建設業界の基礎知識

設備工事とはどんな仕事?種類や特徴、目的を徹底解説

私たちが暮らすさまざまな建物は、多くの工事を経て、適した環境に調整してから引き渡されます。
工事と一口に言ってもたくさんの種類があり、その一つが「設備工事」です。

今回は、設備工事の概要と、目的・種類・魅力を紹介します。
記事の後半ではやりがいについても触れているので、設備工事について知りたい方はもちろん、将来的に設備工事の仕事に携わりたい方は、ぜひ今後の参考にお役立てください。

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設備工事とは


設備工事とは、建物で使われる設備を導入するために行われる工事のことです。
建物の工事と聞くと、外観や内装などインテリアにまつわる仕事をイメージする方もいますが、建物そのものの空間を、人間が快適に利用するために必要になるのが設備工事です。

具体例としては、電力会社から一般住宅へ電力を引き入れる工事や、商業施設・学校などに放送用スピーカーを取り付ける工事などがあります。

私たちが暮らす日常では、あまり見る機会のない仕事ですが、住宅やマンション、アパートや学校、大型商業施設など、さまざまな建物が快適に機能するために必要な仕事であることから、人々の暮らしのバックグラウンドを支える業種と言えるでしょう。

なお、設備工事で一つでもミスが発覚すると、内装・電装などさまざまな工事にも影響を及ぼし、工期の再調整が必要になることも。設備工事は建物の中枢を担う工事でもあることから、工期をきちんと守ることだけでなく、適切な工程を経て工事を行うことも重要です。

設備工事の目的


設備工事の目的は、各工事の目的によって多岐にわたります。
一般的な住宅で例えると、電気やガス、通信といった暮らしにまつわる設備を適切な工程に沿って導入することを指します。

これらの工事が適切に行われていないと、人々は基本的な生活ができません。

例えば電気設備がきちんと行われていない住宅だと電気が使えないため、照明が使えないほか、給湯器にも電気が通らずお風呂も沸かせません。
オール電化の設備を導入しても使用できないので、食事の準備もできないでしょう。

このように私たちの生活は、各分野の設備工事がきちんと行われていることで機能しています。
そういった意味でも設備工事の仕事は、多くの人の暮らしを守り、維持する役割があると言えるでしょう。

設備工事の種類


人々が快適な暮らしを送るなかで欠かせない設備工事の仕事。
バックグラウンドによる作業が中心ですが、きちんと行われていることで人々は快適に過ごすことができます。

では、設備工事にはどのような種類があるのでしょうか。
ここからは設備工事の種類を紹介します。

電気設備工事

電気設備工事は、電力会社から送られた電気を屋内へと引き込み、安定した供給を図るための工事を指します。

電力会社が一目で確認できるよう、使用料メーターや分電盤の設置のほか、各部屋へコンセントを取り付けることが中心です。

また、新しい建物を建てた際に電力会社へ電力供給の申請を行い、通電させるのも電気設備工事の仕事の一つ。

ただし、電気設備工事にまつわる人であれば誰でもできる仕事といったわけではなく、「電気工事士」という国家資格を保有する人のみ行うことができます。

なお電気設備工事には、ほかにもさまざまな工事が伴います。具体的には下表のとおりです。

名称 概要
照明設備・コンセント配置 照明設備・コンセント配置は、上述した電気設備工事の一つで、建物内の照明や電灯、コンセントの設置を行う仕事を指します。近年では分別が困難な白熱灯を、寿命が長く廃棄方法もわかりやすいLEDタイプの電球に交換する工事も多く行われています。
受変電設備工事 電力会社から送られてくる電気を家庭用または業務用に変圧する仕事です。家庭用と業務用で使用する電圧は大きく異なることから、それぞれに適した変圧器の導入・設置も行います。
オール電化 電熱式床暖房・電気給湯器など、本来は電力以外のエネルギーを用いる設備を電力でまかなえるよう設計された機器の導入・設置を行います。一般的な住宅・施設に比べて多くの電気供給が必要になるため、オール電化に合わせた分電盤の配置を行うこともあります。

