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プルーフローリングとは?測定方法や目的、測定時のポイントを解説!

土木工事にはプルーフローリングと呼ばれる測定方法があり、路床や路盤の締め固めが適切かどうかを確認します。

この方法を適切に行わないと、道路に凹凸ができて歩行者がケガをしたり大きな交通障害につながる可能性があります。

そのため、道路を造るにあたって重要な役割を持つことから、土木工事に従事する人は把握しておくべき言葉でもあります。

そこで今回は、プルーフローリングの概要と目的、測定方法を解説します。

普段の生活では見聞きする機会の少ない言葉ですが、土木工事には切っても切れない深い関わりがあるので、本記事を通じて目的や測定方法を把握しておきましょう。

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プルーフローリングとは


プルーフローリングとは、路床・路盤の締め固めや不良箇所を調べる目的で荷重車を走らせることです。

施工時に使用した転圧機械と同程度の締め固め効果をもつローラまたはトラックなどで施工面を数回走行し、たわみ量をチェックします。

土木会社や職人によっては「プルーフローリング測定(試験)」または「プルーフローラー測定」と呼ばれることもあります。

測定の目的

プルーフローリング測定の目的は、道路の構造に深く関係しています。

道路は自動車やバスといった交通車両が多く行き交う場所で、車両が通る度に道路には大きな荷重(交通荷重)がかかっています。

交通荷重は道路の表層から路床や路盤へ伝達されますが、この荷重によって路床や路盤面が変形することがあります。

変形が起きると、舗装そのものも変形し、舗装が破壊される可能性があります。

舗装の破壊は交通事故の原因はもちろん、ドライバーや道路周辺の歩行者にも大きな危害を加える可能性があることから、トラブルにつながらないことを目的にプルーフローリング測定が行われます。

プルーフローリング測定は道路の全体区間を画一的に確認でき、目こぼしのない管理が可能になることから、測定の意義が大きいと考えられています。

参考:茨城県|プルーフローリング(Proof rolling) の測定について

プルーフローリング測定の手順


プルーフローリング測定の手順は以下のとおりです。

  1. 施工が終了した路床面や路盤面(下層路盤)を、ダンプトラックやタイヤローラー、マカダムローラー等(複輸過剰路症工5t、路盤工8t程度)で走行速度2km/h程度の速度で車線ごとにゆっくりと走行させる
  2. 輸荷重による路面上の変形または沈下量の大きい箇所を目視でチェックする
  3. 違和感のある位置を野帳などメモし、別様式に整理する
  4. 測定の際は少なくとも3回走行させてたわみ量を観察する

プルーフローリング測定を実施する際は、測定状況を写真撮影しておくのがおすすめです。

写真撮影の方法やイメージを知りたい人は国土技術研究センターの公式ホームページをご確認ください。

参考:一般財団法人国土技術研究センター|付属資料

測定時の撮影頻度

国土交通省ではプルーフローリング測定における写真撮影の回数を定めています。

路床安定処理工や表層安定処理工、道路土工事それぞれで撮影のタイミングが異なるので、測定時は下表を参考に実施しましょう。

工事 撮影回数
路床安定処理工 路床ごとに1回
表層安定処理工 工種毎に1回
道路土工(施工) 工種毎に1回

参考:国土交通省近畿地方整備局|改定案(令和5年版)

プルーフローリング測定のポイント


プルーフローリング測定を実施する上では、これから紹介するポイントを踏まえて行うのがおすすめです。

ここでは6つのポイントを紹介します。

施工完了した部分を走行する

プルーフローリング測定は、施工が完了した道路等を走行し、凹凸などがないかを測定するものです。

そのため、施工が途中の場合は実施できません。

測定を実施するときは、工事が終了しているかを確認してから進めましょう。

野帳などに記入し項目を整理する

何度か行われた測定結果は、後で細かくチェックできるよう、野帳等に書き写して整理しておくのがおすすめです。

国土技術研究センターの資料では「測定では少なくとも3回走行する」としており、路床や路面状況によっては3回以上走行する必要があります。

初回の測定結果や完成後の測定結果だけをメモした場合、どれくらいの変化があったのかが把握しにくいです。

測定結果を細かく記載すると、1回目と2回目、または1回目と3回目での変化具合をスムーズに確認できるほか、今後のプルーフローリング測定の参考にもなるので、測定結果はその都度メモするよう心がけましょう。

