目次
施工管理をやるか判断に迷っています。
施工管理の実態や心構えなどを知りたいです。

こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界キャリア13年
- 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
- 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか
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この記事では、業界で12年のキャリアがある元施工管理所長が「施工管理をやるかどうか」その決断の助けになるような、リアルな本音と施工管理の真実について包み隠さず解説していきます。
「施工管理はやめとけ」と言われて、就職・転職をためらってしまっている人は非常に多いです。
2chなどにも”社畜”と書かれたり、つらい部分ばかりが取り上げらることがほとんど。
しかし、この情報をどこまで信じていいのか。は疑問です。
なぜなら、これらの情報は施工管理という仕事に不満がある人が発信していることがほとんどだからです。
正直な話、施工管理はブラックな部分も多いのは事実です。
しかし、「経験が極端に浅い人達の批判」を鵜呑みにして大丈夫ですか?
施工管理にはデメリットもあれば大きなメリットもあります。
この記事で、施工管理のメリットデメリットを正しく知った上で、「施工管理をやるか」を見極めてみてください。
「施工管理はやめとけ」と誰かから言われても、最後はあなた自身で判断することを強くおすすめします。
こんな方におすすめ
- 施工管理への転職を考えている
- 施工管理がきつくて苦しいって本当?
- 施工管理で新たにキャリアを積みたい
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「施工管理はやめとけ」は誰でも簡単に言える
もしあなたが「施工管理はやめとけ」と誰かに言われたり、記事を読んでためらいを感じているなら、その言葉は本当にあなたのためを想っての言葉かどうか?もう一度考えてみてください。
考えた結果、「自分のための言葉」と思えたら、施工管理をやるか、やめるかの判断材料にしても良いでしょう。
しかし、「自分のための言葉」と思えない場合は全く気にする必要はないです。
なぜなら、「施工管理はやめとけ」は誰でも簡単に言えるから。
正直、施工管理のデメリットやキツイ部分は経験の浅い1年目や2年目でも経験するので、「やめとけ」という批判は誰でもできます。
しかし、施工管理の本当のメリットは、真剣に施工管理に向き合ってキャリアを積んだ人しか得られません。
そのため、「メリットを考えても、今のあなたには施工管理はおすすめしないですよ」という”本当のやめとけ”は施工管理のメリットもデメリットも知った人しか言えないのです。
基本的に、ネット掲示板などの口コミは「批判的な意見が集まりやすい」ので、就職・転職の情報としては役に立ちません。


『人生の選択の判断材料』は自分で直に収集した生の情報にすることをおすすめします。
「施工管理はやめとけ」と言われる4つの理由
なぜ「施工管理はやめとけ」と言われているのか。
施工管理の評判と真実をお伝えします。
やめとけと言われる主な理由は4つです。
「施工管理はやめとけ」4つの理由
- 休みが少ないから
- 業務量が多すぎるから
- 超長時間労働だから
- 業界のブラックな慣習が残っているから
ひとつずつ解説します。
①休みが少ないから
コレは真実です。
施工管理はほぼ週休2日は取れません。
正直に言って、週に2日休める現場に配属されたらかなり恵まれています。
国交省「建設産業政策2017+10」でも、建築工事では93%以上が4週6休以下と報告されています。
4週6休は祝日関係なく、6連勤+5連勤の繰り返しです。
年間通して3連休はほぼありません。
また、国交省の「建設業における働き方改革」でも、建設業の年間出勤日数は2016年で251日。
全産業に対して29日も出勤日数が多いです。
これはつまり、他の職種より年間で「1ヶ月」も多く働いているということになります。
筆者が12年間、建設不動産業界を渡り歩く中での事実として、未だにブラックな古い体質が残る企業は確かにあります。
だからこそ、施工管理に転職する際にはどの企業に入るかは非常に重要なのです。
施工管理の企業選びについては、施工管理のキャリアの入り口、施工管理のキャリアの裏口で解説するので、参考にしてください。
②業務量が多すぎるから
施工管理はとにかく仕事量が多く、業務内容も多岐に渡ります。
その上、若い人材が少なく人材不足のため、施工管理の1人が抱える業務量は膨大になっています。
JCU日建協の「現役施工管理8500人へのアンケート結果」でも、現場は休みを取れる状況にないことがうかがえます。
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建設業は人手不足で当たり前!6つの理由と根本的な原因|建設業から離れるべきか?
