施工管理の転職ノウハウ

現場監督になるには?未経験でも手に職をつける仕事の始め方

現場監督になるには

建設業界は未経験だけれど、現場監督になるにはどうすればいい?資格は必要?

手に職をつけたいと考えているけれど、転職できますか?

そんな疑問に応えます。

この記事でわかること

  1. 現場監督の仕事内容
  2. 現場監督になるために資格は必要か?
  3. 現場監督の始め方
  4. 現場監督の1日のイメージ
  5. 現場監督になったあとのキャリア

現場監督は手に職がつき、経験すればキャリアアップもしやすい職種です。

ただ、現場監督になるには資格が必要なのでは?自分はすぐに現場監督に就職できないのでは?と考える人も多くいます。

しかし、現場監督になるには資格は不要です。

その理由と仕組みについて、紹介していきます。

「就職・転職先として、現場監督が気になる」という方は、この記事を読むと「現場監督になるには、何をすればいいか」わかりますので、ぜひ参考にしてください。

こんな方におすすめ

  • 手に職をつけたい人
  • 現場監督を転職先として考えている人

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現場監督とは?

現場監督は、工事現場の管理や監督を行う人物の事をいいます

具体的には

  • 現場作業員や仮設設備の安全管理
  • 作業の進捗確認
  • 写真記録
  • 作業の段取り
  • 資材搬入等の指示、調整
  • 関係業者との工程調整や確認

などの業務を行います。

また、関係業者や各作業員とのコミュニケーションも大切な業務です。

現場監督の仕事内容

現場監督の仕事は大きく5つに分けられ、五大管理と言われます

  1. 工程管理
  2. 原価管理
  3. 品質管理
  4. 安全管理
  5. 環境管理

工程管理

工程管理は工事を工程通りに進めるための業務です

工事は様々な業者や作業員が関わってくる中で、計画通りに進めなければなりません。

工程にズレが生じた際には、関係者と調整を行うことになります。

原価管理

原価管理とは、工事の予算内で工事を完了させるための業務です

人件費や材料費などの原価が予算を上回らないように管理するほか、追加工事を受注するための見積もり作成や、変更の提案(VE提案)などを行います。

品質管理

品質管理とは、設計図書通りの品質でものづくりをするための業務です

デザインや機能、強度等が設計図書通りになっているか、工程ごとに品質試験を行い、記録していきます。

記録の残し方は、検査表や写真、報告書など様々な方法があります。

安全管理

安全管理とは、仮設設備の安全性や、作業員に不安全行動をさせない管理をする業務です

仮設設備の安全点検や、作業員への声かけ、危険な行為などの注意や周知などを行います。

工事では危険な作業や高所での作業もあります。

現場監督1年目から携わる業務ですが、作業員の命にも関わるため、重要な業務です。

環境管理

環境管理とは、自然や周辺環境等に配慮した作業を管理する業務です

汚水などの環境破壊に繋がるような作業を行わないこと、騒音や振動など周辺住民の迷惑にならないよう配慮すること、そして作業員が働きやすい環境を作ることなどが業務に含まれます。

現場監督のメリット

現場監督になることのメリットは次のようなものがあります。

現場監督のメリット

  • 未経験でも始められる
  • 手に職をつけることができる
  • 高収入を目指せる
  • 将来的に安心できる
  • 現場監督から多数の職業にキャリアアップできる

