施工管理の転職ノウハウ

建設業界はココがおかしい!初心者が気をつけたい7つのポイント

目次

建設業界って評判悪いですけど、何がおかしいんですか

建設業界は就職・転職の候補ではあるけど、事前におかしいところは調べておきたいので、リアルな状況を教えて下さい。

こんな疑問にお答えします。

この記事でわかること

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よこてん

ライター

  • 建設・不動産業界でキャリア14年
  • 不動産ディベロッパー建築部門主任
  • 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
  • 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか

詳しいプロフィールはこちら>>

建設業界は一般的には「おかしい」と思われる部分がたくさんある業界です。

建設業界に入ろうと考えている人の中には、大丈夫か?と心配している人も多いと思います。

しかし、「終わってる」や「若者離れ」などの、表面的な口コミだけで仕事を選ぶべきではないです

この記事を読めば、

  • "建設業界のおかしいポイント"
  • "建設業界でキャリアを積むメリット"
  • "キャリアを成功させるポイント"

がわかり、建設業界に入るか判断ができるようになります

建設業界に就職・転職を検討している方、建設業界からキャリアアップを目指す方には有益な内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

こんな方におすすめ

  • 建設業界へ就職・転職を考えている
  • 長く働ける、手に職が付く仕事をしたい
  • 建設業界に入る前に、情報収集はしておきたい

施工王は、不動産デベロッパーの中の人(ライター)が同僚や自身の経験を元に建設業界のリアルを発信するブログです。

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建設業界のココがおかしい!初心者が気をつけたい7つのポイント

建設業界のココがおかしい!初心者が気をつけるべき7つのポイント

建設業界に飛び込もうか悩んでいるあなたに、気をつけておくべき建設業界のおかしい部分をピックアップしました。

建設業界のココがおかしい

  1. 業務量が多すぎる
  2. 残業時間が多すぎる
  3. サービス残業が多すぎる
  4. 休日日数が少なすぎる
  5. 大手の一人勝ちすぎる
  6. 命の危険があるのに認識が甘い
  7. 閉じた世界の人間関係

それぞれ解説していきます。

建設業のココがおかしい①業務量が多すぎる

とにかく建設業界は業務量が多いです。

建設業界でもポピュラーな職種は"施工管理"ですが、施工管理の業務は品質・安全・原価・工程と多岐にわたります

業務の例はこちら

  • 工程の計画立案・作成
  • 施工図の作図・チェック修正
  • 現場の品質検査
  • 専門業者とのネゴ・取極め
  • 施主打ち合わせ
  • 現場の安全設備の整備
  • など

これに加えて若手のうちは、雑用や事務仕事、事務所や現場の清掃も加わります。

1日8時間(法定労働時間)では到底さばけない業務量があり、基本的には常にキャパオーバーの状況で仕事をしています

よこてん
常にキャパオーバーって、おかしいですよね。

参考建設業は人手不足で当たり前!6つの理由と根本的な原因|建設業から離れるべきか?

建設業は人手不足で当たり前?3つの根本原因と3つの解決方法

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建設業のココがおかしい②残業時間が多すぎる

業務量が多いため、残業時間は非常に多くなります。

月80h~100hは当たり前。

多いときには月200hも残業が必要になる現場もあります。

データでも外勤(施工管理)の残業は70%以上が月45時間以上20%以上が80時間以上の残業をしている結果になっています。建設業の残業時間の分布

(JCU日建協の2019年時短アンケートダイジェストより)

国土交通省も建設業全体の労働時間の長さは認めていて、建設業の労働時間は他の産業より年間336時間も長いと発表しています。

建設業の年間労働時間

建設産業政策2017+10

年間336時間多いと言うことは、42日間分(1日8h労働)も多く働いているということです。

よこてん
とにかく、他の仕事よりも残業時間は極端に多いです!

