目次
この記事では、現場監督に必要な能力を、9つの観点で解説します。
実は、できる現場監督でも最初から現場監督に必要な能力を持っていたわけではありません。
仕事をしながら身につけていった能力も多いので、スキルアップの方法も合わせて参考にしてみてください。
この記事を読めば、現場監督が自分にできそうかどうか、わかるようになりますので、ぜひ読んでみてください。
この記事でわかること
こんな方におすすめ
- 現場監督 未経験の方
- 現場監督に転職を考えている方
- 現場監督に就職したけど転職を考えている方
現場監督に必要な能力9選
現場監督に必要とされる能力は主に9つあります。
それぞれ実際に仕事を覚えながら身につけていけば問題ありません。
しかし、中には個人の性格に関わる能力もあります。
現場監督の仕事が自分に合うか合わないか、現場監督をできるのか、一つの判断基準として確認してみて下さい。
現場監督に必要とされる能力は以下の9つです。
現場監督に必要な能力
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- マルチタスク能力
- トラブル対応力
- 先を見通す力
- 段取り力
- 利益感覚
- 責任感
- モチベーション
詳しくは以下で解説していきます。
①コミュニケーション能力
現場監督にはコミュニケーション能力が必要です。
現場監督は職人さんや番頭さんとの協議や指示が特に多い職種になります。
また、時には周辺住民への対応も必要な場面もあります。
コミュニケーションの対応を誤ると、現場が順調に進まないばかりか、職人からの不信や周辺住民からの苦情に繋がってしまいます。
挨拶や言葉遣いなどの基本のほか、"相手に正しく伝える"ためのコミュニケーション能力が必要です。
②マネジメント能力
次に必要とされる能力はマネジメント能力です。
現場監督は計画に沿って現場の進捗を管理しますが、悪天候などで計画通りに作業が進まないことも多くあります。
計画が崩れた際に予定していた作業の調整や変更などを行い、当初の計画と大きなずれが生じないように管理することが必要になります。
また、作業ミスを防ぐ適切な指示を出すためには、各作業員や職人さんの能力や仕事内容を把握しておくことも重要なマネジメントになります。
③マルチタスク能力
マルチタスク能力とは、複数の業務を同時に行う能力のことです。
現場監督は工事計画や工程の管理、作業員や職人さんの安全管理に協力業者との連絡など、多くの業務を抱えています。
各業務は同時並行で進むため、複数のタスクの優先順位をつけつつ、臨機応変に対応していく必要があります。
例えば、関係業者との現場調整を行いつつ、現場の安全確認や作業の指示を行うなどです。
現場監督は同時に複数の業務をこなス必要があるため、マルチタスク能力が必要になります。
④トラブル対応力
トラブルに適切に対応する能力も現場監督には必要です。
現場では大小様々なトラブルが日々発生するからです。
例えば、段取り違いや作業内容・手順の急な変更、事故や周辺住民からの苦情、資材の誤発注に作業の遅れ、図面不整合の設計質疑など様々なトラブルがあります。
これらのトラブルにはすばやく適切に対処することが、状況を悪化させないために必要なことです。
そのため、上司や会社と相談しながら迅速に対応するトラブル対応力も現場監督に求められます。
⑤先を見通す力
現場監督には先を見通す力も必要です。
先を見通す力とは、予想できるトラブルを未然に防いだり、トラブルが起きた際にすぐに対処出来るように準備しておく能力のことです。
例えば、悪天候が予報されている場合には、スケジュールを調整して計画に支障が出ないようにあらかじめ段取りをしておきます。
また、危険な箇所がないか、事故が起こる可能性のある作業は何か、KY活動を通して事故を未然に防ぐことも先を見通す力です。
このように、予測出来ることに対応できるようにあらかじめ準備しておく、先を見通す力も現場監督に必要な力です。
⑥段取り力
段取り力も現場監督に求められる能力のひとつです。
現場監督がきちんと段取りできていないと、多くの協力業者や職人さんに迷惑がかかってしまうからです。
現場監督が行う段取りには、資材が作業までに揃っているか、関連する作業が終了しているかの確認のほか、図面の準備や指示書の作成などがあげられます。
これらの段取りがきちんと行われていなければ、作業に取り掛かることができなくなってしまったり、品質事故につながってしまいます。
そのため、段取り力は現場監督にとって重要な能力のひとつです。
⑦利益感覚
現場監督には利益感覚も必要です。
利益感覚がないと、工事予算はすぐに無くなってしまうからです。
予算内に工事を完了させるには、発注先の協力会社から追加請求のないように、現場の管理や協議を行う必要があります。
協力会社への発注の際に、条件や作業範囲、作業内容についてどこまで契約に入れるか。契約内容と現場の作業に違いがないか。慎重な交渉を行わなければなりません。