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参考建設業は人手不足で当たり前!6つの理由と根本的な原因|建設業から離れるべきか?
③超長時間労働だから
施工管理は超長時間労働が常態化しているのは真実です。
特に現場を実質的に動かす、所長や次席、主任クラスへの負担が多くなる傾向があります。
例えば、朝7時には出社、帰宅は22~24時は通常で、泊り込みはザラ。
本当のピークでは月200hくらい残業もあります。
※派遣や係員という立場の場合は長時間労働が無い場合もあります。
ちなみに、JCU日建協の「2019年時短アンケートダイジェスト」でも、2019年の建設現場は全産業の約3倍の残業時間となっています。
国交省「建設産業政策2017+10」でも、全産業と比較して建設業は年間労働時間が336時間も多いと報告されています。
300時間の労働時間は1日8時間労働と考え場合、37.5日多く働いている計算です。
働き方改革で変わりつつあるとは言え、まだまだ超長時間労働の実態は完全に改善されたとは言えません。
参考働き方改革でサービス残業は増加|建設業の残業上限と対策法
④業界のブラックな慣習が残っているから
なぜか施工管理は、世間から「ブラックで当たり前。」と思われています。
「建設業は3Kで当たり前、危険で当たり前、安い給料で当たり前。だって肉体労働だから。」世間一般では、このような認識の人が一定数います。
一般的のこのような認識だと、工事もやりにくくなります。
- 工期も予算もないから、休まず工事
- 35℃を越える炎天下でも、休まず工事
- 工事が長いと苦情が来るから、休まず工事
- 体調悪くても工事止められないから、休まず工事
以下のツイートは業界と一般の感覚の本質を突いていると思います。
市民:建設業は夜勤、長い残業とかあって超ブラックじゃん!改革しろ!
— ♯エンタ# (@norimenman) December 23, 2019
建設業者:夜勤はキツいしやめよう!残業も無しだ!
市民:昼に全面通行止めとかするな!夜やれ夜!
工期長くするな休まずやれよ!
建設業者:ですよねー…
市民:ほんと改革しない業界だな…
世間の認識が「ブラックで当たり前」だから、「施工管理はやめとけ」と言われてしまうんですね。
参考建設業は終わってる?6つの理由と将来性と辞めるタイミング|元所長が解説
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「施工管理はやめとけ」に改善の兆し?!
