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技術職としての安定したキャリアを積め、大手になると年収も高いゼネコンですが、「プライベートの時間がない」「将来このままの生活で良いのか不安」などの理由で、ゼネコンから転職している方は多くいます。
この記事では、ゼネコンから転職したい方に向けて、ゼネコンからの転職の選択肢やおすすめの転職先を紹介します。
中小ゼネコンから不動産デベロッパーへ転職した経験や、同僚・知人の転職事例を元に解説していますので、ゼネコンを辞めたいがどこに転職して良いのかわからない。という方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界のキャリア14年
- 20代でゼネコンから転職
- 現:不動産デベロッパー技術職
- 一級建築士、一級建築施工・宅建士・既存住宅状況調査士ほか
- 詳しいプロフィールはこちら
ゼネコンから転職するときの3つの選択肢
ゼネコンから転職するには3つの選択肢があります。
まずはどの選択が自分の悩みを解決できる選択になるのか確認をしましょう。
どの方法を選ぶかによって、ゼネコンからの転職先は変わるので、重要な選択だと理解してください。
①他のゼネコンに転職する
まずは職種や業界を変えずに会社のみ変える選択です。
このメリットは、キャリアをそのままに働く環境だけを変えることができます。
デメリットとしては、会社を変えても生活自体は大きくは変えられないことです。
ゼネコンでの仕事が好きな方には良いですが、生活自体を変えたい方には向かない選択と言えます。
②建設業界内で職種を変える
2つ目は建設業界内で職種を変える選択です。
この選択のメリットは、慣れた業界内で経験を活かした新しい職種にチャレンジできることです。
デメリットとしては、同業界での転職のため生活はそこまで変わらないことや、未経験職種のため年収が下がる可能性があります。
建設業界の仕事に魅力を感じている人には良い選択でしょう。
ただし、ゼネコンで比較的高い年収を得ている人はメリットよりもデメリットの方が目立つ選択かもしれません。
③建設業界を離れて職種も変える
3つ目は業界も職種も変える選択です。
この選択のメリットは、生活も働き方もガラッと変えることができます。
デメリットとしては、未経験業界で仕事のイメージがつかない、スキルが通用するかわからないので不安、といったケースがあります。
建設業界のキャリアを目指す人には向かない選択ですが、生活にゆとりを持ちたい・生活を変えたい人にはおすすめの選択です。
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- 年収1000万円以上になった方も
- 年収350万円以上の大幅UP事例もあり
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ゼネコンから転職したい理由別の選択肢
ゼネコンから転職したいと考える方は多くいますが、その理由は様々です。
ただ、主だった理由はほとんど共通しています。
以下の4つはゼネコンからの転職理由で特に多いものです。
それぞれの理由によって適した選択は変わってくるので、確認しておきましょう。
残業代が出ない
残業代が出ないというのはゼネコンからの転職でよく言われる不満の一つです。
ゼネコンは残業が多く、長時間働いている部署が多いものの、サービス残業をしている人も少ないないでしょう。
今後は2024年問題もあり、残業規制が厳しくなります。よりサービス残業が増えることも考えられます。
残業代が出ないのは会社の体質であることが多いため、他のゼネコンへの転職を考える選択が向いているでしょう。
転勤が多い
転勤が多いのもゼネコンから転職を考える際によく言われる悩みです。
現場ごとに配属や勤務地が変わるため、生活が安定しません。
また、家庭を持っている場合などは生活スタイルそのものを転勤によって変える必要も出てきます。
おすすめの選択肢は建設業界内で職種を変える選択です。
現場の担当を持っている限り、転勤の可能性は高くなるので、担当現場を持たない仕事へキャリアチェンジすることがおすすめです。
勤務時間が長い
ゼネコンや建設業界で働いている人は、月に100時間以上の残業もよくあるでしょう。
実は、この長時間労働の原因は建設業界の構造にあると言われています。
