施工管理の転職ノウハウ

建設業は人手不足で当たり前!6つの理由と根本的な原因|建設業から離れるべきか?

この記事でわかること

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よこ

管理人

  • 建設・不動産業界キャリア12年
  • 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
  • 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか

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「建設業は人手不足で当たり前」

そう言えるほど、建設業界は価値観のアップデートが遅れた業界です。

古い価値観が若者から敬遠されるため、人材の高齢化も進み、その高齢化がまた価値観のアップデートを遅らせるという、悪循環が起こっています。

(※加えて、近年では需要増加に伴い人手不足なのに仕事はある。という状態で激務となり、さらに人が辞めていくという状態もあります。)

この記事では"今後も建設業で働くか悩んでいる人"に知っておいて欲しい、「建設業は人手不足で当たり前」になってしまう根本的な原因を解説しています。

建設業界に不安があったり、転職も考えている方には、有益な内容になるので、是非最後まで読んでみてください。

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  • 建設業界で働いていて忙しい方
  • 建設業の今後に希望が持てない方
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建設業界の人手不足の現状

建設業界は慢性的な人手不足で、今後も人手不足は悪化していく見込みです。

国交省の「建設産業の現状と課題」によると、29歳以下の建設業就業者はわずか10.8%

今後10年でベテラン層の大量離職も見込まれ、人材不足は続いていく見込みです。

建設業就業者の高齢化の進行

高齢者の大量離職

 

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建設業で人手不足が当たり前になっている6つの理由

建設業界の中にいればいるほど、建設業に魅力を感じなくなって、「建設業は人手不足で当たり前」と思えてきますよね。

その理由は、労働者として当たり前にある権利も行使できないからです。

「これじゃ人が来るわけない!」「辞めていくのも当たり前だろ!」と思ってしまう、建設業が人手不足の理由6つを紹介します。

建設業が人手不足で当たり前の理由①有給休暇は取れない

建設業で働く人の多くが、有給休暇をまともに取得できていません

有給休暇は法律(労働基準法)で定められた労働者の権利です。

業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、
一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければな
りません(労働基準法第39条)。

使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、その労働者に不利益な取扱いを
しないようにしなければなりません(労働基準法附則第136条)。

※上記の"不利益な取り扱い"には、「有給休暇の取得を抑制するような行い」も含まれます。

有給休暇を取得して休むことができるのが労働者の権利なのですが、実際には休めないのが現実。

つまり、労働者として当たり前の権利も行使できない状態にあると言うことです。

 

建設業が人手不足で当たり前の理由②休日が少ない

建設業は休みの少ない業種です。

週休2日取れる現場はほとんどなく、週休2日現場は全体の”1割以下"です※国交省「建設産業政策2017+10

建設業全体の平均では4週間あたりの休暇日数は5日となっています。

施工管理の休みの実態

国土交通省「建設産業政策2017+10」

4週5休の場合、年間休日は60日程度で、これは他業界と比較して極端に少ない日数です

本来、労働基準法を元にすると年間休日の最低ラインは105日

しかし、建設業の場合はそれでは仕事が成り立たないため、"36協定"を結んでいます。

36協定とは、労働基準法で定められた時間を超えて社員を働かせる場合に締結する協定書です。(時間外労働の上限は原則として⽉45時間・年360時間)

そして、実は建設業では36協定すらも守れないため、36協定の中に"特別条項"という例外を設けて、休日を極端に少なくして働かせているのです。

 

建設業が人手不足で当たり前の理由③超長時間労働

建設業は残業が非常に多いです。

現役施工管理からアンケートを取った、JCU日建協の『2019年時短アンケートダイジェスト』では以下の結果となっています。

  • 月45時間以上:70%以上
  • 月80時間以上:20%以上
建設業の残業時間の分布

JCU日建協「2019年時短アンケートダイジェスト」

しかし、実際には月100時間以上の残業は普通でしょう。

国交省『建設業における働き方改革』でも、建設業の年間労働時間は全産業より336時間も多いと公表しています。

建設業の年間労働時間

国土交通省『建設業における働き方改革』

ここまで残業が多い原因は、36協定の"特別条項"にあります。

2019年まで、特別条項の内容は、実質的に労働時間を青天井で働かせることができる内容となっていました。

つまり、「建設業の労働者は労働時間について法律で守られていなかった」と言えます。

働き方改革の取り組みで、2019年4月に労働基準法が改正され、建設業では労働時間の上限規則が2024年4月から施行されます。

しかし、それでも一般企業とは大きな差があり、人手不足の解消には寄与しそうにありません。

労働時間上限イメージ(2024年3月まで)

