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フェランチ効果とは?原理や仕組み、考えられる影響を解説!

電気主任技術者試験を目指す人の中には、出題される問題のひとつである「フェランチ効果」の覚え方について悩む人も多いのではないでしょうか。

普段の生活では見聞きする機会の少ない言葉のため、具体的なイメージができないと、勉強もなかなか進まないものです。

今回はフェランチ効果の概要と原理、仕組みをわかりやすく解説します。

原理や仕組みを押さえ、電気主任技術者試験の合格を目指しましょう。

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フェランチ効果とは


フェランチ効果は、送電線路の末端で軽度負荷によって電圧が上昇する現象で、特に長距離の電圧送電線路において重要な項目です。

この現象は送電線路が持つ電荷を蓄える能力を指す「キャパシタンス」と、磁場を生成し電流の変化に抵抗する能力を指す「インダクタンス」の相互作用によって発生します。

送電線路には自然とキャパシタンスとインダクタンスが存在し、電力の伝送によってバランスを維持します。

しかし軽い負荷がかかるとキャパシタンスが支配的になり、その結果、電流が電圧に比べて先行し、線路の終点近くで電圧が上昇する仕組みです。

この現象をフェランチ効果と呼び、名称はこの現象を発見した第一人者「セバスチャン・フェランティ」にちなんだとされています。

法則は計算式で求めることが可能

フェランチ効果の原理は計算式で求めることが可能です。

  • 送電端電圧:「E_s[V]」
  • 受電端電圧:「Er[V]」
  • 線路抵抗:「R[Ω]」
  • 負荷に流れる電流:「I[A]」
  • 負荷の力率:「cos」
  • 線路のリアクタンス:「X[Ω]」

 
「Es-Es = RIcosθ + XIsin = I(Rcos + Xsin)[V]」

三相交流の場合、線間電圧は相電圧の√3倍になることから、以下のような式になります。

V_s - V_r = √3(E_s-E_r) = √3I(Rcos + Xsin)[V]

仕組み

フェランチ効果は長距離の送電路で生じる現象です。

電源と電力供給を受ける側の距離が離れていると、電流は電圧に比べて力率がいわゆる「遅れ」という状態になります。

力率は電源を有効に使用できる割合を意味しており、力率は電流が電圧に対して遅れている「遅れ率」と、電圧よりも進む「進み力率」に分かれています。

進み力率

進み力率は、電流が電圧よりも進んだ状態を指し、過電圧であることを意味します。

軽度な負荷がかかっているときは、この進み力率によってリアクタンスは容量性になり、電流が電圧よりも先へと進む仕組みです。

送電端電圧は電圧の降下と受電端電圧によって合成電圧になるため、受電端電圧の方が高くなります。

このような現象が見られると、フェランチ効果が発生します。

遅れ力率

遅れ力率は、電圧が電流よりも進んだ状態のことで「遅れ」と呼ばれることもあります。

リアクタンスも誘導性になるので、電流よりも電圧の方が先へと進みます。

この結果、受電端電圧よりも送電端電圧の方が大きい状態に変わるため、遅れ力率でフェランチ効果が起きることはありません。

フェランチ効果で考えられる影響


フェランチ効果の原理について解説しましたが、この現象は低圧電路ではなく高圧電路において問題視されています。

では、実際にフェランチ効果が起きた場合、系統にはどのような影響を及ぼしてしまうのでしょうか。

ここからは、フェランチ効果で考えられる影響を解説します。

普段、電車を利用する人は自分ごととして考え、フェランチ効果の仕組みについて理解を深めましょう。

変圧器などの鉄損増加

フェランチ効果によって、駅構内のモータや変圧器が過励磁になる場合があります。

発電機にて発電させるためには、発電機内部に磁石が必要であり、磁石の強弱はコイルにより行われます。

過励磁とは、このコイルに過剰に電流が流れることで、過励磁が起きるとモータや変圧器の騒音・振動が増えることがあります。

さらに、磁気飽和が発生すると無負荷電流と無負荷損の増加を招き温度の上昇につながることから、モータや変圧器をはじめ、白熱電灯や高電圧電路といった絶縁物の劣化を早めるといった影響が考えられます。

寿命が短くなれば鉄損増加につながることから、フェランチ効果は問題視されています。

絶縁設計上に支障が出やすい

フェランチ効果によっては絶縁設計に支障が出る恐れもあります。

フェランチ効果が生じると、受電端に過剰な電圧が発生することにつながります。

静電容量や線路の電圧が高いこと、そして送電路の電柱間の水平距離が長距離になるほどフェランチ効果による影響は際立ちます。

フェランチ効果による電圧の上昇が大きい場合、これらの条件が組み合わさることで電力系統の運用に大きな影響を及ぼすとも言われています。

高周波拡大

フェランチ効果の発生によって電線路インピーダンスのリアクトルと進み電流による交流回路の高周波が拡大する可能性もあります。

なお、高周波拡大については、JIS規格やガイドラインの遵守によって解決する可能性があるとも言われています。

このように、フェランチ効果の影響を抑えるためには、フェランチ効果の原理を理解し、影響を抑えるための知識や技術が必要不可欠と言えるでしょう。

フェランチ効果への対策


フェランチ効果の発生によっては、モータや変圧器、白熱電灯などの寿命を縮めてしまうなど、さまざまな影響が考えられています。

このような影響が頻出してしまえば、最悪の場合、大事故につながる恐れもあります。

そうならないために、高電圧電路においてはフェランチ効果の発生を防ぐため、事前に対策しておくことが大切です。

ここからは、具体的にどのような対策が有効なのかを解説します。

電力コンデンサを解放する

フェランチ効果で起きうる影響を防止するには、電力用コンデンサを切り離す方法が有効です。

フェランチ効果は送配電線路の無負荷、または軽負荷時に充電電流の影響が増加することで受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる現象です。

軽度な負荷がかかる場合は、力率改善を目的として設置された電力用コンデンサを解放することで、静電容量を抑え、フェランチ効果の発生を防ぐことができます。

分路リアクトルを接続する

リアクトルはインダクタを用いた受動素子を指し、電流の変化を緩めたり遅延無効電力を発生させる効果があります。

フェランチ効果は進み力率の発生が問題となるため、分離リアクトルの接続によって進み力率を遅れ力率に変える方法などが改善策と考えられています。

フェランチ効果の原理や仕組みに理解を深めよう

フェランチ効果の発生により、変圧器や白熱電灯、その周辺の絶縁物の劣化が進行し、寿命を縮めてしまうといった影響が考えられ、すでに問題視されています。

普段の生活ではあまり見聞きすることのない現象ですが、電気主任技術者試験を受験する人にとっては理解を深めておきたい項目のひとつです。

電気主任技術者試験を目指す人は、フェランチ効果で考えられる影響を自分ごととして捉えることでより一層理解を深めることができるでしょう。

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