また、お客さんからの追加要望や、こちらからの変更提案で利益を作ることも、現場監督の重要な業務です。
利益感覚は現場の利益に直結しますので、非常に重要な能力です。
⑧責任感
現場監督には責任感も必要です。
なぜなら、現場監督は工事中の人の安全を担っている上に、長く利用される建設物の品質や安全も担っているからです。
工事中には危険な作業を行う際にはきちんと安全確認を行ったり、環境や周辺住民に影響が予想される場合には作業を中止する決断も必要です。
また、地震や火事でも人を守れる建設物の品質を確保するなど、命に関わる仕事が現場監督にはあります。
そのため、現場監督は特に責任感をもって業務にあたる必要があります。
⑨モチベーション
現場監督は自分自身のモチベーションの管理も必要になります。
なぜなら、現場監督の仕事は激務で責任も大きいため、仕事の重圧や疲労で辞めてしまう現場監督もいるからです。
重要な業務を複数並行して行う現場監督は、集中力や精神の疲労もとても大きく、大きな責任に耐え切れずに挫折してしまうこともあります。
そのため、自分が現場監督として努力する理由をはっきりとさせ、モチベーションを維持し続ける能力が必要です。
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現場監督に必要な能力がないとどうなるか?
現場監督に必要な能力がないと以下のようになってしまいます。
- 職人さんに嫌われる
- 現場が混乱する
それだけ現場監督が重要であるという裏返しです。しかし、最初の頃は現場監督に必要な能力は備わっていないことも多いでしょう。
できる現場監督も、仕事を覚えながら少しずつ必要な能力を身に着けてきたため、初めから全てが備わっている必要はありません。
重要なことは、失敗を繰り返さないことです。
上司や先輩の注意をしっかりと聞いて、必要な能力を少しずつ身に着ける努力を行う事が大切ですので、これらの状態にならないように気を使いながら勉強していきましょう。
職人さんに嫌われる
まず、現場監督に必要な能力がないと、職人さんに嫌われてしまいます。
現場監督に必要な能力が備わっていないということは、現場作業がスムーズに進まないということだからです。
工事現場の職人さんは他の工事現場にも呼ばれている場合もあり、毎日限られた時間の中で作業を進めなければなりません。
ただし、現場監督の能力が低く、現場がスムーズに回らない場合、職人さんのスケジュールにも影響が出てきてしまうため、嫌われてしまうことがあるのです。
現場監督の仕事に慣れていない場合でも、それぞれの職人さんのスケジュールを確認したり、上司や先輩に相談しながら職人さんと約束した予定を崩さないようにすることも大切です。
現場が混乱する
次に、現場監督に必要な能力の中でも段取り力やマネジメント能力、先を見通す力がないとすぐに現場は混乱してしまいます。
段取りが出来ていないと次の作業に移れず、マネジメント能力がないとそれぞれの作業員への指示が効率よくできません。
また、先を見通す力がないと突然のトラブルにも冷静に対処することが出来ず、余計なトラブルを起こしてしまう可能性もでてきます。
現場が混乱することなくスムーズに作業がまわせるように、これらの能力は必ず身に着ける必要があります。
現場監督に向いている人の特徴
現場監督に向いている人の特徴は以下の通りです。
現場監督という仕事は、現場作業員や建設物の小さな変化に気づくことがミスや事故を減らすために大切なことです。
そのため、普段からそれぞれの作業員や職人さんとコミュニケーションをとり、異変があればすぐに他の作業員や上司と協力して対処できる環境を作っておくことが、事故やトラブルを防ぐことにも繋がります。
これらの特徴も、最初からすべて備わっている人は多くありません。ほとんどの現場監督は就職してからこのような特徴を身につけています。
現場監督に向いていない人の特徴
現場監督に向いていない人の特徴は以下の通りです。
これらに当てはまる人は現場監督には致命的に向いていません。
このほか、現場監督をやる・続けるには改善した方が良い特徴は以下になります。
現場監督の仕事は休日が少ないため、少ない休日の中で適度にストレスを発散し、体調に影響が出ないようにする必要があるため、ストレスをためやすかったり、体調管理が苦手な場合は向きません。
また、スケジュールの管理が苦手であったり、いい加減な仕事をすると、工事現場での事故や工事計画と大きなズレが生じる可能性も出てくるため、現場監督になりたい人は意識して改善していく必要があります。
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現場監督に必要なコミュニケーション能力アップのコツ
現場監督に必要なコミュニケーション能力をアップさせるコツは以下の5つです。
コミュニケーション力UPのコツ
- 作業関係者への感謝と尊敬の気持ちを忘れないこと
- 怒られるのは自分の安全のためであること
- 作業員や職人さんの意見にもきちんと耳を傾けること