「施工管理はやめとけ」と言われる理由のほとんどはワークライフバランスの問題でした。
休日も少なく、昼夜問わず働かなくてはならないのは、建設業者は法で守られていなかったからです。
しかし、「働き方改革関連法」で改定された改定労働基準法の上限残業時間45時間規則が2024年4月から適用されます。
これにより、建設会社は超長時間労働を従業員に強いることができなくなります。
現状のままでは「単に社員のサービス残業が増えるだけ」との見方もありますが、現在の建設業界の動向から、近い将来に施工管理の働き方は改善されると言われています。
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そもそも施工管理とはどんな仕事か
ではそもそも施工管理の仕事はどんなもの?という方に向けて、かんたんに仕事内容と一日の業務例をご説明します。
イメージは、製品を作るために必要な仕事のすべてをします。
- モノを作るコスト【原価管理】
- モノを作るスケジュール【工程管理】
- モノの品質【品質管理】
- 建物を作る際の安全【安全管理】
いわゆる4大管理と言われます。
一般的なモノづくり企業では、これらは各担当部署に業務が振り分けられますが、施工管理はこれら全てをこなすのが仕事です。


具体的な業務内容
1:原価管理
- 利益計画書作成・管理・報告
- 施工業者選定・金額ネゴ、etc
2:工程管理
- 工程表作成
- 歩掛管理、etc
3:品質管理
- 施工計画
- 各種品質検査
- 施工写真撮影、管理、etc
4:安全管理
- 安全協議会
- 労働基準監督署への申請、etc
業務スケジュール例
- 5:45 起床
- 7:00 出社・始業
- 8:00~9:00 朝礼、現場巡回
- 9:00~ 手配・計画書他
- 10:00~12:00 業者・施主等打合せ
- 12:00~ 確認連絡他
- 13:00~ 昼礼、現場巡回
- 13:30~ 段取り、手配連絡
- 14:30~ 配筋検査
- 16:30~ 現場巡回
- 19:00~ 現場作業終了、戸締り
- 19:00~21:00 請求書処理、予算計画
- 21:00~21:30 休憩・仮眠
- 21:30~23:00 施工図修正
- 24:00 帰宅


「施工管理はやめとけ」を覆す施工管理の3つのメリット
本章では、「施工管理はやめとけ」を信じる前に知っておいて欲しい施工管理のメリットについて解説します。
実は恥ずかしながら、筆者はそれほど情熱を持って施工管理になったわけではありません。
しかし、施工管理をやって後悔したことはありませんし、これから新たに施工管理キャリアを積みたいという方には十分おすすめできる職種だと思っています。
施工管理でキャリアを積んできた我々は、何も世間が「やめとけ」と言う仕事を嫌々やっていたわけではありません。
そこにはちゃんとした理由とメリットがあるので、ぜひご確認ください。
施工管理のメリット
- 未経験でも年収が上がりやすい
- スキルを身につければ仕事に困らない
- キャリアアップの伸び代が大きい
①未経験でも年収が上がりやすい
メリットの1つ目は、未経験でも比較的早く年収が上がっていくことです。
その理由は、業績と人手不足。建設業界の市場規模は15兆円以上で136業界中21位とお金の集まる業界です。
それだけ大きな業界で仕事も多いため、人手が必要で辞められては困るため、未経験でも給料は上がりやすいのです。
筆者の周りでも、文系出身の未経験から5年で年収を400万円もアップさせた施工管理の同僚がいました。
彼が特別と言うことでもなく、筆者や他の同僚も5年で300万円以上の年収アップをしています。
もちろんすべての企業が短期間で大きく年収が上がるわけではありませんが、これからキャリアを積みたいと考える方にとっては大きなメリットがある仕事です。
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②スキルを身につければ仕事に困らない
施工管理のメリットの2つ目は、「スキルを身につければ仕事に困らない」ことです。
その理由は、建設業は今後も無くなることはないからです。
もちろん3Dプリンターや建設DXで業界が変革しつつあることは間違いありません。
ですが、そういった技術革新は現在の知識・スキルを元に開発されていくもので、身につけたスキルが無駄になることはありません。
