施工管理の転職ノウハウ

施工管理はプライベートがない?9つの原因と5つの解決方法まとめ

施工管理はプライベートが取れないを解決する方法

この記事の監修者

小寺 博之/上級執行役員

新卒で教育業界を経験後、人材業界に転身。大手転職エージェントを経て、2017年1月、株式会社ゼネラルリンクに入社し、人材紹介事業の立ち上げを行う。 人材紹介事業部の事業部長を経験した後、2021年4月に執行役員に就任。

施工管理って忙しくてプライベートな時間が取りにくい

業務内容的に調整が難しいのも分かりますが施工管理がプライベートを確保する方法を知りたいです。

こんな悩みにお答えします。

この記事でわかること

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よこてん

ライター

  • 建設・不動産業界キャリア14年
  • 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
  • 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか

詳しいプロフィールはこちら>>

施工管理をやっていて仕事の調整が難しくプライベートな時間が取れないという声を聞きます。

この記事では、施工管理のプライベートがない理由と、プライベートを確保する方法を”現実的”な視点で解説していきます。

5分程度で解決できるので、ぜひ読んでみて下さい。

こんな方におすすめ

  • プライベートな時間を確保して施工管理をしたい方
  • 施工管理を続けるか悩んでいる方
  • プライベートな時間がある施工管理系の仕事を見つけたい方

施工管理のプライベートがない理由9選

施工管理のプライベートがない11の理由

結論からいうと、施工管理のプライベートがないのは「現場」が原因です

それぞれその理由をまとめました。

時間が取れない理由

  1. 労働形態
  2. 労働時間
  3. 現場の場所による
  4. 休憩時間が取れないこともある
  5. 急な変更対応
  6. 休みは少ない
  7. 慢性的に人手不足
  8. 現場第一主義
  9. 家庭との両立が大変
よこてん
基本的に現場だから起こることばかりです。

ひとつずつ見てみましょう。

理由①労働形態

施工管理の労働形態は配属の現場によりけりです。

  • 新築RCマンションの場合は、月~土の朝から夜
  • 商業ビル改修の場合は、夜間や土日祝

など、現場により仕事が出来る日や時間帯が変わります。

さらに、工程に余裕のある物件ならまだしも、大抵は工程に余裕のある現場は少ないです

切羽詰ると昼夜関係なく、交代制で現場を24時間動かす現場もあります。

つまり、施工管理の労働形態としては、一般職のような”土日休み”といった定休日はなく、現場の種類と工程で決まります。

よこてん
”現場次第”な側面が強いです

理由②労働時間

施工管理の労働時間の実態は、就業規則と大きくかけ離れています

規則上は8:00~17:00でも、実際は7:00~23:00になる現場も。

残業になってしまう理由は、8:00~17:00は現場仕事の時間だからです

現場が動いていると全体管理をする必要があるため、事務作業が時間外になりやすいです。

このとき行う業務の例はこのくらい

  • 部材納期の確認
  • 従業員(職人さん)の体調管理
  • 従業員からの質問対応
  • 製造の工程を従業員と調整
  • 作業が予定通り進んでいるかのチェック
  • 製品が品質基準どおり出来ているかのチェック
  • etc

