エンジニアリング企業です。
またビルや工場の新築・リニューアル、電力インフラや通信インフラの整備など、幅広い施工実績があります。
5位 株式会社きんでん 849万円
参考:https://www.nikkei.com/nkd/company/gaiyo/?scode=1944
資格取得手当が充実しており、入社1年目から資格取得を支援してくれる企業です。
丁寧な研修を提供してスキルアップをサポートしてくれ、キャリアアップの機会も豊富で、給与や待遇が良好です。
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まとめ
- 1級電気工事施工管理技士の平均年収は500~700万円で高水準
- 資格を取ると需要が高まり、年収が上がりやすい
- 電気工事施工管理技士はつらい部分もあるが、年収も高くやりがいがある
電気工事施工管理技士は、技術者として常に学び続ける必要はありますが、年収が高く非常にやりがいのある仕事と言えます。
なぜなら、電気という現代社会に不可欠なエネルギーを安全かつ安定的に供給することで、人々の生活や産業活動に大きく貢献できるからです。
特に1級では大規模な物件に携わることができ、達成感や年収も大きくなります。
建設業での年収アップを考えている方は、ぜひ1級電気工事施工管理技士を目指してみてはいかがでしょうか?
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