電気通信工事

電気通信工事は、インターネットや電話などの通信に伴う設備を導入する仕事です。

先に説明した電気設備工事とは取り扱う電力のほか、情報伝達に必要な電力を供給する設備に対して行われるなどいくつかの違いがあります。
具体的な仕事内容は下表のとおりです。

名称 概要
LANケーブル 施設内のルータやコンピュータ間のネットワークを組むため、LANケーブルを配線する工事のことです。LANとは「Local Area Network(構内通信網)」の略で、ケーブルや無線を用いて同建物内のコンピュータや通信機器等と接続詞、データをやりとりするネットワークを指します。お客様のご要望などをもとに設置するのが主な仕事です。
携帯電話基地局工事 携帯電話やスマートフォンなどを利用する際に必要な電波を、人々に適切に届けられるようそれぞれの地域・場所に基地局を設置する仕事のことです。また、電波が届かないエリアによる通信試験やテスト業務も行います。
放送設備 公共施設によるアナウンス設備のほか、システム構築、消防法に基づく防災放送の設備を導入するのが主な仕事です。放送設備は、学校や商業施設、向上やスポーツ施設など多岐にわたります。
防災設備 「消防法」と「建築基準法」という2つの法律に則って、施設・住宅を災害から守るための設備を導入する仕事です。例えば学校や大型商業施設などに消火器を設置したり、火災報知器やガス漏れ警報器といった警報設備などが挙げられます。

管工事

管工事とは、その名の通り管を用いて行われる設備工事のことです。
一般住宅で言えばガス管や水道管、空調などが挙げられます。

水道施設工事と混同されやすい仕事であるものの、水道施設工事は公共施設への上下水道の配置を中心とした工事を、その一方で管工事は、水道工事に限らずさまざまな配管を使い、一般住宅や施設に行われるといった違いがあります。
それぞれの概要は下表のとおりです。

名称 概要
ガス配管 一般住宅や施設へガスを供給するための配管を設置するのが主な仕事です。また、老朽化したガス配管の交換も行われます。
水道配管 キッチンや浴室、トイレなど、さまざまな水周りに必要な水道管を配置するのが仕事です。給水管の引き込みのほか、下水道排水設備、屋内配管工事に大別されます。水道管の老朽化が見られた場合に交換する作業も行うことがあります。
ダクト 大型商業施設や飲食店で見られる設備で、空気の循環を良くさせる通り道を設置する仕事です。不快な臭いを屋外へ出したり一酸化炭素中毒を予防したりするといった目的があります。

機械器具設備工事

機械器具設備工事とは、機械器具の組み立てなどにより、工作物を建築する、または工作物に機械器具を取り付ける工事のことです。

大がかりな作業になることが多く、ダム用仮設備工事や吸排気機器設備工事、私たちの身近なものだとエレベーターや立体駐車場などを設置する際に行われます。

類似した工事として、自動ドアの建具の取付やビルタイプの立体駐車場などがありますが、該当しないので、設備工事について覚えるときは注意しましょう。

その他の設備工事

設備工事には、そのほかにもさまざまな工事があります。ここでは4つの工事を紹介します。

名称 概要
空気調和設備工事 室内の換気・温度・湿度などを調整し、快適な空間を作るための工事のことです。エアコンの取付工事や室内機・室外機の取付、これらに必要な電気・配管工事などが挙げられます。
テレビ共聴放送設備工事 地上局や放送衛星から発される電波を受信するためのアンテナを、一般住宅やマンション等に設置する仕事のことです。また、電波の共同受信施設を設定することもあります。
さく井工事 聞きなじみの少ない工事に挙げられる一つで、主に井戸を作る際に必要な揚水設備の設置を行うのが主な仕事です。ボーリング工事と呼ばれることも多く、さく井機械などを使って行われます。
築炉工事 金属などの加熱・溶解などを目的とする「炉」にまつわる仕事です。熱を保存もしくは高度な遮断を行うために耐火物のランニング施工が行われますが、その部分に築炉の技術も取り入れられています。