労働時間上限イメージ(2024年3月まで)

労働時間上限イメージ(2024年4月以降)

労働時間上限イメージ(2024年4月以降)

 

建設業が人手不足で当たり前の理由④基本給が壊滅的に低い

建設業の企業の多くは基本給が極端に低いです。

残業代も含めて月給30万だとして、基本給は10万にも満たない企業は多くあります

手当などで総支給額が30万円なら特別不都合はないように思えますが、実は違います。

基本給が低いことで起こる不都合は、2つ。

  • 残業代や休日手当の金額が低くなる
  • 退職金の金額が低くなる

特に2つ目の「退職金の金額が低くなる」は見落としがちですが、インパクトが非常に大きいので注意してください。

退職金は一般的に、「退職時基本給×勤続年数ごのとの係数×退職理由による支給率」で計算されます。(基本給連動型)

自己都合退職の退職金相場によると、大卒+大企業の場合、勤続10年=約200万円、勤続20年=約800万円、勤続30年=約1900万円です。

しかし、当然基本給が低ければ、退職金も少なくなります。

私のいたゼネコンでは、私の退職時(勤続6年)で14万、35年働いて定年した方が約400万円でした。

辞めて気づきましたが、基本給が低いことは悪です。一度ご自身の会社の基本給と退職金の計算方法を確認してみてください。

 

建設業は人手不足で当たり前の理由⑤労災保険の利用を渋られる

建設業にあるあるですが、労災保険の利用を渋られます

理由は、労災保険の保険料が上がったり、労基署の監査が入ったりする可能性があるからです。

「それくらいの怪我は労災なんて認められない」「誰も労災なんて申告していない」と言われたことのある人は多いのではないでしょうか?

もしくは、怪我したと言えない雰囲気なのかも知れません。

職人時代の先輩は丸ノコで指を半分飛ばしても、自分の不注意だった。との事で労災申告していませんでした。

これでは安心して建設業で仕事ができないため、人手不足は改善されませんよね。

 

建設業は人手不足で当たり前の理由⑥パワハラが日常茶飯事

未だにパワハラが当たり前にあるのが建設業です

暴言や長時間の説教、わざと仕事を振って帰れなくする、など。

いまや他の業界では懲戒処分になるようなことでも、現場では日常茶飯事です。

タイムマシンに乗ったのかと思うほど、前時代的な環境が色濃く残っています

 

建設業界と不動産業界の働き方を比較

結論から言うと、建設業は業務量が多すぎて他業界とは別世界です。

建設業界と不動産業で、働き方の一例を比較してみましょう。

施工管理の1日のスケジュール

  • 5:45 起床
  • 7:00 始業・メール処理
  • 8:00~9:00 朝礼、現場巡回
  • 9:00~ 手配・計画書他
  • 10:00~12:00 業者・施主等打合せ
  • 12:00~ 確認連絡他
  • 13:00~ 昼礼、現場巡回
  • 13:30~ 段取り、手配連絡
  • 14:30~ 検査
  • 16:30~ 現場巡回
  • 18:00~22:30 請求書処理、予算計画
  • 22:30 現場作業終了、戸締り
  • 22:30~23:00 休憩・仮眠
  • 23:00~2:00 施工図修正
  • 2:00 就寝

デベロッパーの1日のスケジュール

  • 6:45 起床
  • 9:00〜 始業・メール処理
  • 9:30〜 設計打ち合わせ
  • 11:30〜 議事録まとめ
  • 12:00~ 昼食
  • 13:00~ 担当現場資料確認
  • 15:00~ 現場総合定例
  • 17:00~ 図面・施工計画書チェック
  • 19:00~ 終業