現場が動く日中はまさに戦場です

現場戸締り後に落ち着いて仕事ができるかと言うと、そんなことはなく以下のような仕事があります。

  • 社内会議
  • 事務所会議
  • 業者打ち合わせ
  • etc

この業務の後に更に自分の仕事をこなします。

  • 図面作成
  • 指示書段取り
  • 施工計画書作成
  • 施主対応資料作成
  • 社内会議用資料作成
  • etc

これを行うと、7:00~23:00でも間に合わないなんてことも。

現場泊や徹夜はをする施工管理もいます

これは特別工期の短い現場だからではなく、一般的な現場でも起こりえる話です。

よこてん
施工管理の労働時間は業務量の多さと人材の少なさで必然的に長くなりやすいです

理由③現場の場所

施工管理は業務内容的にテレワークで仕事をすることができません

配属された現場が自宅から遠ければ、長時間の出勤時間をかけて、毎日現場に向かう必要があります。

労働時間が長いこともあり、自宅から1時間以上離れてしまうと、現場に泊まる回数も増えてきます。

よこてん
自宅まで往復する時間があったら、現場で寝た方が効率的です

これも配属の現場によって自分のプライベートが左右される典型的な例です。

理由④休憩時間が取れないこともある

昼飯を食べられないこともありますし、仕事しながら食べることもあります

その理由は、休憩時間は職人さんとの打ち合わせ時間や手配確認の時間にあててしまうからです。

工程の進捗確認や、計画の変更についての情報共有など、早いタイミングで打ち合わせをしないと手戻りが発生しますし、職人さんは請負なので仕事の手を止められるのは生活に関わります。

だから休憩時間に打ち合わせを行うことも有り得てしまいます。

理由⑤急な変更対応

当初の計画通りに竣工することは難しいです

必ず変更が発生します。

それも、施主や設計からの「急な変更」に対応することも多々あります。

その内容は、

  • 仕様の変更
  • 納まりの変更
  • 書類内容の変更

などなど。

変更があると、当初予定していた業務を段取りしなおす必要があります。

しかも「明日までに...」「今週中に...」のようにすぐに対応が必要な事もあります

よこてん
ホントこれはキツイですよね。

これによって仕事の優先順位が入れ替わり、長時間の勤務で対応することも。

理由⑥休みが少ない

そもそも施工管理は休みが少ないです

国土交通省のデータ(建設業における働き方改革)でも、他産業より休みが少なくなっています。

国土交通省作成‐建設業の年間出勤日数の推移出典:国土交通省「建設業における働き方改革」

この辺は、「施工管理はやめとけ」は信じていいのか|元20代所長が実態を解説で詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

