施工管理の転職ノウハウ

2級建設機械施工技士とは?乗れる機械や合格率、試験内容まで解説

「2級建設機械施工技士ってそもそも何?」「2級建設機械施工技士って何ができるようになるの?」「メリットは?」と悩んでいる方向けの記事です。

この記事では、2級建設機械施工技士ができること、1級と2級の違いや試験概要、2級建設機械施工技士の取り方などを解説します。

この記事を読むことで、2級建設機械施工技士の概要や2級建設機械施工技士でどうキャリアアップできるのかわかりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

2級建設機械施工技士とは

2級建設機械施工技士は、建設機械の操作や施工に関する知識を持ち、建設現場で対象の機械施工を行う運転技術者の施工管理を行うための資格です

具体的には、第1種ブルドーザー、第2種油圧ショベル、第3種モータ・グレーダーなどの建設機械が対象となり、建設機械の適切な操作やメンテナンス、安全な施工方法の確保など、様々な技術を習得することが求められます。

また、現場での作業員の指導や監督も担当し、主任技術者として現場に配置されることも可能です。

仕事内容は?

2級建設機械施工技士の仕事内容は、主に以下の3点です。

  1. 施工管理業務
  2. 建設機械の取り扱い
  3. 建設機械の検査

対象となる工事は一般建設業のみで、対象の機械は第1種~第6種のうち、取得した機械のみとなります。

施工管理業務は安全・品質・工程・コストなどのいわゆる四大管理を行うもので、工事計画や安全書類の作成などを行います。

建設機械の取り扱いについては、資格を取得した建設機械の使用が可能です。

また、建設機械の検査も建設機械施工技士が行います。

2級建設機械施工技士と1級建設機械施工技士の違いは?

2級建設機械施工技士と1級建設機械施工技士の違いは大きく以下の4点です。

  1. 対象となる工事が異なる
  2. 対象となる建設機械が異なる
  3. 監理技術者になれるか、なれないか
  4. 受験資格

1級を取得するか、2級を取得するかで自身のキャリアパスは大きく変わってきますので、しっかり理解しておきましょう。

1級建設機械施工技士

1級建設機械施工技士は、基本的にすべての工事、すべての建設機械について、業務を行うことができます

具体的には、工事では特定建設業・一般建設業のいずれでも業務が認められます。

また、対象となる建設機械も第1種~第6種まですべての建設機械を使用し検査することが可能です。

また、監理技術者として現場配置が可能となります。

受験資格については、2級建設機械施工管理技士の合格後に5年以上の実務経験を積むか、学歴に応じた実務経験で定められています。

受験資格詳細:日本建設機械施工協会

2級建設機械施工技士

2級建設機械施工技士の場合には、業務権限の範囲が限定されます。

対象工事は、一般建設業のみに限られ、対象となる建設機械も資格を取得した機械のみです。第1種のブルドーザーの資格を保有している場合には、ブルドーザーのみ使用・検査することができ、第2種の油圧ショベルでの業務はできません。

また、監理技術者としての現場配置は出来ず、主任技術者として現場配置が可能です。

受験資格については、一次検定は満17歳以上で学歴や実務経験は不問。二次検定は一次検定合格かつ学歴に応じた実務経験により定められています。

特定の建設機械のみを業務に用いる場合には、必要な建設機械の2級建設機械施工技士の資格取得がおすすめです。

受験資格詳細:日本建設機械施工協会

2級建設機械施工技士のメリット

2級建設機械施工技士には主に以下のメリットがあります。

  • 転職に有利
  • できる仕事の幅が広がる

上記2点によって、自身の建設業でのキャリアアップにつながり、収入を増やすことも可能となります。

転職に有利

2級建設機械施工技士の有資格者は転職に有利です。

その理由は、建設業法で建設機械施工技士の現場への配置が義務付けられているため、建設企業からのニーズが高いためです。また、機械を扱う建設企業として有資格者の採用は必須で、どの企業からも2級建設機械施工技士の資格は評価されます。

できる仕事の幅が広がる

2級建設機械施工技士を取得すると、主任技術者として一般建設業の現場へ配置されることが可能となります。また、取得した種別の建設機械の運転技術者の施工管理業務を行うことができます。

建設機械の使用だけでなく、施工管理業務も行うことが可能となるため、できる仕事の幅が広がります。

2級建設機械施工技士が乗れる・管理できる機械一覧

2級建設機械施工技士が主任技術者として、施工管理の立場に立てる機械は以下のようになります。

それぞれの種別の資格を取得することで、該当する建設機械の知識が公的に証明されます

現在仕事で扱っている建設機械の他、今後のキャリアで必要になる可能性のある種別も確認しておきましょう。

種別

機械例

第1種:ブルドーザー

ストレートドーザ、Uドーザ、レーキドーザなど

第2種:油圧ショベル

バックホウ、ローディングショベル、ドラグライン、クラムシェルなど

第3種:モーターグレーダー

モーターグレーダー、レーザーグレーダー、ハイドロスタティック・モーターグレーダーなど

第4種:ロードローラー

振動ローラー(バイブレータリーローラー)、タイヤローラー、パッドドロール(パッドフットローラー)、シームレスローラー、ダブルドラムローラーなど

第5種:アスファルトフィニッシャ

アスファルト・プラント、アスファルト・デストリビューター、アスファルト・フィニッシャー、コンクリート・スプレッダーなど

第6種:アースオーガ

杭打ち機、杭抜き機、大口径掘削機(油圧オーガー、シングルオーガー、ダブルオーガー各種)