設備工事の魅力


設備工事には、実に多くの工事があり、多くの人々の生活を快適に維持していることがわかったかと思います。
ここからは、そんな設備工事に携わるなかで感じる魅力について紹介します。

必要とされる業種

私たちのインフラを支える仕事であることから、どの時代、どの人にも必要とされる業種と言えるでしょう。

設備が不十分な建物では快適に暮らすことができません。
そのことから、建物が必要な限り、いつまでも需要のある仕事でもあります。

ほかの業種に閑散期があっても、設備工事の仕事は必要性の高い仕事。多くの人に求められる仕事だからこそ、なくなる心配がなく、安定した収入を得られるのも特徴の一つです。

暮らしに役立つ

設備工事は、建物の電気やガス、通信や防災・消火にまつわる設備を設置するのが仕事。
そのことから、人々の暮らしに役立つ仕事であることは言うまでもありません

特に現代はインターネットが普及したことで、スマートフォンやタブレット、パソコンの利用者が増えていますが、どの場所でも不便さを感じずに使えるようになったのは、設備工事に携わる人がいるからです。

スイッチを押せば簡単に明かりが点き、ボタンを押せば温かいお風呂に入れるのも、適切な設備工事を経ているから。

そういったことから、設備工事の仕事は多くの人々の暮らしに役立つ仕事と言えるでしょう。

手に職が付く

設備工事は細かな作業が必要になることから、現場での経験によって多くの技術や知識が身につき、将来的には転職や独立に活かすことも可能な仕事でもあります。

なかには国家資格を必要とする仕事もあるので、資格を目指しながら働くことで、スキルアップやキャリアアップにもつながります。

資格取得を支援するための制度を導入する企業も多いので、就職や転職を検討する場合はどのような支援を行っているかをチェックするのもおすすめです。

設備工事に有効な資格


ここからは、設備工事に有効な資格について紹介します。
就職や転職を視野に入れている方、またはスキルアップやキャリアアップを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

電気工事士

電気工事士は、一般住宅や商業施設などの電気設備を取り扱う資格を持つ技術者です。
建築物や家庭の電気工事を専門とし、電気工事にまつわる安全性や品質を保証するといった役割があります。

なお、電気工事士には4つの種類があります。
工事規模や電圧の範囲に応じて異なるので、資格取得を目指す場合はどのような仕事に就きたいかを明確にすることをおすすめします。

  • 一般用電気工事士
  • 特別高圧電気工事士
  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

ガス主任技術者

ガス主任技術者は、ガス設備の管理・運営において、安全性や適切な使用にまつわる知識・技術を持った技術者を指します。

同資格は国家資格の一つで取得には多くの勉強と難しい試験に突破する必要があります。
1級から3級まであり、それぞれガス設備の規模や種類によって資格概要が異なるため、取得を目指すときは仕事内容に適したものを選ぶと良いでしょう。

施工管理技士

施工管理技士は、建設現場で施工の進行状況を管理するほか、品質・安全を心がけ、工程・費用などを調整・管理する役割を持つ技術者です。

建設業界において重要なポジションの一つとされており、工事そのものの品質や速度、コストを担保する役割もあります。

同資格も国家資格の一つで、1級と2級まであります。
1級では大規模な建設工事の管理に求められる資格で、2級は小規模な建設工事の管理に求められます。

設備工事は人に役立つ仕事!

設備工事の種類は多岐にわたり、工事業務のなかでも比較的長期間携わることの多い仕事です。

一般住宅や施設を建設する際に欠かせない工程の一つのため、適切な工程を経るなど、真面目に取り組む姿勢が求められます。

ときには大変に感じることの多い仕事ではありますが、電気やガス、水道がきちんと使用できたと判断されたときは大きな達成感を得られます。

また、ガス管や水道管の老朽化によって交換作業を行ったときも、依頼主から感謝されることもあり、多方面でやりがいを感じられる仕事でもあります。

建物が必要な限り需要のある設備工事。
スキルアップやキャリアアップを視野に就職・転職を検討する方は、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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