よこてん
私の場合は、基本は週6勤務でした。

直近は働き方改革をきっかけに改善傾向にある

休みが少ない建築業ですが、直近の「働き方改革」をきっかけに、週休2日にする取り組みがあります。

この取り組みによって、4週8閉所以上にできている現場が50%近くになっています。

よこてん
閉所というのは現場自体が動かずに休みになっているということです

建設業月8閉所の推移出典:日本建設業連合会「週休二日実現行動計画 2023年度上半期 フォローアップ報告書」

4年間で8閉所の現場が2倍になっています。

理由⑦慢性的な人手不足

施工管理って常に求人がありますよね

これは人手不足の証拠です

理由は「3K」ということの他にも、こうしたプライベートな時間が取りにくい実態が少なからず要因になっています。

テレワークや在宅勤務が広まりつつある今に、柔軟な働き方ができる職業に魅力を感じる人も多いです

この機会にもう一度自分のキャリアや生活を考えてみてください。

理由⑧現場第一主義

サラリーマンの施工管理の身としては、出来れば仕事とプライベートは切り分けたい。

しかし、それは現場がある限り難しい面もあります

なぜなら施工管理は現場第一主義だからです

例えば、以下のような事象

  • 工程が遅れて引き渡しに間に合わない
  • 台風などで事故が発生する

こういった事象がおきてしまうと会社に多大な影響があるほか、担当の施工管理の責任も厳しく追及されます。

また最も起こってはいけないのが、現場内の事故で第三者や職人、社員が命を落とすことです。

一般の内勤の人は「職場で命を落とす」なんて事を想像したこともないと思いますが、現場は日々命の危険と隣り合わせです。

こういったことを起こさないためにも、プライベートよりも現場を優先して仕事を行う。

この考え方は「致し方ない」面もあります。

ですから、現場に入る以上、プライベートよりも仕事が主体になるのは覚悟する必要があると言う事です。

理由⑨家庭との両立が大変

正直、施工管理で家庭と両立させるのは大変です。

子供がいたらなおさらです。

施工管理はプライベートよりも仕事が優先。

平日はなかなか帰ってこないし、休日も少なめ。

当然、子育てには参加できないですし、子供の行事に行けないこともあります

施工管理の離婚率が高いのは、プライベート度外視で仕事をしなければならない状況が原因でしょう。

こんな理由から、施工管理はプライベートの確保がかなり難しいです。

ではどうしたら施工管理のプライベートの時間が取れるのか、次で説明していきます。

紹介した以外にも施工管理がおかしいと言われてしまう理由があります。
理由については以下で解説しています。

  • 大手求人サイトで全国トップクラスに輝いたアドバイザーが在籍
  • 年収1000万円以上になった方も
  • 年収350万円以上の大幅UP事例もあり
  • 業界特化で「分かっている」提案。企業知識が段違い
  • 休日や夜間でも専属アドバイザーが対応

施工管理のプライベートを確保する方法5選

施工管理のプライベート確保する方法5選

ではこんな厳しい現実の中で、施工管理がプライベートを確保するにはどうすればいいか。

私の経験からご紹介します。

よこてん
繰り返しになりますが、裏ワザはないです。

施工管理のプライベート確保方法

  1. 我慢する
  2. 昇進する
  3. 異動する
  4. 転職する
  5. 仕事を辞める

整理するとこの選択肢になるかなと思います

ひとつずつ説明しますね。

①我慢する

施工管理のこの現状に我慢し続けて、将来プライベートが確保できることをひたすら祈る

今は比較的建設業もITが進んできていて、将来的には色々な業務が自動化されていく事が予想されます。

参考:AIで構造設計、プレカットまで自動化!BIMを超えた「構造エクスプレス」

この例は木造ですが、いずれS造やRC造も工業製品化していくはずです。

そうなれば、施工管理の働き方も今とは全く異なるものになると感じます。

つまり、施工管理もプライベートを持てる日が来る

とはいえ、それが実現するのは何年後でしょうか。

来年や再来年にそうなるとは到底思えません。

コロナの影響で世の中の働き方は大きく変わりましたよね

建設業はどうでしょうか?

コロナでも関係なく現場は動いてます。
よこてん
そう。つまり、働き方を変えられる準備が出来てないってことです。

コロナほど大きな影響でも、建設業の働き方を変えるまでには至らなかった。

とすると、コロナより大きな何かがないと建設業は変わらないということです。

そんなの今後あるの?
よこてん
わかりません。が、過去にはリーマンショック(2008年)も大きな影響がありましたね。

建設業のDX化が進むのと、大きな社会現象が起こる事を考えるとそのあたりが妥当です。

つまり、今後、業務が効率化され働き方が改善されていく未来に賭けている。

ということになります。

参考:施工管理の将来性は?最新の動向・展望を解説|おすすめの施工管理の始め方も

③昇進する

でも昇進すれば内勤増えるし、プライベートも確保できるでしょ!
よこてん
それは会社によるかもです・・・

昇進して、現場担当から外れれば場合によってはプライベートが確保できる会社もあると思います

しかし、逆により責任が重くなり、仕事がキツくなる会社もあるんじゃないでしょうか?

よこてん
今の上司を見てみてください。

その上司がプライベートを確保できてそうなら、希望があります。

何年でそこにたどり着けそうか逆算して、精一杯昇進を目指しましょう。

ただし、昇進したときに今の上司のように働けるとも限らないので、そこは自身のリスク判断ですね。

③異動する

やっぱり我慢も昇進も待ってられない!”今”のプライベートが欲しい。
よこてん
そうですよね。私もそう思います。
かといって、転職は不安だし。
よこてん
社内で異動という手もありますよ。

