施工管理の転職ノウハウ

施工管理は潰しが効かない?4人の事例と転職エージェントに実績を聞いてみた

この記事の監修者

小寺 博之/上級執行役員

新卒で教育業界を経験後、人材業界に転身。大手転職エージェントを経て、2017年1月、株式会社ゼネラルリンクに入社し、人材紹介事業の立ち上げを行う。 人材紹介事業部の事業部長を経験した後、2021年4月に執行役員に就任。

施工管理は潰しが効かないのか?」

「施工管理から転職できる職種はあるのか?」

そんな疑問を持つ方も多いですが、結論としては施工管理は潰しが効く仕事です

実はあまり知られていませんが、施工管理を経験することで得られる知識やスキルは、建設業界以外への転職にも役立ちます。

転職を成功させている4人の元施工管理、建設業界専門の転職エージェントのRSG Construction Agent様からも『施工王』だけに、リアルな情報を提供していただきました。

「施工管理から転職できないかも…」と不安な方は、この記事を読むと「施工管理の転職できる業界・職種の候補」がわかりますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

こんな方におすすめ

  • 施工管理から転職したい人
  • 施工管理からの転職先が見つからない人

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「施工管理は潰しが効かない」は大きな誤解

施工管理は、潰しが効かない職種と言われることがあります。

潰しが効かないと言われる理由としては、「専門性が高く他の仕事に活かせない」「転職サイトを見ても、施工管理の求人ばかりしかない」というものです。

しかし、他の仕事に活かせないというのは間違いで、施工管理で得られた専門性の高い知識やスキルは建設以外の職種でも活かすことができます

例えば不動産開発や、電鉄系企業メーカー金融業界などが代表です。

また、施工管理の求人ばかりが届くのは、単純に他の職種より施工管理の求人が多いからです。

実は、施工管理の知識と経験を持つ人材を求めている企業は多く、公開されていない求人(非公開求人)で採用が決まっているケースが転職市場の実態です。

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「施工管理は潰しが効かない」が誤解である3つの理由

「施工管理は潰しが効かない」という評判が大きな誤解である理由は大きく3つあります。

  • 専門スキルは他業界でも活かせる
  • 汎用性の高いビジネススキルも身に付く
  • 他業界・他職種へ転職している施工管理がいる

施工管理で身につけることのできるスキルは、建設業での専門性の高い業務もありますが、汎用性の高いビジネススキルもあります。

これら施工管理で得たスキルを持って転職を成功させている人もいるので、「施工管理は潰しが効かない」と考えてしまうのは損です。

それぞれ解説していきます。

①施工管理の専門スキルは他業界でも活かせる

施工管理の専門スキルは実は他業界でも活かすことができます。

なぜなら、他業界でも不動産に関わる業務は数多くあるからです。

例えば、不動産業界

開発PJでは、施工に関する品質管理業務や、工程の管理、施工コストの交渉を行います。

このほか金融業界でも、保有不動産の運営・施設維持、工事発注管理等の業務があります。

施工管理の専門スキルは建設業だけにしか活かされないと考えがちですが、実は施工管理で身につけたスキルは幅広く応用が利きます。

②汎用性の高いビジネススキルも身に付く

施工管理ではコミュニケーション力や、マネジメント力、リーダーシップといった、汎用性の高いビジネススキルも身に付きます。

その理由は施工管理の業務が高いビジネススキルを必要とするからです。

具体的には、施工管理はコスト:数百万~億単位、人員:100~1000人単位、期間:数ヶ月~年単位にわたる大きなプロジェクトの管理者です。

一般的にこの規模のプロジェクトを管理するためには、管理職クラスのビジネススキルを必要とします。

そのため、実は施工管理経験者は高いビジネススキルが身についています。(気づいていない人も多いですが…)