建設業のココがおかしい③サービス残業が多すぎる

会社によりますが、建設業界はサービス残業も非常に多い業界です。

100時間以上の残業をした場合は、40時間以上をサービス残業としている人が70%以上。(赤枠)

サービス残業の分布

つまり、過労死ラインと言われる80時間以上は会社として付けられては困るため、つけないよう圧力がかかっているということでしょう。

アンケートでも

  • 会社や上司から仕事の状況を考慮しない時短の指示がある。33.1%
  • 勤務時間の申告に自主規制の圧力がある。27%
  • 仕事が終わらずサービス残業をいている。25%

と、残業を付けられない状況があることを明らかにしています。

建設業の残業に対する会社からの圧力ほか

(JCU日建協2019年時短アンケートダイジェスト

そもそも建設業は残業の上限について労働基準法に規定がなく、企業は従業員を働かせるだけ働かせることができました

※「厚生労働大臣の告示」という強制力のない決まりだけはありましたが「36協定特別条項」で”無効”になるので意味はなし。

それが、「働き方改革関連法」(2019年4月施行)によって法的に残業時間の上限が定められたため、企業は残業削減をサービス残業にさせることで対処している。という状況です。

\ サービス残業の対処法 /

働き方改革でサービス残業は増加する?建設業の残業上限と対策法

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働き方改革でサービス残業は増加|建設業の残業上限と対策法

よこてん
残業削減のためにサービス残業にさせるっておかしいですよね。

建設業のココがおかしい④休日日数が少なすぎる

建設業界は休みが少ないです。

全国の建設現場の4週あたりの平均休暇日数は5日です。

日本どこに行っても土日休みの現場はほとんどないということです。

国交省が公表しているデータでは、週休2日を取れている現場は全体の1割以下"という結果が出ています。

これが当たり前の業界なので、建設業界に入ると土日の休みは取れないと考えて良いでしょう。

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建設業界のココがおかしい⑤大手の一人勝ちすぎる

建設業界は大手と中小で年収の差が激しいです。

ザックリ言うと、

  • 大手ゼネコンの平均年収は1000万円
  • 中小ゼネコンの平均年収は700万円
  • ハウスメーカーの平均年収は500万円

中小ゼネコンやハウスメーカーの施工管理の場合、大手ゼネコンの施工管理の年収より30%〜50%ほど低いです。

参考20代施工管理の年収まとめ|大手と中小でこんなに差がある

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よこてん
やることや働いている時間は変わらないのに、年収にこれだけの差が出るのはおかしいですよね。

建設業界のココがおかしい⑥命の危険があるのに認識が甘い

建設業は少しのミスで命を落とす可能性のある危険が伴う仕事です。

令和2年の建設業での死亡者数は258人で、全産業中トップです。

産業別労働災害数 (1)-min

労働災害発生状況|厚生労働省のデータより筆者が作成

※比較:最も危険なスポーツとされるボクシングでも、日本プロボクシング60年間での死亡者数は42名です。(2012年時点)

建設業では年間に258名もの方が命を落としており、建設業がいかに危険かがわかるかと思います。

命に関わる仕事をしているにも関わらず、世間だけでなく、業界関係者であっても安全に対する認識は甘いことが多いです

よこてん
もし建設業界に入るなら、「危険なことは絶対にやらない・させない」という意識を持って欲しいです。

建設業界のココがおかしい⑦閉じた世界の人間関係

建設業界の人間関係は独特なことが多いです。

その代表が、

  • 権力主義
  • 接待

です。

現場の最高責任者ともなる”所長”は現場の発注権限があることから、大きな権力を持つことになります。

そのため、仕事を取るための接待営業が未だに残っているのは建設業界のおかしいところです。

※近年、コンプライアンス意識の高まりと購買発注の合理化で、会社が現場の業者選定を行う(所長が自由に業者を選定できない)企業も多くあります。

よこてん
いまだに古い体質が残っているのが建設業界

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あなたも経験するかも!?「建設業界はおかしい!」と感じた実体験