建設業界は経営が景気に左右されやすく、不景気時に経営が悪化しないよう固定費(人件費)をできるだけ低くしようとする特徴があります。
そのため、勤務時間の改善を図りたい場合は、建設業界から離れて転職した方が良いでしょう。
ストレスが多い
ゼネコンに勤めている人は、プライベートの時間も常に仕事に追われていることも多く、大きなストレスがかかっています。
他業界に転職した筆者や知人の経験ですが、他の業界ではゼネコンほどストレスの多い職場はほぼありません。
なぜなら、給与や働く環境が整っていることで、仕事と距離を置くことができるからです。
仕事のストレスでゼネコンから転職したい場合は、業界を変える転職を選択することをおすすめします。
ゼネコンからの転職におすすめの5つの転職先
ゼネコンから転職する場合におすすめなのは以下の5つです。
筆者や知人が働く職種と業界で、勤務時間やストレスを改善できます。
①不動産ディベロッパー
不動産デベロッパーは高年収で働き方にも柔軟性がある仕事です。
ゼネコンでの経験や技術力を活かしやすく、ゼネコンでの仕事の延長でキャリアップを図ることが可能です。
施工管理や設計経験者であれば転職の難易度はそれほど高くありません。
②ファシリティマネージャー
企業の保有不動産の維持管理を行っていく仕事です。
建物の修繕計画だけでなく、改修・更新の計画や、建物の収益改善施策を企画するなど、建物運用に関するプロフェッショナルの仕事です。
働き方も安定しており、年収もゼネコンと同等の金額で働くことができます。
③改修ゼネコン
改修工事を主体に請けているゼネコンです。
改修工事は作業時間が決められているケースがあり、平日も早く帰ることができる現場も多くあります。
また、改修工事の市場は今後も伸びていくことが予想されており、年収アップにも期待ができる職種です。
ゼネコンの仕事は嫌いじゃないけど、少し仕事の量を減らしたい。という方には向いています。
④インフラ・エネルギー業界
インフラ・エネルギー業界は離職率が低く、長く働くことができる環境が整っている業界です。
年収が高く、福利厚生も充実しているのが特徴。
電気設備の知識・経験はもちろん、建築分野の経験者の募集もあります。
業界を変えて生活を変えたい人にはおすすめの業界です。
⑤土木建設コンサル
土木建設コンサルは土木工事を発注する地方公共団体を主な顧客とするビジネスです。
顧客が公共となるため、建設業界でありながら働き方はホワイトです。
その理由は、公共工事は週休2日の工期設定を進めていること、顧客である公共団体の休みが多いことです。
20代の内装施工管理で土木未経験からでも転職を成功させているケースもあるため、建設業界内でキャリアチェンジしたい人にはおすすめの職種です。
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ゼネコンから転職でも狙える3つの異業種
ゼネコンからの転職でも異業種に転職することは可能です。
以下におすすめの転職先を紹介します。
興味のある職種があれば、一度調べてみることをおすすめします。
同僚や知人が転職している先ですので、ぜひ参考にしてみてください。
①ビル管理
ビル管理はビルメンとも呼ばれ、建物の維持管理のため施設に常駐し設備の点検や保守を行います。
業界としては不動産業界となり、ゼネコンとは業務が大きく異なります。
シフト制として交代で業務を回すことが多く、働き方もホワイトです。
ゼネコンで経験した建物に関する知識を活かすことができる職種のため、転職する人も多い職種です。
②テック企業
テック企業は現在の業務をIT技術で効率化する企業全般を指します。
ゼネコンからの転職は難しいと思われがちですが、実は建設業はテック化の余地が大きく、テック企業も建設業経験者の採用に積極的です。
テック企業はいわゆるIT業界であるため、リモートワークやフレックスといった働き方も一般的で文化が異なります。
建設業の仕組みに課題を感じ、経験を活かしつつキャリアチェンジしたい人にはおすすめの業界です。
③公務員
公務員は公共事業の施工管理や建設現場の監督を担当することができます。
国・地方自治体や、国営企業などで働くことができ、福利厚生や安定した職場環境が魅力です。
具体的には、建築物の工事監理、道路・橋梁・トンネルなどの土木工事の施工管理、建築物やインフラ施設の保守管理、環境整備や災害対策などの業務を行います。