未経験でもキャリアアップ出来ることは大きな魅力です

ただし、現場監督の仕事は激務であることが多く、入社する企業はしっかり選ばないと挫折してしまうこともあります

おすすめの現場監督の企業はこちらの記事で紹介していますので、ご参考にしてください。

施工管理で意外と楽な分野はココ!3つの特徴と見つける方法を解説

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現場監督になるのに資格は必要か

現場監督になるために資格は不要です

なぜなら現場監督の関連資格は、現場監督になってから資格を取る仕組みになっているからです

例えば、無資格からスタートして3年実務経験を積み、国家試験を合格して、ようやく資格を取得します。

つまり、現場監督としてのキャリアアップのために取得するべき資格はありますが、現場監督になるためには資格は不要です

現場監督になるためには、まずは実務経験を積んでから、資格を取得しましょう。

ここでは現場監督に関連する、2つの主な資格を紹介します。

施工管理技士

例えば、現場監督に関連する資格に「施工管理技士」というものがあります。

「施工管理技士」は国家資格で、資格取得には国家試験の合格が必要です。

「施工管理技士」の国家試験の受験には実務経験が必須で、資格がない状態で現場監督の経験を積んでから国家試験を受けます。

監理技術者

また、現場監督に関連するもうひとつの資格に「監理技術者」があります。

「監理技術者」は一定規模以上の工事現場には必ず一人いることが定められている現場監督です。

「監理技術者」を取得するには、1級の国家資格が必要で、1級施工管理技士などを取得後に講習を受けて「監理技術者」の資格を取得します。

現場監督になるには

現場監督になるには

未経験者が現場監督になるために必要なステップは、以下になります。

現場監督になるステップ

  1. 建設会社に就職する
  2. 実務経験を積む
  3. 施工管理技士資格を取得する
  4. 監理技術者講習を受ける

この一連の流れを経て有資格の現場監督になることができます。

資格を取得することで、生涯年収は大きく変わるので、積極的に資格取得を目指しましょう

また、現場監督自体は未経験からでも始められるので、キャリアを始めるハードルが低い点も、おすすめです。

建設会社に就職する

まずは建設会社に就職することから始めましょう

業界未経験者でも募集している企業は多くあります。

また、業界未経験で不安な方は、建設業界をメインにしている派遣会社もおすすめです

建設業専門の派遣会社の場合、現場配属の前に実践的な研修で一定レベルに達します。

また、派遣されたゼネコンに正社員採用されるチャンスや、現場監督経験者として別の会社に転職することも可能です。

全く経験のない業界に入るのが不安な方は派遣会社を利用してから入社する方法の方がよいでしょう。

実務経験を積む

建設会社に就職したら、まずは資格取得に向けて実務経験を積みましょう

最初は先輩社員の下について業務や仕事に関する知識を覚えることになります。

はじめは現場の用語もわからないこともありますが、他の現場監督も同じ道を通っていますので焦る必要はありません。

また、下積みから協力業者(職人さん)とはよくコミュニケーションを取っておくことをおすすめします

現場監督が困ったときに助けてくれるのは、協力業者(職人さん)です。

資格を取得する

国家資格の受験要件である実務経験が積めたら、資格取得のために国家試験を受験しましょう

取得すべき国家資格は「施工管理技士」です。

施工管理技士の資格には

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • など

があります。

自分の業務内容によって選びましょう。

最初は2級の施工管理技士資格がおすすめです。その後は1級資格を目指しましょう。

独学でも十分に取得可能ですので、任せられる業務が少ないうちに勉強することをおすすめします。

監理技術者講習を受ける

1級の「施工管理技士」を取得できたら、監理技術者講習を受けましょう

監理技術者講習を受け、資格を得ることで、現場代理人になることができます。

1級資格+監理技術者を得ることで市場価値は高まり、年収も高くなります

現場監督になったあとの生活イメージ

現場監督の一日の流れを紹介していきます。

朝(始業前)

朝は7時くらいに出社。

着替えを済ませ、一日の仕事内容の確認や段取りから始めます。

この時間を有効活用出来ると、仕事の取り掛かりなどをスムーズに行うことが出来ます。

朝(始業)

現場は8時始業です。

朝礼を行い、作業内容や注意事項の確認をします。

朝礼後には作業員や関係業者への指示。

朝一は資材搬入の車両なども入るため、現場は慌ただしくなります。

午前中

9時半頃~12時頃まで、現場の品質検査や工程確認、施工計画などの業務を行います。

日により行う業務は異なりますが、朝の指示や段取りが不十分だと、職人さんからの連絡や質問で業務が進まなくなりがちです。

10時の一服

職人さん達は10時になると30分の休憩をします。

この一服のタイミングが職人さんとコミュニケーションを取る重要な時間です。

現場監督の仕事も人間関係です。

積極的に雑談や仕事の話をすると、現場の仕事もうまく回るようになります。

昼(休憩)

昼は多くの現場監督は昼食を食べつつ仕事をします。

食事も短時間で終らせたら昼寝をする現場監督も多いです。

また、午後の作業が始まる前に午後の作業の段取りや確認などを行い、業務が再開します。

午後(業務再開~仕事仕舞)

午後も午前に引き続き管理業務を行います。

また、仕事を終えるタイミングなどを見計らい、仕事仕舞の指示をだしたり、天気が荒れるようであれば、強風や雨に対する措置などを指示します。

残業

現場を閉じた後は主に事務所仕事を行います。

書類作成や図面チェック、施工計画を所内で打ち合わせをしつつ、作成をしていきます。

夜(帰宅)