③他業界・他職種へ転職している施工管理がいる

他業界・他職種へ転職している施工管理は比較的多くいます。

筆者も施工管理経験を元に不動産ディベロッパーへ転職をしています。

実は、他業界の企業の建設部門や不動産部門の社員は、そのほとんどが中途入社です

なぜなら、他業界の企業では建設のノウハウがないため、プロパー社員を配属しにくいからです。

そして中途入社がほとんどということは、どこかで求人を出して採用しているということになります。

実際に、施工管理から職種を変えて転職をした方に話を聞いていますので、参考にしてみてください。

施工管理から他職種へ転職した4人の成功事例

筆者の知る元施工管理は、施工管理から他の職種への転職を成功させています。

4人の元施工管理はワークライフバランスも整え、年収を上げる転職に成功しており、施工管理からのキャリアアップは成功と言えるでしょう。

ここでは、4人の転職事例を紹介していきます。

①不動産ディベロッパー(品質管理)へ転職

筆者の転職事例です。

筆者は中小ゼネコンの建築施工管理から29歳で不動産ディベロッパーの品質管理へ転職しました。

品質管理の業務は発注者の立場での現場の品質検査、書類確認業務など。

年収は590万円→650万円、残業時間は100h→20hとなり、ワークライフバランス・年収・キャリアすべてにおいて成功の転職でした。

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②不動産ディベロッパー(建築部門)へ転職

筆者の元同僚の事例で鉄骨系のゼネコンで所長をしていた42歳の男性です。

ゼネコンの施工管理からディベロッパーへのキャリアチェンジ転職を成功させています。

ゼネコン所長という豊富な経験と知識から、建築部門の現場担当として設計・施工のプロジェクトマネジメント職に転職。

40代以降でも、施工管理の高い専門スキルがあるからこそ転職できた事例です。

③ファシリティマネージャーへ転職

現役ファシリティマネージャー

いわん太さん

いわん太さんは、サブコンの施工管理(30代前半)からファシリティマネジメント企業に転職を成功させた方です。

施工管理では現場代理人までを経験するも、激務のためにダウン。ワークライフバランスを求めて転職されています。

「こんなに良い職場はない!と自信を持って紹介できます。」

とブログで紹介されているほどなので、施工管理でワークライフバランスを求めている方は、ぜひFM職(ファシリティマネジメント)も候補にしてみてください。

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④土木建設コンサルへ転職

土木建設コンサル

あくびさん

あくびさんは、20代の内装施工管理から、未経験の土木業界の建設コンサル会社に転職をさせた方です。

休日の少なさ、長時間残業を改善したいという理由で転職活動を開始。

業務に追われて転職活動が進まないことから、先に退職を決意し、転職活動に専念することで、建設コンサルへの転職を勝ち取っています。

特に建設業界で働く20代~30代の方におすすめしたい職種です!!

と、やはり施工管理からの転職をおすすめしています。

施工管理は潰しが効かないと思うか聞いてみた

いわん太さんあくびさんなどの施工管理からの転職を成功させている方や現役の施工管理の方に「施工管理は潰しが効かないと思うか?」を聞いてみました。

転職成功者

現役ファシリティマネージャー

いわん太さん

元サブコン施工管理の現場代理人、保有資格:一級建築士、一級管工事施工管理技士、その他金融系資格多数

「潰しは効かない=施工管理以外の職種で働けるかと定義すれば、潰しは効くと考えます。理由は建設業の中でも施工管理の経験を生かせる仕事がたくさんある(営業、設計、積算etc)し、異業種の場合もビル管理やFM職などあるからですね。」

施工管理のみなさんが希望を持てるコメントです。

現役不動産ディベロッパー(発注)

S.Tさん

元ゼネコン施工管理の現場所長、保有資格:一級建築施工管理技士、コンクリート診断士

「潰し効きますよ。潰しが効かないのは、それだけ仕事をいい加減にやってるからですよね。普通に施工管理やっていれば、建設のスキルに需要のある企業へ転職できるはずです。若いからとか年齢が高いからとか、言い訳しているようじゃ潰しが効かなくなるのは当たり前です。」