- 「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れ様です」などの挨拶をきちんとすること
- 話をするときははっきりと、論理的にを意識すること
以上の事をきちんと行うことで、コミュニケーション能力は大きくアップします。
また、未経験から始めると、建設業界に関する知識も浅く、危機管理能力も低いものです。
建設業は危険な作業や工具も多く、一歩間違えれば大けがや大事故に繋がることも多いため、急に怒鳴られることも始めの頃は多いでしょう。
それらはあなたの身の安全を思ってのことなので、それ以降しっかりと気を付ける事が出来れば問題ありません。
現場監督に必要なマネジメント能力アップのコツ
現場監督に必要なマネジメント能力をアップさせるコツは以下の3つです。
コミュニケーション力UPのコツ
- 作業員や職人さんの性格を把握すること
- それぞれの得意なことを見つけるために適度なコミュニケーションや会話を行うこと
- 天候などは翌日だけでなく、1週間や2週間程度先まで確認しておくこと
職人さんや現場作業員の性格を把握しておくと、要望通りに動いてもらえるように指示ができるようになります。
職人さんや現場作業員の性格を把握するためには、普段からよく話をしたり、納まりの相談をするなど、仕事のコミュニケーションの回数を増やすと良いでしょう。
また、工事は天候に左右されやすいため、すこし先までの天候を気にして、作業量をコントロールし、工事計画と大きなズレが生じないように調整することも大切です。
現場監督に関するよくある質問
現場監督を目指し始めた頃によくある質問です。
- 現場監督って何するの?
- 現場監督のいいところは?
- 職人さんとのコミュニケーションは特殊?
- 現場監督は誰でもなれる?
- 現場監督に資格は必要?
現場監督って何するの?
現場監督は、建築や土木の工事現場で工事全体の管理を行います。
具体的には納期や予算の管理、安全や品質の管理を行いながら、設計図通りの建造物が完成するまでの現場の監督などです。
現場監督は実際に作業を行うのではなく、現場作業員や職人さんの安全管理や作業の具体的な指示が仕事となります。
現場監督のいいところは?
現場監督のいいところは、高収入を期待でき、転職もしやすいことです。
現場監督は平均年収も他業種と比較すると給与水準が高く、また需要のある仕事でもあります。
派遣会社に登録している場合は、自分にあった企業で働くことができ、派遣先企業の正社員になれる可能性もあります。
職人さんとのコミュニケーションは特殊?
職人さんの中には、気難しい方も確かに存在しますが、人としてきちんとコミュニケーションが取れれば大きな問題はありません。
職人さんにはきちんと挨拶をしたり、意見を聞き入れたりといった、職人さんを尊重する姿勢をきちんとみせる事が重要になってきます。
また、それぞれの職人さんによって専門の作業や工事の契約が異なるため、きちんと契約内容を把握してから、質問や頼み事をするのも大切です。
現場監督は誰でもなれる?
現場監督は誰でもなれます。
未経験でも、実務経験を積み、資格を取得するなど、活躍できる現場監督になることもできます。
しかし、工事現場に関わる様々な関係者の指揮を執る責任の大きい仕事であるため、求められる能力や知識も多いです。
現場監督に資格は必要?
資格がなくても現場監督にはなれます。
それは、「施工管理技士」の受験資格に現場監督としての実務経験が必要だからです。
ただし、資格は一定レベルの知識や技術を持っていることを示してくれるものなので、現場監督になった後は資格の取得を目指して頑張りましょう。
まとめ
本記事では、現場監督に必要とされる能力について述べてきました。
現場監督は多くの人々が協力しあう工事現場のトップです。
そのため、多くの能力や知識が求められます。
ただし、どの現場監督も始めは何もわからないところから始めています。
上司や先輩のもとで実際に何が危険なのか、どうすればうまく現場を回すことが出来るのか、しっかりと勉強しながら必要な能力を身に着けていきましょう。
条件良く現場監督に就職・転職するには、建設業専門の転職エージェントを利用しましょう。
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この記事のライター
- 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
- 建設・不動産業界でキャリア14年目
- 不動産ディベロッパー建築部門チーフ
- 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか
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有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。
よこてん
この記事のライター