帰宅は早ければ19時頃ですが、遅くなることもあります。

少ない時間ですが、リフレッシュや勉強に当てられる重要な時間です。

このように現場監督の1日はあっという間に過ぎていきます。

加えて、悪天候が続いた場合は休日に仕事をしたり、休みが取れない場合もあります。

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現場監督として将来取っておくべき資格

現場監督として将来取っておくべき資格については以下のようなものがあります。

現場監督の関連資格例

  • 建設機械施工技士
    • 建設機械を扱う一定の知識が保障される
  • 土木施工管理技士
    • 土木現場における現場の監督
  • 電気工事施工管理技士
    • 電気工事を行う現場の監督
  • 管工事施工管理技士
    • ガス管や水道管、ダクト等の配管工事を行う現場の監督
  • 建築施工管理技士
    • 建設現場(1級と2級で扱える現場の規模が違う)
  • 造園施工管理技士
    • 街やビルなどの緑化工事現場の監督
  • 建築士
    • 設計図をかき、現場の監督もできる
  • 主任技術者
    • 工事の計画から現場の監督まで行う
  • 監理技術者
    • 主任技術者の業務内容に加え、下請けの子会社への指導や監督を行う

全て国家資格で、主任技術者、監理技術者になるためには建築士から上の資格と実務経験が必要になります。

現場監督のキャリアの選択肢

現場監督として経験を積んだ後は、キャリアアップ転職することも可能です

総合建設業者のゼネコン、住宅をメインに取り扱うハウスメーカー、土地や街の開発を行うデベロッパー、ビルやマンションの管理や建設コンサルタントなどがあります。

どの仕事でも現場監督としての仕事や、現場監督の知識が活きる仕事です。

また、資格を取得している場合は年収も上がることも多いです

未経験では採用されない職種でも、現場監督を経験することで転職が可能になります

希望の年収や生活に近づくために現場監督をスタートするのは、キャリアの選択肢を広げるために有効な手段です。

現場監督になる前のよくある質問

未経験から現場監督になることに不安を持つ人も多いです。

ここでは良くある質問について解説していきます。

  • 現場監督は誰でもなれる?
  • 現場監督の国家資格はある?
  • 資格手当はどれくらい?
  • 資格は独学で取得できる?
  • 未経験で現場監督はきつい?
  • 女性でも現場監督になれる?

現場監督は誰でもなれる?

誰でもなれます

現場監督のほとんどがあなたと同じように未経験からの出発です。

また、2級施工管理技士(一次試験)の受験資格は17歳以上です。

しっかりと勉強して資格を取得し、現場監督として活躍していきましょう。

現場監督の国家資格はある?

「現場監督」という国家資格はありません

しかし、「施工管理技士」や「建築士」などの国家資格を取得することで現場の責任者として働くことができます。

現場の責任者として働ける人材は、転職市場でも需要が高く、転職時に年収UPすることも多いです。

資格手当はどれくらい?

資格手当の額は会社によります

ただし、平均的には月に1~1.5万円程度です。

大きな会社になると資格手当の額が増える場合もありますが、応募する企業を選ぶ際に確認しておくと良いでしょう。

資格は独学で取得できる?

独学でも資格を取得することは十分可能です

多くの現場監督も独学で資格を取得しています。

独学で勉強することが苦手な場合は以下のようなスクール等を活用するのも良いでしょう。

施工管理技士の資格試験合格をめざすならCIC日本建設情報センター (cic-ct.co.jp)

未経験で現場監督はきつい?

きついと感じることは多くあります

未経験の場合、建設業界の事情や仕事の内容を事前に知っておくことが大切です。

始めてみて「こんなはずじゃなかった」とならないよう、情報収集はしておきましょう。

女性でも現場監督になれる?

女性でも現場監督になれます

近年は女性が活躍する場面も増えています。

ただし、女性ならではの悩みもあるため、先輩の女性現場監督の声も確認しておきましょう。

まとめ|現場監督になるには、まず応募してみよう

現場監督は責任も重く大変な仕事ですが、その分工事が修了した際の達成感は大きなものです。

また、未経験からでもコツコツ経験を積んで資格を取得すればキャリアアップしやすい仕事です。

これから現場監督を目指す場合には派遣会社等も利用しながら、就職活動を進めていきましょう。

ただし、現場監督として活躍するためには仕事を覚える努力や資格の勉強など、日々成長していくことが大切です。

様々な資格を取得し、将来どんな工事現場でも活躍できるような現場監督を目指しましょう。

よこてん
筆者が過去に利用してよかった、おすすめの転職エージェントをこちらで紹介しています。参考にしてみてください。

この記事のライター

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よこ

ライター

  • 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
  • 建設・不動産業界でキャリア14年目
  • 不動産ディベロッパー建築部門主任
  • 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか

詳しいプロフィールはこちら>>

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