これほどまでに1日のスケジュールは異なります。

人手不足が当たり前の状態がデフォルトで、このような働き方が慣習となっているため、改善を諦めてしまっている人もいます。

業界全体として、働き方の価値観が時代遅れでしょう。

 

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建設業が人手不足になる根本的理由

建設業界が価値観のアップデートも進まず、人手不足もいつまでも解消されないのには、「根本的な原因」があります。

それが「産業の特徴」と「企業の心理」です。

この構造的な問題があるために、「人手不足になるように業界の仕組みができてしまっている」ので、人手不足になって当たり前なのです。

大きな考え方は以下。

  • 建設業は「景気の影響」を受けやすい
  • 「不景気時に赤字」が続くリスクがある
  • 例えば、300人社員がいるのに200人でOKな仕事量になると、100人分赤字になる
  • だから「社員の人数を増やせない」(社員は少なくしておきたい)
  • 結果、1人にかかる負担が大きく、忙しくなる(残業多い・休日少ない)
  • さらに、退職金もボーナスも調整できるように基本給を低く設定される

このようにして、建設業界が人手不足になるような仕組みが出来上がっています。

この「産業の特徴」と「企業の心理」を理解して、政府が改革を推し進めない限り、建設業が人手不足を解消していくのは難しいです。

 

人手不足の3つの解決策

建設業の人手不足の問題は政府も理解はしています。

そこで、政府は建設業の人手不足を解消するために、3つの解決策を進めていますので、紹介します。

①建設業界のデジタル化

建設業界の人材高齢化・人手不足の問題解決のために、国交省は”i-Construction~建設業の生産性の向上~"を掲げて建設業の労働状況の改善に取り組んでいます。

i-Constructionの目的は以下の2つ。

  1. 生産性を高めて効率化することにより、労働時間を減らす
  2. スマートな働き方にすることで若者離れを解決する

取り組み事例は以下のようなものがあります。

施工管理の労働環境改善ー建築技術ー01

施工管理の労働環境改善ー建築技術ー02施工管理の労働環境改善ー建築技術ー03

しかし、建築は全てが一点モノのため工業製品と異なり、生産をIT化していくには技術的に高いハードルがあります

その証拠に、国交省は2025年には2割の生産性向上を目指すとしていますが、i-Constructionは現在ほとんど普及していません。

②重層下請け構造の解消

建設業は重層下請け構造も、建設業界の待遇が悪化する原因となっています

下位の下請企業ほど、対価の減少やしわ寄せが発生するからです。

この問題に対し、政府は実質的に施工に携わらない下請企業の排除など(一括請負禁止の明確化)を進めています。

平成17年以降、下請比率は減少傾向にあり、現在は50%ほどとなっています。

下請比率の推移

平成17年以降、下請比率は減少傾向

重層下請構造の改善に向けた取組について:国交省

 

③外国人労働者の雇用

外国人労働者を技能実習生という形で、人員を確保しようという動きです。

特にオリンピック特需による一時的な需要増への一部対応として、外国人労働者を積極的に受け入れました。

しかし、建設現場では外国人の職人さんを良く見るようになりましたが、平成30年時点で69,604人(建設業界全体の1.3%)と少数です。

また、外国人労働者の受け入れは政府も一時的な対応としていることから、建設業の構造的要因による人手不足の解消にはつながらない可能性が高いです。

外国人建設就労者受け入れ事業について:国交省

 

人手不足の建設業からは離れるべきか?

では結局、人手不足が構造化されてしまっている建設業界からは、すぐに離れるべきでしょうか?

建設業の転職の考え方もご紹介します。

将来キャリアアップしたいと考えている場合は一度考えてみる

将来キャリアアップして今より良い条件で仕事したい。と考えているなら、一度退職は考えてみてもいいです。

それは、すぐに転職するより経験と実績を積んでから転職した方が良い場合もあるからです。

実は、建設業界の経験は不動産業界でも高く売れる

実は建設業の経験は高年収での転職のチャンスも多いです。

なぜなら、建設業経験者は他業界からの需要も高いからです。

例えば、不動産デベロッパー。大手だけでなく新興デベロッパーでも20代の技術職で転職時年収600万円超えは多くあります。

30代の転職となれば、800万円以上の求人も豊富です。

キャリアアップ転職できる合理的なタイミングは?

