1級建築士は稼げる？メリットと合格率の高い勉強方法

1級建築士といえば、建築系の学校を卒業した方はもちろんのこと、建設業界全体でも特に憧れを持つ人が多く、世間的にも有名な資格です。

1級建築士を調べている人の中には、

を理解した上で資格取得をするべきか判断したい人もいることでしょう。

この記事では、1級建築士を目指す難易度や取得する事のメリットを紹介し、資格取得するべきかを解説します。
また、合格するための勉強方法もまとめていますので是非参考にしてみてください。

1級建築士とは？

1級建築士とは、国土交通大臣からの免許を得た、設計、工事監理などの業務に携わる人をさします。

1級建築士になるには試験を受ける必要がありますが、受かれば大型商業施設から病院まで、すべての建築に携わることのできる資格です。

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1級建築士のメリット

ここから、実際に1級建築士を取ることによるメリットを2つ紹介していきます。

1級建築士の平均年収は700〜800万円と高年収

厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』から、1級建築士の平均年収はおよそ700~800万円ほどといわれています。
2級建築士が400~500万円ほどなので、200~400万円もの差が生まれていることになります。

国税庁が集計した『業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額』で、建設業全体の平均年収は529.1万円ほどと算出されているので、業界全体で見てもかなり高水準な年収であるといえるでしょう。

参考：賃金構造基本統計調査
参考：業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額

すべての建築物に携われるスーパープレイヤー

次にメリットとして挙げられるのは、扱える物件の種類です。
2級建築士が比較的小規模の建築物しか扱えないのに対し、1級建築士はすべての構造・規模・用途の建築物を設計・工事監理することができます。

特に1級建築士になれば、学校や病院、映画館などの「特定建築」に携わる事が可能になります。

携われる建築物が大幅に増えることで、1級建築士でしかできない経験を積む事ができたり、転職に有利になったりなど将来の選択肢を広げる事ができます。

1級建築士の難易度

1級建築士のメリットを見て、実際に興味をもった方もいるのではないでしょうか？
ここからは、合格率や勉強時間から1級建築士試験の難易度を詳しく見ていきます。

例年の合格率

令和6年度の合格率は学科で23.3%、製図で26.6％です。
これだけ聞くと4人に1人は受かるイメージを持ちますが、どちらも受かった総合の合格率は8.8%と低い数字になっています。

過去5年間の推移を見ると、学科と製図は上下していますが総合の合格率は年々下がっており、難しくなってきているようです。

1級建築士の合格率は国家資格の中でも7番目の低さであり、かなりの難関であることが伺えます。

必要な勉強時間

実際に合格した方のブログや口コミから、学科で500h、製図で200hほどの勉強時間が多く見受けられました。
経験者と初学者でも違ってくるため、全体的な平均は700〜1000時間ほどになります。

例えば、

• 休日4時間、平日2時間の勉強をした場合　⇒　9～13か月
• 休日6時間、平日1時間の勉強をした場合　⇒　10～14か月
• 休日8時間、平日0時間の勉強をした場合　⇒　10～15か月

※休日週2日、平日週5日の場合。長期休みなどは抜く

となり、最低でも9か月、長くて1年半ほどの勉強を続ける必要があります。
社会人が残業もある中で勉強するとなると、かなりハードな試験といえるのではないでしょうか。

1級建築士のオススメ勉強方法

実際に勉強を始めようと思った方へ、オススメの方法を紹介していきます。

試験の内容は大きく分けて学科と製図の2つに分かれます。

そこで、学科問題に合格するためのオススメ参考書と、製図試験を突破するためのオススメ予備校をそれぞれ比較してみました。

学科試験は独学で合格可能！過去問と法令集が必須

学科科目は、テキストで過去問を繰り返すことで十分合格を狙える問題です。
そして唯一、法規問題に関しては法令集というテキストの持ち込みが許可されています。

「過去問」と「法令集」さえよいものを選べば、合格に大きく近づきます。

おすすめ参考書5選

学科試験の肝は、とにかく過去問を繰り返し解いて慣れることです。

下の2つは1級建築士の合格実績が多い大手予備校から販売されているもので、どちらか1冊さえマスターすれば十分な対策ができます。

■過去問題集

過去問は何度も繰り返し解くため、自分のスタイルに合った、勉強しやすいものを選ぶとよいでしょう。

■法令集

法令集に関してメジャーなもので行くと、この3冊が挙げられます。
試験中に唯一参考になるものなので、引きやすく、用例数に優れたものを選ぶとよさそうです。

製図試験の合格は予備校がマスト

学科試験だけなら、上記で紹介したテキストで合格を狙えます。
ただ、製図試験はテキストだけだと合格までは苦戦します。

理由は大きく2つ。

製図は毎年課題が変わり、公開模試も少ないため想定問題を作るなどの対策が一人ではかなりハードとなります。
課題がわからない中で多くの練習をするのは限界があり、試験時間内での完成すら危うくなります。

また、何年かかっても細かなミスで落ちるのが製図試験です。
予備校では過去合格者の製図見本が公開されますし、想定問題も豊富にもらえます。

自分ではわからない細かいミスの添削もしてもらえるので、合格したいならマストとなります。

予備校を徹底比較

1級建築士の資格取得につよい大手3社をあげてみました。
3校とも、独学では得られない充実したサポートを受けることができます。
自分に合った勉強スタイルができるところを選んで頂ければと思います。

1級建築士の試験概要

最後に、例年の試験日程と試験の内容について紹介します。

試験日程

一級建築士試験は、1年に1度行われます。
学科試験は例年7月第4日曜日、製図試験は例年10月第2日曜日に実施されます。

申し込みからの流れは下記の通りになります。

試験内容

試験の内容を、学科と製図に分けてそれぞれまとめました。

学科試験

学科試験の科目内容は以下の通りになり、1問につき1点です。
過去問を使い、すべての科目でまんべんなく点がとれるようにしましょう。

製図試験

製図は、毎年変わる題材に合わせて実際に図面を引く試験となっています。
過去5年間の課題は以下の通りです。

7月に課題が発表され、10月に試験というスケジュールです。
合格した方の見本などを見て対策を行いましょう。

1級建築士で年収アップ！効率的な勉強で合格を目指そう

1級建築士は勉強時間が多く難易度が高い分、取得のメリットもかなり多く見られました。
年収アップや、多様な物件を扱いたいと思っている方はぜひ取得を前向きに検討してみてください。

この記事を読んでくれた方が、より良い建築人生を送れることを願っています。