むしろ、現在の施工管理スキルを持っていることが、未来の技術革新の時代で活躍する条件にもなります。
③キャリアアップの伸び代が大きい
施工管理のメリットの3つ目は、「キャリアアップの伸び代が大きい」ことです。
理由は、大手企業への転職チャンスが豊富なこと、施工管理職は関連他業界からの評価が高いことが上げられます。
実は大手企業も人手不足なのは同じで、他業界の大手企業よりも求人を募集していることが多いです。
つまり、キャリアを積んで最大手企業への転職チャンスもあると言うことです。
"関連他業界”と言うのは、不動産デベロッパーや建設・不動産テック業界のことです。
これらの業界は、施工管理のキャリアを活かせる上に、働き方は施工管理と全く異なるので、キャリアとプライベートを両立させることも可能です。
その上、年収は施工管理より高いことが多い業界でもあります。
詳しくは、施工管理におすすめの転職先【厳選4選】ココなら年収下げずに残業減らせる!で解説していますので、参考にしてみてください。
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「施工管理はやめとけ」と主張する人は施工管理に不向きだった人
業界内で仕事をしているとよく感じることですが、施工管理には合う人と合わない人がハッキリしています。
「施工管理はやめとけ」と主張する人のほとんどが、施工管理という仕事に合わなかった人達です。
本章では、そんな施工管理に不向きな人の特徴を解説します。
①理不尽に敏感な人
理不尽に敏感な人は本当に施工管理には向きません。
なぜなら、施工管理の仕事をしていると理不尽なことは日常茶飯事だからです。
例えば、
- 担当ではない工種の不手際で先輩にキツく怒られる
- 近隣から急にクレームをつけられて罵られる
- 言った言わないの議論になって、年次の低い自分が謝る
など
自分の責任ではない部分で怒られたり、他人のミスを処理しないといけないことが山ほどあります。
この理不尽を敏感に捉えてしまい、ストレスを溜めてしまう人は施工管理には本当に向いてないです。
参考施工管理に多いパワハラ具体例と5つの対処法【辞めたらどうなる?】
②自分で判断できない・責任を負えない人
自分の責任で判断できない人は施工管理には向いていません。
理由は、その場で判断することを1日何十回も求められるからです。
小さい判断では、現場で職人さんに「ここどうする?」と聞かれて「こうしてください」とすぐに答えないといけません。
大きめ判断では、協力業者との交渉で「施工計画と工程とコストはこれで」と契約の取極めを判断しないといけません。
こういった自分の責任でどんどん判断をしていくことが嫌な人は、施工管理には不向きだったりします。
施工管理を辞めた理由と実態【経験談】
では筆者はなぜ施工管理を辞めたのか?疑問に思った方に向けて、その理由を紹介します。
筆者が施工管理を辞めた理由は、キャリアアップ転職ができるところまで経験を積めたからです。
もちろん、仕事でつらい面もありましたし、早く転職したいという気持ちもありました。ですから、そこも包み隠さずにご説明します。
施工管理を辞めた理由
筆者が施工管理を辞めたのは、自分が目標とするところまで成長できたからです。
施工管理をしていた目的は、不動産デベロッパーや建設コンサルへの転職のためのスキルアップでした。
そのため、以下の2つの目標が達成されたため、施工管理を辞めて転職する決断をしました。
施工管理を辞めた理由
- 現場所長として実績を残した
- 条件の良い転職先が見つかった
目標としていた所長ができるまで施工管理として成長したので、条件の良い求人の紹介を転職エージェントにお願いしました。
そこで、良いポジションへの採用が決まったため、施工管理を辞めて転職したというわけです。
このときの転職の条件は「施工管理のキャリアが活きること」「転職後も市場価値向上を見込めること」「年収UP」「子育て可能な働き方ができること」でした。
ちなみに、このとき筆者が使った転職サービスは、マイナビエージェント、doda、リクルートエージェントです。
3社の中で特におすすめできるのはマイナビエージェントでした。
口コミはこちらで紹介しています▼
【評判と体験談】マイナビエージェントの転職でキャリア向上?!おすすめと注意点の口コミ!