なお、国土技術センターでは写真撮影も有効としているので、同センターの公式ホームページを参考にしながら行うと良いでしょう。

参考:一般財団法人国土技術研究センター|付属資料

測定結果報告書の書き方

プルーフローリング測定の結果報告書は、発注者から様式が指定されないケースも珍しくありません。

報告書の提出を求められる場合もあれば、提出を求められないケースなど、土木会社などによって多種多様です。

さらに、発注者によってはプルーフローリング測定報告書様式をあらかじめ作成し、企業ホームページで公開していることもあるため、取引先など状況に合わせて提出することにも留意しましょう。

不良箇所を発見したときはきちんと処理する

プルーフローリング測定時に路床や路面の変形や沈下量の大きい箇所が見つかったときは、測定終了後に対策しなければなりません。

不良箇所はほかの場所に比べて支持力が不足していると考えられることから、路床土を良質土に置き換えるなどの処置を行いましょう。

適切な処置が終わったら、再度プルーフローリング測定を行い、路床等の状況を確認しましょう。

測定と天候の関係性

プルーフローリング測定は、天候が影響しやすい測定と言われています。
ここからは天候別の注意点を解説します。

晴れの場合

晴れている日の測定は最適なように思えますが、実は測定時に不良箇所が見つけられるのは、締め固めに対して含水比が適切な範囲である場合のみと言われています。

晴れた日が続いたことで路床や路面の含水比が最適含水比を下回ってしまうと、乾燥によって締め固めが起きているのにも関わらず、測定時に「良好」と誤った判断につながる可能性があります。

晴天の日が続いたり気温の上昇が続いた後に測定する際は、路床や路盤面が乾燥していることを考慮し、測定開始の前日までに水を撒いて適切な湿潤状態を保ってから測定するよう留意しましょう。

雨の場合

プルーフローリング測定ができないときは、路床や路盤面が乾燥しているまたは含水比が高い状況の場合です。

そのため、雨の日は路床や路面が不安定なイメージが強いですが、測定ができないわけではありません。

プルーフローリング測定の実施を検討する際は天候ではなく、路床や路盤面の含水比と最適含水比を確認した上で決めることをおすすめします。

変形が大きい箇所の対策方法


プルーフローリング測定によって変形が大きい路床や路盤面に対しては、各自治体によって測定時の項目内容に違いがありますが、茨城県では100~200m程度に1ヶ所ずつチェックすることとしています。

100~200m間隔において路床上に弱い部分が確認されたときは、路床土を良質土へ入れ替えたり、厚さを出すなどの対策が求められます。

さらに、変形や大きな沈下が見られる路床においては、設計で定められた厚さの下層路盤を試験的に施工後、その箇所で平板載荷試験を行い規定の値以上かをチェックするほか、ベンケルマンビームを使って変形を測定し、不良箇所について監督員と協議することが重要としています。

プルーフローリング測定の決まりについては自治体で異なる場合があります。測定を実施する際は各自治体の測定方法に基づいて行うことに留意しましょう。

参考:茨城県|プルーフローリング(Proof rolling) の測定について

ベンケルマンビームの懸念点

各自治体で用いられることの多いベンケルマンビームによるたわみ量測定試験ですが、実はさまざまな懸念点が指摘されています。

例えば、荷重車が路床や路盤面を通過した際、輪荷重の影響によりベンケルマンビームの支持脚が沈下することや、試験条件を満たすには荷重車を過積載の状態にする必要があること、荷重車の調達が困難な状況も少なくないことなどです。

そのため、改善や新たな手法を検討することが重要と言われています。

プルーフローリング測定の概要を押さえよう

工事が完了した道路では、その最終的なチェックとしてプルーフローリング測定が行われます。

まっすぐな道路を歩いたり自動車で問題なく走行できるのは、適切かつ丁寧な土木工事とプルーフローリング測定によるものということが理解できたのではないでしょうか。

土木工事に従事する予定のある人は、本記事で紹介した測定の目的や測定手順を業務に活かし、業務幅を広げてください。

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