建設業界がおかしいと感じた実体験

上記7つのポイントに加えて、あなたも体験するかもしれない私が経験した「建設業界のココがおかしい!」をご紹介します。

  1. 休日の旅行中に現場に戻される
  2. 残業200時間突破・週5日は泊まり
  3. 土曜日の結婚式は非常識だと批判される

おかしい実体験①休日の旅行中に現場に戻される

一人現場の所長をしていた時、閉所中の現場に戻って、現場の状況報告するよう上司から指示がありました

理由は、進路が逸れて影響のなかった台風による状況報告をしろとのこと。

その上司への報告は済んでいたにも関わらず。です。

原因は、私は休暇で旅行でしたので現場の確認を同僚に依頼しておき、同僚からの報告を受けてその内容を上司へ上げていたことです。

「自分の目で確認しろ」というのが上司の主張。

仕方なく、妻を一人旅行先に置いて現場へ向かう以外ありませんでした。

現場第一主義の建設業ではよくある価値観だと思います

おかしい実体験②残業200時間突破・週5日は泊まり

現場業務に加えて社内業務が非常に重い時期があり、月の残業が200時間を超えていました。

ほぼ帰ることができず、妻と会話をするのは日曜のみ

新婚でしたが、ほぼ家庭内別居のような状況で生活をしていました。

おかしい実体験③土曜日の結婚式は非常識だと批判される

土曜日に結婚式を予定したら半端じゃなく批判されました

理由は、「土曜は現場が動くから休むには業務の調整が必要になる。非常識だ。」ということです。

結果、上司を含む複数人に出席を断られました。

確かに上司に仕事の調整を強いるのはよくないとは思いますが、親族の調整もあるので非常識かは別問題です

建設業界に入ると結婚式の日程調整でも悩むかもしれません

建設業界はおかしいけれど、キャリアアップには良い就職先

建設業界は世間一般的にはおかしいところが多いですが、手に職つけてキャリアアップという観点では非常に良い就職先でもあります

その具体的理由は以下です。

建設業界キャリアが良い理由

  • 建設業界は平均年収が高い
  • デベロッパーへのステップアップになる
  • 技術とマネジメントのキャリア形成になる

それぞれ説明していきます。

建設業界がキャリアアップに良い理由①平均年収は高い

建設業界の平均年収は全体と比較して高いです

日本全体の平均年収が436万円に対して、建設業は491万円です。

民間給与の実態調査結果|国税庁

大手のゼネコンであれば平均年収1000万円も超えるため、これからキャリアアップしていきたい方には夢のある業界でもあります。

上場企業の平均年収ランキングは以下

会社名 平均年収 平均年齢
鹿島建設 1133万円 44.2歳
大林組 1057万円 42.6歳
大成建設 1009万円 43.0歳
清水建設 1006万円 42.9歳
奥村組 951万円 42.8歳
東急建設 944万円 45.6歳
長谷工コーポレーション 939万円 41.6歳
前田建設工業 927万円 43.1歳
よこてん
大手ゼネコンに勤める私の友人も、20代前半で600万円、20代後半で900万円以上の年収でした。