また、公務員には、終身雇用や退職金、福利厚生などの制度があるため、安定した職場環境を求める人にとっては魅力的な転職先です。
ただし、公務員の採用は試験があることや選考プロセスも長くなることが多いため、転職するには時間と根気が必要となります。
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ゼネコンから転職する際の3つの注意点
ゼネコンから転職する際には注意すべき事が3点あります。
それが以下の3つです。
それぞれゼネコンから転職する際に起こりうることなので確認しておきましょう。
①年収は時給換算してみる
ゼネコンから転職する場合、年収が下がることもあります。
その理由は、ゼネコンは残業も多く年収は高いことが多いからです。(適切に残業代が支払われていればですが…)
残業の少ない職種に転職をすると、ゼネコンと比較して残業代の収入は減ります。
ただし、時給換算するとゼネコンより転職した方が高いこともあるので、年収の金額だけで判断しないようにしましょう。
②1回の転職で100点を目指さない
ゼネコンからの転職ですべての理想が叶うことは非常に難しいです。
100点を目指すといつまでも転職できなくなります。
絶対に達成したいこと1つだけでも転職で達成できれば、転職後の満足感は非常に高いので、70点や80点を目指すのがおすすめです。
転職の際には、年収・労働時間・休日・キャリア・福利厚生など、譲れないことは何なのか、自分で優先順位をつけるようにしましょう。
③成長スピード
ゼネコンから転職すると、成長スピードが落ちたように感じることもあります。
それは、ゼネコンで長時間の労働をしているために、他の職種より成長のスピードが速いからです。
他の職種では想像以上に仕事をしなくても良い環境のため、仕事にかける時間は減り、成長のスピードは緩やかになります。
自身がハードな環境でも成長していきたいのか、成長は緩やかでも落ち着いて仕事をしていきたいのか、整理しておきましょう。
ゼネコンから転職を成功させる3つのポイント
ゼネコンから転職を成功させるためには、以下のポイントに留意することが重要です。
ポイントが曖昧なまま転職してしまうと思わぬ後悔を生むケースもあるので、確認しておきましょう。
①今の悩みを解決できる転職先か?
1つ目のポイントは、今の悩みを解決するための具体的な転職先を見つけることです。
例えば、現在の職場での長時間労働に悩んでいるのであれば、ワークライフバランスが重視される企業を探すことが重要です。
ここに、悩みではない条件(年収など)を入れていくと、今の悩みを解決するための仕事ではない転職先がピックアップされ、選択を誤ってしまうリスクも高まります。
現時点の悩みを解決できる転職先を見つけることが、ゼネコンからの転職の成功につながります。
②将来の理想を叶えられる転職先か?
「子育てできるような生活がしたい」「高い年収で水準の高い生活がしたい」など、将来の理想も見越して転職先を探しましょう。
転職直後は悩みが解決されても、将来に理想の生活ができなくなると、また新たな悩みを抱えることになります。
将来の理想を明確にすることで、転職先を選ぶ際の基準も明確になります。
③現場の工期に縛られていないか?
ゼネコンに勤めていると、「担当現場が終わるまで辞められない。」と考えてしまいがちですが、工期に縛られていると転職の好機を逃している可能性が高いです。
転職求人は期間限定でスポット的に転職市場に出てきます。
あなたの担当現場の工期終わりのタイミングと、あなたに合った転職求人がでてくるタイミングが、たまたま一致している確率は極めて低いでしょう。
転職は生活を変えることになる選択です。機会損失を避けるため、現場の工期に縛られず、早いタイミングで求人はウォッチしておくことをおすすめします。
まとめ
ゼネコンからの転職を考えたら、以下の3つを意識しましょう。
- まずは業界と職種から転職先を考えましょう
- 転職したい理由を整理しましょう
- 悩みを解決できる仕事の例を参考に転職先を探しましょう
このほか、ゼネコンから転職する際の注意点にも気を付けつつ、早いタイミングで求人探しをすることがおすすめです。
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筆者:よこてん