参考にしてみてください。
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施工管理の実態
カッコいいことばかり書いていますが、もちろん仕事をする中で早く転職したいと思うこともたくさんありました。
そんな筆者が経験した、施工管理の実態もご紹介します。
施工管理の実態【経験談】
- 休みはなく、超長時間労働
- 休みは取りたくても代わりがいない
- 業務量は多い
私は中堅・中小クラスのゼネコンにいたことから、小規模・少人数の現場が多かったです。
そのため、事務仕事・施主対応も全て自分で行い、長時間労働で休みなく、膨大な量の仕事をこなしていました。
当然サービス残業もあり、正直に年収も「わりに合わないなぁ」とは感じていました。
今も仕事で施工管理の状況を見ていますが、大手以外はどこも似たような状況であることは間違いありません。
施工管理をやるか・やめるかの判断の基準
「施工管理をやるか・やめるか」その判断の仕方に困っているなら、以下の考え方で判断するのをおすすめします。
- 「”目的"を持って施工管理をやるなら、OK」
- 「”なんとなく"で施工管理をやるなら、やめとけ」
この理由は、施工管理はとにかく『時間をたくさん投資する』からです。
”目的”なく施工管理になると、投資した時間が無駄に感じて、確実に続きません。
「施工管理という仕事に時間を投資して、何を得たいのか?」
これを決められる方には施工管理をおすすめします。
未経験で施工管理のキャリアを積むことを考えているなら、未経験で施工管理はここがきつい!7つの理由と回避方法に一度目を通してもらうと失敗は減ります。
特に注意していただきたいのは、第二新卒の場合です。
もしあなたが第二新卒だったとしたら「何を目的に、何の仕事をするか」はその後の10年を左右するほど重要な選択になりますから、失敗しないように、転職のプロと相談しておくことをおすすめします。
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こんな動機なら施工管理はやめとけ
12年以上業界で仕事をしている筆者としては、こんな動機で施工管理を目指すならやめとけと思うものが3つあります。
施工管理を始めたは良いが、「思ってたのと違う…」と辞めてしまってはあなたも企業も損をしますから、あなたが当てはまっていないか、参考にしてみてください。
①ものづくりが好きだから
これを志望動機の1番に書こうと思っているなら注意が必要です。
施工管理の仕事は最初はなかなか「ものづくり」の業務に携われません。
最初に多い業務は清掃や書類整理等の雑務です。
実際にものづくりの実感を得られるようになるには、少なくとも3〜5年はかかります。
そのため、”ものづくりが好きだから”という動機で始めると、入社後のギャップに耐えられず辞めていく可能性が高いです。
施工管理は未経験や初年度からいきなり「ものづくり」ができるわけではありませんので、ご注意ください。
②やりがいがある仕事だから
これこそ、建設業界の最大のワナと言っても過言ではありません。筆者は「やりがいの押し売り」と呼んでいます。
ブラック企業はゴリゴリと”やりがい”を押し売りすることで、その裏に隠れている”施工管理の長時間労働”を見えにくくしています。
施工管理の仕事は後世に建物が残る、本当にやりがいのある仕事であることは間違いありません。
しかし、その”やりがい”のために家族や友人との時間を削れますか?
施工管理の仕事は定時始業、定時帰宅ができるほど甘い仕事ではありません。
施工管理で得られるものは、すべて”時間”とトレードオフである。ということを胸に刻んでおいてほしいです。
③体を動かすのが好きだから
こんな志望動機の方は、施工管理について大きな勘違いをしています。
確かに仕事の中で体を使う場面はありますが、施工管理の仕事は”マネジメント”という頭脳労働です。
いかに体を使わずに効率よく現場を動かすか。その手腕を磨くことが重要になりますから、「これまでスポーツをやってきて体力には自信あるから、体を使う施工管理に向いているだろう」とお考えの方には残念ながらおすすめできません。
「施工管理はやめとけ」なんて言わない施工管理はココが違う!
施工管理でしっかりキャリアを積んでいる人は「施工管理はやめとけ」なんて言わないでしょう。
では「施工管理はやめとけ」と言う人と言わない人の違いはどこにあるのか?