なかなか手厳しいコメントを頂いています…

現役施工管理(元同僚)

現役ゼネコン施工管理

T.Hさん

ゼネコン施工管理の現場所長、保有資格:一級建築施工管理技士

「潰しが効くか効かないかは本人次第だと思う。若手でも普通に異業種に転職していくし、俺は建設のスキルに自信があるから逆に転職しないし。転職できないのかも知れないけど、この仕事はなくならないだろうし、潰しがどうこう言うなら、転職できるスキルを身につければいいだけだよね。

現役の施工管理はごもっともな意見を言ってました…

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施工管理から転職できる職種

施工管理から転職できる職種の事例を一覧にしました。

施工管理からの転職を考えているかたは参考にしてみてください。(※平均年収、参考年収は転職会議より引用)

職種名 平均年収 参考企業 参考企業_高年収 専門分野
施工管理(比較) 460万円 大林組 1,100万円 総合
不動産ディベロッパー 500万円 三菱地所 1,200万円 建築・設備・電気
ファシリティマネジメント 508万円 ユニゾホールディングス 900万円 設備・電気
プロパティマネジメント 473万円 ジョーンズラングラサール 800万円 建築・設備・電気
ビルマネジメント 452万円 住商ビルマネージメント 780万円 設備・電気
建設コンサルタント 494万円 オリエンタルコンサルタンツ 1,000万円 建築・土木・設備・電気
不動産営業 421万円 三井不動産リアルティ 700万円
技術系公務員 452万円 国土交通省 800万円 建築・土木
メーカー ー万円 TOTO 600万円 建築・設備・電気
テック企業 ー万円 GA technologies 1,200万円 
インフラ(洋上風力発電) ー万円 ユーラスエナジーホールディングス 800万円 設備・電気
プラント施工管理 ー万円  日揮ホールディングス 790万円 建築・設備・電気
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建設業界特化の転職エージェントRSG Construction Agentの事例

また、施工管理から転職できる職種の事例を、建設業界特化の転職エージェントRSG Construction Agentの成田様にも伺いました。

「転職成功事例として、ゼネコンからデベロッパーへのキャリアチェンジ転職があります。」(成田様)

新築マンションゼネコン施工管理

29歳男性

保有資格:一級建築施工管理技士、年収510万円

電鉄系大手デベロッパーの積算

主な業務:ボリュームチェック、年収600万円

転職を決めたきっかけ

土曜日は出勤がほとんどで、残業も多くワークライフバランスを改善したかった。

不安だったこと

初めての転職活動なので、経歴書の作り方や面接のイメージがつかなかった。

RSGを利用した感想

他の転職エージェントは一方的に「施工管理」案件のみを進めてくる中、

RSGでは「積算」や「技術営業」など幅広い案件の提案があり、自分の可能性に気づかせてくれました。

憧れだったデベロッパーへ転職できるとは思ってもみなかったので、本当に感謝しています。

RSG Construction Agentに単独取材!

RSG Construction Agentの評判・口コミを確かめるために、筆者がRSGへ行って確かめてきた内容を記事にしました。

悪い評判の裏側や、RSGの転職サポートの具体的な実例など、気になる疑問をRSGのコンサルタントへ直接ぶつけてきました。

ご参考にしてください。

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まとめ|「施工管理が潰しが効かない」はチャンスを逃してる

施工管理で身に付くスキルは、実は他業界に転職すると年収は上がりやすいです

転職サイトを探しても、希望に合った求人が見つからなければ、一度転職エージェントに相談をしてみるのも良いでしょう。

思いもよらない業界に施工管理経験者の需要がある場合があります。

経験が浅くても、あくびさんのように転職は可能です。ぜひチャレンジしてみてください。

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この記事のライター

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よこてん

ライター

  • 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
  • 建設・不動産業界でキャリア14年目
  • 不動産ディベロッパー建築部門主任
  • 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか

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有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。

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