キャリアアップ転職に必要な経験年数と実績は転職先の業務により異なりますが、おおよその目安は以下です。

  • 建設コンサルタント:6年以上、主任以上
  • 大手不動産デベロッパー:6年以上、主任以上
  • 新興不動産デベロッパー:4年以上、係員で可
  • 不動産Tech:2年以上、係員で可

建設コンサルタント

建設コンサルタントの場合、設計-施工-行政協議といった大規模な建設PJの舵取り役を担います。

総合的な視点が必要になるので、自分の実務はある程度こなせるレベルの経験と実績は必要になります。

大手不動産デベロッパー

不動産デベロッパーの場合は、技術職の仕事はゼネコンや設計事務所に対して、自社基準に合わない部分を指摘する仕事になります。

自分より経験豊富な取引先に対して、技術的な視点での交渉と説明を行うので、ある程度実務を知っている必要があります。

新興不動産デベロッパー

新興の不動産デベロッパーでも、仕事は大手と変わりありません。

しかし、新興デベの場合はスピード感が早いことと、ある程度担当者の判断に任せられる部分が多いため、若手でも仕事はしやすいです。

不動産Tech

また、不動産Techの場合は実務が建設業と全く異なるため、現場の実績は求められません。

建設や不動産のTech化に活かせる知識を持っていれば大丈夫でしょう。

 

転職できる条件が揃っている場合の次のステップ

もし上記の経験年数と実績をクリアしているなら、転職するしないは別にして、一度、転職エージェントから転職求人を紹介してもらうと良いでしょう

なぜなら、予想以上に良い求人を紹介してもらえる可能性が高いからです。

今の生活とは全く違う仕事がすぐ近くにあるかもしれません。

詳しくはこちら>>転職エージェントと転職サイト・スカウトの一番の違いはココ!【比較】結局どれが有利?

よこ
ちなみに筆者は施工管理経験6年で大手不動産デベや建設コンサルを紹介してもらえました。

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建設業界に希望を持てなければ、今すぐ離れてもいい

もし、建設業の将来に希望が持てず、続けるのが限界だと感じるなら、「建設業界から離れていい」と筆者は思います。

なぜなら、あなたが大変な思いをしているのは、業界の人手不足の構造をあなたの時間や労働で補っている状態にあるからです。

つまり、あなたの人生を業界に搾取されていることと同じだからです。

建設業で働くメリットは、会社で働きつつ、経験を積んで転職で年収アップを狙ったり、実績を作って理想とするキャリアを積み上げることにあります。

しかし、精神的に消耗したままでは、業界の歯車となるだけ。

ですから、これ以上、人生を搾取されるのが無理であれば、「すぐ建設業界を離れてもいい」でしょう。

もし、退職を言い出すハードルが高いなら、退職代行業者(男の退職代行がおすすめ)に依頼するのもありです。

退職代行とは、企業への退職の連絡や手続きをすべて代行してくれるサービスです。

男の退職代行は26,800円の料金はかかりますが、会社の人と会うことなく退職することができますから、退職時や今の精神的ストレスを解消する対価と考えると、払う価値は十分あります。

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まとめ|建設業界の人手不足は構造的に当たり前

この記事の内容を要約します。

まとめ

  • 建設業は今後も人手不足
  • 建設業で不満が溜まるのは当たり前
  • 建設業は構造的に人手不足になるように出きている
  • キャリアを考える余裕があるならすぐ離れなくてもいい
  • 限界ならすぐ離れてOK
  • 条件クリアしているなら次は求人を見てみよう

建設業界は構造的に人手不足になるようにできています

キャリアを考える余裕があるなら、必要な分だけ経験を積んでみるのも選択の一つですが、限界を感じているならすぐに転職するのもありでしょう。

 

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