建設業界がキャリアアップに良い理由②デベロッパーへのステップアップになる

不動産デベロッパーは更に年収も高く、就業環境もホワイトです

建設業界はその不動産デベロッパーに転職するためのステップアップにもなります。

新卒では入社の難しい不動産デベロッパーですが、建設業界(ゼネコン・サブコン)からの転職者は非常に多いです。

デベロッパーへのキャリアステップとしては建設業界はおすすめです。

\ デベロッパーへの転職方法! /

参考【完全ガイド】デベロッパーに転職するには?|求人が見つからないときの対処法|技術転職者9人の答え

建設業界がキャリアアップに良い理由③技術とマネジメントのキャリア形成になる

建設業界は他業界よりも早くマネジメント業務に携われます。

このメリットは以下。

  • ビジネスマンとしての基礎体力になる
  • マネジメント経験は転職市場で評価される
  • 他業界の同年代よりも格段に成長が早くなる

マネジメント業務とは、”組織を効率的に動かすために行う、人材・コストの管理”を指します。

例えば、経験5年で請負金額3000万円の工事の現場代理人になったり、請負金額2億5千万円の現場の所長になったりするのが建設業界です。

そこで行う業務は、

  • 100人以上の仕事の指示・確認
  • 数千万円の発注・予算管理
  • 取引先企業の社長とのネゴ交渉
  • など

他の業界ではまず上がれないビジネスのステージに上がることできるのが、建設業界です

また、建設業界は東京オリンピックが終わった2021年以降も好況を維持すると見られています。

好況な業界で働くことは【図解まとめ】5分で学ぶ『転職の思考法』|年収4倍にした著者が実践する手順を解説でも解説した通り、キャリア形成に大きなメリットをもたらすため、将来的にもおすすめです。

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建設業界でキャリアを成功させる3つのポイント

建設業界のおかしい部分を知った上で、それでも建設業界に入ってキャリアを積もうと考えているなら、以下の3つのポイントを実践してください。

成功の3つのポイント

  1. 専門業者から技術を学ぶこと
  2. マネジメントを意識して業務にあたること
  3. キャリアを積む目的をメモしておくこと

それぞれ解説します。

①専門業者から技術を学ぶこと

誰が何と言おうと「餅は餅屋」です。

専門業者はその道のプロですから、参考書などで読むより専門業者からヒアリング等を重ねて学んでいくのが技術力向上には一番です

キャリアを積んで上流の仕事に転職していくと、現場から距離が離れて現場で学べる機会が大幅に減っていきます。

専門業者と現場で協議を重ねることが、後のキャリアの基礎になりますから、しっかり専門業者から技術を学んでいきましょう。

②マネジメントを意識して業務にあたること

建設業界のメリットはマネジメントを早くから経験できることです

このメリット活かさないと建設業界に入ってキャリアを積む意味は半減してしまいます。

マネジメント業務は建設業においては特別な業務ではありません。

例えば施工管理の係員が行う職人さんへの指示や仕事の追い回しも、他の企業では課長クラスが行うマネジメント業務です。

どう指示すれば効率的に仕事が回るか、どう手配すればコストを掛けずに仕事が回るか

これがマネジメントの基本なので、「自分はマネジメントをしている」という意識を持って業務にあたってください。

③キャリアを積む目的をメモしておくこと

建設業界でキャリアを積む目的を何かにメモして、定期的に見返すようにしましょう

「手帳に書いておく」や「スマホのメモに入れておく」でもOKです。

建設業界にいると、忙しさや理不尽さでたびたび心が折れそうになります。

「なんでこんな仕事しているんだ…」と思うときもあるはずです。

そんな時でも目的を見失わないで前に進むために、建設業界に入る目的や将来の目標を何かにメモしておきましょう

建設業界へ転職するには専門の転職エージェントがおすすめ

建設業界へ転職する場合は、自分で求人に応募せず、建設業界特化型の転職エージェントを利用してください

理由は、自分で求人票から転職すると失敗することが多いからです。

その原因は、企業が出している求人票は5割増くらいで良いことばかりを書いているから。

入ってみたら、「話と全然違う。」なんてこともザラです。

建設業界特化型の転職エージェントであれば、企業の内情も教えてくれるので、失敗する可能性を大幅に減らしてくれます。

これから建設業界でキャリアを積みたい人におすすめなのは、セコカンNEXTマイナビエージェントです。

ぜひ利用してみてください。

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まとめ:建設業界のココがおかしい!

この記事の内容を要約します。

この記事の要約

  • 建設業界のおかしいポイントは7つ
  • 建設業界には国も認めているおかしいポイントがある
  • 建設業界はおかしいけれどキャリアアップには適している
  • 建設業界のキャリア成功のポイントは3つ

建設業界は実際にキツいですし、おかしい部分もありますが、建設業界でキャリアを積むメリットもあります。

この記事で紹介したおかしい部分を許容できるのであれば、建設業界にチャレンジしてみてもいいと思います。

表面的な評判ではなく、メリット・デメリットを知った上で仕事を選んでいってください

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