2級建設機械施工技士の合格率

2022年度の2級建設機械施工技士の合格率を紹介します。

例年に比べ2022年は二次検定の合格率が低く、年々二次検定の合格率は下がってきています。

しかし、国家試験の合格率としては依然として高い水準であるため、キャリアアップに挑戦してみると良いでしょう

第一次検定の合格率

一次検定の合格率は42.3%で国家試験としては比較的高い合格率です。

検定

合格率

一次検定

42.8%

第二次検定の合格率

二次検定の合格率は68.2%で例年より下がりましたが、国家試験としては比較的高い合格率です。

検定

合格率

二次検定

68.2%

2級建設機械施工技士の試験内容

2級建設機械施工技士の試験内容は以下の通りです。

出題される科目は建設機械の種別により以下に分類されます。

種別

検定科目

建設機械

第1種

トラクター系建設機械

ブルドーザー、トラクター・ショベル、モーター・スクレーパーその他これらに類する建設機械

第2種

ショベル系建設機械

パワー・ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェルその他これらに類する建設機械

第3種

モーター・グレーダー

モーター・グレーダー

第4種

締め固め建設機械

ロード・ローラー、タイヤ・ローラー、振動ローラーその他これらに類する建設機械

第5種

舗装用建設機械

アスファルト・プラント、アスファルト・デストリビューター、アスファルト・フィニッシャー、コンクリート・スプレッダー、コンクリート・フィニッシャー、コンクリート表面仕上機など

第6種

基礎工事用建設機械

くい打機、くい抜機、大口径掘削機その他これらに類する建設機械

参考:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定試験【第一次検定のみ】受検の手引(PDF)」「2級建設機械施工管理技術検定試験【第二次検定のみ】受検の手引(PDF)

第一次検定の試験内容

2級建設機械施工技士の一次検定の受験資格は「受験年度に、17歳以上になる人」です。実務経験は不要となりました。

2級建設機械施工技士の一次検定の試験はマークシート方式で、共通問題と種別に応じた選択問題があります。全52問の出題で解答するのは45問。共通問題が32問中25問の解答、種別に応じた選択問題は20問中すべての解答が必要です。

合格基準は60%のおおむね27問の正解となっています。

共通問題

科目

出題数

解答数

解答形式

土木工学

12問

9問(選択)

四肢択一

施工管理法

6問

6問(必須)

四肢択一

建設機械原動機

2問

2問(必須)

四肢択一

石油燃料

1問

1問(必須)

四肢択一

潤滑剤

1問

1問(必須)

四肢択一

法規

5問

3問(選択)

四肢択一

5問

3問(選択)

四肢択一

参考:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定試験【第一次検定のみ】受検の手引(PDF)」「2級建設機械施工管理技術検定試験【第二次検定のみ】受検の手引(PDF)

選択問題

種別

科目

出題数

解答数

解答形式

第1種

・トラクター系建設機械

・トラクター系建設機械操作施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

第2種

・ショベル系建設機械

・ショベル系建設機械操作施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

第3種

・モーター・グレーダー

・モーター・グレーダー施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

第4種

・締め固め建設機械

・締め固め建設機械操作施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

第5種

・舗装用建設機械

・舗装用建設機械操作施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

第6種

・基礎工事用建設機械

・基礎工事用建設機械操作施工法

20問

20問(必須)

四肢択一

参考:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定試験【第一次検定のみ】受検の手引(PDF)」「2級建設機械施工管理技術検定試験【第二次検定のみ】受検の手引(PDF)

第二次検定の試験内容

2級建設機械施工技士の第二次検定の受験資格は以下2点です。

  • 2級第一次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上)
  • 1級第一次検定合格後、実務経験1年以上

2級建設機械施工技士の二次検定の試験はマークシート方式と実技試験となっています。

マークシート方式は施工管理法を問う全10問の出題ですべての問題に解答が必要です。

実技試験は種別に応じた建設機械の操作・施工を行う試験です。

合格基準はマークシートで50%以上かつ実技試験で70%以上の得点となっています。

筆記試験

試験時間:40分

科目

出題数

解答数

解答形式

施工管理法

10問

10問(必須)

四肢択一

実技試験

※以下の6種別のうち、第一次検定で合格した種別を選択して受験

種別

科目

検定内容

第1種

トラクター系建設機械操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

第2種

ショベル系建設機械操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

第3種

モーター・グレーダー操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

第4種

締め固め建設機械操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

第5種

舗装用建設機械操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

第6種

基礎工事用建設機械操作施工法

所定のコース内で操作施工を行う

参考:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定試験【第一次検定のみ】受検の手引(PDF)」「2級建設機械施工管理技術検定試験【第二次検定のみ】受検の手引(PDF)

2級建設機械施工技士の試験日

2級建設機械施工技士の試験日は以下の通りです。

一次検定

試験日

6月16日(日)

合格発表日

7月29日(月)

二次検定

筆記 試験日

6月16日(日)

実技 受検票発送

7月17日(水)

実技 試験日

8月下旬~9月中旬

合格発表日

11月18日(月)

参考:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定試験【第一次検定のみ】受検の手引(PDF)」「2級建設機械施工管理技術検定試験【第二次検定のみ】受検の手引(PDF)

まとめ|2級建設機械施工技士に挑戦してみよう

2級建設機械施工技士は自身の施工技術の他に、施工管理の役割も担えるようになります。

特に建設機械を扱う建設企業からはニーズが高く、高年収での採用もある資格です。

筆記試験については独学で合格可能な範囲なため、自身のキャリアアップ・年収アップにつなげるためにも、2級建設機械施工技士に挑戦してみましょう

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