150人以上の施工管理と仕事をしてきた中で、目標にしたいと思える施工管理の特徴をご紹介します。
①マネジメントが好きな人・マネジメントスキルを習得しようとしている人
施工管理でキャリアを積めている人は総じてマネジメントが好きです。
あるいはマネジメントスキルの習得を目指しています。
ここで言うマネジメントは「より良い建物をお客様に引き渡す」というゴールに向けて、社員や協力業者をチームとして主導していくことです。
これは決してリーダー気質の人が向いているというわけではありません。
リーダーっぽく周りをグイグイ引っ張るけれど誰もついていかない施工管理もいれば、内気であまり前には出ませんが、仕事は的確で周囲から信頼を得ている施工管理もいます。
施工管理の仕事はマネジメントスキルを伸ばすことができる職種ですから、意識的にマネジメントに取り組んでいる人は「やめとけ」なんて言いません。
②良い意味で切り替えが早い人
切り替えが早く、施工管理の仕事をどんどんこなせている人は「施工管理はやめとけ」なんて言いません。
その理由は、起きたことに対しグチグチ言わないで次の手を考えることが得意だからです。
もちろん施工管理には慎重さが必要で、現場でミスが起きないように管理するのが仕事ですが、それでもトラブルは起きます。
そのたびにグチグチ言っていたら現場は進みません。それを知っているから、サクッと切り替えて仕事を進めています。
切り替えが早く、次、次、と前を向ける施工管理は「やめとけ」なんて言いません。
③目的が明確な人
施工管理をやる目的が明確な人は「やめとけ」なんて言いません。
なぜなら、今より先を見ているからです。
施工管理で所長になりたい人、経験を積んで転職しようとしている人、建設技術者として成長しようとしている人、様々ですが、目的を持っている方々は考えにブレがありません。
長時間働いていても「目的達成のための投資」と捉えて、うだうだ愚痴をこぼしません。
その結果、周囲の信頼も得て仕事がしやすくなるという好循環を生んでいます。
施工管理を目指す人に向けた3つの心構え
ここまで、厳しい施工管理のリアルをお伝えしてきましたが、それでも施工管理をする覚悟がある!というあなたに向けて、施工管理で働くための3つの心構えを紹介します。
①自身の市場価値を意識する
もし会社がつぶれても同じ年収を稼げるか?を意識しておくと良いです。
その理由は、施工管理で培われる能力は市場価値が高いからです。
このことに気づけていない施工管理が非常に多いと思います。
ただ、施工管理として会社の仕事をするのではなく、外でも通用する施工管理を目指すことで、あなたの市場価値は格段に高まります。
キャリアアップ転職もしやすくなるので、ぜひ意識してみてください。
②施工管理をする目的を明確にする
施工管理をするなら、せめて施工管理の仕事で何を得たいのか?その目的を明確にしておくことをおすすめします。
施工管理になること自体や、仕事をすることを目的にしてしまうと、続かないことが多いです。
なぜなら、施工管理の仕事は多くの”時間”を投資することになるからです。
目的は自分で納得できるものなら何でも良いです。経験値・達成感・キャリアステップなど。
投資する”時間”に見合う”リターン”を自分で設定しておけば、目的が達成されるまでは頑張るモチベーションを維持できます。
③時間を投資する覚悟を持っておく
繰り返しになりますが、あらゆる”時間”を投資する覚悟を持って施工管理に臨んだ方が良いです。
働き方改革や建設DXが進んでいるとはいえ、施工管理の仕事は未だに長時間労働が必要です。
その時間の中には、自分の目的のためにならないような、ムダに感じる時間も含まれています。
そこも割り切って、「施工管理というキャリアに時間を投資する!」という覚悟を決めて施工管理に飛び込んでいただくことをおすすめします。
おすすめする施工管理のキャリアの入り口
建設業に限って言えることですが、施工管理のキャリアの入り口としての理想は、大手企業に正社員で入社することです。
その理由は、投資した”時間”に見合った”リターン”を得やすいからです。
大手の場合、人も多く、交代で休みを取りやすい。給料も高い。その上、経験できる施工規模や施工ノウハウは他社でも通用します。
得られる”リターン”は安定していて失敗が少ないので、まずは規模の大きい企業を目指すのが良いでしょう。