実は、内勤に異動すれば比較的プライベートは容易に確保ができます

理由は、現場から離れるからです。

施工管理のプライベートがない9つの理由で紹介した内容は全て”現場”が原因

原因から離れれば、当然問題は解決します。

でも年収下がるしキャリア的にもダメなんだよ
よこてん
そうですよね。それで悩む方は多いです。

残念ながら、現場から内勤に移るとやはり年収は下がる企業が多いです

しかし、キャリア的には悪いことばかりではないです。

現場のキャリアを活かせる内勤業務は結構多くて、

  • 施工計画
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 発注積算
  • etc

などは施工管理のキャリアも活かせます。

こういった部署に異動できれば、プライベートも確保して技術者としてのキャリアも積めるので、勇気を出して異動願いを出すのも手です

\ 具体的にはこちら /

④転職する

これは3つの選択肢があります。

施工管理のプライベート確保転職

  1. ホワイト施工管理へ転職する
  2. 発注者へ転職する
  3. 他業界へ転職する

一応、③の”他業界への転職”もありますが、ここでは省きます。

現実的に選択できるのは上の2つですね

施工管理の転職時の悩みで多いのは、

転職してもまた同じ超長時間労働なんじゃないの?

というリスクです。

よこてん
私も施工管理からの転職のときは、本当に慎重に調べました。

私がプライベートを確保する転職活動をどのように行ったかはこちらを参考にしてみてください。

参考子育てを理由に父親になる私は転職した|元施工管理の転職エピソード03

せっかくリスクを取って転職したのに、状況が変わらなかったら意味ないですよね。

であれば、確実にプライベートを確保できる職種に転職活動をするべきです

その選択肢が、

  1. ホワイト施工管理
  2. 発注者

です。

ホワイト施工管理

ホワイト施工管理なんてあるの??

という方は、施工管理でもホワイトなのはこの業種!業界13年のプロが公開を見てみてください。

あります。

求人を確認してみましょう。

ただ、ひとつ注意点があります。

求人票の内容は信じちゃダメ!

求人では「プライベート充実」のような記載をしていても、実情は全く違うこともあります。

「入らないと分からないこと」が多いのが転職のデメリットです

だから施工管理の転職は情報の仕入れ元がすべて。

情報は慎重に収集しないと失敗します

ちなみに、情報収集の仕方は以下。

  • 自分で情報収集:転職口コミサイト
  • 依頼して情報収集:転職エージェント
よこてん
私はこれらを併用して大量に情報収集してました。
転職口コミサイトは退職者の偏った意見が多いので鵜呑みにしすぎず参考程度にした方が良いです。

あなたに合った転職サービスを診断できます。

ぜひ一度お試しください。

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発注者

発注者に転職すれば、施工管理よりずっとプライベートを確保できます

発注者によっては年収アップも十分見込めます。

よこてん
根拠は私の経歴です。
一度発注者の求人年収を見てみるといいですね。

ただ、発注者への転職は自分だけではかなり厳しいです

失敗して後悔しないためには素直に転職エージェントを利用した方が身のため

コツや戦略をレクチャーしてくれます。

⑤仕事を辞める

最後の選択はこれです。

我慢も、異動も、転職も出来ないとなれば、プライベートを確保するには「辞める」しかないです

乱暴な理屈だな!
よこてん
いやいや、真面目に言ってます。

仕事を続ける続けないは、人それぞれの価値観です

仕事に追われる人生を続けるか、一度リセットして別の人生を始めるか。

今の時代、フリーランスでも生活している人は大勢います。

もし休めるのであれば、疲れたら休んでOKなんです

施工管理がプライベートを確保する方法5選|まとめ

ではこの記事のポイントをまとめします。

この記事のポイント

施工管理のプライベートがないのは”現場”が原因

施工管理がプライベートを確保する方法は

  • 10年我慢する
  • 目指すポジションまで昇進する
  • キャリアを活かせる部署に異動する
  • ホワイト施工管理に転職する
  • 発注者に転職する
  • 仕事を辞める

施工管理はビジネスモデル上、現場担当には重い責任と膨大な業務量がのしかかります。

そのため、施工管理をしている以上、プライベートが削られていくのは致し方ないことです

この施工管理のプライベートを確保するためには、状況が変わるのを待つか、自分で変える以外に方法はないです

よこてん
待つのはかなり忍耐力が必要ですね。

とはいえ、異動を希望するのは心理的ハードルが高いですし、転職だとなおさら不安です。

その場合は、友人やキャリアアドバイザーに相談するのもひとつの手です。

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