大手に転職する場合は、建設業界に強いエージェントを使うのが王道です。
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※双方の良い面、悪い面がわかります。
まずはキャリア相談をして大手の求人があるかを相談してみてください。
おすすめする施工管理キャリアの裏口
施工管理キャリアの理想のスタートは大手企業の正社員ですが、やはり競争率が高く、誰でも入れるわけではありません。
そこで次の手としては、派遣の施工管理として大手企業でキャリアを積む方法がありますす。
派遣の施工管理は雇用元は派遣会社ですが、職場は派遣先の企業となります。
つまり、大手に入りやすく、得られる経験とノウハウも大手社員と同じです。
その代わり、給料は大手施工管理の正社員より低くなります。
ただ、派遣でキャリアを積めば転職しやすいですし、派遣先の企業から直接、「社員にならないか」と引き抜かれることもありますので、給料はちゃんと後から付いてきます。
施工管理の正面玄関である大手企業への入社が難しく、中小へ入社するよりは、派遣の方がキャリアのスタートはスムーズでしょう。
以下に、大手との関係が強いおすすめの派遣エージェントを紹介しておきます。
まずはどの企業の現場があるか、登録して確認してみることをおすすめします。
施工管理をしたあとの次のキャリア
施工管理の次のキャリアなら、ディベロッパーがおすすめです。
理由は以下の3つです。
- 労働環境が厳しくない
- 週休2日取れる
- 上流工程にキャリアアップになる
デベロッパーへの転職方法の解説はこちら↓
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参考【完全ガイド】現役技術職9人に聞いた不動産デベロッパーへの転職方法|求人が見つからないときの対処法も
続きを見る【完全ガイド】現役技術職9人に聞いた不動産デベロッパーへの転職方法|求人が見つからないときの対処法も
ただし、ディベロッパーの求人は転職サイトなどには掲載がほとんどないです。
※理由は、ディベロッパー求人はほとんどが非公開求人のため。
そのため、ディベロッパーに転職するには転職エージェントの利用は必須になります。
条件の良い非公開求人は転職エージェントが持っていますから、使った方が圧倒的に有利です。
あなたに合った転職サービスを探すには、ぜひ以下の診断ツールを使ってみてください!
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施工管理はやめとけ|まとめ
この記事の内容を要約します。
この記事の要約
- 「施工管理はやめとけ」と言われる理由は4つ
- 休みが少ないから
- 業務が多すぎるから
- 超長時間労働だから
- 業界の悪い慣習が残っているから
- 施工管理の大きなメリットは3つ
- 未経験でも年収が上がりやすい
- スキルを身につければ仕事に困らない
- キャリアアップの伸びしろが大きい
- 「施工管理はやめとけ」という人は不向きだった人
- 「施工管理はやめとけ」は誰でも言える
- ”目的”を持って施工管理をやるなら、OK
- ”なんとなく”で施工管理をやるなら、やめとけ
- 施工管理を目指す人への3つの心構え
- 市場価値を意識する
- 目的を明確にする
- 時間を投資する覚悟を持つ
- 施工管理キャリアの入り口は大企業がおすすめ
- 施工管理キャリアの裏口は派遣施工管理
結論としては、
「甘い考えで飛び込むなら、施工管理はやめとけ」
です。
施工管理は嫌でも仕事に時間を投資しなくてはならないので、真面目に取り組めばどんどん成長できる職種です。
そういう意味では「キャリアアップはしていきたいけど、自己管理が苦手」という方には向いているでしょう。
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ちなみに、ビルキャリ.では、管理人の経験を元に『施工管理・デベロッパーのための転職ノウハウ・体験談』を発信しています。
広く情報収集する中で、このブログが参考の1つになれば幸いです!
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